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聖書はやはり必読書
「教養のある人すべてが読むべき本を5冊挙げるとすれば,どの本を挙げるか」。これは,著名な教育者,作家,教授,および歴史家などから成る回答者の一団に,タイム誌が最近提起した質問です。同誌はその後,提案された書名を公にしました。
案の定,何を必読書とするかについて意見の一致はほとんど見られませんでした。50冊を超える推薦書のうち,二度以上はっきりと名前の挙げられていた本は3冊しかありませんでした。一つの例外は聖書でした。他の本にもましてはるかに多く,聖書はこれら専門家たちの圧倒的多数により推薦されました。
いつの時代も,聖書に関する知識は釣り合いの取れた教育に欠かせないものとみなされてきましたが,タイム誌の調査が示す通り,今日でもそれは変わっていません。聖書は今や時代遅れだと考える人もいますが,そうした考え方は人生に対する視野が狭いことをあらわにするにすぎません。「教養のある人は形而上学の何らかの概念を持っていなければならない。すなわち,世に存在するものは何なるか,またその限界は何かということである」と,インタビューを受けたハーバード大学の一教授は語りました。
聖書は,詩編作者の述べるように「経験のない者を賢くする」力があるという理由からだけでなく,人々がどの時代にも探し求めてきたもの,すなわち真理を差し伸べる唯一の本であるゆえに無窮のものです。「あなたのみ言葉は真理です」とイエス・キリストは天のみ父エホバ神への祈りの中で語りました。神のみ言葉聖書の中に含まれている真理の知識がとこしえの命をもたらすのです。―詩編 19:7。ヨハネ 17:3,17。
弱体化する諸政府
「私の生涯で,世界がこれほど動揺しているのを見たことは一度もない」と,70年間アメリカの政界で活動している95歳のアルフ・ランドンは語っています。そして,「今日本当に安定した政府のある国は世界に一つもない」と付け加えています。
政治顧問で,前大統領補佐官のホーレス・バスビーも同様の点を,「公務評論」誌の最近号に次のように書いています。「1960年代以来,東西両陣営のどの政府もうまく機能しなくなった。……[諸政府]は被支配者の間に総意に基づく支持を確立することも,あるいはそれを維持することもできなくなっている」。あるいは,ワシントン・ポスト紙のコラムニスト,ハインズ・ジョンソンの言葉を借りれば,「諸政府を見ていると,物事が制御できなくなっているという考えが強まる」ということになります。
諸政府の機能が弱くなっているのはなぜでしょうか。「地の人の道はその人に属していない」と預言者エレミヤは語りました。そして,「自分の歩みを導くことさえ,歩んでいるその人に属しているのではありません」と述べています。(エレミヤ 10:23)「世界がこれほど動揺している」のは,人間に自分を治める能力がないことの惨めな結果です。「人が人を支配してこれに害を及ぼした」と聖書の伝道の書 8章9節は述べています。
政府が弱体化する中にあって,正直な心の持ち主はどこに希望を求めることができるでしょうか。「今おられ,かつておられた方,全能者なるエホバ神,わたしたちはあなたに感謝します。あなたはご自分の大いなる力を執り,王として支配を始められたからです」。そうです,神の王国が到来して人類を救出するのです。「それはこれらのすべての王国を打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めのない時に至るまで続きます」。―啓示 11:17。ダニエル 2:44。
脳ははるかに優れている
37年の発達を経て,コンピューターは科学,ビジネスそして工業に革命を引き起こしました。今では“人工知能”(AI)へと向かうすう勢にあります。フォーチュン誌に連載された「考える機械」と題する記事の中でトム・アレクサンダーの語ったところによると,研究者たちは“超大規模集積回路”(超LSI)と呼ばれ,幾十万あるいは幾百万ものトランジスターを載せたコンピューター・チップが「生物学的な神経細胞<ノイロン>そのものの大きさに近付くようになる」ときを待ち望んでいる。
しかし,人間の脳が間もなく廃れてしまうという結論に人が飛びつく前に,アレクサンダーは脳には,一つ一つが優れた超LSIで膨大な量の情報を処理し蓄積する能力を持つ神経細胞<ノイロン>が約1,000億個あることを指摘しています。予見可能な将来に,脳がコンピューターに取って代わられるという恐れはありません。
脳の優れた構造に対する誉れは,言うまでもなく脳の設計者で,造り主であられるエホバ神に帰します。エホバ神はわたしたちを「畏怖の念を起こさせるまでにくすしく」造ってくださいました。―詩編 139:14。