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1914年 ― 単なる歴史上の年代ですか,それともあなたに影響を及ぼす年ですかものみの塔 1984 | 10月1日
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は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がるでしょう。……地上では諸国民の間にろうばいと,波立つ海のとどろきによる困惑とがあるでしょう。人々は世界を脅かしている事柄に気づくと,その勇気は完全に絶えてしまうでしょう。天のもろもろの力そのものが揺り動かされるからです」― ルカ 21:10,25,26,フィリップス訳。
イエスのこの言葉は,「この世の終わり」をしるしづける複合のしるしの一部です。本誌が幾度も示してきたとおり,1914年以来この預言は大きな規模で成就しつつあります。しかし,イエスは1914年の世代について非常に意義深い事柄を付け加えられました。それは何ですか。イエスはこう言われました。「これらの事が起きているのを見たなら,神の王国の近いことを知りなさい。あなた方に真実に言いますが,すべての事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」。―マタイ 24:3,フィリップス訳。ルカ 21:29-32。
この言葉は,速やかに姿を消しつつある1914年の世代にどのように当てはまるのでしょうか。どんな出来事が待ち望まれていますか。それらの出来事はあなたにどのような影響を及ぼすでしょうか。
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1914年 ― 過ぎ去ることのない世代ものみの塔 1984 | 10月1日
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1914年 ― 過ぎ去ることのない世代
「これらのすべての事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」とイエスは言われました。(マタイ 24:34)では,この「世代」という語は何を意味しているのでしょうか。
歴史学の教授ロバート・ウォールは,自著「1914年の世代」の中で,次のように述べて独特の定義をしています。「歴史で言う世代とは,関係する年代上の範囲や境界によって定められるものではない。それは始めと終わりの日付を明示できるような期間ではない。……むしろ磁界のようなもので,中心には一つ,あるいは一連の経験が存在している。……世代意識の形成に欠かせないのは,過去との断絶感を付与するある共通した視点である。……この視点は例外なく,戦争・革命・疫病・飢きん・経済危機など歴史上の大事件によって育まれる」。
この観点からすれば,1914年から1918年の第一次世界大戦とその余波は,一つの世代をしるしづける「視点」を確かに形成しました。ウォール教授はこう注解しています。第一次世界大戦が生み出したのは,「過去との歴然とした断絶感であった。この大戦を生き延びた人々は,1914年8月に一つの世界が終わり,別の世界が始まったという考えを決してぬぐい去ることができなかった」。
イエスは「世代」という語を幾度も用いましたが,その時の背景は各々異なっており,その意味もさまざまでした。では,『過ぎ去ることのない世代』について語られたとき,イエスは何を意味しておられたのでしょうか。「世代」とは30年,40年,70年あるいは120年の期間をさえ意味すると解釈してきた人々もいます。しかし,一つの世代というのは実際のところ,定まった年数にではなく,人々や出来事と関連しています。
聖書の中で「世代」と訳出されているギリシャ語の言葉は次のように定義されています。「同じ時に生まれた人々……これと関連しているのは,同時代人の一団,時代という意味合いである」。(「新約聖書神学新国際辞典」)「同じ時に生まれた人々の総体,敷衍すれば,定められた時期の世代に生きていた人々すべて,すなわち同時代人すべてを含む」。(「新約聖書希英辞典」,ウォルター・バウワーの第5版,1958年より)これらの定義からすると,ある歴史的な事件の起きたころに生まれた人々とその時に生きていた人々すべての双方が含まれることになります。
イエスが「世代」という語をそのような意味で使ったとし,それを1914年に適用すると,その世代の赤ちゃんは今や70歳かそれ以上になっています。そして,1914年に生きていたほかの人たちは,80代か90代になっており,少数ながら100歳に達している人さえいます。その世代に属する人々がまだ幾百万人も生きています。その中のある人たちは,「すべての事が起こるまで……決して過ぎ去りません」。―ルカ 21:32。
1914年以来,わたしたちは既に二つの世界大戦と他の多くの大きな紛争,さらには飢きん・地震・疫病などを経てきました。(ルカ 21:10,11)しかしイエスは,「これらのすべての事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」と言われました。(マタイ 24:34)そこで次のような質問が生じるかもしれません。1914年の世代は,ほかにどんな大きな出来事を今後目撃することになっていますか。そして,その世代に残されている期間内に,そうした事柄が実際に生じ得るでしょうか。
次にどんな事が起きるか
特に1919年以来,エホバの証人は世界的な反対にもかかわらず,イエスの次の預言を驚くべき規模で成就してきました。「王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」。(マタイ 24:14)確かに,これは終わりが来る前に,エホバがよしとみなされる程度まで成し遂げられなければならない業です。
1914年の世代に残されている期間に,ほかにどんな出来事が起きなければなりませんか。聖書は,幾つかの大きな出来事が生じ,それがハルマゲドン,つまり「全能者なる神の大いなる日の戦争」
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