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人間の創造に見られる神の寛大さ目ざめよ! 1973 | 7月8日
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だけでなく,鼓動を打つたびごとに送り出す血液の量をもふやします。また,動脈の血圧は30ないし40%ふえ,その結果血流は非常に速く毛細血管に達し,余分の栄養を求めている体細胞に養分を供給します。ですから,筋肉が激しい仕事をしている時には,それが休んでいる時の何倍もの数の毛細血管が働いています。
血液そのものについていえば,年々歳々毎秒「800万個の血球が死滅し,…骨髄,リンパ腺,また扁桃,ひ臓,胸腺および腸のリンパ組織がそれに代わる新しい血球を生成し,補充して」います。(ライフ・サイエンス・ライブラリー出版,「人体」)1立方㍉㍍の血液(たとえば英語の「o」の字より小さい容積の)中に,500万個の赤血球が含まれています。しかし,この数値は普通の高度で生活している場合だけにあてはまることで,大気中の酸素がかなり希薄な相当の高度の場所は行く場合,人体はそれより50%以上も赤血球をふやすことができます。こうして,個々の赤血球の運ぶ酸素の量は少なくなっても人体の組織は依然として十分の量の酸素を得ることができるのです。
生命を維持する点では血糖の量も重要です。読者の多くもご存じのように,糖分が多過ぎると糖尿病になります。また,低血糖症つまり血液中の糖分の濃度が慢性的に低い状態の引き起こす危険な症状に関する文献が最近数多く発表されています。しかし,普通の体調の人なら,血液中の糖分の濃度が通常の50%以下に下がるまでは,糖分の「欠損いき」(低血糖症状を呈する限界)には達しません。
また,神が寛大な仕方で人体を造られたことは,事故や手術のさいに起きる相当量の出血に関しても認められます。そのような場合,人体は多くの代償反応を示します。血液濃度が危険な状態に達する前に,血圧は一時的に30ないし40%下がり,ほんの短時間のうちに再び正常に戻ります。代償反応の機構は非常に複雑です。たとえば,ひ臓は事態に対処する助けを与えます。というのは,ひ臓には大量の血液がたくわえられているからです。ひ臓は4分の1ほどに収縮して,たくわえている血液をすべて,循環する血流の中に押し出します。また,交感神経系も,血液の量が減少しても正常な血圧を維持できるよう血管を細くする指示を与えて事態に対処します。
人体に組み込まれている,この安全を図るこうした働きは,心臓や脳が優先的に取り扱われることにも認められます。たとえば,ひ臓が供給できる以上の量の血液が必要な場合,筋肉や皮膚に通じる血管は収縮しますが,心臓や脳に通じる血管は収縮しません。というのは,心臓と脳は規定量の血液を必要としており,もし血液が不足すれば,回復不能の重大な障害の生じる恐れがあるからです。大量の出血に見舞われると,激しいのどの渇きを覚えます。というのは,体内の水分はまた,血液の量を維持するための溶液としても用いられるからです。
創造者の寛大な備えは,緊急事態のさいに血管が収縮する機構そのものにも認められます。普通の状況のもとでは,延髄つまり脳の脊柱に接している部位がこの種の反応を起こさせます。しかし,もし延髄がそこなわれると,脊髄内部の多くの血管中枢神経がその作用を代行します。また,この神経系が機能を正しく果たせなくなると,人体の他の作用がその代わりを勤め,ついには血管そのものが外部からの刺激を受けなくても,血管内部の血液の量に応じて口径を調整し,血圧を一定に保つために収縮します。
他の実例
栄養物を貯える人体の能力について考えてみてください。中には,実際に何週間にもわたって断食をする人がいます。もちろん,食物をとらずに生きてゆける期間は,各人の体格,特に体内の脂肪の量に依存しています。
同様に,人間は水がなくてもある期間生きることができますが,あまり長くは生きられません。その理由の一つは,人体はたとえ水分を摂取しなくても,発汗作用や呼吸作用のさいに,また腎臓を通して水分を排出しているからです。それに,人体はその3分の2かそれ以上が水分であるにもかかわらず,体内の水分の10%を失うと,非常に重大な結果を引き起こし,20ないし22%を失うと死亡します。それゆえ,地球を人間の住みかにするよう意図された神は,少しの期間でもあれ水なしで生きなければならないような人が出ないよう,賢明にも地球に水を豊富に備えさせるよう取り図らわれました。
人体の作りには,人間が食物や水なしでやってゆかねばならないような万一の事態に備えて,あたうかぎり安全を図れる余力が備わっています。しかし,空気なしで,つまり酸素なしで生きられる時間はきわめて短時間です。酸素の供給が8分間止まるだけで,たとえ死を免れたとしても,回復不能の障害を招く場合があります。ですから万一,人事不省に陥った人を助けなければならないような場合には,犠牲者の呼吸をさまたげるものはいっさい除くようにしてください。
最後に,人間の骨格について考えてみましょう。筋肉はそのものの長さ以上にはほとんど伸びません。実際,筋肉の両端は骨に付随しているので,伸びる必要はありません。しかし,神が寛大な仕方で人体を造られたことは,骨や軟骨の構造にも示されています。健康な人の骨は,普通必要とする強度をはるかにしのぐ強度を備えています。
確かに,創造者は寛大にもさまざまの器官や機構を人体に付与してくださいました。ほんの最小限度のものを備えるだけでは満足されませんでした。創造者はまるで,経済性よりもふんだんに与えることをモットーとされたかのように思われます。完全な人間が罪を犯さなかったなら,神が人体に組み込まれた,安全を図るさまざまの働きすべてを必要とするようなことはずっと少なかったことを考えると,このことにはいっそう驚嘆させられます。こうした事実を考えると,わたしたちの創造者に対する感謝の念を覚えるとともに,人体に対する健全な敬意をいだくよう動かされるのではないでしょうか。確かにそのとおりです。
自分のからだに十分注意してください。それは自分自身の益になります。万一の場合,あなたのからだに備わっている,安全を図る働きは,たとえ生死の違いをもたらさないまでも,病気か健康かの相異をもたらすものとなる場合があるでしょう。
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鎮痛剤の使用目ざめよ! 1973 | 7月8日
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鎮痛剤の使用
痛みを和らげる薬はたいていの国で簡単に入手でき,多くの人はそれを常用しています。それは賢明なことでしょうか。長期間服用する場合,鎮痛剤および解熱剤として効果のあるフェナセチンは腎臓を徐々に害する可能性があることを医学は明らかにしています。いくつかの国で,あらゆる種類の痛みを取り除く薬として服用されているジメチル・アミノ・フェナセチンも,最終的には白血球の生成機能を停止させ,致命的な結果をもたらすことがあります。頭痛薬として使われている,サリチル酸と酢酸の化合物(すなわちアスピリン)中のサリチル酸は少量の出血を招きます。もし,これを常用するなら,実際にひんぱんに頭痛が起きるようになります。
オーストリアのウィーンで発行されている「アインカウフ」誌の中で,ハインツ・フィデルスバーガー博士はこれらの鎮痛剤の常用に関して次のように述べました。「特定の時に痛みがあるとか,少し気分が悪いとかで,人はこの種の薬を飲むのであろう。その後しだいにひんぱんに服用するようになり,やがて連用の結果の痛みが始まる。その痛みを和らげるため,今や1日に数錠も服用しなければならない。こうしてからだへの害が増していく」。よくあることのように思われませんか。
そのような鎮痛剤常用者に関して,同博士の報告はさらに次のように述べています。「彼らはいつもさまざまの痛みを訴え,昼も夜もみじめな気持ちでおり,何ものも彼らを助けることはできない。彼らは中毒にかかっており,一度は確かに非常に有益であった薬剤の犠牲者である,今日では何百万人もの人びとがそれを麻薬のように毎日飲んでいる」。
病気の原因を調べて治療するほうが,単に痛みを殺すだけよりも,そして事によったらあなた自身を殺すよりもよいのではないでしょうか。
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