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    目ざめよ! 1975 | 2月22日
    • 心地よい運動

      ドミニカ共和国の「目ざめよ!」通信員

      そうです,一日歩いた後に座り心地の良いいすに腰を下ろして休む以上に良いことがあるでしょうか。しかもそれが揺りいすであるとすれば,そうです,それは心地よい運動です。

      揺りいすの持つ絶大な人気の秘密は何でしょうか。多くの人がそれを気持ちの良い実用的ないすとみなしているのはなぜですか。そうです,このいすは,幼子をあやして寝かせつけたり,泣きやまらせたりしようとする母親たちによって何百年もの間用いられてきました。(そして多くの母親は,これが同時に自分たちの神経を静めてくれることをも見いだしていたのです。)さらに,「おやすみ前のお話」を聞きながらおばあさんに優しく揺り動かしてもらった小さな少年や少女たちもいます。その動きには,小さな子供に何か安心感を与えるものがあるようです。

      多くの老人たちもまた,揺りいすの静かな動きが,老齢による痛みや苦しみを柔らげてくれると感じています。そうした人々は,神経が高ぶって眠つかれない時など,数分間揺りいすに座るだけで神経が静まって眠気がさしてくることに気付きました。静かな夕方,ベランダに揺りいすを出して座ることは黙想の機会となり,物事の成り行きをあれこれと思い巡らすひと時ともなってきました。老齢の人々の中には,くつろぎ方を知らないことが若者の問題であると感じている人もいます。それで,幾つかの土地で揺りいすの人気が上昇しているのは,若い人々が“昔ながらの”ささやかな静穏にあこがれているしるしであるかもしれません。

      しかし,こうした情緒的な利点に加えて,揺りいすには多くの実用的な益もあります。熱帯地方では,前後に揺れる運動が扇子の代わりとなり,また,蚊がとまることをも防いでくれます。それで,ずっと揺れていたいという気持ちになるのです。

      また,暑い土地では,三,四人がふわふわしたソファーに座っていると,すぐに気持ちが悪くなるほど暑くなります。しかし,揺りいすだと,めいめいは自分用のいすに腰かけ,まわりの空気はよく流れます。そうした理由で,熱帯のドミニカ共和国における典型的な住居の居間には,四脚ほどの揺りいすが置いてあります。それはたいてい,調和の取れた円形テーブルを中にして,それぞれ向かい合わせに置いてあります。そのため,どの客にも風が当たり,自分に合った揺れぐあいで座ることができます。

      このいすの心地よさに対する人気と評判を盛り立てているもう一つの要素は,大きさと形の多様性です。屋外用の鉄やはがね細工の揺りいすがあります。また,屋根の付いたベランダ用の簡素な木製のものがあり,十分な詰め物をして念入りに作ったものもあります。

      長年多くの人に好まれてきたのは,ボストン型の揺りいすです。ある本の中には,このいすの初期のものがどのようなかっこうをしていたかについて次のように書かれています。「それは,後方から前方にかけてやや傾いたわん曲した座があって,いすの背は高く,装飾を施した板もしくは頭置きが上部に付いており,それにはたいてい花模様が描かれていた」。

      しかし,だれが最初の揺りいすを設計したのでしょうか。揺れ動くいすを最初にこしらえたのはだれでしょうか。揺りかご,つまり小さな揺れるベッドは,幾世紀もの間用いられてきましたが,揺りいすのほうは比較的最近の考案であると思われます。その最初のものは,現在アメリカ合衆国となっている土地で1600年代に作られたと言う人が多くいます。しかし,「ランカシャー[英国]に起源がある」とも主張されています。それでもちろん,考案者がだれであるかという点についても意見は分かれます。しかし,最初の揺りいすは,古くなったいすの足を短くすることによって作られたという点では一般に一致を見ています。それからその底部に“曲がり”もしくは“ランナー”が取り付けられました。それによって前後に運動できるのです。

      アメリカでは,古家具を好む人の中に,揺りいすの愛好者が多くいます。ペンキを塗った古い揺りいす(外のベランダや納屋の中に何年も捨てられていたのであろう)を買って来る人もいます。古いペンキをはがすと,その下には,上質の樫の木が再度の使用を待っているのです。そうした人々にとって,古いいすの“きしみやうなり”は別の時代の“音楽”と感じられるのであり,古いのを新しいものに換えようとはしません。

      勧めるべき点の多いことは確かですが,多くの揺りいすには一つの危険があります。幼い子供やペットが揺りいすの足の下にはい込み,床との間に指などをはさまれてしまうことがあるのです。猫に物が言えるかどうかは大いに疑われる点ですが,しっぽをくだかれた多くの猫たちは,揺りいすに気に入りの票は投じないでしょう。むしろ,それについては嫌悪の情を抱いているかもしれません。

      しかし,人間にとってはそうではありません。揺りいすの人気の理由は場所によって異なりますが,一つのことはいっそう明確になりました。つまり,揺りいすを気に入りのいすとする人が多くなっているという点です。そうした人々は,揺りいすの運動が心地よいものであることに同意しています。

  • ニカラグアにおける切り株の収穫期
    目ざめよ! 1975 | 2月22日
    • ニカラグアにおける切り株の収穫期

      ニカラグアの「目ざめよ!」通信員

      切り株の収穫ですって? ピーナッツや真珠の収穫について聞いたことはあり,森林の収穫についても聞いたことはありますが,切り株の収穫など聞いたことがありません。切り株をどのように“収穫する”のですか。

      たいていの場合,木材会社は,のこぎりくずの山の中に,かつてはそこに堂々たる松の森林があったという無言の証拠を残してゆきます。つまり,むき出しにされたみすぼらしい切り株です。むき出しにされて,みすぼらしい,しかし決して無価値な存在ではありません。そうした切り株は,ニカラグアの重要な産業である,ロジン,テレピン油,ジペンテン,パインオイルなどの製造に必要なものです。

      農園に着いた時,土地の人々がなぜそれを切り株農園と呼んでいるかがすぐ明らかになりました。そこには数エーカーにわたって合計1万5,000トンもの切り株が点在していました。

      そうした切り株を収穫のために備えることは,木材業者によって木が切り倒された時から始まります。その時以降,化学作用のための時間を経過させなければなりません。外側の樹皮は腐ってなくなり,一方樹脂は切り株の残り部分の木質繊維内に閉された状態になることが必要です。この化学的乾燥作用は,北方の土地では10年から15年かかりますが,この熱帯地方ではわずか7年から10年ですみます。こうして切り株の“収穫”準備が整います。トラクターがそれを地面から押し出します。切り株はトラックに積まれて工場に運ばれます。

      切り株はまず巨大な破砕機にかけられて細片にされます。ついでそれは,圧力がまに似た分離器に入れられます。石油溶剤がポンプで分離器に送り込まれます。細片を洗って樹脂を抽出するためです。

      別の建物の中では,蒸留法によってこの溶剤が樹脂から取り除かれ,もしくは分離されています。ついでその溶剤は凝縮して液体に戻り,貯蔵タンクに戻され,この循環のためにもう一度用いられます。一方樹脂のほうは別のタンクに流れ,そこで油類とロジンが分けられます。

      テレピン油,ジペンテン,パインオイルの沸点はそれぞれ異なっています。それらは蒸留法で分離されます。最初の油が蒸発しきるまで一定の温度に保ち,ついで他の油類がそれぞれ蒸気として取り出されるまで順次温度を上げてゆきます。分離される油類はみな蒸気の形で出てくるので,冷やしてからそれぞれのタンクに貯蔵します。

      ロジンとジペンテンは輸出されます。ロジンは,ニス,印刷インク,石けん,接着剤,また弦楽器の弓に塗りつけるのに使われます。ジペンテンは,塗料の溶剤を作るのに需要があります。テレピン油とパインオイルはおおむね国内で消費されています。テレピン油と聞いて絵筆の洗浄液を思い出すかたがあるかもしれませんが,これは殺虫剤の原料ともなります。パインオイルは消毒剤に用いられています。

      黒い切り株が無数に点在する起伏の多い平原を見つめているうちに,今後しばらくは,切り株の収穫がニカラグアにおける有望な産業であるということが,実感としてわかってきました。

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