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世界展望目ざめよ! 1982 | 7月8日
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は耐え難いほどに思える場合がある。すると親は,大抵自分たちには手が出ないような製品を買うようにとの圧力に直面する。時としておもちゃやその他の製品が実際に購入されると,子供は失望や落胆を味わうことがある。そのおもちゃがテレビで見た時よりも小さかったり壊れ易かったり,テレビで見た時ほど簡単に作動しなかったりするのを知るからである」。
たばこのために食糧生産の土地が失われる
● アフリカのある国々では,外貨を得るためにたばこをはじめとして,コーヒーや紅茶などが以前よりも多く栽培されるようになっている。これは普通,食糧生産を犠牲にして行なわれる。ナイロビにある全アフリカ通信サービスによると,ケニアのクナティ渓谷の農民は,トウモロコシが同国の最も重要な基本食品であるにもかかわらず,その生産を事実上やめてしまった。たばこのほうが利益が多いためである。ケニアの国土のうち作物ができるのは17%に過ぎないため,これは問題である。その上,クナティ渓谷の山腹の樹木がたばこの乾燥のための燃料として伐採されている。全アフリカ通信サービスは次のように報じている。「クナティ渓谷で起きている事柄はアフリカ全土の他の1,000か所で繰り返されている。国内での消費を犠牲にして,輸出が奨励されている。長い時間がたつにつれて,あらゆる産物の生態学上の基盤が恒久的に破壊されてゆく」。
墜落事故の高い死亡率
● 全米運輸安全委員会によると,1981年の上半期に汎用航空の分野では377件の死亡事故が発生し,708人が死亡した。死者の大半は小さな自家用飛行機や法人組織のジェット機に乗っていた。汎用航空には定期航空機は含まれていないが,その分野で1週間に平均27人の人命が失われている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙はこの点に関して次のように論評している。「安全運航の専門家や政府の取締官は死者の総数に驚いてはいない。これら関係者は,どこへ行くにも定期航空機を使うのは統計的に最も安全な手段であるが,軽飛行機での旅は最も危険なことをずっと以前から知っていた」。
たばこを吸わない人のための席
● 米国民間航空局は,定期航空路の乗客に対して必ず禁煙席を確保することを定めた規則に例外をもうけた。新たな規定によると,禁煙席が必ず確保できるのは乗客が航空会社のチェックインの締切時間までに到着した場合だけである。遅れて来る人やキャンセル待ちの客に席を与えるため,定期航空機の禁煙席の枠を広げる必要はもはやなくなった。
見過ごされている動力源
● 米国国立科学アカデミーの全米研究協議会の専門会友であるノエル・ベトマイヤーによると,多くの国々は動物の動力を見過ごしている。ベトマイヤーは,世界のエネルギー危機を解消するために動物がもっと貢献できるはずだと指摘している。ベトマイヤーはこう語っている。「4億頭ほどの馬や雄牛,雌牛,水牛,ロバ,ラクダ,ラバ,ヤク,ラマ,ゾウなどが人間のために働いていることを知る人は少ない。我々が蒸気や石油や電力を利用するようになった今でも,第三世界では農耕に用いられるエネルギーの約半分に動物が貢献している。幾つかの発展途上国ではその農耕用動力の90%までを四つ足の牽引力で賄っている。……世界の多くの土地で,田舎の農民の方が政治家よりも動物の動力の実際的な価値をよりよく認識している。それは理解できないことではない。自ら繁殖し,ディーゼル燃料をくうこともなく,無料の肥料を生産してくれるエネルギー源を今日だれが進んで手放そうとするだろうか」。
一人の命,約2万円
● 国際連合児童基金(UNICEF)の報告によると,1981年中に世界中で1,700万人の子供たちが病気と飢えのために死亡した。この報告は一人の子供に付き100㌦(約2万3,000円)足らずの費用でこれらの子供たちの死は防ぎ得たと主張している。ユニセフのジェームズ・P・グラント事務局長はこう語っている。「一人の子供に付き100㌦という金額は積もり積もればかなりの額になるが,今日世界が軍備に費やしている費用のわずか6週間分であることを忘れてはならない」。死者の大半はアフリカと南アジアの子供たちで,その数は1日平均4万人を上回る。国連のこの報告は改善の希望をほとんど差し伸べておらず,こう述べている。「多くの貧しい国々では,貧困を克服する面での進歩が鈍っているだけでなく,逆の方向に向かっていることを,経済動向が示している」。
国際的インフレ
● スイスのユニオン銀行の頭取であるロバート・ホルザッハは,最近,国際的なインフレに関する展望について演説をした。同氏は,過去を振り返ると「余り励みにはならない」と述べ,次の点に注目している。「50年代には,先進工業国24か国における購売力の平均的な目減りは……2%以下であった。60年代に,それは4.5%に達した。1970年から1979年までの間にそれは平均8.2%に上昇した。現在,工業諸国の平均インフレ率は10%を超えている」。この通貨の購売力の目減りは,「我々すべてを損なう病気であり」,そして「経済的に一番弱い者たちに最もひどい打撃を与える」と同氏は説明している。
偽札のインフレ
● 「ロサンゼルス・タイムズ紙によると,財務省の彫版・印刷局は,偽札造りの1㌦紙幣偽造をとどめようとしても,それはもはや無意味である,と述べている。今ではドルの価値が非常に低く,偽札造りは20㌦紙幣以下の紙幣をわざわざ手掛けたりはしない」と,ウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。
強制されているという感じ
● ニューヨーク市は,米国最大の慈善団体であるユナイテッド・ウェーが市職員の給与から天引きで基金を集めることをもはや許していない。ニューヨーク・タイムズ紙はこう述べている。「コッチ市長の行政補佐官であるダイアン・M・コフィーによると,ユナイテッド・ウェーの寄付集めの方法は強制されているという感じを市職員に与え,市の働き人の時間を浪費している,と市長は考えている。コフィー夫人は,ユナイテッド・ウェーの運動には市の部局の局長が関係し,係長が寄付集めをするよう任命されていた,と述べている。『それは市によって行なわれる,促進された集中的な寄付集めの努力で,市長は市職員にそうした時間を費やさせることも,こうした機能を果たさせることもふさわしくないと考えた』とコフィー夫人は述べている。……同夫人の話によると,決定を促した別の要素は,他の慈善団体からも天引き特権を求める要請が増加したことであるという」。
ロボットが労働者を“刺殺”
● 政府当局の報告によると,最近1台のロボットが37歳になる工場の保守係員を“刺殺”した。これは日本にある幾千台ものロボットが人を殺した最初の例であると思われる。捜査員によると,この犠牲者は保安境界を越え,誤ってロボットを動かしてしまい,ロボットの腕で背中を“刺された”ものである。
超大型タンカーは絶滅?
● 超大型タンカーはかつてその所有者に莫大な利益を与えてきた。ところが,時代は変わってしまった。今や超大型タンカーの所有者の大半は,格安の価格で売りに出すか,スクラップにするかしてそれを処分している。ワールド・プレス・レビュー誌はこう説明している。「石油危機のために,工業における石油の使用量が著しく減少し,その上スエズ運河が拡張されて15万㌧級の船が航行できるようになったため,そこを通ったほうがアフリカを回る航海をするより安上がりになった。今日では,経済的であるとみなされているのは16万㌧を切る船だけである。過去2年間に,27隻の超大型タンカーがスクラップに回された。50万㌧級の超大型タンカーはもはや建造されないであろう」。
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1914年 ― 転換点目ざめよ! 1982 | 7月8日
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1914年 ― 転換点
1914年以来生じている出来事は何千年も前に予告されていました。それらの出来事にはどんな意味があるでしょうか。
「真の平和と安全 ― どこから得られるか」という,堅表紙の付された192ページの本をお読みになれば,その意味を知ることができます。わずか400円のご寄付でお求めになれます。郵送料は発行者が負担いたします。
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