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  • 祈り ― むなしい儀式それとも有意義な意思の伝達?
    目ざめよ! 1981 | 2月8日
    • 祈り ― むなしい儀式それとも有意義な意思の伝達?

      正月の三が日は日本で最も重要な祝日です。この祝日は数日にわたって続き,だれもが新しい年を気持ちよく始めようとします。1979年の最初の三日間に,総人口の優に半数を上回る人々が寺社に初詣に出かけて,これからの1年の成功と幸運を祈りました。

      初詣の場所ではどんな光景が見られるでしょうか。

      神社の鳥居のそばの水屋で,一人の参拝者が口と手を洗い清めています。それが終わると拝殿に歩いて行き,大きなさい銭箱になにがしかのお金を投げ入れます。そして,頭の上に手を伸ばし,彩り豊かな綱をつかみます。綱を引くと木片が鈴に当たって,「カラン,カラン」というふぞろいな音がします。参拝者は綱を離すと,かしわ手を打ち,手を合わせて何度も深く頭を下げます。それから,この人は元の道をもどって行きます。これで,祈りがささげられました。

      しかし,その祈りはだれに聞かれたのでしょうか。それはむなしい単なる儀式にすぎなかったのでしょうか。この参拝者は自分の祈りが聞かれたものとまじめに信じています。

      境内を出る前に,この人は人ごみをかき分けながら出店に立ち寄り,大抵は1枚の紙切れに文字を書いただけの守札や,破魔矢を買い求めることでしょう。

      この人は何を祈ったのでしょうか。平穏無事に暮らし,幸福に過ごせるように,またお金がもうかるようにと祈ったのでしょう。ある神官はこう述べました。「参拝者は百円,千円あるいは一万円のさい銭で,何十万円,時には何百万円ものお金が得られるように祈っています。わずかなさい銭で多くを得たいのです」。

      名前だけのあるクリスチャンたちがイースターの時にだけ教会に行くように,寺社に詣でるのは正月だけという日本人が少なくありませんが,信心深い人々は定期的に参拝に出かけます。神棚や仏壇を祭っている家庭は少なくありません。家族の者はここでろうそくに火をともし,その炎で線香をたいて,祈りをささげます。仏壇の前に座り,小さな木の棒でかねをたたいてから,経文や「南無阿弥陀仏」というような念仏を幾度もくり返し唱えます。一本調子のこうした祈りが20分から時には何時間も続けられることがあります。

      日本人の中でキリスト教を奉ずると唱える人々はどうでしょうか。教会の中でひざまずき,数分の間,黙ったままか,つぶやくように祈ることでしょう。祈とう書を読んで祈る人もいます。しばしば教会を訪れる人もいれば,特別の問題が生じた時にだけ訪ねて来る人もいます。暗唱した祈りの文句を唱える度に指で数珠を繰っている人もいます。そして,このようにしながら時々,十字架や特定の聖人の像を見つめることでしょう。

      人々が祈りをささげる方法はまさに多種多様です。そうした祈りをささげるのは確かに誠実で敬虔な人たちです。しかし,それらの祈りすべてに関して,次のように問うのは当を得たことです。祈りの中で有意義な意思の伝達があるでしょうか,それともそれはむなしい儀式にすぎないでしょうか。

  • 祈る理由とその方法 ― それはどうでもよいことですか
    目ざめよ! 1981 | 2月8日
    • 祈る理由とその方法 ― それはどうでもよいことですか

      「神様,お願いです,試験に合格させてください。試験勉強が足りないので,神様におすがりするほかありません」。競争の激しい受験シーズンが近づくと,日本の各地の神社には,このような文句を書き記した祈とう文が納められます。孫を気遣う祖父母は,孫の勉学に神仏の助けがあるよう,1年間,毎日祈ってもらう条件で,1万円の寄付をします。

      この時期に神社に詣でる学生の多くは神を少しも信じていません。「いつもは神様など信じていませんが,困った時にだけは神様にすがります」と学生の一人は語りました。

      こうした態度は,「困った時の神頼み」という日本のことわざを地で行くものです。

      では,困難な時期が過ぎるとどうなるでしょうか。次の問題が起きるまで,神のことは大抵忘れ去られてしまいます。

      人々は祈りの中で何を求めているか

      普通,人は欲しいものがあって祈ります。西欧のある雑誌に子供たちの祈りの言葉が載りました。その大半は次のような何かを求める祈りでした。「神様,お小遣いをふやしてほしいのです。天使を遣わしてお父さんにそう話してください」。「どうか,私たちの家族にお金をください」。「学校にいる時,どうぞ私を助けてください」。

      日本では,年の始めに神社に出かけて行き,福の神,恵比須に祈願することが習慣になっています。昨年,日本の大勢の人は神社に行って,月々お金がもうかるようにと祈りをささげました。京都と東京の特定の神社だけでも300万人以上の参拝者がありました。

      家内安全を願う人々は,神社だけでなく,慈悲の菩薩,観音を祭る寺にも詣でます。

      フィリピンのカトリック教徒は幸運を求めて“サント・ニーニョ”つまり“聖童”に祈りをささげるでしょう。ある人は自分のサント・ニーニョの像のために本物のルビーとダイヤモンドを幾つかはめ込んだ14金の冠を買い求めました。富が得られたのはその像のおかげであると信じて,お礼にこれをささげたのです。

      中には感謝を言い表わす祈りもありますが,何かを求める祈りの方がずっと多く,ありとあらゆるものを求める祈りがささげられています。

      そうした祈りはかなえられるか

      出世や富を求める祈りがかなえられたと考える人がいても,それをはるかに上回る数の人が,祈りが聞かれずに落胆しています。東京ではかなりの数の学生が私立高校の入学試験の際に助けを祈り求めますが,良い成績を収めて入学を認められるのはわずか22%にすぎません。他のほとんどの人は試験に失敗します。その人たちの祈りが聞かれなかったのはなぜでしょうか。

      ある5人家族が神社に行って,自動車に交通安全の祈願をしてもらいました。ところが,神社からの帰りに,車が橋げたに激突し,5人全員が死亡してしまいました。何が間違っていたのでしょうか。次の点を考えてみましょう。

      だれに祈っているか

      日本の学生は,“学問の神”として古くから崇められてきた菅原道真に多くの場合その祈りをささげます。道真は9世紀の人物で,詩人また学者でした。彼は1,000年も昔に死んでいます。試験で良い点を取れるようこうした人物が助けを与えてくれると考えるのは,理にかなったことですか。

      実際,日本の受験競争の激しさを考えると,道真に願い求める学生の大半の祈りがかなえられないことでしょう。それは驚くには当たりません。この点で聖書の述べるところは常識的な考え方と全く一致しています。聖書は死者についてこう述べています。「死んだ者は,何事をも全く意識しておらず……シェオル[墓]には業も企ても知識も知恵もない」。(伝道 9:5,10,新)菅原道真は現在シェオルにおり,試験に合格できるほど勉強したかどうかにはかかわりなく,どんな学生にも助けを差し伸べることはできません。

      観音像その他の像にささげられる祈りはどうでしょうか。少し見回せば,出世や幸福をこうした像に祈り求めていながら,依然として出世や幸福と無縁の人が世間には本当に大勢いるのに気付きます。いったいなぜでしょうか。

      死者に祈りをささげても助けにならないのであれば,無生の像に祈りをささげることはそれよりも効果があるでしょうか。道理からいって,そのようなことはありません。ここでも,聖書は常識的な考えと調和した見解を示し,像について次のように述べています。それらは「地の人の手の業である。口はあっても,話すことができず,目はあっても,見ることができず,耳はあっても,聞くことができない。鼻はあっても,かぐことができない。手を持ってはいても,触ることができない。足を持ってはいても,歩くことができず,のどを使って声を出すこともしない。これを作る者はまさしくそれと同じようになる。これにより頼んでいる者は皆」― 詩 115:4-8,新。

      「祈りを聞かれる方」

      こう考えると,わびしくなるかもしれませんが,祈りはすべてむなしいものなのでしょうか。決してそうではありません。次の記事に示されているように,数多くの誠実な祈りが毎日聞き届けられています。しかし,然るべき方に祈ることが必要です。では,祈りの対象となるのはどのような方でしょうか。

      無生の単なる像や死者などよりもはるかに強力で知恵に富まれる方を対象とすべきではありませんか。またその方は,人類に誠実な関心を示し,人類を助けたいという愛に満ちた願いを表明しておられる方であって然るべきではないでしょうか。この点で必要とされる力を備えている人間は一人もいませんから,人間以上の方に祈る必要があるでしょう。超人間的な存在の中で万物の創造者以上に力のある方がいるでしょうか。

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