-
新世社会内で全きを得よものみの塔 1959 | 7月1日
-
-
26 良い研究の習慣は,全きを得る際にどのような助けとなりますか。
26 全きを得る別の要因は,ヱホバの言葉を熱心にそして秩序立つて研究することです。毎日の30分,個人的な研究をすることは,30分の休息または睡眠よりもずつと価値あるものではありませんか。研究の習慣をつけなさい。毎朝,起きると共に朝の聖句を研究する習慣をつけなさい。昼休みの時間中,神権的な読みものをする習慣をつけなさい。毎晩就寝する時に,神の言葉を更に深く考えるという習慣をつけなさい。聖書を毎日読みなさい。良い研究の習慣は,「心を変える」際の助けとなります。そして,神の全き奉仕者として,新しい世の活動に熱心とよろこびに満ちた参加をすることができます。クリスチャンの円熟を得るのに,これはなんと価値のあるすばらしいものでしよう!―ヨシュア 1:6-8。
27 今日,全地の民の中で誰がいちばん特権を持つ者ですか。これらの者は,何をしなければなりませんか。
27 最少限の奉仕または交わりで満足する人は誰ですか。自由を得るためにきずなを断ち切つたのであるなら,すべての者はその自由をしつかり保ちましよう。(ガラテヤ 5:1)新しい世の社会内で全くなるため,励みつづけて行きなさい。すべての特権の中でいちばん特権のあるものとは,次のような者たちの特権です,すなわちヱホバに全く献身している彼らは,「神によろこばれる,生きた,理性の力を持つ聖なる供え物として体をささげ」つづける者たちです。『現在のこの悪しき世』から切り離れている状態を,全きもの,永続のもの,取消すことのできないものにしなさい! 心を全く新しい世の考え方に変え,生活を全く新しい世の生活に変えることにより,すべての者は『あなた方の天の父が全きであられるよう,全きになる』よう努めなさい。
-
-
「御心が地に成るように」(その13)ものみの塔 1959 | 7月1日
-
-
バビロンの都はすぐには荒廃せず,クロス王はこの都から支配しました。
27,28 (イ)ネブカデネザルの夢に見た像の銀の胸と手は,何を表わしましたか。(ロ)キャンビセスは,どのようにペルシャ帝国を拡大しましたか。クセルクセス1世とアルタシャスタ1世は,2人の著名な聖書人物と,どんな結びつきがありましたか。
27 ネブカデネザルが夢に見た銀の胸と手は,ひとつの『国』,すなわちクロス大王から始まる王統を表わしました。彼はしばらくの間,叔父であるメデア人ダリヨスと共同の支配をしました。彼の王統は,200年以上もつづいたのです。このペルシャ王統には,聖書中にその名が述べられている者よりも,はるかに多くの者がいました。クロスはアリアン族の者,すなわち人間家族のヤペテの支族に属する者で,初めて世界の支配者になりました。世界支配者としてのクロス大王は,9年間統治して,キリスト前529年にはキャンビセス王がその後を継ぎました。この王はキリスト前525年にエジプトを征服してペルシャ帝国を拡大しました。キリスト前522年に横領者が彼の後に続きました。それはガウマタという名の古代ペルシャの僧で,スメルディスであるふりをしたのです。彼の支配期間は,8ヵ月に足らず,ダリヨスという最初のペルシャの王により殺され,ダリヨスは,キリスト前521年に王になりました。
28 このペルシャのダリヨス1世は,ギリシャに対する戦役を開始しましたが,マラソンの戦いで大敗北を受けました。彼の後は,クセルクセス1世,すなわちアハシュエロスがキリスト前486年,485年に王となりました。彼は聖書に述べられている王妃エステルの夫です。(エステル 1:1-3; 3:7)彼もギリシャ征服に出かけましたが失敗してサモピレで敗北し,キリト前480年のサラミスの海戦で海軍は大敗北を受けました。彼の後継者はアルタシャスタ1世です。彼の右腕は左腕よりも長かつたのでロンギマナスというあだ名を受けました。このアルタシャスタの20年目,すなわちキリスト前455年に,彼はユダヤ人の酒つぎネヘミヤをユダヤの地の総督となし,エルサレムに行かせてその城壁を再建させました。ネヘミヤがエルサレムの城壁を再建したとき,ダニエル書 9章24-27節に述べられている『七十週』年の計算が始まりました。この週年からメシヤなるキリスト,すなわちナザレのイエスの出現と死の年月が分ります。―ネヘミヤ 1:1; 2:1-18。
29 どんな王の統治と共にペルシャの世界強国は終りましたか。誰によつて次の世界強国は設立されましたか。
29 それから,次の順序です。クセルクセス2世。ダリヨス2世(ペルシャ人)。ムネモンと言われたアルタシャスタ2世。オカスと言われたアルタシャスタ3世。(キリスト前338-336年の)2年間統治したアルセス。そして最後にコドマナスと呼ばれたダリヨス3世です。彼の支配は,キリスト前331年に急に終了しました。ネブカデネザルが夢に見た偶像の銀の胸と腕で象徴されたペルシャの世界強国は終りました。その年にアッスリア帝国の首都がかつてあつたニネベに近いガウガメラの戦いでペルシャ王は敗北したのです。彼は誰に敗れましたか。次の第5番目の世界強国,すなわちマケドニヤ帝国又はギリシャ帝国を設立したマケドニヤ人に敗れたのです。そのマケドニヤ人は,アレキサンダー大王です。
第5番目,第6番目,そして第7番目の世界強国
30 ダニエルは,その解き明かしの中で,このマケドニヤ帝国すなわちギリシャ帝国をどのように予め告げましたか。それはどのように『全地を治める』ものになりましたか。
30 ネブカデネザルが夢に見た金属の偶像についての研究で,いま,『その青銅の腹ともも』のところに来ます。偶像のこの部分は,ひとつの国または王統を表わし示すと,預言者ダニエルはネブカデネザルに告げました。ダニエルはこう言つています,『あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起つて,全世界を治めるようになります。』(ダニエル 2:39,新ロ)アレキサンダーは,マケドンの王フイリップ2世の息子でした。フィリップ2世は南方のギリシャ全土に勢力を伸ばし,ギリシャ人の都市 ― 国家制度を終了させました。アレキサンダーは,父親の野心を実行し,東方のアジアにあつたペルシャ帝国征服に出かけました。このアレキサンダー大王は,ダニエルの預言の中で予めに告げられていたのです。アレキサンダー大王は,ペルシャの王ダリヨス3世に対して次から次に勝ちつづけ,キリスト前331年にはバビロンの都を奪い取り,ガウガメラの戦いでダリヨス3世を撃ち破りました。その敗北によつてペルシャの世界強国は崩壊し,マケドンのアレキサンダーは世界の支配者となり,聖書歴史の第5番目の世界強国をつくり上げました。キリスト前327年,アレキサンダー大王はインドの西の部分をも征服しました。彼の帝国は,以前のどの帝国よりもずつと大きいものです。この見地に立つと,この青銅の王国は,『全世界を治める』ものでした。
31 帝国設立を図つたアレキサンダーの遠征のため,何が国際的な言語になりましたか。これはどんな良いたよりを全地にひろめる正しい手段となりましたか。
31 アレキサンダー大王は,世界支配者になつて8年しか生きず,キリスト前323年にバビロンで死にました。彼の軍事征服の期間中いわゆるコイネ・ギリシャ語すなわち普通のギリシャ語が発達しました。聖書のクリスチャン・ギリシャ語はその言語で書かれたのです。アレキサンダーの帝国および彼が設立したギリシャ植民地は広大な地域にわたつたので,コイネ・ギリシャ語は,国際的な言語になりました。それですからキリストの使徒の時代,キリストの支配する神の御国の良いたよりを,当時の世界のあらゆる場所にひろめるためコイネ・ギリシャ語を使用することは適当なものでした。
32 青銅の腹とももで表わし示された国は,なぜアレキサンダーの死と共に終了しなかつたのですか。誰によつて彼の国は次第に併吞されましたか。
32 アレキサンダーがキリスト前323年に死んだときに,青銅(銅)の腹とももで表わされた『国』が終つて,象徴的な像の鉄の部分が生じたわけではありません。アレキサンダーの2人の息子と彼の弟は,アレキサンダーの後継者でしたが,14年経たぬ中に殺されました。アレキサンダーの帝国は分裂して,彼の4人の将軍はそれぞれアレキサンダーの帝国の一部ずつを支配しました。アレキサンダーの死後50年も過ぎない中にギリシャ人の諸帝国は設立され,それぞれの帝国には,その王統がありました。これらギリシャ人の帝国の一つは,マセドンにあり,別の帝国はシリアに,そして今一つの帝国はエジプトにありました。後者の二つの帝国は,エジプトと中東および東方のインドに達するまでのアジアをギリシャ化しようと努力をしました。この期間の中にヱホバの預言者のヘブル語聖書はその当時の平俗のギリシャ語に訳されました。それで初期クリスチャンたちの用いたギリシャ語70人訳と呼ばれるものができ上つたのです。時経つ中にイタリー,ローマの隆盛の力はこれらのギリシャ人の帝国を併呑しました。先ずマケドニヤの帝国,次にシリアの帝国,そして最後にはエジプトの帝国をキリスト前30年に併呑したのです。
33 次のこの世界の強国は,ダニエルの解き明かしの中で,どのように予めに告げられましたか。なぜ二つの鉄の足は,分裂を意味しませんか。
33 その年にエジプトのギリシャ人帝国はローマに服属し,エジプトはローマ総督の支配するローマの国になりました。おそくとも(キリスト前30年)のその年までに,ローマは支配的な世界強国すなわち第6番目の世界強国になりました。ネブカデネガルが夢に見た金属の偶像からも分るように,世界強国の行進はいまや鉄のすねにまで下つてきました。ネブカデネザルの夢を解釈したダニエルは,このことを彼に予め告げ,次のように言いました,『第四の国は鉄のように強いでしよう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように,その国はこわし砕くでしよう。』(ダニエル 2:40,新口)鉄のすねが二つあつたという事実は,すねによつて象徴された世界強国が東と西に分けられたとか,又は北と南に分けられたということを意味しません。丁度,銀の腕が二本あつてもペルシャの世界強国は政治的に二つの反対の部分に分裂していなかつたことと同様です。聖書の歴史上,第6番目の世界強国であるローマ世界強国は,いろいろの変化を通つて,それ以前の金,銀,青銅(銅)の帝国よりも強いことを証明しました。打ち砕く力と能力という点では,それは本当に鉄のようでした。
-