-
すべての民の従うべき彼を預言するものみの塔 1962 | 9月1日
-
-
はヱホバがこの若き婦〔ルツ〕よりして汝にたまはんところの子によりて汝の家かのタマルがユダに生たるペレヅの家のごとくなるにいたれ」―ルツ 4:12。創世 38:6-30。
55 ヤコブはユダについて,疑いなく何を覚えていましたか。またユダに対して述べたことにより,ヤコブはイスラエルに関するどんな問題を解決しましたか。
55 ゆえに死の床のヤコブが,この事柄を持ち出してユダの不利をはかる理由はひとつもありませんでした。疑いなくヤコブは,ヨセフを殺そうとした兄弟たちにユダが反対したこと,また自分がベニヤミンの身代りとしてエジプトの奴隷になることを申し出,ヨセフの兄弟ベニヤミンの生命と自由を守ろうとしたユダの崇高な行いを,覚えていました。(創世 37:26; 43:8-10; 44:18-34)そこでヘブル語の詩の文体を用いて語ったヤコブは,次のように述べてイスラエルの将来の支配者の問題を解決しています,
「ユダよ,兄弟たちはあなたをほめる。あなたの手は敵のくびを押え,父の子らはあなたの前に身をかがめるであろう。ユダは,ししの子。わが子よ,あなたは獲物をもって上って来る。彼は雄じしのようにうずくまり,雌じしのように身を伏せる。だれがこれを起すことができよう。つえはユダを離れず。立法者のつえはその足の間を離れることなく,シロの来る時までに及ぶであろう。もろもろの民は彼に従う。彼はそのろばの子をぶどうの木につなぎその雌ろばの子を良きぶどうの木につなぐ。彼はその衣服をぶどう酒で洗い,その着物をぶどうの汁で洗うであろう。その目はぶどう酒によって赤く。その歯は乳によって白い」。―創世 49:8-12,新口
56 ユダの名前は何を意味しますか。ヤコブはどのようにそれをユダに適用し,同時にその兄弟また敵と対照させましたか。
56 レアはこの4番目の息子が生まれたとき,エホバを賛美してほめたたえ,子をユダと名づけました。ユダの名は「ほめたたえられた,称揚された〔もの〕」を意味します。(創世 29:35)ヤコブはその名が意義を持つようにしました。そして死の床にあって,その名を持つ者ユダにもこの意義を適用しました。ユダの11人の兄弟は,その資質,国のためにつくすその働きのゆえにユダをほめるでしょう。もちろんユダの敵は彼をほめません。少なくとも進んでそうはしないでしょう。ユダの手は敵の首をおさえるからです。ユダは戦いに勝利をおさめ,敵を逃げ走らせ,あるいは従わせます。
57,58 (イ)ユダの兄弟たちは,どのようにユダの前に身をかがめることになりますか。そしてなぜ?(ロ)カナンの土地の征服に至るまで,ユダの支族にはどのよう指導的な地位が与えられましたか。
57 その兄弟がどのようにユダをほめるかと言えば,言葉だけでなく,ユダに対する行いによってもそうします。ユダの11人の兄弟はみなその父の子でしたが,彼の母レアの息子は彼自身を除いて5人に過ぎません。長子のルベンではなく,ユダに対して,兄弟は身をかがめるのです。これは兄弟たちが,上にある者,支配者としてユダを認めることを意味しました。その特定の時にユダとその兄弟たちは,自分たちの住んでいたエジプトの総理大臣であるヨセフの前に身をかがめました。しかしイスラエルの12支族内部の事柄については,ヨセフをも含めて兄弟たちはユダに身をかがめるのです。もちろんこれはユダの支族に対して言われた言葉であり,この国民の従うべき支配者がユダから出るという預言でした。
58 後になって歴代志略上 5章2節(新口)はこの事を次のようによく述べています,「またユダは兄弟たちにまさる者となり,その中から君たる者がでたが長子の権はヨセフのものとなったのである」。ヨセフの死後,エジプトの奴隷となったイスラエルの12支族をエホバ神が救われたとき,荒野を旅してカナンの約束の地にはいる行進の先頭に立ったのは,この聖句の通りユダの支族でした。(民数 2:3; 10:12-14)約束の地をうかがって報告をもたらすため,まず12人の間者が遣わされたとき,生き延びて約束の地に再びはいることのできた二人の忠実な間者の一人カレブは,ユダの生み出した者でした。このカレブは,ユダの支族に割り当てられた土地を平定するのにあずかって力がありました。(民数 13:6,30; 14:6-10,38。ヨシュア 15:13-20; 14:6-14)征服した地を分けて人々が土地を得たとき,ユダは最初に与えられました。(ヨシュア 15:1)土地を征服してそれを得るにあたり,エホバ神はユダの支族が先に立って攻めるべきことを定めました。(士師 1:1-8)当時ユダの支族のつかさはサルマでした。この人はダビデの曾祖父の父になった人です。(歴代上 2:10,11。ルツ 4:20-22。マタイ 1:5,6)約束の地においてユダの領地は,死海の西岸の全域に及び,西にのびて地中海に達していました。
59 ユダの支族は,どのようにししの子のようでしたか。
59 それでユダの族は,森の獣の中のししにも似ていました。(ミカ 5:8)「ユダは,ししの子」と言った族長ヤコブの言葉は,全く適切でした。イスラエルの国民の永遠の王統すなわち王の家族は,ユダの支族から出ました。ダビデはこの王統のかしらとなりました。エホバ神はダビデと契約を結び,永遠の王権がダビデの家に属することをお定めになったからです。はじめベニヤミンの支族から出たサウロ王がイスラエル全部を治めたとき,そして巨人を殺したダビデがサウロ王の軍隊の一人の将であったとき,ユダの支族はししの子のようであったかも知れません。しかしサウロが意識的に不従順となったので,神はイスラエルを治める王がもはやサウロの家から出ないことを定め,従って西暦前1070年,サウロの子イシボセテ王の死後,イスラエルの12支族は,ユダの族のダビデを王にしました。
60,61 (イ)ダビデはどのようにその支族の名にふさわしく振舞いましたか。ダビデはイエス・キリストとどんな関係にありましたか。(ロ)私たち読者は,ヤコブの預言のこれ以上の説明を何にまたなければなりませんか。
60 このようにして,ユダの兄弟たちがユダをたたえ,その前に身をかがめるというヤコブの預言は,大規模に成就しました。(サムエル後 4:5–5:5)ユダの支族から出たこの国の指導者ダビデは,まず大抵の場合ほめられるべき振舞をしました。ダビデは,すべての国民が一致して従うとヤコブが預言した,来るべき王を預言的に表わす人となりました。事実,ダビデはこの預言された者,イエス・キリストの有名な先祖となり,イエス・キリストはイスラエルの支配者となる権をダビデ王から受け継いだのです。―ルカ 1:26-33。
61 しかし,すべての民の従うべきものに関して,ヤコブの預言した事柄を更にしらべることは,「『ユダの族のしし』と共に治める者たち」と題する記事の出版にまたなければなりません。
(1962年9月15日号「ものみの塔」をごらん下さい)
-
-
カトリック教会は聖書を憎むものみの塔 1962 | 9月1日
-
-
カトリック教会は聖書を憎む
メキシコのカトリック教会は聖書の知識を憎み,聖書を伝道する人に対しては力ずくでも伝道をやめさせようとする態度を,今もって変えていません。エフトラ・オアクサカで,牧師にそそのかされた暴徒が,御国会館としても使われている会衆の僕の家を襲って,何冊もの聖書を持ち出し,広場でそれを焼いてしまいました。土地の新聞によると,彼らは「『信仰の行い』をしているかのように振舞った」ということです。兄弟であるその家の者はのがれて,生命は無事でしたが,またもカトリック教会は聖書を憎んでいることを表わしました。―1962年エホバの証者の年鑑(英文)より
-