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    ものみの塔 1984 | 6月1日
    • 今日,現実のものとなっている王国の一致

      「これらの事が起きているのを見たなら,神の王国の近いことを知りなさい」― ルカ 21:31

      1 イエスはルカ 21章で何に関して預言されましたか。

      上記の言葉を語ったのは,あらゆる預言者の中の最大の預言者,イエス・キリストでした。さて,イエスはここで,どんな事柄に言及されたのですか。今日の分裂した世界にあってわたしたちを取り巻いている事柄に言及されたのです。現在の世界は今や崩壊しつつあります。これはイエスが,「戦争や無秩序な事態」が生じ,「地上では……逃げ道を知らない諸国民の苦もんがある」と語られた際,世界の体制の「終結」のしるしの一部として預言されたものです。(マタイ 24:3,7,8。ルカ 21:9,25)不一致の状態が至る所で見られます。では,エホバの証人は世界の不一致の状態ゆえに動揺を覚えるべきでしょうか。

      2 わたしたちは世界の状況にどのように反応すべきですか。なぜですか。

      2 わたしたちの主人がその答えを述べておられます。イエスは次のように言われました。「これらの事が起こり始めたら,あなた方は身をまっすぐに起こし,頭を上げなさい。あなた方の救出が近づいているからです」。(ルカ 21:28)何からの救出ですか。末期的症状を呈している,分裂した世界からの救出です。―ヨハネ第一 5:19。

      政治上の苦もん

      3 見識のある人々はどのように政治のすう勢を嘆いていますか。

      3 国際連合でさえその名称は矛盾したものとなっています。それは連合とはおよそ縁遠いものです。国連の事務総長は,平和と安全を維持する面での安全保障理事会の無能ぶりを嘆いて,「今や我々は新たな国際的無政府状態という危機の瀬戸際に立っている」と言明しました。一致の欠如は恐るべき状態に達しています。ワシントン・ポスト紙の一記者は,「物事は制御不能となっている」と述べており,ホワイト・ハウスの元補佐官また政治顧問は,「1960年代以来,洋の東西を問わず,至る所の政府は機能を失い始めた」と書いています。加えて,元のアメリカ国連大使は,国連総会が「不条理演劇になりつつある」と述べました。

      4 ルカ 21章26節はどんな顕著な方法で今成就しつつありますか。

      4 しかも事態は一層悪化するものと思われます。冷たい戦争は激しさを増しており,核保有国は広島を160万回破壊できるだけの核弾頭を既に備蓄しているからです。元のモスクワ駐在アメリカ大使は,二つの超大国が「正面衝突の道」を進んでいるものと見ており,「これから先どこかで必ず爆発点に達するだろう」と語っています。これらは,今日の世界の分裂した状態が生み出した実です。脅威は現実のものとなっています。イエスは「事物の体制の終結」の時に生じる事態を予告して,「人々は,人の住む地に臨もうとする事柄への恐れと予想から気を失います。天のもろもろの力が揺り動かされるからです」と言われましたが,正にその通りになっています。(ルカ 21:26)諸国家が核弾頭を搭載した人工衛星を軌道上に打ち上げようとしている今,正に天までが揺り動かされているのです。

      大企業はよろめく

      5 どんな恐れと陰うつさが商業の世界をのみ込んでいますか。

      5 一致の欠如と恐れは経済界にも広く見られます。「これからの10年間は,安全なものは何一つないと思う」と世界銀行の総裁は語っています。1982年に開かれたある会議では,24の主要工業国が,それらの国々で1983年までに3,000万人の失業者を抱えることになろうという陰うつな予告をしました。この預言はまさに適中しました。

      6 神の言葉は,宗教の経済的な窮状とその結末について何を述べていますか。

      6 ノーベル経済学賞の一受賞者は,「何もかもが実に恐ろしい」という言葉で世界の経済情勢を的確に言い表わしています。この点において宗教は深いかかわりを持っています。啓示 17章1,15節にある「多くの水」,つまり,神を持たないこの世の「民と群衆と国民と国語」は宗教に対する自分たちの支持を撤回しているため,宗教に対する経済的な支持もやはり枯渇してきました。(啓示 16:12と比較してください。)しかし,諸教会の現在の経済的な苦境も,主権者なる主エホバがご自分の言葉の成就として裁きを執行される時に彼らの感じる苦もんとは比較になりません。エホバはこう言われました。「災い,類のない災い,見よ,それがやって来る。彼らは自分たちの銀をちまたに捨てる。彼らの金は憎悪すべきものとなる。その銀も金も,エホバの憤怒の日に彼らを救い出すことはできない」。(エゼキエル 7:5,19)そして,大企業を操る貪欲な人々は,世の宗教と共にこの苦もんを味わいます。―啓示 18:2,3,16。

      慢性的な宗教上の不一致

      7 カトリック教会はどのように一致をもたらすことに失敗してきましたか。

      7 では次に宗教の世界を詳しく調べてみましょう。ここでも不一致が実に胸の悪くなるような現実となっています。カトリック教会には,ゲリラの闘士を自認する司祭から核凍結運動の先頭に立つ司教まで,ありとあらゆる人々がいます。法王は1983年を聖年として宣言しました。そのことが何かの役に立ったでしょうか。冷たい戦争が激化しただけです。1933年も法王によって聖年とされたことを思い起こしてください。それによって何が成し遂げられたでしょうか。ヒトラーが政権を握り,事態は第二次世界大戦へ向けて動き始めました。

      8 プロテスタント教会にはどのような不一致の状態が観察されますか。

      8 プロテスタントと東方正教会の合計301の諸宗派の支持を受け,推定4億人の会員を抱えると言われる世界教会協議会は,政治色の強い革命運動家たちに何十万ドルもの資金援助をしてきました。アメリカだけでも1,200以上の宗派が存在します。これらの宗派の吹き鳴らすラッパの音ははなはだしい不協和音を成しています。一致に欠けたこうした状態は,イエスが「事物の体制の終結」の時に実際に生じるであろうと言われた「無秩序な事態」や「不法」をもたらす大きな要因となってきました。―ルカ 21:9。マタイ 24:3,12。

      9 真のクリスチャン会衆をどのように見分けることができますか。

      9 使徒パウロは真のクリスチャン会衆を描写して,『結合のきずなである平和のうちに霊の一致を守るため真剣に励んでいる』と述べましたが,キリスト教世界の諸宗教に今日見られる慢性的な不一致はこれと鋭い対照をなしています。パウロは次のようにも語りました。「体は一つ,霊は一つです。……主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つです。すべての者の神また父は一つであり,すべての上に,すべてを通し,すべての中におられるのです」― エフェソス 4:3-6。

      一致が豊かに見られるところ

      10 「結合のきずなである平和」を今どこに見いだせますか。なぜそこだけにしかないのですか。

      10 この「結合のきずなである平和」をわたしたちはどこに見いだすでしょうか。現在の世に見いだすことはできません。わたしたちの経験する救出は,サタンの世,およびその政治・経済・宗教上の分裂した状態からのものだからです。聖書を導きとするクリスチャンであるわたしたちは,この分裂した世のものではありません。イエスが,油そそがれたご自分の追随者たちのために祈った際,「わたしが世のものではないのと同じように,彼らも世のものではありません」と言われたのはそのためです。イエスはまた次のようにも言われました。「わたしは,これらの者だけでなく,彼らの言葉によってわたしに信仰を持つ者たちについてもお願いいたします。それは,彼らがみな一つになり,父よ,あなたがわたしと結びついておられ,わたしがあなたと結びついているように,彼らもまたわたしたちと結びついていて,あなたがわたしをお遣わしになったことを世が信じるためです」― ヨハネ 17:16-21。

      11 真のクリスチャンはどのように「一つの群れ」となりましたか。

      11 わたしたちは今日,こうした驚くべき一致をエホバの証人の国際的社会の中に見いだしています。喜ばしいことに,世の幾百万もの人々がこの一致に注目してきました。神の言葉を学んでいる人で,いま主の「ほかの羊」として集まり合っている人々は大勢います。これらの人々が油そそがれたクリスチャンの「小さな群れ」と一つに結ばれるとき,すべての人がりっぱな羊飼いのもとにある「一つの群れ」となります。(ヨハネ 10:16。ルカ 12:32)極めて現実的な王国の一致へと集め入れられ,エホバの証人と呼ばれることを,それらすべての人が喜んでいます。

      なぜ「王国の」一致なのか

      12 (イ)神の王国がわたしたちの生活の中で一致をもたらす主題となるはずなのはなぜですか。(ロ)世の不一致が増大しているにもかかわらず,わたしたちが歓ぶべきなのはなぜですか。

      12 わたしたちはここで,なぜ王国の一致という言葉を用いるのでしょうか。実際に神の王国こそ聖書全体の主題ではないでしょうか。それでは,わたしたちの生活において王国が一致をもたらす主題となるはずではないでしょうか。イエスの王国が1914年というあの記念すべき年に天に設立されたことを示す,イエスの語られたしるしの成就を目にするのは,実に胸を躍らせるものです。そしてイエスは,それ以来わき上がるハルマゲドンという嵐の黒い雲を見たなら喜ぶように,とわたしたちに告げておられます。そのしるしが成就しはじめた年である1914年の「世代」は『これらのすべての事が起こるまで,決して過ぎ去らない』ともイエスは言われました。(マタイ 24:34)その「世代」の人々の中には,今世紀の終わりまで生き残る人が幾らかいることでしょう。しかし,多くの兆候は,「終わり」がそれよりずっと間近に迫っていることを示しています。

      13 わたしたちはなぜ,分裂している世が抱く恐れを感じることはありませんか。

      13 エホバの預言者は近づきつつある災いについて語り,「それを待ちつづけよ。……遅くなることはない」と述べています。(ハバクク 2:3)一方,わたしたちは,分裂している世が抱く恐れを感じることはありません。わたしたちは王国のもとで,全地において一致しているからです。わたしたちが祈り求める神の王国は現実のものとなりました。(マタイ 6:9,10)そして,わたしたちの輝かしい一致も現実のものです。このすべてはエホバの昔の預言者たちが予告した通りに生じているのです。―イザヤ 9:6,7。ダニエル 2:44; 7:13,14,27。

      再び活発にされた「乾いた骨」

      14 エゼキエル 37章1-4節にはどのような注目すべき場面が描写されていますか。

      14 この点に関連して,エゼキエル 37章を調べてみましょう。この預言は何と述べていますか。

      「エホバのみ手がわたしの上にあり,エホバはその霊によってわたしを連れ出し,谷あいの平原の中にわたしを置かれた。そこは骨で満ちていた。そして神はわたしをその周囲に沿って一巡させられたが,見よ,骨は谷あいの平原の表に非常に多くあり,見よ,すっかり乾いていた。それで神はわたしに言いはじめられた,『人の子よ,これらの骨は生き返ることができるだろうか』。これに対してわたしは言った,『主権者なる主エホバよ,あなたがよくご存じです』。すると,神は続けてわたしに言われた,『これらの骨に対して預言せよ。あなたはこれに言わなければならない,「乾いた骨よ,エホバの言葉を聞け」』」― エゼキエル 37:1-4。

      15 ここでは現代におけるどんな状況が描かれていますか。

      15 想像することができますか。谷あいの平原全体が乾いた骨で満ちているのです。しかし,これはハルマゲドン後の光景ではありません。今世紀の初めに生じたある出来事がここに描写されています。これらの骨は,命のない状態,つまりその当時の地上における神の油そそがれた僕たちの無活動な状態を表わしているのです。

      16,17 エホバは何を行なうと約束されましたか。これはどのような点で奇跡的なものとなりますか。

      16 しかし,エホバはそれに関連してある事柄を行なわれました。神ご自身の言葉を聞いてください。

      「主権者なる主エホバはこれらの骨にこのように言われた。『いまわたしはあなた方に息を入れる。そしてあなた方は必ず生き返る。また,わたしはあなた方の上に筋を置き,あなた方の上に肉を生じさせ,わたしはあなた方の上に皮膚をかぶらせ,あなた方のうちに息を置く。それであなた方は必ず生き返る。そして,わたしがエホバであることを知らなければならなくなる』」。

      それで彼らは生き返り,「甚だ大いなる軍勢」となりました。―エゼキエル 37:5-10。

      17 エホバはここで,どんな科学者もまねのできないようなことを行なわれました。今日,わたしたちが博物館で目にするように,人体の骨格を復元することは科学者にとって少しも問題ではありません。しかし,どの科学者がこれまで,骨に筋や肉,命の息を与えることができたでしょうか。

      18 (イ)1918年,および1919年の初めごろ,神の民が絶望的に見えたのはなぜですか。(ロ)その預言と調和して,エホバはこれらの忠実な人々をどのように覚えておられましたか。

      18 ところが,まさしくこのような奇跡が,エホバの証人の現代の歴史において,エホバ神によってなされました。それら乾いた骨のように,神の民は第一次世界大戦中散らされ,ブルックリンにあった彼らの本部は閉鎖され,出版を行なっていた彼らの協会の役員たちは懲役20年の刑に処され,その野外活動は停止状態に追い込まれていました。1918年当時,及び1919年の最初のころ,彼らの状況は何の希望もないように見えました。しかし,エホバは王国のそれら忠実な大使たちのことを覚えておられました。エホバは1919年に彼らを生き返らせました。エゼキエル 37章14節で,エホバは正にそのことを次のように予告しておられました。

      「『また,わたしはあなた方のうちにわたしの霊を置くので,あなた方は必ず生き返り,わたしはあなた方をあなた方の土地の上に住まわせる。あなた方はわたしが,エホバが語り,それを行なったことを知らなければならなくなる』と,エホバはお告げになる」。

      19 (イ)エホバはどのように,またどんな目的でご自分の民を回復されましたか。(ロ)世界中の協会の施設を拡大する必要が生じたのはなぜですか。

      19 こうしてエホバは,迫害されていたご自分の民を霊的に繁栄した地へ連れ戻し,彼らが王国の証言の業に取り掛かるようにされました。その業は地のすみずみにまで広がりました。良いたよりをふれ告げる業のために,今や毎日100万時間以上が費やされています。こうした極めて大規模な証言がなされることによって,ブルックリンとニューヨーク州ウォールキルにあるものみの塔協会の施設を大幅に拡大することが必要になりました。これらの施設は,世界中の幾十もの支部にある工場や事務所と相互に関連を保って運営されており,「王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」という言葉を現実のものとするため,聖書や書籍,雑誌を供給したり,必要な力を与えたりしています。―マタイ 24:14。

      20 今,何が現実のものとなっていますか。それに関してだれに誉れが帰せられるべきですか。

      20 組織された民としてのこれらの証人たちを回復させ,行動面でのこの驚くべき一致を可能にしたことの誉れはすべてだれに帰されるべきでしょうか。『「わたしがそれを行なった」とエホバはお告げになります』。それゆえに,その一致は,王国が現実に存在していることを示すものとなっているのです。

      拡大する証言

      21 (イ)エホバの証人はどのように1世紀のクリスチャンに似たものとなりましたか。(ロ)今どんな招待が差し伸べられていますか。どんな結果が生じていますか。

      21 忠実な宣教者,開拓者,会衆の働き人たちが幾百万人も加わり,大規模な証言は地のすみずみにまで拡大を続けています。現代のエホバの証人は,1世紀のクリスチャンと同様,「天下の全創造物の中で」良いたよりの希望を宣べ伝えてきました。(コロサイ 1:23)「エホバは大いなる神,他のすべての神に勝る大いなる王」であることを認めるわたしたちは,心の正直な人々すべてに招待を差し伸べ,「入って行き,崇拝をささげ,身をかがめよう。わたしたちの造り主エホバのみ前にひざまずこう」と勧めます。毎週平均3,000人以上の新しい方々がバプテスマを受け,りっぱな羊飼いの群れの一致した状態に携え入れられていることを知るのは何という喜びでしょう。これらの人々は今「霊と真理をもって父を崇拝」しています。―詩編 95:3-6。ヨハネ 4:23,24。

      22,23 (イ)羊のような人々が一つに結ばれるのはなぜ重要ですか。(ロ)わたしたちの一致と,一致できる理由を聖書はどのように描写していますか。

      22 分裂したサタンの世に対するエホバのこの裁きの日において,あらゆる国の人々の間から出て来たこれら羊のような人々すべてが,『人々に宣明するための永遠の良いたより』を携えるみ使いの音信に一致のうちに聞き従うことは非常に重要な事柄です。そのみ使いは大声でこう言います。「神を恐れ,神に栄光を帰せよ。神による裁きの時が到来したからである。それゆえ,天と地と海と水のわき出るところとを造られた方を崇拝せよ」。あなたは,そのような王国の一致のもとに携え入れられた人々の一人ですか。―啓示 14:6,7。

      23 今や205の国々で奉仕している250万を超す王国宣明者たちは何と際立った一致を保つ群れなのでしょう。神の聖霊がそれらの人々の上に働いており,彼らは霊の実を生み出しています。(コリント第一 2:12。ガラテア 5:22,23)様々な民族から集まってはいても,彼らは真理という一つの清い言語を話します。(ゼパニヤ 3:9)彼らは肩を並べて,王国の一致のうちに仕えています。

      24 イザヤ 60章17節と22節はどのように成就してきましたか。

      24 過去にたとえどんな不一致が存在したとしても,それらはいずれも解消されました。エホバがご自分の民を神権的な取り決めのもとに携え入れてくださった1938年以降,特にこのことが言えます。それは,イザヤ 60章17節にある,「わたしは平和をあなたの監督たちとして任命し,義をあなたに労働を割り当てる者たちとして任命する」という,約束を伴うエホバの預言の成就でした。第二次世界大戦が猛威を振るい,それに伴ってエホバの証人に残忍な迫害が加えられた時でさえ,神の一致した民の王国の業は増加と拡大を続けました。その結果,世界中の国で次々に,「小さな者が千となり,小なる者が強大な国民となる。わたし自ら,エホバが,その時に速やかにそれを行なう」というイザヤ 60章22節の言葉が真実となっています。

      25 王国の一致を際立った方法で証ししているものは何ですか。

      25 全世界で10万人足らずの証人しかいなかった第二次世界大戦初期の困難な日々に,1980年代初めの今日の状態をだれかが想像できたでしょうか。今やカナダでは7万人以上,フランスでもほぼ同数の人々,日本では8万人,英国では9万人,イタリア・ドイツ連邦共和国・ナイジェリアでは10万人以上,メキシコでは13万人以上,ブラジルでは14万人以上,加えてわたしたちの業が全面的もしくは部分的に禁じられている国々でも25万人の忠節な証人たちが一致して奉仕しているのです。また米国は最近,活発な証人として64万3,170人という数を報告しました。エホバは,ご自分のみ名の民を「強大な国民」にするという約束を確かに守られたのです。王国の一致が現実のものであることを示す何とすばらしい証しなのでしょう!

      どのように答えますか

      □ サタンの世界的な組織の主要な三つの部分に,どのような不一致が見られますか

      □ 真の一致はどこに豊かに見られますか。なぜですか

      □ エゼキエル 37章1-14節はどのように成就してきましたか

      □ 王国の一致はどんな証言をもたらしましたか

  • わたしたちの羊飼いなる王のもとで崇拝において結ばれる
    ものみの塔 1984 | 6月1日
    • わたしたちの羊飼いなる王のもとで崇拝において結ばれる

      「主権者なる主エホバはこのように言われた。『いまわたしはイスラエルの子らを……取る。……彼らはみな一人の王を王として持つことになる』」― エゼキエル 37:21,22。

      1,2 (イ)エゼキエル 37章16節にある二本の棒は何を表わしていますか。(ロ)これら二本の「棒」に何が生じましたか。

      わたしたちはここで,王国の一致という言葉を用います。そしてこのことは,エゼキエルの預言の37章の後半と調和しており,適切であると言えます。その16節で,エホバはエゼキエルに二本の棒を取るよう告げておられます。そのうちの一本に,エゼキエルは,「ユダと,その仲間であるイスラエルの子らとのために」と書くことになっています。もう一本の棒には,「ヨセフのため,エフライムの棒,それにその仲間であるイスラエルの全家」と書かなければなりません。これらの棒は何を表わしていますか。

      2 イスラエル王国の二つの部分を表わしています。その王国は南のユダと北のエフライムとに分裂していました。北の王国は西暦前740年に,次いで南の王国は西暦前607年に,それぞれ捕囚となりました。しかし,西暦前537年にイスラエルの十二部族すべてからの残りの者がエルサレムに帰還し,エホバの一致した崇拝をそこで再び堅く立てることになりました。このことはエゼキエルの預言にどのように示されているでしょうか。

      3 エゼキエル 37章19節に示されているように,神の回復された民の間に何が行き渡らなければなりませんか。

      3 19節にある,エゼキエルに臨んだエホバの言葉に耳を傾けてください。

      「彼らに話せ,『主権者なる主エホバはこのように言われた。「いまわたしはエフライムの手の中にあるヨセフの棒と,その仲間であるイスラエルの部族とを取る。わたしはこれをその上に,すなわちユダの棒の上に置く。わたしはそれらを実際に一つの棒とし,それらはわたしの手の中にあって必ず一つとなる」』」。

      エホバの回復された民の間には,一致が必ず行き渡るのです。

      崇拝において結ばれる

      4 エゼキエル 37章21節は,(イ)西暦前537年において,(ロ)現代においてどのように成就しましたか。

      4 神の民はもはや,忠節心が北と南の王国に分かたれて,二つの国民に分裂することはありません。神の民は実際に「その地で……一つの国民」となるのです。エゼキエルはエホバに命じられた通り,彼らに慰めの言葉を語ります。

      「また,彼らに話せ,『主権者なる主エホバはこのように言われた。「いまわたしはイスラエルの子らを彼らが行った諸国民の中から取る。わたしは彼らを周囲から集め,彼らの土地に連れて来る。……彼らはみな一人の王を王として持つことになる」』」。(エゼキエル 37:21,22)

      これらの言葉が,西暦前537年に捕囚から戻ったイスラエルの一致した残りの者に成就したのと同じように,現代の油そそがれた証人たちの回復された残りの者も,霊的な繁栄という楽園<パラダイス>のような地において結ばれる喜びを経験してきました。―エゼキエル 36:33-36もご覧ください。

      5 神の民はどのように汚れから清められてきましたか。

      5 同時に神の民は,サタンの偽りの宗教の世界帝国である「大いなるバビロン」によって引き起こされたあらゆる霊的な汚れから清められてきました。(啓示 17:5; 18:2,4)彼らが偽りの宗教的な教理や慣行から解放されたことは,古代のイスラエルが文字通りのバビロンにおける捕囚から回復された時点で模型的に適用された次の預言の大規模な成就でした。

      「そして彼らはもはや,その糞像や嫌悪すべきものによって,そのあらゆる違犯によって身を汚すことはない。わたしは彼らをその罪をおかしたすべての住みかから必ず救い,彼らを清める。そして彼らは必ずわたしの民となり,わたしは彼らの神となるであろう」― エゼキエル 37:23。

      6 (イ)霊的イスラエルが現在神との親密さを享受しているのはなぜですか。(ロ)一部の人々が真理からそれるとしても,どのような一致をわたしたちは守らなければなりませんか。

      6 キリスト教世界と異教世界の諸宗教の,嫌悪すべき偶像礼拝は,回復されたエホバの民によって退けられてきました。彼らはもはや被造物を偶像視したり,神に不名誉をもたらす「祭日」を守るといった世の宗教の習慣に従ったりはしません。彼らの崇拝は,一つになった三つ組の神,いわゆる幾分神秘的な三位一体の神には向けられません。彼らはむしろ,ひとりの神エホバを崇拝する一つの民として結ばれています。彼らは一致して宇宙の主権者なる主を賛美しており,そのことは,地上の他のどんな民にも知られていない一致のうちに彼らを結び合わせるものとなっています。(イザヤ 52:8)たとえ以前の仲間がよこしまな良心を育み,エホバが備えてくださった真理の全体からそれてしまったとしても,わたしたちは神の組織の業において,またわたしたちの神との貴重な親密さにおいて,神の組織と結ばれる立場を取ります。―箴言 3:32。ヘブライ 10:22,23。

      王を認める

      7 真の崇拝に加えて,神の民には他のどんな一致をもたらす力が約束されていますか。

      7 古代イスラエルがその「地」に回復された際,真の崇拝は彼らの間で一致をもたらす力となりました。しかし王国は回復されませんでした。では,なぜエホバは,エゼキエル 37章22,24節で,彼らの上にある「王」について語っておられるのでしょうか。24,25節は次のように述べています。

      「そして,わたしの僕ダビデは彼らを治める王となり,彼らはみな一人の牧者を持つことになる。彼らはわたしの司法上の定めによって歩み,わたしの法令を守り,必ずそれを行なうであろう。そして彼らは,わたしがわたしの僕に,ヤコブに与えた地,あなた方の父祖たちが住んだ[地]の上に実際に住むであろう。彼らは,彼らとその子らとその子らの子らとは,実際にそこに定めのない時に至るまで住み,わたしの僕ダビデは,定めのない時に至るまで彼らの長となるであろう」。

      8 (イ)これらの節を霊的イスラエルに適用すべきなのはなぜですか。(ロ)この成就の時をどのように指摘できますか。

      8 預言のこの部分は肉のイスラエルに一度も成就しませんでしたし,これからも成就することはないでしょう。ですから,それは霊的なイスラエルに適用されるに違いありません。それにしても,いつのことでしょうか。「法的権利」を持つ王はダビデの王座に再び座すため,いつ来られましたか。それは「諸国民の定められた時」が終わった現代の1914年という年に生じました。異邦人の時が尽きたとき,「世の王国はわたしたちの主」,「限りなく永久に王として支配する」エホバと,ダビデが予表していた人物,つまり「そのキリスト」の『王国となりました』。―エゼキエル 21:26,27。ルカ 21:24。啓示 11:15。

      9 今日どんな二つのものが,一致をもたらす現実のものとして役立っていますか。

      9 ですから今日,わたしたちエホバの証人が一致しているのは,ただ真の崇拝だけによるのではありません。もちろんそうした崇拝は重要ですが,わたしたちは「長」なる王のもとに集められていることによっても一致しているのです。わたしたちの崇拝と王国はどちらもわたしたちにとって現実のものです。そのどちらも,世界的規模の兄弟関係においてわたしたちを結び合わせるための助けになっています。

      10 (イ)わたしたちは羊飼いなる王をどのようにみなしますか。(ロ)わたしたちはどのようにエホバの「司法上の定め」を実践しますか。

      10 わたしたちはわたしたちの王を深く愛しています。わたしたちすべてにとって,この方は「一人の羊飼い」― わたしたちを永遠の命の水へと導く思いやりの深い羊飼いなのです。この方はわたしたち一人一人をご存じで,その名前まで知っておられ,わたしたちを呼び出して,快い香りを放つ霊的牧場へ導くことに関心を抱いておられます。しかしわたしたちは,群れの羊のように,一つに結ばれた状態にとどまり,『エホバの司法上の定めによって歩ま』なければなりません。サタンの組織の三つの部分,つまり腐敗した政治,貪欲な商業主義,偶像礼拝を行なう宗教から絶えず離れていなければなりません。イエスと初期の弟子たちが得ていたような一致のうちに,わたしたちは「世のものではない」ことを示します。それには,世の不道徳行為を退けることも含まれます。(ヨハネ 17:14,16,20,21; 18:36)わたしたちがエホバの法令を守り,「必ずそれを行なう」時,わたしたちの間に分裂があってはなりません。

      11 わたしたちの生活の仕方は,世の信心深げな人たちのそれとはどのような対照を成していますか。

      11 こうした生活の仕方は世の信心深げな人たちのそれとは大いに異なっています。彼らの場合は,大抵何でも許されます。どんなことでも許容する道徳的に汚れた社会を彼らは容認しています。世界でも場所が変わると,その規準も異なることが少なくありません。例えば,彼らは,豊かな国々では大抵の場合一夫一婦制を支持しているのに対し,地球の反対側では,非常に多くの妻を習慣的に持ってきた,また今でも持っている人々が会員になることを認めています。(マタイ 19:4-6; テモテ第一 3:2,12と比較してください。)しかし,羊飼いなる王キリストのもとで結ばれているわたしたちは,世界のどの場所においても聖書の法令と原則に従います。国々の間で戦争が起きても,わたしたちは他の国の兄弟たちを殺すことを拒みます。イザヤの言葉はわたしたちについて,「彼らはもはや戦いを学ばない」と述べているからです。―イザヤ 2:3,4。

      12 わたしたちは,自分たちが「囲いの中の羊の群れのように」一致していることをどのように示しますか。

      12 霊的イスラエル人の残りの者のこうした一致はミカ 2章12節の聖句にも見事に予告されています。エホバは次のように述べておられます。「わたしは彼らを,囲いの中の羊の群れのように,牧場の中央の畜群のように一つにならせる。そこは人でにぎわう」。これは,わたしたちがエホバの民の大会で観察する事柄です。わたしたちがエホバとその羊飼いなる王に牧されながら草をはむとき,幾千人もの人々が,一言も聞き漏らすまいと,静かに,注意深く,また熱心に耳を傾けます。東洋人も,黒人も,白人も,油そそがれた残りの者も「ほかの羊」も,すべての人がこの畜群の中に一致して集っています。わたしたちの大会,わたしたちの会衆の集会が,王国の一致は今日,全世界で現実のものとなっていることを反論の余地なく証ししているのです。

      13 羊の群れはどのように「人でにぎわう」ようになりましたか。

      13 では,「そこは人でにぎわう」というミカの言葉は何を意味しているのでしょうか。集会や大会の前後にわたしたちはどんなことを経験するでしょうか。楽しい交わりのにぎわいが聞こえるでしょう。わたしたちは楽しい会話の中で,クリスチャンの交わりの喜びにあずかり,神に対するわたしたちの奉仕について語るからです。そして,全世界の会衆もまた,絶えず増加しているという観点から見て,「にぎわう」ようになっています。新しい会衆が絶えず設立され,エホバを賛美する,調和の取れた歌声は,全地でその強さを増し加えているのです。―詩編 96:1-3。

      14 わたしたちの一致を世が注目していることについて説明してください。

      14 一つのおりの中の群れのようなこの幸福な一致は,世の目に留まらずにはすみません。例えば,エホバの証人の1983年の「王国の一致」地域大会の折に,韓国の大邱<テーク>の警察はその第一日目に30人の警察官を大会ホールに派遣しましたが,秩序が保たれていることと証人たちが外の交通整理をしているのを見て,残る三日間は二人しか警察官を派遣しませんでした。大田<テーチョン>では,会館の管理者がこのように述べました。「皆さんは天からの霊感を受けた方々のように見えます。すばらしいことです」。これは大げさな表現ですが,的を射た言葉です。ビルマのラングーンでは,ガンジー会館委員会の一人の成員が,「世界中が皆さん方のような社会になれば,世の中の問題はなくなるでしょう」と語りました。

      エホバの「平和の契約」

      15 エゼキエル 37章26節ではどんな望ましい平和のことが描かれていますか。

      15 真の平和は,わたしたちの羊飼いなる王キリスト・イエスによって牧場へ導かれる人々のものです。それは一致に伴う平和です。そしてその一致は,今日,全地のエホバの証人の間で,王国がまさしく現実のものであることを明らかにしています。エホバはエゼキエルに対するご自分の言葉の37章26節で,そのことをくすしくも次のように描写しておられます。

      「そして,わたしは彼らと平和の契約を結び,定めなく存続する契約が彼らとの間にあるであろう。また,わたしは彼らを置き,彼らを殖やし,定めのない時に至るまで彼らの中にわたしの聖なる所を置く」。

      神との平和があるのです。わたしたちの羊飼いなる王がこの地上におられた時にささげてくださった愛ある犠牲のおかげで,いつまでも絶えることのない平和があるのです。

      16 「羊」の増加は何によってもたらされましたか。

      16 霊的イスラエルが増えて14万4,000人という数を満たすようになったため,今や「ほかの羊」の大群衆が彼らに加わってエホバの聖なる所で神聖な奉仕をささげています。その「羊」の増加はとどまることを知らず,既に幾百万もの数に達しています。これら王国宣明者たちは,世界中で一致を保ちつつ,家から家へと出掛けて行きます。この公の崇拝はわたしたちにとって現実的意義を持っており,それによってわたしたちは,エホバのみ名をあがめることと,エホバの平和の王国をふれ告げることに関心を抱く一つの民として全地で識別されています。エホバの平和の契約にあずかれることはわたしたちにとって本当に大きな喜びです。

      17 (イ)エホバはエゼキエル 37章27,28節でどのような励ましを与えておられますか。(ロ)エホバによる見張りの気遣いが霊的イスラエルだけに示されるのではないことが,どのように分かりますか。

      17 エゼキエル 37章27,28節には,エホバの一つに結ばれた羊の群れにとって励ましとなる,エホバの次のような結びの言葉が記されています。

      「そしてわたしの幕屋は彼らの上に実際にあり,わたしは必ず彼らの神となり,彼らはわたしの民となるであろう。そして,わたしの聖なる所が定めのない時に至るまで彼らの中にあるとき,諸国民は,わたしが,エホバが,イスラエルを神聖なものにしていることを知らなければならなくなる」。

      エホバの保護が天幕のように神の民の上に広げられているのは本当にうれしいことです。この愛ある見張りの気遣いは霊的イスラエルだけに示されるのではありません。「大群衆」について,「み座に座っておられる方は彼らの上にご自分の天幕を広げられるであろう」と記されているからです。エホバの不興という熱がもはや彼らを襲うことはありません。―啓示 7:9-17。

      18 (イ)エホバはどのように『イスラエルを神聖なものとされ』ますか。(ロ)「大群衆」はどのように神のみ前における義なる立場を得るようになりますか。

      18 エホバが霊的イスラエルのただ中に住まわれ,「定めのない時に至るまで」彼らのただ中にご自分の聖なる所を設けられるというのも本当にうれしいことです。神の崇拝のこの中心地が聖なるものであるように,崇拝のためそこにやって来る人々も聖なる者,神聖なものとされなければならず,彼らの神への奉仕のために取り分けられなければなりません。油そそがれたクリスチャンたちは,「洗われて清くな(り)……神聖な者とされ……わたしたちの主イエス・キリストの名において,またわたしたちの神の霊をもって,義と宣せられた」者として語られています。(コリント第一 6:11)そして,上に引用した啓示 7章9節から17節の聖句が示しているように,地的な希望を持つ「大群衆」も,「その神殿で昼も夜も……神聖な奉仕を」神にささげられるよう,「自分の長い衣を子羊の血で洗って白くした」のです。一致した世界的な奉仕から何とすばらしい証しが生み出されているのでしょう。

      19 (イ)諸国家はどのように,いや応なくエゼキエル 38章23節の言葉を知らされるようになりますか。(ロ)その時まで,わたしたちは何を行なう決意を抱いていなければなりませんか。

      19 しかし,王国の一致のうちに前進を続けるわたしたちにとって最大の喜びは,エホバの正しさが立証される日に到達することです。その時,エホバの栄光に満ちたみ名は神聖なものとされ,それまでそのみ名に対して積み重ねられてきた卑劣な非難すべてがぬぐい去られることになるでしょう。諸国家はエホバのみ名の民の救出をいや応なしに見せつけられることになります。しかしそれよりもさらに重要なこととして,わたしたちの主権者なる主ご自身が言明しておられるように,「彼らはわたしがエホバであることを知らなければならなくなる」のです。(エゼキエル 38:23)今や現実のものとなっている,わたしたちの王国の一致を,エホバの栄光あるみ名が全宇宙においてまさしく神聖なものとされるときまで,わたしたち各自がしっかり保ち続けられますように。

      次の点に関してエゼキエル 37章15-28節はどのように成就してきましたか

      □ エホバの民を「一つの棒」にすること

      □ 『一人の王また羊飼い』を立てられること

      □ 神がご自分の民と結ばれる「平和の契約」

      □ 「彼らの上に」にある神の天幕

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