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神の関心事ものみの塔 1956 | 10月15日
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しかし,正しい良い方法に用いられるならば,よろこび,満足,そして特に幸福を生じます。関心を悪い道に用いるなら,その結果は過失の記録をつくり上げます。そのような過失の記録は,刑罰をもたらすでしよう。これに反して,関心が良い道に用いられるなら,その結果は良い価値の記録をつくり上げます。そのような良い価値の記録は,報いをもたらします。
6 アダムが関心を追い求めた道とその結果を,イエスの取つた道と比較しなさい。
6 例えば,アダムは自分の妻エバを保有したいという利己的な関心を持つていました。この関心を追い求めて行くためには,欺かれなかつたアダムがエバに加わつて主権の神に対する反逆の悪い道を取ることが必要になりました。この悪の道を取つたアダムは,過失(または罪)の記録をつくりました。その結果,この過失の記録を持つたアダムは,死の刑罰を受けるようになつたのです。これとは反対に,人間の贖主になられたイエスの関心に注意しなさい。イエスは,この関心を良い道に行い,刑柱の上で自分の生命を棄てられることがあつても,神のあらゆる律法を守つたのです。(ピリピ 2:8)この良い行は,良い価値の記録という結果をもたらしたのです。そして,彼は終りのない生命への復活という報いを頂きました。アダムの『一つの罪過』は,過失を生じ,この過失によつてすべての人間は罪に定められました。しかし,イエスの『ひとつの行』は,彼の生命の血によつて善を生じました。それにより,『生命を得させる義がすべての人に及ぶのである。』― ロマ 5:18,新口。
ヱホバの関心事
7 ヱホバはどのように関心事を持たれていますか。どの聖句は,このことを裏づけますか。
7 宇宙内の万物の中で,大いなる神ヱホバ御自身がいちばん広範囲な肝要な関心事を持つておられます。数多くの関心事を追い求めて行くときに,ヱホバは非常なよろこびを得られます。これらの神の関心事は,言表わされた神の御意にはつきりと表われており,また定め給う神の目的の中に明白となつています。ヱホバは力強い神であられ,行為の神です。そして,いろいろの事柄を為しとげられ,また驚くべき業を成しとげられます。言表わされている神の御意は完全であり,神のすべての目的に欠点はありません。『なんじらいにしえより以来のことを思いいでよ。われは神なり。我のほかに神なし。われは神なり,我のごとき者なし。われは終りのことを始より告げ,いまだ成らざることを昔より告げ,わが謀略はかならず立つと言い,すべて我が喜ぶことを成さんと言えり。……我このことを語りたれば必らず来らすべし。我このことを謀りたれば必らず成すべし。』― イザヤ 46:9-12。
8 神の関心事は,いつもどのように行われますか。なぜそうですか。
8 神の関心事は,ことごとく良い道に行われます。悪い道に行われる,ということは決してありません。神は,創造という大きな関心事を成しとげられましたが,それについての聖書の記録は,こう述べています『神そのつくりたるすべての物を視たまいけるに甚だ善りき』(創世 1:31)イエスは,神の絶対的な善について『神ひとりのほかによい者はいない』と証を立てられました。(マルコ 10:18,新口)この理由の故に,神の善は,つねに良い価値の記録を御自身にもたらします。それは,今度は幸福と爽快なよろこびという報いを生ずるのです。この理由のために,神は『幸福なる神』と呼ばれているのです。―テモテ前 1:11。
9 今日,地の住民に影響する神の関心事のいくらかは何ですか。
9 今日,地と全人類についての神の関心事は何か,との質問が生ずるでしよう。神の大きな関心事または目的の一つは,豊かな資源に富むこの地を楽園<パラダイス>の美で包み,そして生ける神と一致調和し,かつ生ける神の愛の民となる正義の住民でこの地を充す,ということです。『ヱホバは天を創造し給える者にしてすなわち神なり。また地をもつくり成してこれを堅くし,いたずらにこれを創造し給わず,これを人の住所につくりたまえり。ヱホバかく宣う。』(イザヤ 45:18)別の関心事は,選ばれた裔である王キリスト,イエスを用いてこの地より悪を取除くという宣明された目的です。(創世 3:15)また,王であるキリスト・イエスと彼の花嫁として選ばれた14万4000人とで成立されている御国 ― 裔制度を用いることにより,諸国家からのすべての善意者に『福祉を得』させるのは,神の御意であります。(創世 22:18)さらに,神の雄大な御意によると,神は新しい世の制度の設立に非常な関心を払われました。そして,新しい天は1914年に設立され,新しい地は1919年に設立されたのです。新しい世の制度は,いま地上で新しい世の社会の中に反映されています。(イザヤ 51:6)今日,ヱホバの証者のその社会は,設立された御国の音信を熱心に伝道しています。それは,正義の心を持つ人々を援助して,共同の罪を負う亡びゆくサタンの古い世の制度を棄てさせるためです。また,それらの人々をして宇宙主権の論争に関して神の側に立たせるためです。(マタイ 24:14。黙示 18:4)最後に,この時代に行われるハルマゲドンで御自分の御名を立証することにより,至上の支配権を証明するのは神の大いなる御意です。ハルマゲドンのときに,神はサタンの見える制度も,見えない制度も,そのすべてを亡しつくしてしまうでしよう。―黙示 16:16。
10,11 (イ)神の関心事は,なぜ優先的なものですか。(ロ)これらの神の関心事は,どのように私たちに関係しますか。
10 ヱホバ神は至上支配者であられる故に,御自分の関心事をことごとく合法に認められています。前に学んで知るごとく,政府によつて関心事が認められると,権利が生じます。すると,こういうことになります。宇宙内の最高合法の権利,永久的の権利は,至上のよろこびである関心事を果される神に属している,ということです。そのわけで,神の関心事は,最優先のものであります。―マタイ 6:33。
11 これらの神の関心事は,私たちとどのような関係を持ちますか。きわめて肝要な関係を持つのです。イエスは,ヱホバの御意を行うために自分の生命を献身し,神のすべての関心事と一致調和する生活を続けたとき,模範を残されました。イエスについては,聖書にこう書かれています,『見よ,御旨を行うためにまいりました。』(ヘブル 10:7,新口)私たちも神の御意と全く一致し,神の関心事に常に調和しなければなりません。こうするために,私たち各人はヱホバの御意を行うために生命を献身し,それから水のバプテスマによつて献身を象徴しなければならないのです。神の関心事について消極的な態度を取ることはできません。私たちは形勢を傍観していて,この宇宙的な関心事について優柔不断な態度を取ることはできません。私たちは,これら神の関心事と,それについての私たちの関係というものを認識し,活潑にならねばなりません。(歴代誌略上 26:30,モハット訳)本当に私たちの現在と将来の救は,私たちがこの地についての神のあらゆる関心事と一致調和しているか否か,に依存しているのです。神の善は,神の関心事に常に表わし示されています。それで,神の関心事を他の関心事と適宜な釣合に保つならば,私たちは最高の幸福を得ることができるでしよう。
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人間各自の関心事ものみの塔 1956 | 10月15日
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人間各自の関心事
『おのおの,自分のことばかりでなく,他人のことも考えなさい。』― ピリピ 2:4,新口。
1 関心事を行うということについて,人間は下等動物とどのように違いますか。
神は,食すること,配偶者を選ぶこと,巣をつくること,そして子孫を育てるという関心事を地上の動物や,空飛ぶ生物や,海の生物のような下等動物に与えられました。本能を持つ彼らは,限りのある十分な寿命の中に,これらの関心事を行います。彼らは,神の備えられたものを食します。神は食べる権利を彼らに与えられたのです。『空の鳥を見るがよい。まくことも,刈ることもせず,倉に取り入れることもしない。それだのに,あなた方の天の父は彼らを養つていて下さる。』(マタイ 6:26,新口)しかし,人間は,不随意な本能の法則に導かれる下等動物とは違います。創造された人間には高度な叡智を与えられたのです。人間には,自由意志という驚くべき賜物が与えられました。人間は,これらの能力を用いることにより,創造主を讃美する,死ぬことのない幸福な生活中に広範囲な関心事を行つたり,発展させたり,また感謝したりする目的のために最初つくられたのです。
2 人間の基礎的な関心事は地上に住む場所によつてなぜ違わないのですか。
2 創造主により定められた人間本性の故に,どの男にも,またどの女にも,特定で基礎的な関心事の種子が与えられています。人間の自由意志により,これらの種子は賢明に生長するか,あるいは愚かな生長をします。この地上の何処にいようと,生まれながらの人はみな同じ基礎的な関心事を持つています。なぜなら,すべての人は共通の先祖アダムの子孫だからです。神が基礎的に定め給うたそのような関心事は,神より与えられ
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