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  • 犯罪のない世界を目ざして生活する
    目ざめよ! 1973 | 10月8日
    • 犯罪のない世界を目ざして生活する

      犯罪のない世界ははたしてもたらされるのだろうか,と疑問に思っておられますか。その可能性を疑問視している人は少なくありません。しかし,この地球が法律を守る人びとだけの住みかになることを信じうる確かな根拠があるのです。

      『その根拠とはいったい何か』と不審に思われますか。

      では,考えてみてください。もし,一群の大勢の人びとが実質的にいって犯罪のない生活を今営むことができるとすれば,それは,全世界の人びともその気になればそうしうることを証明するものとなるのではないでしょうか。どこに住んでいる人であろうと,同様の導きや訓練を受けるなら,ついには法律を守る,ほんとうに正直な生活を送れるようになるのではないでしょうか。

      『それはもっともなことだと思うが,しかし,犯罪のないそうした模型的な社会は今日どこにあるのだろうか』とお考えになるかもしれません。

      法律を守る人びと

      今日,法律をほんとうによく守る人びとの社会は世界中に現に存在しています。1969年のこと,アメリカ,ワシントン州,シアトルに住むひとりの人はその社会に接して非常に驚かされ,同年7月18日付のシアトル・タイムズ紙上で次のように述べました。

      「最近,私はブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーで開かれたエホバの証人の大会に出席した。

      「もしできるなら,次のような光景を想像してもらいたい。ある都市に4万人もの人びとが訪れ,しかもそのすべてはそうでありたいと願うがゆえに法律を守る良い市民なのである。酔払いも,個人の家の芝生を歩く者も,不法駐車をする者も,交通違反を犯す者も見かけなかったし,それら訪問者の間では不敬なことば一つ聞かれなかった。

      「また,ご想像できるであろうか! 紙くずさえ散らされてはいなかった! 私はエンパイア・スタジアムをくまなく歩いてみたが,何万人もの人びとが紙製の皿やコップを使って食べたり飲んだりしていたにもかかわらず,地面には紙くずひとつ見かけなかった。

      「私は,スタジアムにいる何万人もの人が昼休みの時間に席を立ち,午後のプログラムに備えて同じ座席を取っておくため,各自の座席にテープレコーダーや双眼鏡,かさや財布,セーターやカメラなどを残し,しかも盗まれはしまいかと恐れたり,心配したりすることもなく約1時間半ものあいだ席を離れて歩いているのを見た。

      「私はエホバの証人ではない。……しかし,彼らは自分たちの高い道徳規準,礼儀正しさ,正直さなどによって,大会開催地として選ぶ都市に善をもたらす以外の何ものでもないということを私は確かに強く感じる」。

      犯罪のはびこる今日の世界に慣れた人びとにとっては,法律を良く守るそのような人びとが現実に存在するということは信じがたいかもしれません。しかし,まさしく存在しているのです! エホバの証人に関して同様の経験をした,ノースカロライナ州の一医師は感動して,地元の新聞社に一部次のように書き送りました。

      「われわれの見聞きするニュース記事はすべて,暴動や略奪行為や憎悪の念をあおる宣伝などに関するものとなっている今日は,みずからを慰めるべき時である。……私は今特に,アシュビル市を訪れたエホバの証人によって今月初旬に1週間にわたって開かれた大会について言及している。……

      「大会中,同市を訪れた数千人もの証人たちは,講演を聞き,賛美の歌をうたい祈りをささげる集いの聞かれた二つの建物の周囲を動き回ったが,警官の姿は一度も見かけなかった。耳ざわりな騒ぎ声も,騒動も,言い争いもなかった。……秩序が完全に保たれていた」― 1967年7月26日付,アシュビル,シチズン紙。

      エホバの証人に関するこのような報告が寄せられているのはアメリカだけではありません。証人たちに関しては世界中で同様のことが指摘されています。1972年10月26日付のロンドン・デーリー・テレグラフ紙上の記事の中で記者ブライアン・ウィルソンは次のように述べました。

      「エホバの証人はアフリカ中で,自分たちが高い道徳律に従って生活している礼儀正しい従順な市民であることを示してきた。彼らは勤勉で,飲酒を慎み(しかし絶対的禁酒主義者ではない),家庭のしつけは模範的である。アフリカ人社会の特徴である乱婚や,一夫多妻は,証人たちの間では全く考えられない事がらである。この派は,倹約,時間厳守,正直,従順などの生活習慣を教え込んでいる」。

      全地の150万を越すエホバの証人が今,ほとんど犯罪とは無縁の生活をしているということは,全世界の人びともやはり同様の生活をしようと思えばできることを証明してはいないでしょうか。確かに証明しています。それに間もなく,神が犯罪のはびこる現在の事物の体制に終わりをもたらした後,地上の人びとはすべて正直に生活し,法律を良く守ります。エホバの証人は今,犯罪のないその世界を目ざして生活しています。彼らは,その時あらゆる人が行なうとおりに,今神の意志を行なうよう努力しているのです。

      あなたご自身はいかがですか。神の意志を今行なうことによって,神のもたらす,犯罪のない世界を目ざして生活しますか。もしそうするなら,それはあなたにとって真の祝福を意味します。

      平和と安全

      今でも,自分がほんとうに信頼できる友を持つという祝福を享受できます。エホバの証人が神の目的について学ぶために定期的に集まっている王国会館には,平和と安全をほんとうに味わえるふん意気が実際に存在しています。そこにいる人びとは他の人を出し抜いたり,いかなる方法であれ人に危害を与えたりしようなどとはしません。むしろ,「互いに心から熱烈に愛し合いなさい」「すべての悪,すべての欺瞞と偽善とそねみ……を捨て去りなさい」という聖書の助言を適用しようと真剣に努めています。―ペテロ前 1:22; 2:1,新。

      神の意志に従う

      確かに,神の意志に従うためには自分の生活をかなり変化させる必要があるかもしれません。しかし,神の新しい体制を目ざして生活する人はすべて変化を遂げなければなりません。というのは,現在の古い体制の人びとの態度や考え方はおしなべて利己主義に基づいているからです。それゆえ,聖書は次のように勧めています。「自分をこの事物の体制に合わせてはなりません。むしろ,思いを作り直して自分を変革しなさい。それは,神の善にして受け入れられる完全なご意志を自らはっきり知るためです」― ロマ 12:2,新。

      他の多くの人びとが行なってきたのと全く同様,あなたもそうした変化を遂げることができます。西暦1世紀当時,淫行を犯す者,同性愛者,大酒飲み,ゆすり,その他の無法の者たちは神のしもべになるため,そのようなならわしをやめました。(コリント前 6:9-11)今日でも,中には神の意志に従うため,生活を根本的に変化させた人がいます。

      一例を挙げると,盗みを働いていた英国の若い夫婦が数年前にエホバの証人と聖書を勉強し始めました。犯罪に満ちた現在の体制を終わらせ,それに代わって新しい体制をもたらすのが神の目的であることを学んだ時,ふたりは神に献身したいと願いました。そこで,ふたりは自分たちの負い目を法的に清算する処置を講じました。1967年6月15日付,ザ・マーキュリー紙は,「ある主婦が自白した理由」と題する見出しのもとに次のように報じました。

      「警察は問題の主婦C・M ― を逮捕できなかった。彼女は犯行を四回重ねていたが,仕事と住居をひんぱんに変えたため,捜査当局の追求を免れた。

      「やがて,彼女は聖書を読み始め……その後,警察に自首し,4件の犯行を自白した。

      「彼女は夫とともにエホバの証人になる決意をしていた。そして,幼い2児の母親であるM ― は,『過去を清算する』ための唯一の道は警察に自首することであると考えた。

      「警察当局者は,『彼女は全く自発的に自首した』とグリニッジ裁判所で証言した」。

      別の日付のザ・マーキュリー紙は彼女の夫について伝え,「『改宗した』泥棒,犯行のすべてを自白」と題する見出しのもとに次のように報じました。

      「ひとりの男が警察に自首し,数千ポンド(数百万円)にのぼる盗みを自白したが,エホバの証人になりたいというのがその理由であった。……

      「2年前,M ― は聖書を勉強し始め,昨年,バプテスマを受けてエホバの証人になりたいと考えた。

      「『過去2年間に,夫は驚くほどの変化を遂げました。聖書を勉強したおかげで夫の生活には大きな変化がもたらされました』とM ― の妻は語った」。

      ですから,生活を変化させる,それも根本的に変化させることさえできるのです。神のもたらされる,犯罪のない世界を目ざして生活する人はすべて,変化を遂げなければなりません。

      必要な変化

      しかし,必要な変化とは単に盗み,うそをつくこと,淫行などのような,神の律法の明らかな違反を避けることだけであるなどと結論しないでください。神の意志に従うことにはそれ以上の事がらが関係しています。聖書はそのことを示して次のように述べています。「愛される子どもとして,神を見倣う者となり……愛のうちに歩んでゆきなさい」― エペソ 5:1,2,新。

      ですから,神のもたらされる,犯罪のない世界を目ざして生活するということは神の非の打ちどころのない行為に見倣うという意味です。わたしたちは神の目に悪とされるいかなる行ないをも慎まなければならないだけでなく,自分のひととなりを愛と憐れみに満ちた神の性質に一致させなければなりません。そうするのが容易でないことは明らかです。必要な変化は一晩で成し遂げられるわけでもありません。自分の生活を神の考えと行ないに一致させるには,ある期間たゆまず努力することが必要です。

      しかし,人間の社会全体が愛,憐れみ,親切その他の神の偉大な特質を見倣おうと努める時,それはどんなにすばらしいことかを考えてみてください。ご自分とあなたの愛する人たちのためにそうした交わりを欲しておられますか。それでは,もしまだそうした特質を見倣っておられないのでしたら,神のもたらされる犯罪のない世界を目ざして,今生活し始めてください。

      必要な第一段階は,エホバ神とみ子イエス・キリストに関する知識を取り入れることです。そのみ子は,地上におられたとき,み父に完全な仕方で見倣われました。おふたりに関する知識を取り入れることの必要性を示して,聖書は次のように述べています。「彼らが,唯一まことの神であるあなたと,あなたがお遣わしになったイエス・キリストについての知識を取り入れること,これが永遠の命を意味しています」― ヨハネ 17:3,新。

      エホバの証人は,命を得させるこの知識を取り入れるよう,みなさんを喜んで助けたいと思っています。ぜひエホバの証人にお尋ねください。そうすれば,証人たちはお宅で,あなたはもとより,ご家族のみなさんとの聖書研究を無償で司会いたします。この勧めに応じてください。エホバの証人と交わり,そして犯罪のない世界に関する神の約束には確かな根拠があることをご自身でお調べください。

  • 生活を改めた犯罪者や麻薬常用者たち
    目ざめよ! 1973 | 10月8日
    • 生活を改めた犯罪者や麻薬常用者たち

      人びとを助けて犯罪を阻止したり,人びとの生活から犯罪を根絶したりする上でエホバの証人が大いに貢献していることは十分に証明されています。最近,アメリカの合同メソジスト派の牧師,ディーン・M・ケリーは,伝統的な教会がこの点で無力であるにもかかわらず,エホバの証人は「われわれの社会の犯罪者や麻薬中毒者を救っている」と述べました。

      それが真実であることは,以前犯罪者だった人たちが聖書を勉強し,エホバの証人と交わった結果,生活を変化させた数多くの経験からも明らかです。つい昨年の夏に開かれたエホバの証人の「神の支配権」地域大会で次のような経験が話されました。

      ● アメリカ,ミシガン州,デトロイト市の一青年は麻薬に深入りし,学校や家の近所で麻薬を売ることさえしました。また,彼は腕ききの泥棒で,錠のこじ開け方を小さい時に覚えました。窃盗グループの一味として働き,自転車を盗んでは,足がつかないよう,盗品を改造したりしていました。また,彼は若者たちの反抗的な活動のリーダーで,学校では生徒の衣服のスタイルを変えさせる影響を与えていました。

      そのころ,青年の母親はエホバの証人と聖書を勉強し始めました。青年も勉強に応じましたが,それは彼のことばによると,「スリルのため,何かをやってみるため,何か変わったことをやってみるため,ただそれだけのことで」応じたに過ぎませんでした。勉強が進むにつれて,麻薬中毒に関する,ものみの塔協会の出版物の資料が考慮されました。そのころ,青年は麻薬の作用で特にひどい「旅<トリップ>」(麻薬の引き起こす幻覚状態)を経験したので,真剣に考えさせられました。

      やがて,青年はエホバの証人の会衆の集会に出席し始め,麻薬をやめ,長い髪を短くし,奇抜な服装を改めました。その青年はオハイオ州トリドで開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受け,今や,自分の生活に劇的な変化をもたらした聖書の真理を他の人びとに教えるわざに全時間を費やす道を歩みたいと願っています。

      ● 多くの場合,麻薬常用癖は一見してそれとは気づかないうちに始まるようです。オハイオ州マンスフィールドのある青年はせき止め用のシロップの処方薬を飲み始めました。ところが,それからマリファナ,アンフェタミン,そしてLSDを用いるようになりました。彼は約4年間麻薬を常用し,大酒を飲んだり淫行を犯したりして放蕩生活を送りました。そのころ彼は結婚し,麻薬の乱痴気パーティーを自宅で開き,また麻薬密売人にまでなりました。

      そんなある日,ひとりのエホバの証人が彼の妻を訪ね,聖書研究を始めました。いっしょに参加するように勧められたので,彼も加わりました。しかし,何かを学ぶというよりもむしろ,研究を司会するその女性の誤りを暴露し,ろうばいさせるのが目的でした。

      ところが,青年はやがて,自分が有益な人生を送っていないことに気づき始めました。また,何人かの友人や自分のおいまでが,麻薬を常用したために堕落していくのを見ました。それで彼は熱心に聖書を勉強するようになり,会衆の集会にも出席し始めました。そして青年は生活を改め,夫婦そろって昨年の夏のトリドの大会でエホバの証人の手によりバプテスマを受けました。

      ● 麻薬を常用すると,恐ろしい影響をこうむる場合があります。ウィスコンシン州マジソンに住むある若者は直接そのような経験をしました。現在の事物の体制にあいそをつかした彼は麻薬に走り,マリファナから始めて,LSDなどの幾つかのさらに強い麻薬を用いるようになり,麻薬を用いなくとも幻覚が生ずるほどになりました。

      彼はこう説明しました。「しばしば,教室で授業を受けていると,突然幻覚が生じたかと思うと,また再び正気を取り戻すことがありました。現実と幻覚の経験を区別することは非常に難しくなり,私の頭は全く混乱してしまいました」。

      麻薬を常用した結果,両親との間でいざこざを起こした彼は家を去って旅に出ました。やがてスペインに行き,そこで英語を話すスペイン人のエホバの証人の宣教者に会いました。2週間にわたって彼はその宣教者と聖書を勉強し,スペイン語はわからなかったため集会で話されていることは理解できなかったにもかかわらず,会衆の集会にさえ出席しました。そして,ぜひもっと多くを学びたいと考えるようになり,集会で話される事がらを理解できる英国へ行く決心をしました。

      英国に入国する許可が一時的に得られなかったため,彼はフランスで数週間を過ごしました。青年は次のように語りました。「フランスにいる間,私は毎日7,8時間を費やして,エホバの証人から求めた1冊の本と聖書を通読し,また読み返しました」。

      ついに英国に入国した青年は,エホバの証人のベテル・ホームと印刷工場を見学しましたが,そこで受けた親切なもてなしはもとより,見聞きした事がらに大いに感銘を受けました。そして,急いでウィスコンシン州のマジソンに戻り,土地のエホバの証人の会衆の主宰監督と直ちに連絡を取りました。やがて聖書研究が取決められ,9か月後,マジソン市で開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受けました。彼は生活をすっかり改め,事情が許せばできるだけ早く,全時間の宣べ伝えるわざに携わる日を一心に待ち望んでいます。

      ● エホバの証人になった,かつての麻薬常用者は,他の麻薬中毒者が行ないを改めるのを助ける点でしばしば功を奏しています。何年か前にサウス・カロライナ州で人気を博したロックンロール・バンドのメンバーだったある青年の場合はそのよい例です。そのバンドが解散した後,彼はハリウッドで,以前契約していたレコードの吹き込みを行なう一方,妻といっしょにエホバの証人と聖書を勉強し始め,そしてふたりは,自分たちの学んでいる事がらが真理であることを認めました。

      その結果,青年は霊的に成長できるより良い立場に身を置くため,有名な「ロック」グループといっしょに働くことを含め魅力的な仕事の申し出を断わりました。そのことを聞いたサウス・カロライナの友人たちはショックを受けました。また,彼があごひげをそったことを知ったのも彼らにとってはショックでした。それらの友人のひとりがカリフォルニアの彼のもとに訪ねて来た時どんなことが起きたかを彼は次のように説明しています。

      「彼は家の中に入るなり,ロサンゼルスでは一番いい『やく』(麻薬)はどこで手に入るか,またどこに行けば『かわいい子』が見つかるかを尋ねました。私が『知りません』と答えると,彼はまたもやショックを受けました。……

      「私たちが彼の妻を含め,他の何人かの人たちと聖書研究を始めると,彼はソファーに腰をおろしてにやにや笑ったり,外に出てマリファナを吸ったりしていました。しかし数日後,彼の様子を伺ってみると,私たちの話にいくらか耳を傾けている姿が目につきました。次いで彼は,当『目ざめよ!』誌の『ヒッピーが生まれるのはなぜか』と題する記事を読みました。それがきっかけで質問をするようになり,それから2週間ほどのうちにヘブル語聖書と『「その時,神の秘義は終わった」』(英文)の本を読んでしまいました。彼はたちまち態度を改め,集会に出席し始め,やがてひげをそり,髪を短く切りました。

      「このふたりが初めて集会に出席した後,彼の妻は,私が前もって全部のエホバの証人に電話をかけ,『風変わりな人間』を連れて行くから,特別親切にしてくれるように話したのか,と私に尋ねました。彼女の夫は穴のあいたジーパンに汚れたTシャツをまとい,頭にはインディアンバンド,首にはビーズの首飾りをつけ,それに裸足といういでたちでした。『もちろん,そのようなことはしていません。エホバの証人は,人がどんな身なりをしていようとも,すべての人にそのように接するのです』と私は答えました。彼女は偽りの宗教にあきあきしていたので,エホバの証人こそ神の民であって,真理を持っているということを直ちに認めました」。

      こうして生活を改めたそれらのヒッピーや麻薬常用者は,短期間のうちにエホバの証人の手でバプテスマを受けました。昨年中,彼らは以前いっしょに働いていたロックンロール・バンドの何人かの人びとと聖書を勉強し,そのうちの数人は昨年の夏にサウス・カロライナ州のコロンビアで開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受け,また目下勉強中の他の人びともエホバの証人になることを望んでいます。

      現在の腐敗した,偽善に満ちた事物の体制にあいそをつかして犯罪に走ったり,麻薬に手を出したりするようになった人は少なくありません。ですから,そのような人びとにとって現在の世界を支持している宗教は忌まわしく感じられます。しかしそうした人たちも,この体制に対する神の見解を,つまり神も現在の体制を嫌悪しており,それを滅ぼして正義の新しい事物の体制を招来するよう意図しておられることを聖書から示されると,この偉大な神エホバを喜ばせるためにしばしば自分たちの生活を改めるのです。―ペテロ後 3:5-7,13。

  • すべてのものからの逃避を求めますか
    目ざめよ! 1973 | 10月8日
    • すべてのものからの逃避を求めますか

      人びとが『すべてのものから逃避する』ことについて話しているのを,わたしたちはよく耳にします。生活の問題や心配事にうんざりした,あるいは物質主義と今日の圧力に悩まされているそれらの人びとは,どこか孤立した場所へ行って,『すべてのものから逃避』できたらと願っています。おそらく,あなたもそのように考えておられるかもしれません。しかし,それは実際に解決となるでしょうか。

      アメリカのカリフォルニア州に住む一青年は1960年代にはいってまもなく,周囲の物質主義的な人びとの追い求める,一般の目標や物質の追求に幻滅を感じるようになり,「ヒッピー」の生活を始めました。彼はまた,東洋のさまざまな宗教を勉強したり,人生の意義を見いだそうと,共産主義者の青年たちの集まりに出席することさえしました。のがれる道を求めて,あらゆる種類の麻薬や酒に手を出しましたが,満足は得られませんでした。

      最近行なわれたエホバの証人の大会で,その青年は麻薬と酒に走った後,どんなことが起きたかを説明しました。その話によると,ついに青年夫婦は,麻薬と酒におぼれた生活はほんとうの生活ではないことをさとるようになりました。「そこで,わたしたちは麻薬を飲むのをやめ,清い生活を始めるために,メーン州に引っ越しました」と彼は語っています。青年は人のあまり住んでいない所で生活したいと願っていました。「自給自足の生活をし,そうすることによって社会から離れたいと考えて,森の中に家を建て,畑を耕やしました。へんぴな森林地帯に住み,めったに人を見ることがないにもかかわらず,私はすぐに,自分が人びとから逃れてはいないことに気づきました」。それはなぜでしょうか。

      まもなく,強力な機械を携えた人びとがやって来て,大住宅地,ショッピングセンター,そして海軍基地を建てるため,家のまわりの美しい樹木を根こそぎに引き倒し始めたのです。彼はさらに次のように述べています。「ラジオのニュースは,世界のいたる所で人びとは飢えに苦しみ,数多くの人びとが戦争で殺されているごとを私に絶えず思い出させました。今までの努力がむだに思え,私は全く希望を失ってしまいました。私は再び大酒を飲み始め,あきらめて死のうと思いました。事実,私はほとんど毎日のように酒に酔っていました」。

      『すべてのものから逃避する』ことは問題の答えになりませんでしたが,答えは見いだされました。彼は次のように説明を続けました。「そのすぐ後に,エホバの証人の奉仕者が私の家を訪問し,私はその証人と聖書の研究を始めました。初めて,私は希望があることを知りました。たばこも酒もやめ,聖書とものみの塔協会の出版物を読むために時間を費やしました。それは非常に望ましい希望に思えたので,私は新たに見いだしたその希望について他の人びとに話し始めました」。それは単なる想像上の希望ではありませんでした。それは信頼の置ける神のみことば聖書に基づいていました。聖書には,人類が現在直面している諸問題が説明されており,まもなく神がそれらの問題をどのように解決しようとしておられるかが示されています。

      ですから,『すべてのものから逃避したい』と感じておられるかたは,どこかの寂しい森の中でひとりで暮らそうなどと考えないでください。むしろ,聖書に述べられている,神の目的を学ぶ機会を受け入れて,エホバが人類に差し伸べておられる確かな希望を得てください。このことは明らかに,あなたの問題をまるで魔法にでもかけたかのようになくしてしまうというのではありません。それはここで述べられている青年の場合と同様です。しかし,この青年がしたように,それらの諸問題に立ち向かう力を得て,聖書から得られる神の導きのもとに問題を解決することができます。そして,現在の彼と同様に,あなたも,「ついに,幸せと平安な思いは真実に私のものになった」と言うことができるでしょう。

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