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どんな人の死を悼み,葬式をしますかものみの塔 1977 | 9月1日
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ことにあります。もう一つの理由はその人の悪い影響から会衆を守ることです。排斥された人が死んでしまったのですから,もはやそのどちらも当てはまりません。排斥された人が,言わば「諸国民の者」と変わらないような歩みを続けていた場合でさえ,聖書に基づく葬式の話をすれば,前述のとおり幾つかの優れた目的を達成するのに役立ちます。それは,遺族に慰めを与え,外部の人々に証言をする機会になります。事情はともあれ,優れた証言が行なわれるというだけでも,遺族は慰められ心の安らぎを与えられることでしょう。
地球上の被造物の中で神の像に造られたのはわたしたち人間だけです。それゆえ,わたしたちには死とは一体何かを理解する能力があるのです。また,それゆえにこそわたしたちには,他の人の死を悼む能力や遺族を慰めたいという願いがあるのです。わたしたちの天の父は,実に,「優しいあわれみの父またすべての慰めの神」ではないでしょうか。まさにその通りです。ですから,死者を悼むことや葬式を行なうことなどの問題についても,生活上の他の事柄すべてと同様,わたしたちは神の知恵と公正と愛の原則を自分たちの感情や行動の導きとしてゆきます。―コリント第二 1:3,4。コリント第一 16:14。
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神による驚くべき裁きものみの塔 1977 | 9月1日
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神による驚くべき裁き
ヘブライ人の預言者ハバククは当時の世相にひどく心を悩ましていました。ユダの地の至る所で,彼は暴力や圧制,不和や争い,不正を見ました。嘆きのあまり,ハバククはこう叫びました。「[エホバ]よ,わたしが呼んでいるのに,いつまであなたは聞きいれて下さらないのか。わたしはあなたに『暴虐がある』と訴えたが,あなたは助けてくださらないのか」― ハバクク 1:1-4,口[新]。
おそらく,あなたも,神を代表するととなえるキリスト教世界の諸宗派の教会員の間に不法がはびこっているのを見て,同様の疑問を抱いたことがあるでしょう。ハバククの聞いた答えは信じ難いものでした。(ハバクク 1:5)それは預言者をさえ驚がくさせるものでした。(ハバクク 1:13-17)キリスト教世界の宗教体制に終わりをもたらす手段について知るなら,宗教心を持つ人々はそれに劣らぬ驚きを覚えることでしょう。
カルデア人が用いられる
ハバククを通して語られたエホバの言葉は次のとおりでした。「わたしはカルデヤ人を興す。これはたけく,激しい国民であって,地を縦横に行きめぐり,自分たちのものでないすみかを奪う。これはきびしく,恐ろしく,そのさばきと威厳とは彼ら自身から出る。その馬はひょうよりも速く,夜のおおかみよりも荒い。その騎兵は威勢よく進む。すなわち,その騎兵は遠い所から来る。彼らは物を食おうと急ぐわしのように飛ぶ。彼らはみな暴虐のために来る。彼らを恐れる恐れが彼らの前を行く。彼らはとりこを砂のように集める。彼らは王たちを侮り,つかさたちをあざける。彼らはすべての城をあざ笑い,[堡塁を築く時のように]土を積み上げてこれ[城]を奪う。こうして,彼らは風のようになぎ倒して行き過ぎる。彼らは[無情な征服を重ねるゆえに]罪深い者で,おのれの力を神[神の地位にまで高められる強大な軍事機構]となす」― ハバクク 1:6-11,口。
そうです,カルデア人の軍隊が都市を次々に攻略していくのを妨げ得る者はどこにもいないようでした。ユダ王国も,その攻撃から逃れることはとても不可能でした。
しかし,ハバククは,エホバ神がご自分の裁きを執行するのに,偶像崇拝を行なうカルデア人をお用いになる理由が理解できませんでした。カルデア人は,エホバ神の崇拝者でないだけでなく,専ら征服することのみに関心を持つ無情な国民でした。彼らは,人間を魚かはいずり回る虫けらのようにみなし,それを捕えて自分に服させようとしていました。そのようなわけでハバククは,こう叫びました。「あなた[エホバ]は人を海の魚のようにし,治める者のない這う虫のようにされる。彼[カルデア人]はつり針でこれをことごとくつり上げ,網でこれを捕え,引き網でこれを集め,こうして彼は喜び楽しむ。それゆえ,彼はその網に犠牲をささげ,その引き網に香をたく。これによって彼はぜいたくに暮し,その食物も豊かになるからである。それで,彼はいつまでもその網の獲物を取り入れて,無情にも諸国民を殺すのであろうか」― ハバクク 1:14-17,口。
ご自分の民に裁きを執行するのに,エホバが無情なカルデア人をお用いになることに疑問を表明したハバククは,自分が次に戒めを受けるであろうと考えていました。そこで彼は,神から啓示の与えられることを望んでこう言いました。「わたしはわたしの見張所に立ち,物見やぐらに身を置き,望み見て,彼がわたしになんと語られるかを見,またわたし[に対する戒めに]わたし自らなんと答えたらよかろうかを見よう」― ハバクク 2:1,口[新]。
預言の成就の確証とバビロンに対する裁き
エホバの答えは,その預言が必ず成就することを確証するものでした。ハバククはこう告げられました。「この幻を書き,これを板の上に明らかにしるし,走りながらも,これを読みうるようにせよ。この幻はなお定められたるときを待ち,終りをさして急いでいる。それは偽りではない。もしおそければ待っておれ。それは必ず臨む。滞りはしない」。(ハバクク 2:2,3,口)不忠実なユダに裁きを執行する手段としてカルデア人が用いられることに疑問の余地はありませんでした。ハバククに啓示されたその幻は,「急いでいる」,つまり確実にその成就に近づいていました。
しかし,カルデア人は自分の欲望のままに行動し,自分ではそれと気付かずに,不忠実な民に神の義なる裁きを執行する神の道具として用いられることになっていたのです。カルデア人を用いることにハバククが異議を唱えた時,エホバ神は,彼らの無情でどん欲な行為や流血の罪が罰せられずにはおかないことを彼に知らせました。エホバはこう宣言されました。「あなたは多くの国民をかすめたゆえ,そのもろもろの民の残れる者は皆あなたをかすめる。これは人の血を流し,国と町と,その中に住むすべての者に暴虐を行なったからである」― ハバクク 2:8,口。
成就したハバククの預言
ハバククに語られたエホバの言葉に従い,カルデア人はエルサレムとユダの地に攻め寄せてきました。聖書に収められている歴史上の記録はこう告げています。カルデア人の王ネブカデネザルは
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