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神の主権の下に置かれる一つの世界のための一つの政府ものみの塔 1976 | 1月1日
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地上の諸国家を相手取って行なわれる来たるべき戦いについて説明していますが,同章は神のみ子イエス・キリストのことを「鉄の杖で彼らを牧する」方と述べ,『彼は全能者なる神の憤りの怒りの酒ぶねも踏む』と付け加えています。(啓示 19:15; 16:14,16)国家主権を主張する諸国家がこのようにして打ち砕かれる様子は,ダニエルの預言の第二章でも鮮やかに描かれています。
18 ネブカデネザルの夢に関するダニエルの解き明かしは,幾つかの世界強国を呼び物としてきた事物の体制の非業の最後をどのように表わしていますか。この体制の終わりが近いことはどうして分かりますか。
18 その章の中では,天の神がバビロニア世界強国の帝王ネブカデネザルに送った預言的な夢を,ダニエルが解き明かしています。それは同帝王がエルサレムの都とダビデの息子ソロモン王の建立した神殿を滅ぼした後の二年目のことでした。バビロニア人を皮切りに,メディア-ペルシャ人,ギリシャ人,ローマ人そして英米人に至るまでの一連の世界強国の推移が,鉄と粘土でできた足を持つ,幾種類かの物質でできた,異常なまでに光輝く巨大な像として描写されました。次いで,人手を借りずに遠い山から切り出された一つの石が,その像の足を打ち,ついには倒れたその像全体を粉々につぶし,そしてその粉は強い風で吹き払われました。その象徴的な像を粉々に砕くということは,ほかでもない,人間の頭悩の指図のもとで人手によって生み出されるのではない,ある超自然的な機関によってもたらされる,事物の体制の終わりを表わしていました。イエス・キリストが「事物の体制の終結」に関して述べた預言の成就は,同体制が打ち砕かれることが間近であることを示しています!―マタイ 24:3-22。
19 ダニエル書 2章44節によれば,国際連合の味方をする諸国家はどうなりますか。しかし,神のメシアの王国の主権についてはどうですか。
19 今日,世の支配者たちは,キリスト教の教えに反する組織である国際連合の味方をすることによって,主権の問題に関する自分たちの立場を明らかにしています。ゆえに,共産主義者であろうとなかろうと,それら政治支配者について言えば,預言者ダニエルが次のように解き明かした言葉が当てはまります。「それらの王たちの世に,[人間の手ではなく]天の神は一つの〔王国〕を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく,その主権は他の民にわたされず,かえってこれらのもろもろの〔王国〕を打ち破って滅ぼすでしょう。そして〔それ〕は立って永遠に至るのです」― ダニエル 2:1-44,口,〔改訂標準訳〕。
20,21 (イ)だれがその天の王国をメシアと共にしますか。(ロ)ダニエル書 7章26,27節は,地に対する主権がどんな民に与えられたことを示していますか。
20 これこそエホバのクリスチャン証人が,1914年における異邦人の時の終わりにそれが天で誕生して以来世界中でふれ告げてきた,天のメシアの王国なのです。(ルカ 21:24。マタイ 24:14)メシアのように神の霊によって油そそがれ,メシアの足跡に従う追随者たちは,その天の王国をメシアと共にすることになっています。このことはダニエル自身に送られた夢の中で預言的な言葉で述べられています。その預言的な夢の中では,バビロニア人を初めとしてそれ以降の一連の異邦人の世界強国は,四頭の野獣で表わされました。宇宙の最高法廷がかの第四の象徴的な獣に対して行なった神からの裁きに関し,ダニエル書 7章26,27節(口)はこう説明しています。
21 「しかし審判が行なわれ,彼の主権は奪われて,永遠に滅び絶やされ,〔王権〕と主権と全天下の〔王国〕の権威とは,いと高き者の聖徒たる民に与えられる。彼らの〔王権〕は永遠の〔権〕であって,〔主権国はすべて〕彼らに仕え,かつ従う」。―〔新英〕; 現代語聖書。
その下に置かれる「一つの世界」
22 「一つの政府」が人類を治めるようにするため,人類の世界に対する主権はだれに与えられますか。
22 この預言は今やまさにその成就を見ようとしています。現代の地上の国家主義的な主権国はすべて間もなく,天の神のみ子の手中にあるメシアの王国の前にひざまずかねばなりません。(ダニエル 7:1-12)そのようにして,全人類のためのただ「一つの政府」のために席を譲ることになります。ダニエル書 7章14節(口)が述べるとおりです。「彼[メシアなる人の子]に主権と光栄と〔王権〕とを賜い,諸民,諸族,諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって,なくなることがなく,その国は滅びることがない」。―エルサレム聖書。
23 (イ)その預言の成就は,人類のこの世代にとって何を意味しますか。(ロ)どんな恵まれた機会がわたしたちに差し伸べられていますか。
23 この預言の成就は,人類のこの世代にとって何を意味していますか。それはすなわち,現代の国家主義的な主権国家およびその愛国主義的な支持者は足早に迫っている,この世界の最大の苦難のさいに滅ぼされますが,エホバの宇宙主権を支持する人たちは奇跡的に保護され,その「大患難」を生きて通過するということです。(マタイ 24:21,22。マルコ 13:19,20。啓示 7:14,15)わたしたちは「事物の体制の終結」の際に生き残る恵まれた人びとの中に入るでしょうか。書き記された神のみ言葉は,そのような人びとのひとりになる機会をわたしたちに差し伸べています。今わたしたちに要求されているのは,神の主権とそのメシアの王国を支持する側にしっかりと立ち,わたしたちを引き離そうとしてこれから払われるあらゆる政治的・宗教的・社会的努力にもめげず,神の主権とメシアの王国を固守することです。
24 エホバの主権を固守するがゆえにわたしたちに降り懸かる苦しみは,今後どれほどの期間続きますか。
24 その結果,わたしたちを迫害する者たちの存続が許されているかぎり,その間わたしたちはある程度苦しむ場合もあるでしょう。そのような苦難に遭遇する際には,死に至るまでも苦しんだ,主エホバ神の初期の証人たちが次のように叫んだ言葉を思い起こすことができます。「聖なる,まことなる〔至高の〕主よ。いつまであなたは,さばくことをなさらず,また地に住む者に対して,わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。すると,それら証人たちは,ほんの「もうしばらくの間」待った後にそのようなことが必ず起きると言われました。―啓示 6:10,11,口;〔新英〕; モファット; 改標; 新。
25 大いなる蛇であるサタンはいつ,またどのようにしてキリストの弟子たちの足の下に「まもなく」打ち砕かれますか。
25 これからほんの「もうしばらくの間」待ちさえすれば,国際連合の内外で代表される国家主義的な主権国すべてに対してエホバが決定的な勝利を収めることにより,エホバの宇宙主権を忠実に支持する人たちの立場の正しさが立証されるでしょう。その後ただちに,エホバの宇宙主権に逆らった最初の反逆者つまり悪魔サタンとその使いたちである悪霊はすべて,当然の処置を受けます。彼らは鎖で縛られ,この地との連絡を絶たれた,底知れぬ深みに隔離されて,その分を受けます。(啓示 20:1-3)そうすることによって,大いなる蛇は,いわば頭を砕かれます。神はご自分の「女」の忠節な「胤」を用い,こうして大いなる蛇とその胤である悪霊を,キリストの忠実な共同相続者の足の下に打ち砕かれるのです。―ローマ 16:20。
26 神の「新秩序」は,「一つの政府」の下に置かれる「一つの世界」をもって始まりますが,それはどうしてでしょうか。
26 こうした重大な出来事を生き残るのは,勝利を収める,エホバのみ子イエス・キリストの治める唯一のメシアの王国をあくまでも支持する人たちだけです。したがって,神の義の事物の新秩序が始まるその時には,「患難」を生き残った人たちがどんな部族・民族・人種・国家・言語に属するかにはかかわりなく,地上の「一つの世界」は「一つの政府」の下に置かれます。それらの人びとはすべて,清められた地上で一つの人類社会を構成し,彼らは皆,生ける唯一真の神エホバを崇拝し,また彼らは皆,神のみ子イエス・キリストに服従します。そして,そのイエス・キリストの肩には君としての統治権が置かれるのです。それは一致をもたらす何という力でしょう。
27 その事態は,人類の間にどんな状態をもたらす力となりますか。人類は一つのどんな主権の下に置かれますか。
27 また,それは世界的な平和をもたらす何と優れた力となるのでしょう。諸宗教間の戦争はもはやありません! 領土の境界線にかかわる紛争ももはやありません! 人種間の戦争や国際戦争ももはやありません! 政治的対抗や抗争ももはやありません! 聖書の預言はこう述べます。『エホバ全地の王となりたまはん その日にはたゞエホバのみたゞその御名のみにならん』。(ゼカリヤ 14:9)同時に,エホバの下に置かれる「一つの政府」,つまり即位したみ子イエス・キリストの治めるメシアの王国は,エホバの宇宙主権の表現となります。―イザヤ 9:6,7。
28 その時,全人類はどんな良いわざを協力して行ないますか。それは死んでゆくある悪行者に対して語られたイエスのどんな約束を成就するものとなりますか。
28 そして,生ける人類はすべて,主権者なる主エホバ神に「肩を並べて」仕えるでしょう。(ゼパニヤ 3:8,9,新)「一つの世界」としての新しい人類社会の成員は,一緒に協力して良いわざを行ないます。彼らは協力し,この地球の台なしにされた表面を,創造者が最初に意図した状態に一変させるでしょう。エデンの園,つまり喜びのパラダイスの状態に一変させるのです。(創世 1:27,28; 2:7-15)その時,かつてイエス・キリストと並んで苦しみの杭の上で死んだ,同情心のある悪行者が次のように述べた願いがかなえられるでしょう。「イエスよ,あなたがご自分の王国にはいられる時,わたしのことを思い出してください」。そうです,その時,統治するこの王は,「きょうあなたに真実に言いますが,あなたはわたしとともにパラダイスにいるでしょう」と語った約束を,その悪行者に対して果たされるでしょう。―ルカ 23:42,43,新; ロザハム。
29 (イ)人類はどのようにしてキリストの永遠の子らとなりますか。(ロ)彼は神の主権に服従する点での模範として,人類をどのように導きますか。
29 優しい気質を持ったあの犯罪者のみならず,イエス・キリストがそのために完全な人間の犠牲として死なれた,死んだ人類の残りの者すべても関係しています。それらの人たちもまた,イエスの声を聞いて,死人の中から復活して出て来るのです。(マタイ 20:28。ヨハネ 5:28,29。テモテ第一 2:5,6。使徒 24:15)服従する人たちはすべて,その「一つの世界」の一員となります。人びとはすべて,兄弟姉妹となります。人びとはただ一人の永遠の父イエス・キリストの贖われた養子となるからです。キリストは彼らのためにご自分の人間としての命を犠牲にされたのです。(イザヤ 9:6,7。ヘブライ 2:9)人びとはイエス・キリストに対する従順によって,その永遠の子たちとなります。彼は自ら,ご自分の天の父なるエホバ神の宇宙主権に服従する道を歩むよう人びとを導きます。そして,従順な人類を地上のパラダイスで人間としての完全性にまで向上させるわざを成し遂げた後,キリストは王国を神に引き渡すことによって,ご自分も神の主権に服従しておられることを示されます。どうしてですか。「神がだれに対してもすべてのものとなるようにする」ためです。―コリント第一 15:24-28。
30 国家主権によって引き起こされた悲惨な分裂のゆえに幻滅を感じている人たちに対しては,どんな奨励の言葉がありますか。
30 これらの驚くべき事柄はすべてそうなるのですから,世界の悲惨な分裂のゆえに,つまり神の主権から独立した,相争う国家主権のゆえに失望させられ,幻滅を感じさせられている方々は皆,勇気を出してください! 今こそ,「神の主権の下に置かれる,一つの世界,一つの政府」という輝かしい希望をしっかりと捉えてください! これから,そしてそれが祝福された成就を見る時まで,その希望の実現を待ち望んで生活してください。
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「王国ニュース」は王国の業の拡大に貢献するものみの塔 1976 | 1月1日
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「王国ニュース」は王国の業の拡大に貢献する
● アルゼンチンは今大規模な拡大を享受しています。1974年の2月に「王国ニュース」の配布が始まって以来,大勢の人々がエホバの証人に加わって,それらの冊子を配布しました。冊子を受け取った,ある高齢の婦人は,「真の平和と安全 ― どこから得られるか」と題する本をものみの塔協会に求めました。その本は同婦人の住所にあてて送られ,関心のあるその婦人のことが会衆に知らされました。その人はエホバの証人がいち早く示した配慮のほどにすっかり感心し,最初の訪問に際して組織的な聖書研究が取決められ,80歳になるこの婦人はたいへんよく進歩しています。―「エホバの証人の1975年の年鑑」より
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