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「緑の革命」から最大の益を受けるのはだれか目ざめよ! 1972 | 10月22日
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必要な食品を買うことができない」。これはアメリカについてもある程度いえることです。政府は農民に金を出して生産を抑えているのに,幾百万人ものアメリカ人は健康を維持するために十分な食事ができず,栄養不良の状態にあります。
国連食糧農業機構の理事長A・H・バーマの発表した最近の概略報告はこう述べています。「農業収入の増加は,どちらかといえば,いよいよ不平等に分配されることになり,その結果,過去数年のうちに,飢えて栄養失調をきたしている人たちの絶対数は増加した」。
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『緑の革命』だけで十分か目ざめよ! 1972 | 10月22日
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『緑の革命』だけで十分か
飢えの問題は今日ですら深刻です。しかし専門家たちの一致した意見によると,問題はまもなくさらに悪化しそうです。
なぜですか。なぜなら,ほかにも考慮しなければならないことがあるからです。しかも,それは最大の問題とされているものです。
ミシガン州立大学の食品科学の教授ゲオルグ・ボルグストロムはそれが何かを指摘しています。「現在の世界的なたん白質の危機が自然に解消し,取り除かれると考える人がいるなら,その人は,飢えた人々が十分栄養のとれる人より2倍の速さで増加していることを忘れてはならない」。
事実,最近の国際連合の報告によると,飢えた人々は,十分栄養のとれる人々より,実際には2倍半の速さで増加しています。したがって,『富んだ』国の人口の増加に伴ってより多くの人が良い食事をする一方,貧しい国々の,十分食べることのできない人の数はそれよりも速くふえています。「人口爆発」を口にする専門家たちが心配しているのはこの問題です。
したがって,「緑の革命」にもかかわらず,飢えの問題は解決されていません。1972年3月6日号のUSニューズ・アンド・ワールド・レポート誌はこう述べています。「世界人口の急激な増加は,とどまるけはいがない。それどころか向こう数年,その増加率はさらに上昇するかもしれない。…現在の人口の増加は,年間7,500万人である。つまり,12か月のうちに新しいバングラデシが生まれる割合になる。…その爆発的な増加のため,人口問題の専門家たちは,飢えが世界の開発諸国にも大規模に広がると心配している」。
インドの現在約5億7,000万人の人口は,毎年だいたい1,400万人の割合で,ふえています。この点に関して,ニューヨーク・タイムズ紙はこう述べています。「増加率が大幅に減少しないかぎり,インドの人口は2000年までには10億人になり,食糧の生産が少しぐらい伸びてもとても追いついて行けないであろう」。
しかし別の筋から出されている警告によると,たとえインドが数年の間に徐々に,「出産率を現在の半分に抑えるという非常な難事」をやり遂げたとしても,それでも十分ではないようです。その人口は2000年ごろまでにはやはり10億を越すであろうとのことです。
地球が,35億または40億,あるいはそれ以上の人口を養えないというのではありません。養いうるのです。しかし,この世の
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