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返り咲く風車目ざめよ! 1985 | 6月8日
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返り咲く風車
風力タービンがカリフォルニアに,ソ連の人里離れた大草原<ステップ>に,そしてはるばる南極にまでにょきにょき姿を現わしている,とオランダの隔月広報誌「ウェールベルイッヒテン」(気象通報)は述べています。その理由は,風は効率の良いエネルギー源で,その量が豊富だという点です。
ロサンゼルスの北300㌔の所にあるテハカピ渓谷ウインドパークでは既に50基のタービンが動いており,完成時には総出力13.5メガ㍗の電力を供給できるようになります。サンフランシスコの東の方にある,44基のタービンを備えた風園<ウインド・ファーム>からは,400世帯の必要をまかなうに足る電力が供給されています。タービンの数を数百にまで増やし,年間毎時3,000万㌔㍗ ― 4,800世帯分の電力 ― を生産する計画があります。
一方,モスクワ近郊のサイクルーンでは,12の異なった型の風力タービンが,ソ連の人里離れた開拓地や不毛地帯でも電気器具や機械製品が使えるよう,その動力を生み出す目的でテストされています。「こうしたシステムは大草原<ステップ>をオアシスに変える可能性を秘めている」と,モスクワ放送の解説者は述べています。
やがてはさらに4基のタービンが,本当に孤立した地域 ― 南極大陸 ― に設置されることでしょう。そうなれば,冷たい極地風が吹いても,駐在の科学者たちは喜べるに違いありません。基地を運営し,気持ちよく生活してゆくには,電気が必要なのです。
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歩けば走者に追いつける目ざめよ! 1985 | 6月8日
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歩けば走者に追いつける
「健康に良いということが再発見されたことに勢いを得て,歩くことがはやりだし,人気を増している」と,健康とスポーツに関する米国大統領諮問委員会発行の「運動と楽しみのための歩行」という題の小冊子は述べています。
身体に及ぼす数々の益を示した興味深い一覧表はその言葉を裏付けています。それらの益を挙げると次のようなものがあります: 運動中の酸素消費率が向上する,安静時の心拍数が低くなる,血圧が安定する,また心臓と肺の働きが良くなる。もちろんこれは,ぶらぶら歩いたり散歩したりする程度ではなく,「心臓の鼓動が速くなり,息遣いがより深くなるくらいきびきびと」歩いて初めて達成されるという点をその小冊子は指摘しています。
面白いことに,きびきび歩くと,走るのと同じ程のカロリーを消費します。24歳の健康な男子学生が,歩いた場合,ジョギングをした場合,そしてさまざまな速度で走った場合のエネルギー消耗率のテストを受けましたが,それによると,「1マイル(約1.6㌔)を8分30秒でジョギングしても,1マイルを12分で歩く場合より26カロリー多く消耗するにすぎない」ということが明らかになりました。1時間に5マイル歩けば,1マイルにつき124カロリーを使うことになりますが,1時間に9マイル走っても,40カロリー余分に消耗するだけです。
歩くことはさらに次のような利点もあります: (適当なくつを一足そろえる以外には)特別な装備のための経費はかからない,準備体操をする必要はない,さらに,歩いてけがをすることはまずないと言ってよい。あなたもその小冊子の掲げる標語,「歩くこと ― ゆっくりだけれど確かな健康法」に共鳴されるかもしれません。
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