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王なる祭司ものみの塔 1954 | 8月15日
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祭司の口唇に知識を保つべく,また人,かれの口より律法を尋ぬべし。そは祭司は万軍のヱホバの使者なればなり。』『またヱホバがモーセによつて語られたすべての法令をイスラエルの子らに教えるためである。』(マラキ 2:7。レビ 10:11。ア標。申命 33:10; 17:9-11)これらの任命された教師たちは神権的に教えなければなりません。何故なら恐ろしいほどの責任が彼らの肩の上に置かれているからであつて,ヱホバはこの責任を彼らに負わされたのです。彼らはヱホバの律法を管理していました。それ故彼らはイスラエルの中の真の審判者でありました。忠信な祭司たちは律法を教え,ヱホバの民に正しい道を歩ませました。彼らは『羊たち』を本当によく世話をしました。
19 祭司が神の聖い民に対して,どのように律法の教師の義務を持つているかを示しなさい。
19 大祭司は神権政治の原則によつて,神の聖い民の中で律法の教師の義務を持つていました。何故なら国家のすべての権力はヱホバに結合されていたからです。会衆の活動でさえヱホバの名によつて行われました。ヱホバは立法者であります。『ヱホバは我らの審判者,ヱホバは我らの立法者,ヱホバは我らの王である。彼は我らを救い給うであろう。』(イザヤ 33:22。ア標)丁度,立法権がモーセを通じて行使され,そしてただ基本法だけが有効であつたように,神権政治の発展の場合でもモーセよりも偉大な予言者キリスト・イエスはヱホバの律法を執行します。『あなた方は彼の語るすべての事に聴き従わなければならぬ。実にその予言者に聴かぬ魂はみな民の中から全く滅ぼされるであろう。』(使行 3:22,23。新世)今日喜ばしい服従が要求されています。
20 祭司の資格の或るものを述べなさい。そして私たちは何故それらの事を考える必要がありますか?
20 偉大な王なる祭司の資格と義務を注意深く考えて下さい。彼は自分の下で働く祭司たちのために型を定めます。彼は『無知な人々や迷つている人々を穏かにあつかうことが出来』『また彼を通じて神に近づく人々を完全に救うことが出来る。何故ならば彼は,彼らを弁護するために常に生きて居られるからである。このような大祭司,即ちいつくしみあり,狡猾なところのない,汚れのない,罪人から離れているお方は私たちにとつてふさわしいのです。』彼は常に奉仕に役立つお方です。何故なら,『すべての祭司は公けの奉仕をなすために毎日部署につく』からです。彼の下の祭司たちもまた犠牲を献げることを要求されています。『彼を通じて私たちは常に讃美の犠牲,即ち彼の御名を公けに宣明する口唇の実を神に献げようではないか。その上他の人々に善を行うことと,物を分け与えることを忘れないようにしなさい。神はこのような犠牲を十分に喜ばれるのである。』― ヘブル 5:2; 7:24-26; 10:11; 13:15,16。新世。
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『メルキゼデクの状』ものみの塔 1954 | 8月15日
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『メルキゼデクの状』
1 メルキゼデクは誰でしたか? そして誰が『彼の状にひとしく』されましたか?
メルキゼデクは王なる祭司でありました。そして王なる祭司は彼に似せられました。使徒パウロは教えます。『キリストは自分が大祭司になることによつて,彼自身を栄光の位に上げたのではない。彼に対して,「お前は私の子である。今日私はお前の父となつた。」と言われたお方によつて栄光の位に上げられたのである。このお方はまた他の場所でこう言われる。「お前はメルキゼデクの状にひとしく永遠に祭司である。」……彼はメルキゼデクの状にひとしい大祭司と,特別に神から呼ばれ給うた。』(ヘブル 5:5,6,10。新世)この状とは何ですか? そしてそれは何を意味しますか?
2 メルキゼデクが創世記 14章の記録に出て来る情況を手短かに述べて下さい。そしてパウロはこの王なる祭司について何と言つていますか?
2 この王なる祭司についての最初の記録は,聖書中に報道されている最も古代の戦争に関連して登場した彼の外観を示しています。それはヨルダンの谷の侵略でした。その当時の王たちとその谷の人々との間に一大戦闘が起りました。侵略者たちが勝つて分捕物を取り,捕われ人たちを連れ去りました。その中にはロトとその家族も含まれていました。ロトの伯父アブラムはその捕虜のことを知つてよく調練された彼の奴隷たちを引き連れて,その勝利者たちの後を追い,彼らを打ち破つて捕われ人たちを救い出し,分捕物を取り戻しました。メルキゼデクが公けに現われたのは,この勝ち戦からアブラムが帰つて来た時でした。(創世 14:1-20を見よ)パウロは最も興味深い方法で,ヘブル書 7章1-3節(新世)でこう説明しています。『このメルキゼデクはサレムの王であり,いと高き神の祭司であつて,王たちを屠つて帰つて来たアブラハムを迎えて祝福した。アブラハムは彼にすべての物の十分の一を分け与えた。まずメルキゼデクを翻訳すれば「正義の王」である。彼はまたサレムの王であるが,それは「平和の王」である。彼は父もなく,母もなく,系図もなく,生れた始めもなく,生命の終りもなく,神の御子に似せられていて,永遠に祭司である。』
3 『メルキゼデクの状』に関するヘブル書 7章のパウロの論はどんなですか?
3 これらの出来事に続いて,『サレムの王メルキゼデクはパンと酒を持つて来た。彼はいと高き神の祭司であつた。そこで彼はアブラムを祝福して言つた。「天地の造り主であるいと高き神がアブラムを祝福しますように。そしてあなたを圧制した人々をあなたの手に渡し給うたいと高き神に讃称がありますように。」』(創世 14:18-20,新世)パウロは述べます。『民族の首であるアブラハムが主な分捕物の十分の一を与えたこの人がどんなに偉大であるかを見なさい。……そして〔メルキゼデクは〕約束を持つ彼を祝福した。さて小さい者が大きい者から祝福されることについては言い争う必要がない。それで,もしレビの支族の祭司によつて本当に完成されたとすれば……アロンの状にひとしくない,メルキゼデクの状にひとしい他の祭司の起る必要があるであろうか? そしてメルキゼデクと同様の,……滅びない生命の力によつて立てられた他の祭司が起つたので,そのことはなお一層十分に明かになつた。というのは,「お前はメルキゼデクの状にひとしく永遠に祭司である。」と証明されているからである。』パウロは再び詩篇 110篇4節を引いて,その論を続けます。『ヱホバは誓われた。そして彼は悔い給わないであろう。「お前は永遠に祭司である。」』それは誰ですか? キリスト・イエスであります。『彼は永遠に生き続けられるから,後継者なしで祭司職を持ち給うのです。したがつて,また彼を通じて神に近づく人々を完全に救うことが出来る。何故ならば彼は,彼らを弁護するために常に生きて居られるからである。』― ヘブル 7:4-7,11,15-17,21-25。新世。
4 ヱホバがイエスを御自分の子であると宣言された事実は,どうしてイエスを完全な祭司とすることになりますか?
4 イエスがヨルダン川で浸礼を受けた時に,ヱホバは彼を承認しました。『するとどうだろう,天から声があつて言つた。「これは私の子,愛する者である。私は彼を承認した。」』それからイエスの容貌が変られた時に再び『声が雲の中から起つて言つた。「これは私の子,私の選んば者である。彼に聴きなさい。」』また彼が王として再臨されることについて詩篇記者はこう語つています。『ヱホバは私に言われた,お前は私の子である。今日私はお前を生んだ。』(マタイ 3:17。ルカ 9:35。新世。詩 2:7。ア標)御子と他の油注がれた神の子らは王室であつて,永遠に生きるでしよう。そしてそれ故子と,祭司との関係は一つになり,同一になります。キリスト・イエスは神の御子ですから選ばれた祭司で,彼は永遠に生きられます。
5 メルキゼデクが偉大な王なる祭司をあらかじめ描いていた点のいくつかを述べなさい。
5 メルキゼデクに関して,「生れた始めもなく,生命の終りもない」と記録された事実,そしてこの祭司がアブラムから十分の一を受け,アブラムを祝福した事実,また彼が「平和と正義の王」であつた事実は,彼がヱホバの永遠の御子をよく描いているものとしてパウロにより示されています。この御子こそ神の王なる祭司長であつて,神の王なる祭司の首であります。
6 詩篇 110篇と黙示録 19章の聖句は,王なる祭司に関聯して何を意味しますか?
6 詩篇 110篇はこの王なる祭司長が成しとげる偉大な業を予言的に教えています『ヱホバはあなたの力の杖をシオンから突き出されるであろう。あなたは敵どもの中で支配されるであろう。主はあなたの右において,あなたの怒りの日に王たちを打ちたもうであろう。彼は国々の間を裁くであろう。』(詩 110:2,5,6。ア標)この支配者は黙示録で述べられている方と同一の方であります。『それから私は天が開かれたのを見た。するとどうだろう。白い馬である。そしてこれに乗つている者は,忠信,また真実と呼ばれ,彼は正義をもつて裁き,そして戦いを行う……彼はまた全能の神の憤怒の怒りの酒搾器を踏む。……彼には王の王,主の主という名が記されている。』(黙示 19:11,15,16。新世)メルキゼデクよりも偉大なお方はただ犠牲を献げる祭司であるばかりでなく,また征服し支配する王でもあります。そしてこの実体の正義の王は正義をもつて戦いを
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