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世界政府における神の主要な代理者来たるべきわたしたちの世界政府 ― 神の王国
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でしょうか』。『彼は死に服すべきだ』と彼らは返答した。それから彼らはイエスの顔につばをかけ,こぶしでなぐりつけた。ほかの者たちは顔を平手で打って,こう言った。『キリストよ,わたしたちに預言せよ。おまえを打ったのはだれか』」― マタイ 26:63-68。
29 ダニエル 7章13節が複合体を表わしていないことは,ほかに何が示していますか。
29 地上で,ダニエルの預言 7章13節に確かに触れ,「人の子のような者」が実際にだれかを明らかにし得る唯一の方は,そうです,この人だったのです。死者の中から復活させられ,天で栄光を受けたイエス・キリストはその63年後,地上にいるご自分の使徒ヨハネに啓示を伝えました。そしてヨハネは霊感を受けてキリストに関しこう書き記しました。「見よ,彼は雲とともに来る。そして,すべての目は彼を見るであろう。彼を刺し通した者たちもである。また,地のすべての部族は彼のゆえに悲嘆して身を打ちたたくであろう。しかり,アーメン」。(啓示 1:7)このほか聖書の他の記述も,ダニエルの幻に現われた「人の子のような者」が王ダビデの子孫イエス・キリストであることを証明しています。詩篇 8篇4節(文語)でダビデは彼のことを預言的に「人の子」と述べており(ヘブライ 2:5-8,文語),イエスは繰り返しご自分のことを「人の子」として話されました。「天の雲と共に」来るとダニエル 7章13節で表わされている方は,「至上者に属する聖なる者たち」の一団ではなく,ダビデ王統の子孫なのです。―マタイ 24:30。
30,31 ダニエル 7章13節は成就しましたが,西暦70年に成就したのではありません。なぜですか。
30 その方が来ることはいつ生じるのでしょうか。ダニエル 7章13節の前の節によると,それは第四の獣の頭にある他の三つの角を引き抜く「小さな」角が生え出た,西暦十八世紀の後半以後に生じます。したがって,人の子が「天の雲と共に」来るのはそれ以前でも,また次の預言の成就した西暦70年でもありません。『彼ら[反逆的ユダヤ人]は剣の刃にたふれ,又は捕はれて諸国にひかれん。しかしてエルサレムは異邦人の時満つるまで異邦人[非ユダヤ諸国民]にふみにじらるべし』。(ルカ 21:24,文語)この「異邦人の時」は,西暦前607年バビロニア人がエルサレムを荒廃させた時に始まりました。その異邦人の時の間,非ユダヤ諸国民は神のダビデ王国の干渉を受けずに地を支配することを許されたのです。
31 異邦人の時の終わり,すなわち西暦1914年,ダビデ王家の相続者は王国の支配を正当に神に申し出ることができました。
32,33 わたしたちはなぜ法的権利を持つ方が到来するのを見ませんでしたか。
32 西暦1914年から今日に至るまで聖書預言の成就として生じてきた出来事は,その年に人の子が来たことを証明しています。無論だれも肉眼でその到来を見た人はいません。見えるはずがないからです。ダニエル 7章13,14節の描写によると,人の子は地に来るのではなく,日を経た方,すなわち『時と時節とを変え,王を除きまた王を立てておられる』天の裁き主のもとに来られるのです。(ダニエル 2:21)詩篇 2篇8,9節に記録されているように,彼は日を経た方の招待を受けて来たのです。「わたしに求めなさい。そうすれば諸国民をあなたの相続財産として,また地の果てをあなたの所有物として与えよう。あなたは鉄の笏をもって彼らを砕き,陶器師の器のように彼らを粉々にするであろう」。それから,日を経た方はご自分の法的な予定通りの時に,エゼキエル 21章25-27節で予告した事を行なえます。その方はその個所で,ダビデの王権のターバンと冠を取り外すよう命令した後こう言われました。
33 「低い者を高く上げ,高い者[王ダビデの王座を占める者]を低くせよ。わたしはそれを破滅,破滅,破滅となすであろう。これに関しても,それは法的権利を持つ者が来るまで決してだれのものともならない。わたしはその者にこれを必ず与える」。
34 それで神は1914年にどのように宇宙主権を発揮されましたか。
34 今日までのすべての証拠は,日を経た方が1914年の異邦人の時の終わりに,「法的権利」を持つダビデの相続者に確かにメシアによる王国をお与えになったことを示しています。ダニエル 7章14節の予告通りです。「その者には,支配権と尊厳と王国とが与えられた。もろもろの民,国民,またもろもろの言語の者がすべてその者に仕えるためであった。その支配権は,過ぎ行くことなく,いつまでも定めなく続く支配権,その王国は滅びに至ることのないものである」。それは,神の宇宙主権の「根株」の周りから鉄と銅の象徴的なたがが取り外される正確な時でした。2,520年に及ぶ預言的な「七つの時」がすでに終了したからです。それはエホバの宇宙主権がこの地に対して再び主張される予定の時でした。どのようにしてですか。長く休眠していたその「根株」から「新芽」をふき出させることによってです。それにより,「至高者が人間の王国において支配者であり,その望む者にそれを与え,人のうち最も低い立場の者をさえその上に立てる」ことを証明するのです。―ダニエル 4:17,23,32。イザヤ 11:1。ゼカリヤ 3:8; 6:12。
35 その時どんな王権の「石」が活動を開始させられましたか。何に向かってですか。
35 それはまた,象徴的な「石」が神の宇宙主権の「山」から切り出され,地上の政治的世界強国の「像」に投げ付けられる時でもありました。それは鉄と型取った粘土でできた「足」を目掛けて投じられます。それから,崇拝の対象となっていたその偶像を必ず粉砕します。最後に「石」は大きくなって山となり,全地を満たすのです。―ダニエル 2:34,45。
36 その時,王権に関係のあるどんな誕生が起こりましたか。また,どんな発表が行なわれましたか。
36 それと対応して,1914年,メシアによる王国が天において,エホバの妻にも似た組織の胎から誕生し,啓示 12章5節の言葉が成就しました。「彼女は子を産んだ。男子であり,あらゆる国民を鉄の杖で牧する者である。そして彼女の子どもは神のもとに,そのみ座のもとに連れ去られた」。その時,日を経た方に仕える幾百万人ものみ使い,またそのみ前に立つ幾億人もの者たちは,声を和して全宇宙に次の発表を行なったに違いありません。「世の王国はわたしたちの主とそのキリストの王国となった。彼はかぎりなく永久に王として支配するであろう」― 啓示 11:15。ダニエル 7:10。
37 したがって,支配に関する神の主要な代理者はだれでなければなりませんか。
37 以上の事柄すべてに照らして考えると,到来するわたしたちの世界政府に仕える,神の主要な代理者とは一体だれでしょうか。それはイエス・キリストすなわち今や栄光を受けた,ダビデ王の永続的相続者その方にほかなりません。ダビデ王統の完全な人間として,この方は「罪のために一つの犠牲を永久にささげて神の右に座し[西暦33年],それ以来,自分の敵たちが自分の足の台として置かれるまで待っておられます」― ヘブライ 10:12,13; 1:3,4。詩 110:1-6。
38 支配を分け合う「聖なる者たち」に関してどんな質問が生じますか。
38 神の主要な代理者と共に,来たるべきこの世界支配に共にあずかる者たちがいます。ダニエル 7章27,28節はこう宣言しているからです。「『そして,王国と,支配権と,全天下のもろもろの王国の偉観とは,至上者に属する聖なる者たちの民に与えられた。その王国はいつまでも定めなく続く王国であり,すべての支配はまさに彼らに仕えかつ従う』。このところまででこの事は終わりとなった」。そこで質問が生じます。「至上者に属する聖なる者たちの民」とは,預言者ダニエルの同胞の民すなわち,生来の,割礼を受けたユダヤ人あるいはイスラエル人の国民のことだったのですか。アブラハム,イサク,ヤコブの血肉の子孫であるイスラエルの十二部族が,定めなく存続するメシア(キリスト)の統治の期間,最上級の民となり,世界支配者として全異邦諸国民を従えるというのですか。あらゆる民族の人たちがこの質問をしてきました。では次にこの点を一緒に考えることにしましょう。
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世界支配を分け合う者たちを選び出す来たるべきわたしたちの世界政府 ― 神の王国
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第7章
世界支配を分け合う者たちを選び出す
1 世界支配を分け合う者たちに関してどんな事柄がかつては秘義でしたか。
栄光を受けた,王ダビデの永久相続者と共に,約束された世界政府の支配を分け合う者たちはだれですか。何人が共同統治者となりますか。それはどこにおいてですか ― 地においてですか,天においてですか。こうした質問はかつては秘義でしたが,今はそうではありません。
2,3 ヨハネは啓示を受けた時どこにいましたか。なぜそこにいましたか。
2 西暦一世紀の終わりに近いころ,メシアによる王国の,王ダビデの永久相続者イエス・キリストは,人々の求めている答えを明らかにされました。彼は奇跡的な啓示によって天から地上の人間に情報を伝達しました。その人はエルサレムにではなく,小アジアの古代エフェソスから程遠くない,エーゲ海にある犯罪者の流刑地パトモス島にいました。そうです,当人は割礼を受けた生来のユダヤ人でした。そのユダヤ人は,ローマ軍による西暦70年のユダヤ国家の滅亡を引き起こすこととなった西暦66年のユダヤ人の反乱に加わったためにこの島に流刑に処されたのですか。とにかく,このユダヤ人の囚人の語ることを聴いてみましょう。
3 「あなたがたの兄弟であり,イエスとともになって患難と王国と忍耐をあなたがたと分け合う者であるわたしヨハネは,神について語り,イエスについて証ししたために,パトモスと
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