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世界展望目ざめよ! 1983 | 1月8日
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そのニュース記事は次のように説明を加えた。「その専門家は報告の中で,事故の原因は,まんまとエンジンルームに侵入した1匹のネズミで,ジャンボジェットはこの密航者を追放した後,再度業務に就くことができた,と語った」。
動物園の経費が急騰
● 「全国の動物園が,経済的な苦境に直面している」と,サンディエゴ動物園に勤務する動物学者ジョーン・エンベリーが述べている。特に食費が急騰した。サンディエゴ動物園の年間の食費は現在43万㌦(約1億750万円)で,1978年と比べると約1.5倍になっている。干草もこの10年間に著しく値上がりしたため,シカゴのリンカーン公園動物園では,大人の象1頭の1年分の干草に2,700㌦(約67万5,000円)を注ぎ込んでいる。同動物園の維持費はここ10年間で2倍になった。どの動物園にとっても,最大の出費の一つは動物を入手するための費用である。ゴリラ1頭で5万㌦(約1,250万円)から10万㌦(約2,500万円)もするが,それは10年前の10倍である。他の経費も上がっている。サンディエゴ動物園の話では,外部の顧問歯科医は,1頭のライオンの歯根管の手術を1日行なって,500㌦(約12万5,000円)を請求することがあるという。
『生涯最大の挑戦』
● 茫漠としたアマゾン川流域は,科学者たちにその神秘をなかなか明かさない広大な地域の一つとなっている。この地域に対する科学的な踏査の前に数多くの問題が立ちはだかっているためである。熱帯的暑熱,虫,うっそうと茂る雨林,毒蛇,肉食性のピラニアなど問題は切りがない。このすべてにもかかわらず,著名な生態学者で映画製作者のジャック・イーブ・クストーは,『生涯最大の挑戦』と考えられるもの,つまりアマゾン川流域の探検のため,最近ブラジルのベレムを出発した。10か月をかけて水生生物と森林との関係を研究し,それをフィルムに収め,117か国のテレビ番組向けのドキュメンタリー映画を作ることになっていると伝えられている。この探検隊が最初に直面した問題の一つは,うっそうとした森林からこぼれるアマゾンの薄明かりの中で,撮影用のレンズを選ぶことだった。
夜のドライブ
● 米国安全協議会は,12ページからなる「日没後の運転の仕方」と題するパンフレットを発行した。その説明によれば,自動車事故に遭って命を落とす危険は,日中よりも夜の方が3倍も高いとされている。
だれも気付かなかった
● 1907年生まれの老齢年金受給者が,死後7年たってから一部屋しかないミュンヘンのアパートから死体で発見されたというニュース報道に接して,少なからぬドイツ人が衝撃を受けた。一人の警察官は,この老齢年金受給者の死がかくも長期間発見されなかったという事実に明らかな衝撃を受け,「この老人が生活していた地域の人々の社会的行動は不可解である」という意見を述べた。ミュンヘンの南ドイツ新聞はこう論評した。「このような見出しが出なければ衝撃を受けないという事態が続く限り,我々の恐怖感は,実際的な結論や変化のための推進力を何らもたらすことがないさもしい反応に過ぎないことになる。我々は思い違いをしてはならない。この新聞紙上で次週もまた同様の出来事が報じられるかもしれない。この可能性が存在する限り,我々は人間疎外というこの問題に取り組むべきである。7年間も発見されずにいた死人がいたのなら,同じように発見されないで終わることになる,我々の周囲の生きた大勢の人々に注意を払おうではないか!」
耳の聞こえない人を助ける犬
● サンフランシスコ動物虐待防止協会は耳の聞こえない人を助ける犬の調教のプログラムを設けた。それは,聾導犬計画と呼ばれている。犬は,電話のベルの音,赤ん坊の泣き声,機会をねらう強盗の出す音などを主人に告げるよう調教される。すでに,100匹以上の聾導犬が,求めに応じてあてがわれている。
下水処理に植物のガマ
● カナダのオンタリオ州の環境問題に関する刊行物「レガシー」は,効果的な下水処理に,湿地帯に生えるガマを用いてある程度の成功を収めたと伝えている。5,000人から成る地域社会を対象にした実験的なプログラムでは,「ガマには,下水の廃物の特定な方面の処理において,在来の下水処理工場と同じ程効果があり,経費ははるかに安い」と評価された。実用的な湿地帯下水処理システムの費用を算定するにはより多くの研究が必要だが,「これまでの様々な研究結果から,湿地による方法は……機械的な処理方法や他の処理方法よりも実用化しやすく,費用が安いようだ」と受けとめられている。周囲の世界に存在する物事は,その造りにおいて人間を益するものとなり,同じ目的で人間が発明したものより多くの場合効果的であることを,人間は絶えず学んでゆく。
スウェーデンにおける犯罪
● スウェーデン中央統計局は,同国における1980年の犯罪発生率が,1,000人につき111件になることを発表した。これは,1950年当時と比べると4倍の増加になる。
ギリシャ人が石油を掘削
● ギリシャは,イオニア海やエーゲ海に浮かぶ島々の地域で石油を掘り当てる仕事に拍車をかけている。掘削は特に北エーゲ海のタソス島の地域で行なわれている。この地域の掘削に関しアテネのニューズ紙はこう述べた。「北ギリシャ石油会社の発表によると,試験の結果,新たな掘削から得られた石油は,優れた品質のものであることが明らかになった。……今後見極めなければならないのは,石油の埋蔵量だけである」。ギリシャが産油国の列に加わるかどうかは,時がたてば分かる。
急増する麻薬の売買
● 「麻薬の乱用という災いは,とどまるところを知らない」。これは,ウィーン国連事務局の局長C・E・ブルゴニエールが,国連麻薬委員会のためウィーンに集まった30か国の代表に語った言葉である。「麻薬はますます入手しやすくなっており,売買も……増加しているが,そのことは公衆衛生にも危険な影響を与えており,社会・経済学的な安定性をも脅かしている」。
この委員会により次のような事実が明るみに出た。それは,押収されたコカインの量は,1978年から1980年の間に2倍以上になり,1980年には約12㌧に達したこと,年間6,000㌧のマリファナと1,050㌧以上のマリファナの樹脂が押収されていること,1980年には2.5㌧以上の鎮静剤が押収されたこと,1982年には南アジア産のアヘン600㌧ ― 1980年の3倍に相当 ― が闇取引きされるはずであることなどである。そして,以前には不法なアヘン剤の売買などがなかった国々も今では影響を受けている。テロリストのグループや国際的犯罪組織が不法な麻薬売買から利益を得て,それを彼らの卑劣な活動の資金源にしているのではないかという懸念が強まっていると,同委員会の報告の中で何度も述べられている。
ニュースで取り上げられる薬草
● 中国本土から,天津<テンチン>病院の医師団が昔から伝わる薬草である黄ぶどうの根を用いて関節リューマチの治療に成功したというニュースが伝えられている。指導に当たった医師は,この薬草の「治療効果に勝るのは,ステロイドしかない」と述べている。この医師は95人の関節リューマチ患者に,毎日この根と制酸剤とビタミンBの錠剤を投与した。メディカル・トリビューン誌はこう述べた。「2か月ないし2年にわたる治療によって,程度の差こそあれ,98%の人々の関節の痛みが和らいだ。……この調合剤は極めて毒性が高く,皮膚の水ぶくれ,軽度の脱毛,消化器系の障害,生理不順,化膿性疾患などの副作用がある」。しかし指導にあたった医師は,これらの副作用は,他の多くの抗リューマチ剤の副作用と比べると,それほどひどいものではないと主張している。
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日常生活の五つの落とし穴をどのように避けるか目ざめよ! 1983 | 1月8日
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日常生活の五つの落とし穴をどのように避けるか
恐れ
失意
不安
放縦
怒り
これらをはじめ日常生活の他の様々な落とし穴を避けて通る方法が,「最善の生き方を選ぶ」と題する本の中に述べられています。この実際的な聖書研究の手引きをお読みになれば,今の最善の生き方を見いだせます。また,間もなくやって来る,世の変化の時にどうしたら生き残れるかを知ることもできます。この本は,聖書のヤコブの手紙を節ごとに解説した,「ヤコブの手紙の注解」と共に,600円のご寄付で求めることができます。
切手600円分を同封します。192ページで堅表紙の本,「最善の生き方を選ぶ」を「ヤコブの手紙の注解」と共に,郵送料発行者負担で送ってください。
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