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大イカ,すさまじい海の生き物目ざめよ! 1971 | 1月8日
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液体を出すが,自分の大きさぐらいの量を発射して,追跡者を困惑させる。いわば,海中“煙幕”というわけである。
さらに攻撃者の目をくらませる助けとなっているものに小さい色素細胞がある。それによってイカはからだの色を変えることができる。それらの細胞はきわめてすぐれた働きをし,背景の色にごく近い色彩を呈することができ,背景の違ったところにさしかかると,からだの表面に色のウェーブが現われるほどである。
この驚くべき海の怪物の目は,とにかく巨大である。直径が40センチ近くにもなり,海辺のボール遊びに使われる球ほどの大きさになる。イカの目は驚くほど人間の目に似ている。両方ともまぶた・透明な角膜・前後眠房・網膜・水晶体・黒白の像を感受する桿状体細胞・色覚を感ずる錐状体細胞がある。構造上あまりにも類似しているため,有名な生物学者であるN・J・ベリル博士は次のように述べた。「動物学者のだれかに,動物界で最も驚嘆すべき点を一つ選べ,と尋ねるなら,どう見ても信じがたいほど不可思議な器官である,人間の目,あるいはタコとイカの目ではなく,多分,両者つまり人間の目とイカの目が,ほとんどすべての詳細な点に至るまで似ている,ということをあげるであろう」。イカの目の中には,0.1ミリ平方につき1万個の受容器があり,詳細な点まで見ることができる。
大きさに関する疑問
それら大イカがどれぐらいの大きさになるのか,多くの人が不思議に思っている。調査された中で最大のイカは,ニュージーランドのライヤル湾で発見されたもので,全長約17メートルあった。それら大イカは,12の異なった種類にしか分類されておらず,それよりも大形の種類のイカがいることも大いにありうる。事実,その可能性を示す証拠もある。
たとえば,マッコウクジラの常食はもっぱらイカで,しかもその大小を問わない。それら50トンの重量のある巨大なクジラの多くには,大イカとの格闘を物語る深い傷跡がついている。クジラの皮膚に,直径7ないし10センチぐらいの大きさの輪状の傷跡が,あばたのようになって残っていることがよくある。いうまでもなく,海中での乱闘の際,イカの触腕についている吸盤から受けた傷跡であろう。体長15メートル級のイカの吸盤と,傷の大きさがだいたい同じだからである。
それにしても,吸盤の大きさがイカの大きさに比例するとすれば,海洋にはとてつもない大イカが住んでいることになる。なぜかというと,傷跡の中には直径45センチぐらいのものさえあるからである。比較でいうと,吸盤が45センチのイカは,全長が60メートル以上もあることになる。それほどの巨大なイカが実在するかどうかは確かめられていないし,そうした大きな傷跡が生じたのは,吸盤がしなやかなクジラの皮膚の上をこすった結果であるともいえよう。しかし,19世紀のある旅行記によると,皿ぐらいの大きさの吸盤のついた,人間の胴体ほどの太さの,イカの触腕を見たと唱えた人がいる。
やがて,大イカと,その活動的ですさまじい海の怪物にかかわる秘密が,さらに明らかにされるであろう。
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聴力目ざめよ! 1971 | 1月8日
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聴力
◆ 人間の聴力は年齢によって異なる。明らかなことだが,赤ん坊は生後の数日間,何も聞こえない。低い音を聞きとる力は,25歳ぐらいまで増進する。だいたい50歳になると,高い音を聞きとる力が衰える。高い音を聞きとる力が,25歳ごろから衰えはじめる人もいる。しかし,神の新秩序のもとでは,聴力は完全な状態に達し,そのまま永遠に保たれてゆく。
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