-
あなたはエホバの証人のひとりになりたいと考えていますかものみの塔 1968 | 6月1日
-
-
訓練のための備え
しかし,初期クリスチャンがしたように,家から家を尋ね,公に伝道することは自分にはできないと思われるかもしれません。(使行 5:42; 20:20)「いったいどのように人々に話したらよいのだろうか。何を話したらよいのだろう」。と尋ねるかもしれません。あるいは「自分には伝道のわざを行なう資格がない。また神の奉仕者になるような能力などはない」と考えてしまうかもしれません。
あなたがそのように感じられても,別に驚くには及びません。神のしもべの大部分の者は,そういった考えを一度や二度はいだいたことがありましたし,また同じように考えて言葉に表わしたことがあるでしょう。しかし,彼らは神に頼ることを学びまた,神は彼らを失望させることはありませんでした。神はご自分の霊によって,しもべが宣教をはたすよう資格を備えられ,援助されます。人の持つ力や個人の能力でわざが遂行されるのでないことは確実です。それは使徒パウロが述べた言葉と同様です。「わたしたちのこうした力は,神からきている。神はわたしたちに力を与えて……仕える者とされたのである」― コリント第二 3:5,6。
第1世紀において,神は,ご自分の民を奉仕のわざに訓練する備えをされたことを思い起こされるでしょう。(エペソ 4:11,12)新しい人々は,家から家への宣教や,御国奉仕の他の活動を遂行するにあたり,クリスチャン組織の円熟した成員の援助を得ました。今日でも,神の用いるクリスチャンの組織は,同様な教育のプログラムをもうけています。それで心配しないでください。あなたは愛ある励ましと援助が得られるのです。経験を積んだ奉仕者は,よろこんであなたを伴い,宣教がどのように効果的に行なわれるかを示すでしょう。
あたはすでに,家から家の宣教に一緒に行くよう招待されたかもしれません。そのような招待にまだ応じていないならば,さっそく応じてください。きわめて尊いこのわざを始めることは,あなたにとって幸福なことです。まだ招待を受けず,また,宣教に参加したいと思われるならば,あなたに聖書を教えている奉仕者に,そのむねを知らせてください。その方は,あなたとともに伝道することを喜んでとりきめるばかりか,望まれるならば,あなたがロで証言する備えをするため,簡単な紹介の言葉を準備したり練習して援助するでしょう。
エホバの証人は,今この時,新しい人々が宣教を始められるよう特別の努力を払って援助します。それで,奉仕に参加するようさしのべられている招待に応じてください。これはイエス・キリストと初期のクリスチャンが行なったわざです。また,イエスは,この事物の制度の終わりの前に,御国の伝道が世界的な規模で行なわれると預言されました。(マタイ 24:14)それで,このわざの一端をになうことは特権ではありませんか! 躊躇しないでください。さっそく行なってください。あなたの永遠の祝福のために,天の父の是認を得るこのわざに,今,参加し始めてください。
-
-
『すべての国の民へ証言』ものみの塔 1968 | 6月1日
-
-
『すべての国の民へ証言』
エホバの証人の1968年度年鑑より
困難な状況下で働く
ハンガリー
昨奉仕年度中,ハンガリーにおけるわざは良く進歩しました。多くの人が水によるバプテスマによって献身を表わしました。当局者はエホバの証人に対してかなりの寛大な態度を示しました。そして,エホバの証人が法律をよく守る正直な市民であるという事実をますます悟っているようです。
エホバの証人は正直という資質のゆえに人々に好感を与えています。ハンガリーのある村の警察に新しい署長が赴任しました。署長は着任した当時,エホバの証人のことはあまり知りませんでした。事実,署長は,エホバの証人に対して敵意さえいだいていたほどです。ある日,エホバの証人の一姉妹がその村へ行く途中,道ばたに落ちていた書類入れを見つけました。中にはかなりの額のお金がはいっていました。姉妹はさっそくその書類入れを署長に手渡しました。署長はその姉妹を見て,「あなたはエホバですね」と尋ねました。そこで姉妹は,エホバとはどなたかを説明し,また自分はそのひとりの証人であることを話しました。その書類入れの中のお金を見た署長はこう述べました。「あなた方は本当に正直な人だ」。帰りぎわに署長は暖かい握手を姉妹とかわしました。そして,この姉妹の正直な行為のためにエホバの証人に対する署長の考えは完全に変えられたのです。そのことは,その後しばらくして,この村のある家庭でその署長も招いてパーティーが開かれたおりに明らかになりました。この署長はそれまでに幾人ものエホバの証人と話し合えたこともつけ加えておきましょう。さて,そのパーティーの最中,居合わせたある人々がエホバの証人のことを悪しざまに話したのです。署長はしばらく黙って聞いていましたが,憤然としてこう言いました。「これらの人々のことをそのように非難すべきではない。彼らは実に正直な人々だ。だれよりも最も善良な人々だ。もしすべてがエホバの証人であったなら,どれほどすばらしかろう! 彼らは何一つ問題を起こさないのだ」。ところが,署長はこう嘲笑されました。「あんたもその仲間になりたいのかね? 気をつけなさるがよい。その仲間になれば,ピストルを持つことはできなくなりますぜ!」 署長は答えました。「エホバの証人には警察は不用だ。彼らは秩序を認め,そして尊重しているのだ」。
宣教に活発に参加するとき,私たちは霊的に成長し,個人的な問題はより良く解決できるものです。ところが,宣教を怠ると,逆の結果が生じます。ひとりの巡回奉仕者は,聖書の真理を受け入れた一家族に関してこのことを特に感じさせられました。そしてその会衆を訪れ,この家族を訪問すると,たいてい色々の個人的な問題で相談を受けました。しかしその奉仕者は,この家族が神のみことばの研究だけでなく野外奉仕も怠っていることを知っていました。特にその妻の態度は問題でした。妻は家族の取り決めにおける自分の立場を正しく認めず,夫にしばしば逆らっていました。それで当然のことですが,妻には喜びがありませんでした。そのうちに,妻が病気になり入院して大手術を受けねばならない事態が生じたのです。しかし入院中,舌を善用して,まわりの人々に証言しました。起きられるようになってからは聖書を手にして病室を次ぎ次ぎに訪れ,御国の希望で病人を慰めました。退院する時には,最初その伝道に反対していた人も含めてすべての人が別れを惜しみました。多数の患者は自分が退院したら,訪ねてほしいと言って,住所を書いて彼女に渡しました。その巡回奉仕者が,次にこの家族を訪問した時,事情が一変したことを知りました。家族内の雰囲気はすっかり変わり,喜びがあふれていました。ささいな事でぐちをこぼす者はいませんでした。宣教に活発に参加したために,家族全員が真の祝福を得たのです。
ポーランド
夏の休暇の時期には,何百人もの奉仕者が御国のたよりを携えて,辺ぴな地区に出かけて行きました。その多くは,休暇開拓奉仕ができるほどのたくさんの時間を費やしました。これらの奉仕者はすべて大いに励まされてそれぞれの区域に戻りましたが,数人の伝道者はその奉仕の霊的な祝福に感激し,開拓者として奉仕を始めるよう目下計画を立てています。
神のみことばは,強力なハンマーのような力を持っており偽りの考え方の最も強固な土台さえ打ち砕くことができます。ある工場の上役で20年来,進化論の熱烈な信奉者だった人が,このことを実際に経験しました。彼は,進化論が証明された科学的な真実だと確信していました。その後,彼の下で働くよう新たに一人の人が雇われました。その人はエホバの証人のひとりだったのです。そして,その証人は昼休みに「良いたより」を同僚に伝道しはじめました。もちろん,そのために人々から嘲笑され,そして責任者からもひどい扱いを受けました。それで,その上役は宗教について彼と論じ合い,その考えを矯正してやろうと決心したのです。そして余暇はもとより時には夜おそくまで宗教学,世界史,考古学などを勉強して,準備しました。また,他の宗教団体の代表者と話し合って,エホバの証人の誤りを証明する資料を得ようと試みましたが,それら代表者の見解が互いに矛盾していることに気づきました。それから彼は自分で聖書を買い求め,ものみの塔協会の聖書研究の手引きと照らし合わせて聖書を研究しはじめました。ところが,全く予期していなかったような事が起きたのです。つまり,創造者なる神が存在し,そして聖書が神の真理のみことばであるという事実をますます確信するようになったの
-