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世界展望目ざめよ! 1985 | 7月8日
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が乳ガンにかかるものと見られる。最近まで患者のほぼ9割に対して,乳房を完全に除去し,時にはその下の筋肉を除去する乳房切除術を採用していたが,「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌に掲載された情報によると,カナダとアメリカで乳ガンの女性を5年間にわたって研究した結果,悪性の腫れものの部分と周囲の組織を少量除去する腫瘍摘出術を採用し,その後に放射線療法を行なえば,予後は前者の方法と同程度か,ややそれを上回るようであることが分かった。その研究の対象となった患者の腫瘍の大きさは,直径が4㌢以下であった。
同誌の編集者であるアーノルド・レルマン博士は,論争の的になっているこの研究について論評し,「この方法があらゆる問題の答えとなり,すべての問題を一度限り解決すると期待した人は落胆するだろう。……私は楽観視しているが,最終的な答えはまだ得られていない」と述べた。
多数の不適応者
第三世界では12歳から17歳までの若者約2億人が正式な教育を受けずに成長している,とニューデリーのヒンズスタン・タイムズ紙の一論説は伝えている。その結果多数の不適応者が出るのではないかと懸念されている。この問題に関する国際労働機関(ILO)の一調査は,「これらの十代の若者はいっさい学校教育を受けていない者たちか,最低の教育水準を終える前に学校からこぼれ落ちてしまって事実上文盲となった者たちである」と述べている。「ますます深刻化するこの問題に戦時体制を敷いて取り組む意識的な努力が払われているようには思えない」とその社説は述べ,「[インドの]独立から38年もたっているのに,人口の6割以上が[今なお]文盲なのである」と付け加えている。
学校での“恐怖の均衡”
1983年の新学期から翌年の新学期までの1年間に,ニューヨーク市の学校の生徒から3,192丁の武器が押収され,今年の最初の4か月間では,ピストル,ライフル,ナイフを含む1,000丁以上の武器が押収された。幾つかの高校の生徒たちは,仲間の生徒の40ないし70%がある種の武器を主に護身用として携帯しているものと推定した。「学校当局は,親から武器をもらったという若者の数が増えていることに頭を悩ませていると述べた」と,ニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。これほど多くの生徒が武器を携帯するのはなぜだろうか。アンドルー・ジャクソン高校の校長,エバリン・リッチ博士は,「社会で生じている事はことごとく学校でも感じられ,行なわれている。我々が住む社会は,身体的また感情的な安心感が脅かされ,弱まっている社会である」と述べている。学校安全局の局長であるブルース・イルシャルミはそれを学校における“恐怖の均衡”と呼び,「『ソ連がこのミサイルを保有したからこちらもこのミサイルを保有しよう』と言うようなものだ」と付け加えている。
難民の増加
米国難民委員会の世界難民調査によれば,保護と援助を必要とする難民の数は増えており,1983年には780万人だったのが1984年には910万人に達した。それに,難民の状況も悪化している。昨年は「公海における残虐な奪略行為,難民キャンプに対する武力攻撃,国境において強制的に退去させたり拒絶したりする行為,不合理な拘留,難民に対して外人アレルギー[外国人を恐れ憎むこと]を示すこと」などが見られた,と国連難民救済高等弁務官は語った。
東京で自転車の洪水
東京での交通の問題は,車ではなく自転車である。アトランタ・ジャーナル・アンド・コンスティテューション誌によれば,日本には「乗用車の数の2倍以上の5,500万台の自転車」があり,その数は「幼児と老人を含む,日本人二人につき[約]1台」に相当する。東京だけでも自転車が560万台以上あり,ありとあらゆる場所にとめてある。「六重ないしそれ以上に並べられる」こともあって,交通の妨げとなっている。そのため,大小の別を問わず商店に大きな負担がかかっている。地元の銀行員は,「道が完全に通れなくなっているので,車で来るお客さんが全くいなくなってしまった」と述べている。不法にとめてある自転車について最近調査が行なわれ,2万8,000台が警視庁によって撤去された。それでも自転車を見直して使おうとする傾向は衰えを見せない。
火葬が好まれる
「生ける者のために土地を節約せよ」。これは,英国で1885年3月26日に,公式には初めて行なわれた火葬の標語である。その時以来,約1,100万回の火葬が行なわれてきた。67%という英国の火葬率は,世界でも最も高い部類に属する,とAP通信は伝えている。1940年に英国で火葬にされた人はわずか3.8%だったので,これは非常な増加を意味する。その理由は何だろうか。火葬協会秘書のロジャー・アーバーは「土地は非常に貴重である」と述べている。それに対し,アメリカ人で火葬にされた人は約13%にすぎず,ニュージーランド人は52%,スウェーデン人は55%,デンマーク人は60%である,と同秘書は述べた。
偽の薬
多くの国で偽の薬が作られている,と英国ロンドンのオブザーバー紙は伝えている。空のカプセルを手に入れては,「“あまり効き目のない”薬,あるいはアスピリンとデンプンといった全くでたらめな調合薬さえそこに入れる」。それから,薬の箱に国際的な製薬会社の偽造ラベルを張り付ける。「アフリカは外国為替がひどく不足しているので,偽造する側からは格好なえじきと見られている」とオブザーバー紙は述べている。
はなはだしく返却が遅れる
「英国で最も返却が遅れた図書館の本が300年以上たって戻されたが,その期間に相当する罰金は3,000ポンド(約93万6,000円)余りに上る」と英国のロンドン・タイムズ紙は述べている。この本は1641年から1648年の間のいつかウィンチェスター州の主教が借りたもので,その死後も仕事場に残されていた。サマーセット郡記録局の一局員は,「それが17世紀の半ばに紛失したことは知っていたが,どこにあるかは全然分からなかった」と説明している。
うどんこ病を避ける
湿気の多い熱帯地方の国々で災いとなっているのはうどんこ病である。ほど良い気候の地域でも,湿気があって暑く,光があたらなくて換気の悪いところではこの菌が衣服や家具に付くことがある。ペアレンツ誌は,うどんこ病の菌の付いた着物や,もし実際的であれば家具も戸外に出してブラシをかけることを提案している。こうすれば胞子が家中に広がるのを防げるだけでなく,日光によって胞子が死滅することにもなる。その記事は続けて,「ブラシをかけても落ちない染みに関しては,変性アルコールと水を半々に混ぜたものか,レモンの汁に塩を混ぜたものを使うよう」述べている。
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カセット・テープ23巻に収められた「新約聖書」目ざめよ! 1985 | 7月8日
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カセット・テープ23巻に収められた「新約聖書」
クリスチャン・ギリシャ語聖書全巻を収めたカセット・テープができました。家事をしながら聖書の朗読をお聞きください。お子さんにこのテープをかけてあげてください。通勤の時や旅行中に車の中で聞くこともできます。病気で寝たきりの方も神の言葉の朗読に耳を傾けることができます。王国のカセットを入れておく,きれいな茶色のビニール製アルバムも用意されています。ギリシャ語聖書全巻のカセット・テープ(23巻)の入ったアルバムは1万円のご寄付でお求めになれます。送金には現金書留をご利用ください。
1万円を同封します。ギリシャ語聖書全巻のカセット・テープ(23巻)の入った,茶色のビニール製アルバムを郵送料発行者負担で送ってください。(他の国における寄付額については,その国のものみの塔協会の事務所にお尋ねください。)
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