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「終りの時」に対する「永遠の福音」ものみの塔 1964 | 1月15日
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などの美しい空を見ても,すべての悪を除き,いま正しく用いられていない地球を言いようもなく美しいパラダイスに変えて,神の国の下に創造主なる神を崇拝する人々の永遠の住家にするという神の愛あるお目的を学ぶことはできません。神は文字に書かれたことば聖書を造り,私たちや他の人々に「永遠の福音」を告げられています。私たちは人々に神のことばを与え,「福音に聞き従」うように人々を助けなければなりません。―ロマ 10:16,17,新口。
58 この「終りの時」における私たちのすぐれた大きな特権は何ですか。
58 今日私たちの持つ特権は,昔ベツレヘムの野で栄光の御使を見,神と神の恵みを求めるすべての人に及ぶ「歓喜の音信」を聞いた羊飼のそれよりも遙かにまさったものです。19世紀前,使徒ヨハネは幻の中で中空を飛ぶ天使が地をめぐって「永遠の福音」を宣べ伝えるのを見聞きしました。今日,かぎりない神の恵みによって私たちの持つ特権は,この天使の伝える喜びの音信をとりあげ,全地に早くそれを宣べ伝えることです。愛の心をもって従順に,また臆せずにこの事をするとき,「あらゆる国民,部族,国語,民族」の大ぜいの人が偽りの宗教を離れ,神を恐れると共に神に栄光を帰するのを見る喜びは私たちのものとなります。私たちはその人々を喜んで迎え,共に創造主を崇拝します。それは創造主を永遠に立証すると共に,私たちの永遠の救いとなります。
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「善良で信頼できる」ものみの塔 1964 | 1月15日
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「善良で信頼できる」
ジョセフ・ケセルの「奇跡の手を持つ男」という本は,第三帝国(ナチ政権下のドイツ)におけるヒトラー総統親衛隊隊長ハインリッヒ・ヒムラーを患者の一人とした,フィンランドの指圧師フェリクス・カーステン博士の物語りである。世人をふるえあがらせたこのヒムラーは持病の胃けいれんに苦しみ,ただカーステン博士の治療からしばしのやすらぎを得た。かくしてカーステン博士はナチ指導者の一人に多大の影響を与える存在となり,これから幾多の承諾をもみとって,秘密警察の手元におかれた数千の人々の命を救う事になった。この本の「エホバの証者」という章に次の文がある。
「〔エホバの証者〕は,捕えられ,強制収容所に送られたが,そこではおよそ人間らしからぬ仕方であしらわれた。カーステンはこれを知り,なんらかの救助を試みることにした。戦場では次から次へと空しく人命が費され,手うすになった工場や農園の労働力を補充するために,収容所の人々を用いる事が普通になっていた。絶えず監視員がつきまとい,仕事の能率をあげるために,特殊の訓練を受けた犬さえ用いられた。ある日カーステンは,ハルツバルデに人手が必要な旨ヒムラーに告げ,収容所の人々を得られるかどうかたずねた。
「『どんな囚人でも良いのか』とヒムラーは問いかえした。『エホバの証者がたくさんいるでしょう。彼らなら善良で信頼できます』とカーステンは言った。『奴らは戦争と総統に反抗している』とヒムラーは声を大きくして言った。『議論めいた話は止めておきましょう。実際の問題として人手が必要なのです。お願いします。この派のものから婦人数人をまわして下さい。彼女たちは農場で実に良く働くのです』。『よろしい』とヒムラーは答えた。カーステンは続けて言った。『しかし,犬や護衛ぬきでお願いできますか。あれがいると自分まで囚人のような気がするのです。私が監視することを約束しますから』。『よろしい』とヒムラーは言った。
「その後しばらくして,ぼろを身に着け,骨があらわになるほどやせた婦人10人がハルツバルデに着いた。しかし,彼女たちが求めたものはパンや衣料ではない。彼女たちはまず聖書を求めた。持っていた聖書は収容所で奪われたのである。……医者はエホバの証者をもっとハルツバルデに送ってくれるようにとヒムラーに頼み,男子を含めて合計30人の証者を得た。」
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