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  • お年寄りを悩ませているのは何か
    目ざめよ! 1979 | 9月22日
    • だというのに,それを望む人は一人もいない。死ぬまでの間,暇つぶしをするのは真っ平だ。その時間を活用したい。私は働かねばならない。不必要な仕事や趣味などではなく……。

      「自分が訓練を受け,長年の経験を持つ仕事,まさにその仕事に適していないとみなされるほど残酷なことはない」。

      しかし,生活様式が変化するとか手持ちぶさたにさせられるという問題が極めて現実的なものであるにもかかわらず,それらはもっと急を要する諸問題のために影が薄くなってしまうのが普通です。中でも筆頭に挙げられるのはお金の問題です。

      お金の問題

      大抵の場合,退職すると,即座に財政上の重荷がのしかかってきます。収入は突然落ち込み,以前のわずか半分ほどになってしまう場合もあります。そうなると,定年退職者は,厚生年金か“社会保障”のような政府の援助で食べてゆかねばならないのです。しかし,それは以前の収入とは比べものになりません。それに加えて,インフレがお金の問題を生み出すこともあります。

      例えば,US・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌の明らかにしたところによると,米国のニューオーリンズ市では,65歳を過ぎた人の69%がぎりぎりの線以下の収入で生活しています。他の多くの都市でも,お年寄りの四分の一ないし半分はそのような生活をしています。

      典型的な事例はサンフランシスコの“老人街<グレー・ゲットー>”に見られます。そこに住む72歳の男性は,退職した当初,ゆとりのある年金を得ていると思っていました。ところが,インフレがその購買力を低下させてしまったのです。それで,この人は次のように述べるようになりました。「月末になると,最後の数㌦しか残っていないのが常です。そうなると,夕食を抜かすこともあります」。同市の一人の老婦人はこう語っています。

      「路頭に迷って飢えている人もいます。ごみ箱の中の物を食べている人もいるのです。信じられますか。ごみ箱から直接ですよ!」

      これは大げさな話,あるいは特殊なケースですか。ニューヨーク・タイムズ紙の編集者に寄せられた手紙は次のように述べています。

      「ニューヨーク市のお年寄りの多くは,余分の収入がなければ,生きてゆくことができない。……

      「貧しいお年寄りが実際に飢餓に頻することがないようにするため,緊急な援助が必要とされる」。

      さらにまた,フロリダ州セントピーターズバーグに,80歳になる婦人がいました。この人は未亡人で,少額の年金で生きてゆかねばなりませんでした。そして,食事を抜かし,前にも増してわずかな量ですませるようになりました。とうとうこの婦人は自分の荒れ果てた部屋で倒れ,息を引き取った時には34㌔しかありませんでした。解剖してみると,その胃の中には食物の跡もありませんでした。検死官は,“栄養失調”と判断しました。しかし,年老いた友人はそれを「降伏」と呼びました。その友人は,「あの人は,明日はもっと良くなると信じられなくなっただけだ」と言いました。

      健康が損なわれる

      老齢期の健康問題は遺伝に起因するものもありますが,重要な要素となるのは人が年を取る前にどんな生き方をしたかということです。喫煙をしていたのなら,晩年に支払う代償は,肺ガン,膀胱ガン,慢性の心臓病,肺気腫かもしれません。飲み過ぎは脳細胞の死を早め,肝臓病をもたらします。食べ過ぎは,心臓障害や糖尿病などの病気の一因になりかねません。

      栄養不良は,お年寄りが健康を害する重大な原因です。多くのお年寄りはきちんと食事を取るだけのゆとりがないため,なおさらそう言えます。しかし,たとえ食べてゆけるだけのゆとりがあっても,特に独り暮らしのような場合,自分の食事をなおおろそかにするお年寄りもいます。そのため,そうした人々ははるかに病気にかかりやすくなります。

      老衰についてデューク大学の調査が示すところによると,老衰してゆくお年寄りは全体の15%にすぎません。また,老衰は老齢の直接の結果ではなく,病気であると結論付ける人もいます。

      悲劇的とも言えるのは,不健康や退屈,恐れ,憂うつなどが,お年寄りの間で増大する問題と結びついていることです。その問題は,アルコール中毒です。米国では,現在,十人のお年寄りにほぼ一人の割合でアルコール中毒患者がいます。

      犯罪に対する恐れ

      大都市など多くの土地では,お年寄りがどの年齢層の人々よりも多く犯罪の被害者になっています。お年寄りには自衛能力があまりありません。

      ニューヨークの犯罪対策係官は,同市に住む130万のお年寄りについてこう語っています。「ほとんどが恐れを抱いており,犯罪を,自分たちの直面する問題の中でも特に深刻なものとみなしている」。お年寄りに対する犯罪の中には,ひったくり,追いはぎ,詐欺,強盗目当ての不法侵入,さらには強姦まであります。ですから,サンフランシスコの一住民はこう述べています。「自分で自分を守ることができません。大抵の年寄りは,三時過ぎには出歩かないようにしています」。

      孤独感

      お年寄りにとって特につらい問題の一つは孤独感です。愛されても必要とされてもいないと感じるお年寄りがあまりに多くいます。配偶者を亡くすと,その感情は深刻なものになりかねません。特に,夫婦仲が良かった場合などはなおさらです。

      “昔”は,普通,年老いた親は成長した子供と一緒に住んでいましたから,話し相手には事欠きませんでした。アフリカ,アジア,中南米の様々な国では,今でもそうしています。しかし,それらの地域でさえ,変化は歴然としています。例えば,日本では,独り暮らしのお年寄りの数が前年度より20%増加し,100万人を超えました。そうした人々について,東京の英文読売は次のように述べています。

      「日本が老人の満ちた社会へと着々と転じつつあることは明らかであるが,公営住宅も民営住宅も,ほとんど老人には門戸を閉ざしている。そのため,住む場所を見いだすのに苦労している人は跡を絶たない。……

      「日本は福祉国家になろうと努めているはずだが,老人が最も必要としているもの,すなわち住宅を供給する点で,ほとんど何も行なわれていない」。

      西欧の社会では,これまでになく多くのお年寄りが独り暮らしをしているか,さもなくば老人ホームに入れられています。また,それに関連した傾向として,年老いた親の世話ができなかったり,それをしたくないと考えたりする成人した子供たちも増えています。

      今日の世界に見られるこのような傾向についてどう思われますか。そうです,お年寄りに対してあなたはどんな見方を持っていますか。そして,お年寄りに対する神の見方はどのようなものですか。

  • あなたはお年寄りをどう見ますか
    目ざめよ! 1979 | 9月22日
    • あなたはお年寄りをどう見ますか

      現代になって,急速な変化が数々見られました。その中には,お年寄りに対する人々の見方があります。だれもがお年寄りに敬意を抱いていた時代もありましたが,今日はそうではありません。多くの国で,それとは全く反対の態度が見られるようになりました。この点について,老齢の一教授はこう述べています。

      「米国では,老齢は病気のようなものである。老人は隔離患者になり,施設か,もし運よく裕福であれば,高級隔離地へ入れられ,外部の人々と分け隔てられる」。

      メリーランド大学老化センターが学齢期の子供を対象にして行なった調査によると,子供たちは普通,お年寄りを,「病気で,悲しそうで,疲れており,薄汚れた醜い」人と見ています。年のゆかない人々がお年寄りをいよいよ尊敬しなくなっ

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