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「お母さんなしには生きてゆけません」目ざめよ! 1977 | 12月8日
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母親の役割は,何と大切なのでしょう。「お母さんなしには生きてゆけません」という言葉は,決して大げさな表現ではありません。わたしたちの創造者エホバ神が,男と女に別個の役割を与えることを意図しておられたのは明らかです。それぞれの役割を正しく評価するなら,親は自分の子供たちが生涯の良い出発をするための最善の基礎を備えることができます。
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全員乗船! これより瀬戸内海に向かいます目ざめよ! 1977 | 12月8日
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全員乗船! これより瀬戸内海に向かいます
日本在住の宣教者が書いた記事
しばしばエメラルドのネックレスに例えられる,風光明媚な3,000余の島々。480㌔以上にも及ぶ海路にちりばめられたこれらの島々が,日本の海洋国立公園 ―「瀬戸内海」の立役者です。
島をちりばめたこの海は,瀬戸内海と呼ばれていますが,それには「海峡に囲まれた海」という意味があります。瀬戸内海は,日本の四つの主要な島のうちの三つ,本州と九州と四国に囲まれています。
この比類のない水路には,様々な大きさの島があります。島の海岸線が100㌔もあり,かなりの人口を擁する島もある一方,名もない岩ともいえる小さな島もあります。こうした“岩”の中でも特に美しいのは,松の木が一本だけぽつんと生えている岩です。これらの島々は,大昔,火山活動によって土地が急に沈下した結果できたものと思われます。
瀬戸内海では息をのむような景色が見られます。四季の変化がそれに一役買っています。冬の間これらの島々のそばを船で通ると,海辺の熟したみかんのオレンジ色が目に入るでしょう。桃や桜の花が満開になる春の柔らかい色合いは,見る人の目を楽しませます。夏になると,菊の花があたり一面をクリーム色がかった白に変えてしまいます。秋にはもみじの葉の色が変わり,紅葉が水面に映ります。
これら美しい景色を織りなす島々を見たいと思われますか。ではご一緒に,小さな船に乗って,短い船旅に出発することにしましょう。
この船旅の出発点は,瀬戸内海の北東の端です。まず,瀬戸内海一帯でも最大級の島である,小豆島と淡路島の近くを通過します。四国と淡路島の間には,幅約1㌔ほどの鳴門海峡があります。この地点で,太平洋の海水が,耳をつんざくような轟音とともに瀬戸内海に流れ込みます。ここでは,直径が23㍍もある渦潮が見られます。
南へ向かってゆっくりと進んでゆくと,四国の高松からそれほど遠くないところにある女木島のそばを通過します。この島は,「鬼が島」として知られています。昔,女木島は悪名高い海賊たちの巣で,海賊たちは丘の頂にある洞穴を隠れ家にしていました。
次に,岡山県の南にある長島にやって来ます。この島は多くの人にあまり知られてはいませんが,興味深い歴史を持っています。1930年代まで,この小島には数軒の農家がありました。当時,長島にはわずか15軒の家があったにすぎません。それから後,光田健輔博士がこの島で一つの建築計画に着手し,1931年3月25日に,らい病患者のための病院が開設されました。近隣の島々の人が患者を見ないようにとの計らいで,最初の患者たちは朝の三時に船で到着しました。
現在,長島には二つの病院がありますが,重症患者は全体の20%にすぎません。妻帯者には個室があてがわれ,比較的健康な患者は仕事に喜びを見いだしています。男性は魚を取ったり,大工仕事を学んで,テーブルや鳥かごなどを作っています。女性の仕事としては裁縫,編物,織物などがあります。
私たちを乗せた船は因島の沖合いを通過します。この島の白い斜面には目を奪われます。どうして斜面が白いのでしょうか。実を言えば,ここに植えられた無数の除虫菊が斜面を白くしているのです。デージーを大きくしたようなこの花は,島を美しく飾るだけでなく,蚊がこの花に弱いので,別の面でも役立ちます。除虫菊からは,人に知られている中でも,特に強力な殺虫剤の一つが作られるのです。また,因島には,十字架観音と呼ばれる観音像があります。この像は女性像ですが,驚くべきことに十字架を身に着けています。この像は母性愛を象徴していると言う人もいますが,他の人々はこれを富と幸運の象徴と考えています。
これらの島々の一つを訪ねてみるのは楽しい経験です。島民が水田で農作業をしている姿も,海に出ているときの姿も,どちらも同じように板に付いています。山がちな地形にあっても完全に水平になっていなければならない棚田は,まさに芸術品と言えます。みかん,桃,びわなどの果物,そしてレモンの木などが島の景色に彩りを添えています。冬には,花の咲いていないイグサの暗緑色の葉が見られます。この水生のアシは高さが1.2㍍にまでなります。この植物の茎は,日本中の家庭に見られる,畳表を作るのに使われます。
わずかばかりの例外を除けば,こうした小島の村々は,互いに全く孤立しています。島民の多くは自分たちの島の出来事についてはよく知っていますが,近隣の島々の事となると,ほとんどと言ってよいほど知りません。もちろん,近代的な新製品は島民の世界を広げるのに役立っています。それでも,自分の宗教的な見解を変えるなどといった,大きな変化を遂げることには依然としてかなりの抵抗があります。家族の決定や伝統が大きな影響力を持ち,個々の人の好みや信念などお構いなしに実践されます。
瀬戸内海ではどんな魚が取れるのかと尋ねられることがあります。瀬戸内海の漁師は,ボラ,タイ,カレイ,サバ,イワシ,タコ,イカなどのおいしい魚を水揚げします。しかし,残念なことに,大阪,岡山,新居浜の各市から出る汚染のために,多くの被害が出ています。最近では魚影がめっきり薄くなってきました。これら海の生物の多くは,水のよりきれいな所を求めてより深い水域へ移動したものと思われます。魚は日本人の食卓の中で大きな位置を占めているので,これは大いに憂慮される問題です。
九州の沿岸に船がいかりを降ろすころには日も暮れています。わたしたちは一緒に腰を下ろして,浜辺の白砂に寄せては返す隠やかな波の音に耳を傾けながら,夕日が大空を,そしてエメラルド色の海を真っ赤に染めてゆくのをながめます。それでも,わたしたちは瀬戸内海の美しさをかいま見たにすぎません。平底の漁船でしか近づけないような場所にも,まだまだ美しい所があります。一つとして同じような島はないのですから,瀬戸内海は限りない多様性に富んでいるように思えます。実際,瀬戸内海を本当に知るためには数か月間かけて旅をしなければならないでしょう。とはいえ,この短い船旅をお楽しみいただけたなら幸いです。
[9ページの地図]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
本州
九州
四国
北
瀬戸内海は,日本の四つの主要な島のうちの三つ,本州と九州と四国の間に広がっている
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日本近海の巨大なカニ目ざめよ! 1977 | 12月8日
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日本近海の巨大なカニ
立ったときに身の丈が1㍍にもなるカニを想像してご覧ください。そのような生物が実在するのです。このカニのはさみ足を左右にのばすと3㍍にもなります。これは最大のカニとして知られるタカアシガニで,日本近海にだけ生息し,水深240㍍から600㍍の水域に住んでいます。このカニは,沖縄で開かれたエキスポ75,国際海洋博に展示された生きた水生動物の一つで,会場を訪れた人の注目を浴びました。
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「脚力」がもたらす益目ざめよ! 1977 | 12月8日
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「脚力」がもたらす益
● 交通費の値上がりで,今まで以上に歩くようになった人もいます。『それに越したことはない』と語る医師は少なくありません。どうしてですか。わたしたちは,動き回っているときに,一番体調がよくなるように造られているからです。「散歩の不思議な力」という本が体について述べるとおり,「人間の体以上に歩くのに適しているものはない」のです。
当然のことながら,気分を楽にして散歩をすることには健康面で数々の益があります。そうした益には次のようなものがあります。散歩は,一般に“最善”の運動とされ,心臓,循環器,呼吸器などの疾患を予防し,消化を助けます。また,散歩は,しばしば「肉体,神経,精神,[あるいは]感情などいずれの面のものであれ,緊張を和らげ」ます。そうです,「脚力」には確かに益があります。
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