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  • 大企業と戦争
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • [フォークランドでの]戦争の後に,欧米の会社は,胸を躍らせるような新しい見込みを読み取っている」と評しています。

      これはまた,自分たちの資金の安全な投資先を求めていた人々の目にも明らかだったに違いありません。軍需産業への新しい投資家たちは,いわば「降ってわいたように出てきて」います。一国防評論家の次のような言葉が,ニューヨーク・タイムズ紙に引用されました。「これらの武力紛争[フォークランドおよびレバノン紛争]以来,株の出来がよかった。これは明らかに大勢の投資家の注意を引いたのである」。

      1970年代に東南アジアで戦争が猛威を振るっていたころ,プロテスタントの諸教会 ― 中にはその戦争に反対し,米国の軍備の増強に抗議しているものもあった ― は,もうけの多い軍需市場から甘い汁を吸う者たちの中に数えられていました。この問題を扱った小冊子の中で,全米教会協議会は次のように述べていました。「ここに明らかにされた投資は,軍需産業および軍備調達の“大企業”に対するものである。教会の投資額はほぼ2億300万㌦(約487億円)に達する。……こうした投資は教会にとって大きな商売であり,教会の持ち株の最も重要な部分,とまではゆかなくても,重要な部分を占めている」。

      軍需会社の首脳陣が特別な喜びをもって満足気なしぐさをする理由は,その取り引きの大半が民間の顧客ではなく,軍部を相手に行なわれることにあります。それゆえに,その利点は数多くあります。ほとんどの大国は,国防に幾千億円もの予算を既に割り当てているので,製造業者の金庫にお金が入って来ることは保証されています。これらの軍需物資は軍隊の規格を満たさなければならないので,民間の顧客へ売られるものより価格が4ないし5倍高くなります。軍部は概して,外国の会社よりも国内で造られた製品を購入するので,外国との競争という脅威が少なくなります。特にアメリカの会社は,軍部との契約を得るにあたって,日本との競争が存在しないという類例を見ない立場にあります。軍需は確かにもうけの大きい商売なのです。

      戦争にまつわるこの大きな商取り引きのただ中に臆面もなく立っているのは,戸別訪問をする行商人のように破壊的な製品を売り歩く兵器のセールスマンです。そうしたセールスマンの一人は,「兵器の製造が自動車の製造に比べて際立っているところは,兵器が常に時代遅れになったり消耗されたりするので,拡大の余地が無限に広がっていることである」と述べています。

      最新のスタイルの兵器を見に売り手や買い手が集まって来る軍需ショーが,世界のいたる所でファッション・ショーのように行なわれています。製造業者たちは第三世代の兵器と呼ばれる高度の科学技術プロジェクトを開発しています。それには研究開発のための軍備費を増やすことが関係しています。アメリカ科学者連盟のクリストファー・ペインは,これを「兵器の製造業者が自分たちの商売を続けていくために行なっている危険な策略」と呼んでいます。

      兵器の売買にかかわる道徳上の問題は変わっていません。フォークランド戦争に先立つ3年間に,英国は2億㌦(約480億円)を上回る額に相当する軍艦や電子兵器をアルゼンチンに売りましたが,戦争がぼっ発すると,その大半は逆に英兵に向けて使われました。国家も大企業も,こうしたことが起きる危険をあえて冒しています。国際的な兵器の販売を非難する声が上がっています。それでも,売り込みは続き,その売り込みは国の政府により助長されることが珍しくありません。その一方で,世界は生活していくのにいよいよ危険な所となっているのです。

  • 大企業とあなた
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • 大企業とあなた

      企業活動は人間の行なうことであり,人間は往々にして重大な誤りを犯すものです。ですから,大企業も重大な道徳的誤りを犯すことがよくあります。大企業には莫大な額の資金がついてまわるので,貪欲で権力に飢える者たちにとって必然的に魅力的なものとなります。そして,大企業はこの世の肝要な部分であるので,当然のことながらこの世の神の考え方を反映しています。「全世界が邪悪な者の配下にある」ことを忘れてはなりません。―ヨハネ第一 5:19。

      そうではあっても,誤りを犯す人々は責任を免れ得ません。途方もない経済力を悪用して一般の人々を欺く者たちは,「立場の低い者からだまし取っている者はその造り主をそしったのである」という警告を覚えておかねばなりません。(箴言 14:31)その者たちの行動の結果が遠い国でしか現われず,当人たちがその結果を決して目にすることはないとしても,「自分自身に多くの物を与えようとして,立場の低い者からだまし取っている者(は)……必ず窮乏に陥る」という聖書の原則はやはり当てはまります。(箴言 22:16)そのように人を犠牲にしてもたらされる富は,神の最終的な裁きから犯罪的な行為をする者たちを守るものとはなりません。

      これは特に,兵器を製造し,販売する人々に当てはまります。なるほど,そうした人々は実際に引き金を引いたり爆弾を投げたりして罪のない人の命を奪うことはありません。しかし,兵器を供給することによって,その罪にあずかっています。実のところ,近代の戦争の多くは大企業の協力なくしては行なえなかったことでしょう。企業が協力してきたからこそ,全地は古代イスラエルの地のように,「流血で汚され」ているのです。(詩編 106:38)その当時にも起きたことですが,エホバは罪科のある者たちをやがて裁かれます。「あなたは偽りを語る者たちを滅ぼされます。血を流し,欺く者をエホバは憎み嫌われます」と述べられています。―詩編 5:6。

      では,個々の人にはどんなことができるでしょうか。企業とはいかなる関係も持たないようにすべきでしょうか。必ずしもそうではありません。商取り引きそのものは聖書の中で非とされてはいません。(箴言 31:18。マタイ 25:14-27)とはいえ,商取り引きをどのように行なうかは重要なことです。「不当な利得を得る者は自分の家をのけ者にならせて(いる)」と,聖書の箴言は警告しています。そして,富を得ることを人生の主要な目標にしている人を待ち受ける道徳上の危険は,

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