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その千年に先だって起こる,天と地との間の戦い神の千年王国は近づいた
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のために戦う王の王の口から突き出る鋭利な長い剣のような舌は,彼らすべての処刑を命じ,天使の軍勢はその王の命令を遂行します。ゆえに,神のメシアの王国に故意に反対する者たちはことごとく殺されます。それらの者は国や政府のための「至高の犠牲」を供する名誉ある死を遂げた者とはみなされません。また,記念の墓,つまり戦没将兵記念日に毎年追悼者の訪ねる国有軍人墓地などに葬られることもありません。かえって,復活に値しない者として,その死体はハルマゲドンの戦場に野ざらしにされ,悪臭を放つその屍は腐肉をついばむあらゆる鳥を招き寄せるものとして描かれています。「すべての鳥は,彼らの肉を食べて満ち足りた」と予告されています。それらの鳥は「神の大きな晩さん」に突如現われて,むさぼり食らいます。―啓示 19:17-21。
16 ハルマゲドンの戦いを切り抜けられるかどうかに関して,(イ)地,(ロ)鳥,(ハ)野獣の崇拝者ではない例外の人びとについては何といわねばなりませんか。
16 その記述は「王たち」の治める文字どおりの地が焼きつくされるとは述べていないことに注目すべきでしょう。そうです,地はハルマゲドンにおける「全能者なる神の大いなる日の戦争」を切り抜けます。また,「中天を飛ぶすべての鳥」も生き残って,地を一面に覆う死体の肉のご馳走にあずかります。しかし,「全能者なる神の大いなる日の戦争」の後の地上にはやはり人間の生存者もいます。このことはその戦いの記述の中には直接示されてはいません。とはいえ,そうであるに違いありません! なぜですか。なぜなら,その戦いの時に地の全住民が「偽預言者」に惑わされるわけではないからです。「野獣の印を受けた者とその像に崇拝をささげる者」に比べればごく少ないとはいえ,例外となる人びとがいます。(啓示 19:20)神の王座と子羊イエス・キリストの前に立っているのを少し前に幻の中で使徒ヨハネが見た「大群衆」についてはどうですか。彼らはハルマゲドンで神のメシアの王国に対して戦う者たちの中にははいっていません。
17 啓示 7章は,神とそのメシアの王国に対する「大群衆」の態度に関して何を示していますか。
17 それらの人たちのことを告げたヨハネはこう述べます。「[彼らは]大声でこう叫びつづける。『救いは,み座にすわっておられるわたしたちの神と,子羊とによります』」。それらの者について尋ねた後,二十四人の天の長老たちのひとりがヨハネにこう告げます。「これは大患難から出て来る者たちで,彼らは自分の長い衣を子羊の血で洗って白くした」。(啓示 7:9-14)「すべての国民と部族と民と国語の中から」出てくるこの「大群衆」は,確かに神のメシアの王国に敵対しませんでした。そして,「野獣の印」を受けることも,「その像に崇拝をささげる」ことも拒みました。
18 キリストの千年統治が始まるとき,地はなぜ人間のいない所とはなりませんか。
18 ゆえに,「大群衆」はハルマゲドンで処刑される人びととともに斃されるどころか,「全能者なる神の大いなる日の戦争」をその壮大な最高潮とする「大患難から出て来る」のです。その「大患難」を生き残り,勝ち誇るエホバ神と子羊イエス・キリストを歓呼して迎える「大群衆」は,やしの枝をもって行なうように,喜んで前途の千年を待ち望みます。ですから,輝かしいキリストの千年統治が始まるとき,地は人間のいない所とはなりません。
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幻の中で先見したその千年期を享受する神の千年王国は近づいた
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3章
幻の中で先見したその千年期を享受する
1,2 (イ)この地球はハルマゲドンの戦いで焼きつくされてしまいますか。(ロ)その後にサタンと配下の悪霊に対してなされるどんな事がらは,このことをどのように示していますか。
この地球は,ハルマゲドンにおける「全能者なる神の大いなる日の戦争」で灰燼に帰することはありません。このことはその戦いの直後,悪魔サタンに生ずる事がらからもわかります。どうしてですか。なぜなら,サタンとその使いたちである悪霊は,天における神のメシアの王国の誕生後,天で起きた戦いに敗れて追い落とされた地になお生き長らえているからです。サタンと配下の悪霊は地の周辺に落とされ,短期間そこに引き留められることになりました。(啓示 12:7-13)彼らは「全能者なる神の大いなる日の戦争」中もずっと地に拘束されているからこそ,神の使いは彼らに対してさらに処置を講ずるため地に降りて来なければならないのです。このことについてヨハネの見た幻に関するその記述はこう述べています。
2 「それからわたしは,ひとりの使いが底知れぬ深みの鍵と大きな鎖を手にして天から下って来るのを見た。そして彼は,悪魔またサタンである龍,すなわち初めからのへびを捕えて,千年のあいだ縛った。そして彼を底知れぬ深みに投げ込み,それを閉じて彼の上から封印し,千年が終わるまでもう諸国民を惑わすことができないようにした。これらのことののち,彼はしばらくのあいだ解き放されるはずである」― 啓示 20:1-3。
3 底知れぬところに入れられるのは悪魔サタンだけですか。その結果,サタンの行なっているどんな戦いが終わりますか。
3 悪魔サタンが天から追い出されたとき,その使いたちである悪霊もサタンとともに追い出され,地の近辺に閉じ込められました。ですから,彼らの支配者に対してなされる事は,彼らに対してもなされます。彼らは捕えられ,鎖をかけられ,悪魔サタンとともに千年間底知れぬ所に入れられます。その結果,彼らはそれ以上世の諸国民を惑わすことはできなくなるだけでなく,神のメシアの王国を相続するクリスチャンの中でなお地上に留まっている残れる者に対して彼らが行なっている戦いも終わります。このことに関して啓示 12章13,17節はこう述べています。「さて,自分が地に投げ落とされたのを見た時,龍は,男の子[天の神のメシアの王国を象徴する]を産んだ女を迫害した。それで龍は女に向かって憤り,彼女の胤のうちの残っている者たち,すなわち,神のおきてを守り,イエスについての証しの業を持つ者たちと戦うために出て行った」。
4,5 (イ)その戦いは王国相続者の残れる者や「大群衆」をすべて滅ぼすものとなりますか。このことに関するどんな証言がありますか。(ロ)サタンが底知れぬ所に入れられることによって,この地からだれが除去されることになりますか。
4 この悪魔的な戦いは,神のおきてを守り,そのみ子イエス・キリストの証しをする王国の相続者の残れる者すべてを滅ぼすものとはなりません。また,メシアであるイエスに関するそうした証しを受け入れ,地のあらゆる国民の中から出て来て,王国の残れる者に加わり,神の霊的な神殿でエホバ神を崇拝する「大群衆」をすべて滅ぼすものともなりません。啓示 7章9-15節は,あらゆる人種や国民また部族から出て来る「大群衆」が生き残ることを証しし,彼らについてこう述べています。「これは大患難から出て来る者たちで,彼らは自分の長い衣を子羊の血で洗って白くした。それゆえに神のみ座の前にいるのである。そして,その神殿で昼も夜も神に神聖な奉仕をささげている。また,み座にすわっておられるかたは彼らの上にご自分の天幕を広げられるであろう」。
5 このようなわけで,サタンとその使いたちである悪霊が底知れぬ所に閉じ込められても,地は住民のいない廃虚にはなりません。彼らが底知れぬ所に入れられるということは,王国相続者の残れる者と「大群衆」ではなくて,むしろ悪魔サタンとその使いたちである,悪霊が地からいなくなることを意味します。底知れぬ所に幽閉される千年のあいだ,彼らはまるで『いない』も同然となります。―啓示 17章8節と比較してください。
地を千年間治める支配者たち
6 サタンが底知れぬ所に入れられることから,地の支配権に関するどんな疑問が生じますか。
6 もはや悪魔サタンは人類の世の支配者でも,事物の体制の「神」でもなくなります。(ヨハネ 12:31; 14:30; 16:11。コリント第二 4:4)では,悪魔サタンが底知れぬ所に入れられて『いなく』なる千年の間,人の住む地をだれが支配しますか。
7 その疑問に対する答えとなるどんな事がらをヨハネは幻の中で見ましたか。
7 地の支配権がだれによって執行されるかを幻の中で見た使徒ヨハネはこう述べます。「またわたしは,数々の座を見た。それに座している者たちがおり,裁きをする力が彼らに与えられた。実に,イエスについて行なった証しのため,また神について語ったために斧で処刑された者たち,また,野獣もその像をも崇拝せず,額と手に印を受けなかった者たちの魂を見たのである。そして彼らは生き返り,キリストとともに千年のあいだ王として支配した。(残りの死人は千年が終わるまで生き返らなかった。)これは第一の復活である。第一の復活にあずかる者は幸いな者,聖なる者である。これらの者に対して第二の死はなんの権威も持たず,彼らは神およびキリストの祭司となり,千年のあいだ彼とともに王として支配する」― 啓示 20:4-6。
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