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  • 占星術より良いもの
    目ざめよ! 1970 | 3月8日
    • にたよるほうが賢明ではありませんか。天体の動きが自分と人間の将来について告げると考えるより,それら天体を造られたかたに導きや将来に関する知識を求めるほうが道理にかなっていませんか。宇宙に浮かぶ無生の物体の集合よりは,生きた創造者ご自身のほうが人間についてよく知っておられるはずではありませんか。

      自分の将来を知り,生活の導きを得ようとするのは正しいことです。しかし,その二つは神のことばに求めるべきものです。そこに信頼できる情報があるのです。あなたがそうするなら,神のみことばはあなたの足のともしび,またあなたの道の光となります。そこに含まれる知恵は平安と,喜びと,とこしえの命への道を開きます。―詩 119:105。箴言 3:13-18。

      あなたをこの時代に臨む災いから守り得るのは,占星術ではなく,エホバ神おひとりです。エホバ神だけがご自分の建てる新秩序での平和と安全という将来をあなたに与え得るのです。それで,しるされた神のみことばである聖書にたよるなら,あなたは,自分と自分の将来について,占星術が差し伸べるより,はるかにすぐれた知識を得られるでしょう。

  • 大災害に襲われたらどうしますか
    目ざめよ! 1970 | 3月8日
    • 大災害に襲われたらどうしますか

      昨年8月,直径280キロの暴風圏を伴い,最高瞬間風速98メートルを記録したハリケーン・カミールがアメリカ南部を襲いました。全米ハリケーン・センターの理事ロバート・H・シンプソン博士はこれを,「西半球の都市を襲った史上最大のハリケーン」と評しました。

      8月17日の夜,ハリケーン・カミールはメキシコ湾からミシシッピ,ルイジアナ両州の海岸一帯を襲い,次にアラバマ,バージニアまたウエスト・バージニアの各州を縦断して猛威をふるい,膨大な損害と多数の死傷者を出しました。車や家はおもちゃのようにつぶされ,トラックはひっくり返され,大型貨物船はほんろうされたすえ,海岸に打ち上げられ,また木立ちは根こそぎにされるか,折り曲げられて砕かれ,道路や橋も破壊されました。海岸地区の町は10メートル近くの高潮に洗われ,海浜の建物は山のような大波で破壊され,町は何分もたたないうちに荒廃し,4万1,000世帯の家が破壊もしくは相当の破損をこうむりました。家を失った人は2万5,000人余,また死者は300人を越えました。資産の損害は総額10億ドル(3,600億円)と推定されています。

      こうした天災や大災害に見舞われたなら,あなたはどうしますか。どのように対処しますか。

      ハリケーン・カミールは突然に襲ったのではありません。このハリケーンがメキシコ湾沿岸のこれらの地域を襲う48時間前に警報が発令されたのです。ですから家の戸や窓に板を打ちつけて補強し,また低地から高台にのがれる時間は十分にありました。警察からの警報に加えて,ハリケーンはその襲来の何時間も前,海岸地域一帯を真昼にもかかわらず墨を流したように暗くし,重大な事態の近づいていることを示したのです。

      およそ20万人もの人々は台地に避難し,屋外であらしに備えましたが,家にとどまった人もいました。ミシシッピ州パス・クリスチャンのウィットマン市長は語りました。「市民の多くはハリケーンを何度も経験してきたので,今回のハリケーンがそれほどひどいとは考えませんでした」。ハリケーンがこれほどの災害をもたらすとは考えられなかったのです。それで,海岸地区にいても,これまで同様なんとか切り抜けられるだろうと考え,ウィスキーのびんをかかえて安楽いすに身をうずめ,のんびりと構えた人もいました。また海岸のアパートに集まって,あらしの襲来をよそに,パーティーを楽しむ者もいました。あるアパートに集まったそうした人々二十数人は,安全な高台に避難するようにとの警官の注意を退けましたが,生き残ったのはそのうちわずか3人だけでした。

      人口4,000人の町パス・クリスチャンでは各所の泥の中から100余の遺体が掘り出されました。ある家族は一家13人が全滅し,犠牲者の遺体はやぶや木立ちのあいだ,屋根などから見つかりました。海岸の家にいて危うく難を免れたある男の人はそれまでの無関心な態度を一変させてこう語りました。「これからは,“ハリケーン”と聞いたら,さっそく北部に逃げます」。しかし幾百人もの人々はもはやどうすることもできません。耳を傾けるべき警告を無視して命を失ったからです。

      あらしを切り抜けるための用意をしなかった人は,ガス,電気または飲料水を断たれて困りました。道路はほとんどの場所で通行不能に陥り,鉄道は寸断され,電話連絡も断たれました。いたるところに死臭が漂い,また医薬品も欠乏しました。ミシシッピ州パスカゴーラは洪水で湿地を追われた何百匹もの毒へびの侵入を受けました。この不幸な災害に加えて略奪者や闇商人がはびこり,警察が闇商人を検挙するまでは,ガソリンや飲料水が1ガロン(約3.7リットル)1ドルないし1ドル50セントで売買されました。

      ある地区の人々は最新のりっぱな家から避難しましたが,戻ってみると,家は見る影もなくいたんでいました。暴風のために多数の家が破壊されました。また家の前面の壁や窓を倒され,家具を砕かれ,屋根は吹き破られ,庭木を倒された家もあり,そのうえ無傷の品物は略奪にあいました。一個所で1万2,000ドル(432万円)相当の銀製品を盗まれたところもあり,こうした盗難を防止するため,州兵が派遣されました。

      わが家にたどりついた人々は,車の中や,こわれた建物の中で夜を明かし,残ったわずかな物品を盗まれないように見守りました。各地に設けられた罹災者収容所では大ぜいの避難者が仮設食堂で飢えをしのぎました。なかには食べ物を求めて家々を回り歩いた人もいます。災害地の光景はまさに救いようのない悲惨なものでした。

      愛の思いやり

      しかしこうした災害地区にも別の光景,つまり愛と深い思いやり,また個人的な援助の差しのべられる光景を見ることができました。一例として,ミシシッピ州ガルフポートのエホバの証人の一会衆の監督奉仕者は次のように書いています。「ハリケーンがわたしたちの地域を襲うことがほぼ確実になった時,わたしたちは仲間のクリスチャン兄弟姉妹たちの協力を得て,会衆内のすべての人と連絡を取りました。そして,まず確認すべき幾つかの事項をそれらの兄弟姉妹に伝えました。それは,『もしハリケーンに襲われたなら,どこへ避難するか。車が必要か。どんな助けを必要としているか。食料品を買っておくこと。煮焼きしなくても食べられるもの,また乾物や,かん詰類を買い入れること。飲料水を容器に入れて携えてゆくこと。自分の行く先,またはどんな援助が必要かを書籍研究のしもべに必ず知らせておくこと。予定を変更する場合には,援助を受けられるようにするため,または他の人を助けられるようにするため,予定の変更を必ず連絡しておくこと』などの事項です。そして他の会衆とも連絡を取り,会衆内の人々に必要な注意を与え,その他のことが行なわれているかどうかを確かめました。そして夜半までには仲間のクリスチャン兄弟たちすべての所在を確認できました。運まかせにされた事柄は一つもありませんでした。こうしてわたしたちはエホバ神の保護を祈り求めたのです」。

      エホバの証人のあいだではどこでもこうした愛の思いやりが示され,またそれは心から感謝されました。電話のベルの音で目をさましたアラバマ州モビールのひとりの証人はこう語りました。「その電話をかけたある証人は,ハリケーンがモビールに向かっていると伝えてくれたのです。それからまもなくわたしたちの書籍研究のしもべが電話で同じことを伝えてきました。会衆の監督が書籍研究のしもべにすでに連絡を取っていたのです。仲間のクリスチャン兄弟たちがわたしたちに愛の思いやりをいだいてくれることを知り,心の安まる思いがしました」。多くの人がこれと同じことを経験しました。

      心のささえとなる神のみことば

      こうしたやさしい兄弟愛は,神への愛と,クリスチャンとしての精神的訓練に根ざしていることがわかります。アラバマ州セオドールからの手紙はこう述べています。「わたしたちは避難の準備を整え,神のことば聖書が勧めるとおり,カイザルの命令に従いましたが,近所には避難命令に応じない者もいました。それらの人々は,アパートの1階が1メートル半ほど浸水したため,階上に閉じ込められてしまいました」。

      証人たちは自分たちの家や御国会館にある聖書や聖書文書類を,水もれのしない容器に入れました。ガルフポートのある証人はそのような文書についてこう述べました。「これらの文書は最も大切な持ち物です」。別の証人も同様のことを述べています。「これまで経験したどのハリケーンの場合もそうですが,わたしは製本した『ものみの塔』と『目ざめよ!』誌を守ることを真っ先に考え,できるだけの処置を講じ,また,大会で得た最近の出版物や自分の聖書を箱につめて車に入れました」。もうひとりの証人もこう語りました。

      「こうした非常の場合,聖書の知識とエホバのお約束を心に収めていることはほんとうに大きなささえとなります。わたしたちがあまり落ち着いていたので,近所の人は,わたしたちが何度もハリケーンを経験してきたのではないかと考えたほどです」。

      慰めを与えた祈り

      ガルフポートでは,会衆の監督者を含め約30人の証人たちが御国会館に集まりました。そこにとどまって難をのがれたある証人はこう書いています。「多数の立ち木が折れましたが,その音もあらしの激しさのために聞こえませんでした。巨大な貨物列車が通過するような轟々たるあらしの音が会館の上空を何度か過ぎてゆきました。[ミシシッピ州ビロクシの空軍基地の観測によれば,この地域で47のたつ巻きが発生したとのことです]あらしのあまりの激しさに,祈りをささげ続けてその夜を過ごしました。翌朝,外に出てみると,どこを見ても破壊の跡ばかりでしたが,御国会館は無傷のままでした。監督奉仕者の賢明な指示に従ってエホバの家にとどまったわたしたちは,みな心から神に感謝しました」。

      別の証人は語りました。「わたしたちは10キロほど離れた北部の一証人の家へ避難するように招かれました。その家には17人ほどの人が集まり,互いに励まし合いましたが,あらしは実に恐ろしいものでした。そのうちに屋根の一部が破られ,その物音で目をさましたわたしのむすこはこう尋ねました。『おかあさん,エホバはわたしたちをハリケーンから守ってくださるのでしょう』。わたしは思わずむすこをいだいて,ともにお祈りしました。ようやく夜があけて,周囲の悲惨な光景を見たわたしたちは,確かにエホバが守ってくださったということを知りました」。

      各地を旅行して奉仕する一監督者はこうしるしています。「わたしたちはろうそくの火をたよりに2階建ての家のやみの中で退避していました。やがて水かさは増しはじめ,取り残された家具や冷蔵庫が浮きだして来ました。それは恐ろしい光景でした。わたしたち9人は静かにエホバの助けを祈り求めました。やがて午前3時,水はついにひきはじめ,危険は去りました。わたしたちはみなエホバに祈り,感謝しました」。

      別の証人は夫の指示に従い,子供たちを連れて近くの学校に避難しました。彼女はこう語りました。「わたしたちはエホバに絶えず祈って慰めを得ました。その後,ハリケーンが一時静まったので,別の教室に移りました。ところがその直後,わたしたちのいたその教室の屋根がくずれ落ちて,教室は破壊されてしまったのです。わたしたちはほんとうにエホバの恵みで生き残れました。わたしは命のあるかぎり,エホバに感謝をささげます。なぜなら,わたしがこうして生きているのはただエホバのあわれみによるからです」。

      行ないをもって示された愛

      真のクリスチャン愛がなんであるかは,クリスチャンの証人たちが仲間の兄弟姉妹の援助におもむくにつれて,あらわに示されました。ミシシッピ州モス・ポイントからの一報告はこう述べています。「町は破壊されました。……まるで悪夢のようです。人々はただぼう然と途方に暮れ,悲痛な気持ちに打ちひしがれていましたが,わたしたちエホバの証人は決して失望しませんでした。わたしたちは命を守られ,また会衆内の人がみな無事だったことを知り,エホバに感謝しました」。

      「外に出られるようになるやいなや,急いで仲間のクリスチャン兄弟たちを尋ね,その安否を確かめました。そばまで行けないところもありましたが,やがて全員無事であることを知りました」。これはガルフポートからの一報告です。

      また同じガルフポートの一監督奉仕者はこう報告しています。「やがて仲間のクリスチャン兄弟たちが見舞いに来るとともに,食料や衣類が続々と届けられ,世界の各地の証人たちからも救援の手が差し伸べられました。事実,兄弟たちがさっそく援助活動を始めてくれたので,災害の翌日すでに救援物資が届けられました。ニューオーリンズからは4台のトラックで救援物資が届けられ,フロリダ州ジャクソンビルからは中型トレーラーで食料,衣類,飲料水またガソリンが送られてきました。わたしたちはあらしに生き残りましたが,仲間の兄弟たちからのクリスチャン愛の洪水でおぼれそうになりました。その後も兄弟たちはトラックで援助物資を送り続けたので,ついにこちらから援助の中止を願い出たほどです。ベニヤ板,タールを塗った巻き紙,大量のタール,元の土台の上に建物を建て直すのに必要なコンクリート・ブロック,くぎ,自動車のガソリン,灯油,蓄電池,その他,必要なものはほとんど兄弟たちから送り届けられました」。

      別の報告は清掃を手伝うために,500キロもの遠方から尋ねてきた証人たちのことを述べています。彼らは幾つかの群れにわかれて証人たちの家々を訪れ,屋根を直したり,場合によっては屋根を作り替えたりしました。ある目撃者は述べました。「ある家では15人もの証人たちが屋根を直し,2時間半ほどでその仕事を終え,水びたしになった家を清掃して消毒し,庭を片づけましたが,それはまさに見ものでした」。

      また,困った人々を助けるために多額の寄付も送られました。「エホバの証人救援基金」という名称で特別の口座が銀行に設けられ,3人の証人たちの手で運用されました。

      ガルフポート地区には衣類やかん詰の食料品が証人たちから大量に送られてきたので,その地の監督奉仕者はひどい災害を受けた近隣の人々を御国会館に招いて救援物資をわけ与えました。それらの人々の多くにとって御国会館に来たのはこれがはじめてでした。

      妻がエホバの証人とともに聖書を研究することに反対していた人々も,証人たちの示した暖かい愛と協力を見て喜びました。そのような未信者の夫のひとりは隣人にこう言いました。「エホバの証人のことをあなたがなんと言ってもかまいませんが,最初にわたしたちを見舞って,安否を尋ねてくれたのはエホバの証人でした」。人種的偏見を持つ多数の一般人も,白人の証人たちが幾組にもわかれて,仲間の黒人のクリスチャン兄弟たちの家の掃除を手伝い,泥やよごれを取り除くさまを見て,たいへん驚かされました。

      しかしエホバの証人も他の人々と同様このハリケーンのため相当いたでをこうむりました。幾つかの御国会館はひどい損害を受け,多数の家屋や移動住宅が破壊もしくはかなりの損傷をこうむりました。しかしエホバの証人はこの大災害でひとりの死者も出さなかったことをエホバに心から感謝しました。

      ある証人たちはこの経験を通して神権的な訓練の価値を知りました。「エホバの御手の保護」を感じた人もいます。ある人は,「エホバがハルマゲドンでわたしたちをどのように保護してくださるかを幾らか理解できたように思います」と語りました。他の人々は,会衆の牧者たちの愛ある思いやり,またクリスチャン兄弟たちの労苦や贈り物として直ちに表わされたあふれるほどの愛に感激しました。「エホバの組織以外どこにもこのような愛は見いだせません」,「エホバのすばらしい組織の一員であることを深く感謝します」と多くの人が語りました。確かにエホバの証人はこの大災害のために,神の地上の組織の存在,祈りに伴う大きな力,またクリスチャン愛の堅いきずなをいよいよ深く認識させられました。そして彼らはエホバの証人であることを誇りに思い,深い喜びを味わいました。―ヨハネ 13:34,35。

  • 「健全な考え」
    目ざめよ! 1970 | 3月8日
    • 「健全な考え」

      ● カナダ,トレントンのある新聞編集者は,自分の机に届くさまざまな出版物について最近次のように述べました。

      「興味深い出版物が多く来る中で,エホバの証人という名でよく知られている,ものみの塔聖書協会からの定期刊行物がある。これはだれの目から見ても敬意に価する組織である。同協会の雑誌は十分な調査の下によく書かれており,同意しない人も多くいる特殊な宗教論以外に,人間の生活と神が人間に与えた世界のあらゆる分野を扱っている。そして,聖書の原則を擁護し,その信者たちに敬意と清潔の観念を植え,善良な市民となり,品行方正な生活をすることを勧めている。自由をはき違えた今日の世の人はぜひ読むべきであろう。

      「道徳や倫理問題に関して提出されている考えはいかなる見地から見ても非のないものである。良い出版物はほかにもいろいろある。そして新旧を問わず,健全な考えを提出しているのはありがたいことである。しかしすべての点を考慮するとき,ものみの塔の出版物が,問題に対する健全な考え方と徹底的な論議という点で他のすべてに抜きん出ていることは注目に価する。この点であまりうまくいっていない他の出版物は,ものみの塔の出版物がそこに論ずる行為の基準に対し,いつもその理由を示している点を考えるべきであろう。今日,専断的な規則は退けられつつある。しかし少なくともここに,人の行為に対してしっかりした根拠を与える出版物がある。セックスに狂い,その読み物をも性で汚した今の世代のただ中にあって,これは心をさわやかにする一種の強壮剤である」。

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