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問題の答えを見いだしたヒッピー目ざめよ! 1970 | 5月8日
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悪を滅ぼす御国
神はご自分の天の政府を用いて,この邪悪な事物の体制の改宗を図ろうとしてはおられません。それとは逆に聖書はこう予告しています。「この王たちの日に天の神ひとつの国を建たまはん これはいつまでも滅ぶることなからん この国はほかの民に帰せず かへってこのもろもろの国を打破りてこれを滅せん これは立ちて永遠にいたらん」― ダニエル 2:44。
この壊滅的な一撃で二つの主要な事柄が成し遂げられるでしょう。つまり,よこしまな者や事物は全地から一掃され,神の目に正しい事を行なう正直な心の持ち主は守られて生き残るのです。聖書はこう述べています。「そは義人は地にながらへをり 完全者は地にとどまらん されど悪者は地よりほろぼされ もとる者は地よりぬきさらるべし」― 箴言 2:21,22。ゼパニヤ 2:3もごらんください。
その時,存在する唯一の政府は神の御国です。その政府は全地を完全に管理するでしょう。そして新しい秩序の到来とともに,次の偉大な預言が成就を見るようになるでしょう。「[神は]人の目からすべての涙をぬぐい去られる。もはや死はなく,悲しみも,叫びも,苦痛もない。以前のものは過ぎ去った」― 黙示 21:4,新。
今進行中の大々的な教育計画
地上におられた時,イエス・キリストは全地に及ぶ伝道活動に関する次の預言を話されました。「御国のこの良いたよりは,すべての国の民への証として,人の住む全地に宣べ伝えられるであろう。それから終わりが来るのである」― マタイ 24:14,新。
このことと一致して,世界中で幾十万もの人々が神の御国について今学んでいます。そして彼らはその要求に合わせて自分たちの生活を調整し御国の忠節な民となっています。エホバの証人は203の国や島々の100万以上の家庭で関心のある人々と毎週聖書研究を行なっているのです。―イザヤ 2:2-4。マタイ 6:33。
聖書研究のこの計画は大々的な規模をもち,毎年急速に増大しています。これはこの種の計画では人類史上まさに最大のものです。それにしてもこのことは予測されていたのです。終わりが来る前に,神の御国に関する良いたよりが全地に宣べ伝えられねばならないとイエスは言われませんでしたか。
エホバの証人は,聖書を理解するように他の人を助ける点でたいへん有用な手引きを持っていますが,その一つに,「とこしえの命に導く真理」と題する192ページの本があります。幾十もの言語で出版されたこの本はすでに,聖書研究の手引きとしては史上他に例を見ないほど最も広く頒布されています。事実,西洋の“ベストセラー”に関するある報告によれば,この本はこれまでの頒布期間からすれば,なんと史上“ベストセラー”の一位とされています。わずか1年半余のうちに2,300万部も発行されたのです。
これに加えて,エホバの証人は他の文書のほかに昨年だけでも,ものみの塔協会の雑誌を3億2,500万部余も印刷しました。そのうち,「ものみの塔」誌は72か国語で,また「目ざめよ!」誌は26か国語で出版されており,これらの雑誌はいずれも神の御国に人々の注意を向けさせています。その印刷部数は前年より実に5,000万部も増加しました。
この大々的な聖書教育の仕事は,人々にどんな影響をもたらしてきましたか。昨年だけで12万人もの人々が,神のお目的を他の人に教えるわざに携わりました。これら新しい人々は,すでに聖書を教えるわざを行なっている125万余のエホバの証人に加わったのです。聖書を教える者がこの驚異的な増加を示している時も時,牧師の辞職また神学校入学者の漸減のため,キリスト教世界の僧職者は減少の一途をたどっているのです。
今日の人類の直面している数多くの問題に対する神の驚くべき解決策をご存じですか。真の平和と幸福,また楽園の地における完全な健康と,とこしえの命を,あなたは心から願い求めておられますか。そうでしたら,聖書の述べる数々の約束をどうぞ学んでください。
エホバの証人は喜んで時間をさき,あなたの聖書から正しい答えを得る方法を無償で教えることができます。そして,神がいま行なっておられる事柄および将来行なおうとされている事柄に関する知識をあなたとわかち合うために,およそ6か月間,毎週1時間ほどお宅を訪問できるのです。この雑誌の発行者に手紙を書くか,お近くの御国会館でエホバの証人と連絡を取っていただくかすれば,資格のある聖書の教え手がお宅に伺えるでしょう。
そうすれば,全世界で急速に増加してゆく,時代の急を悟った人々の中にあなたも加われるでしょう。その時あなたは聖書の述べる次のことばの真意を十分に理解できるでしょう。「世と世の慾とは過ぎゆく,されど神のみこころをおこなふ者は永遠にとどまるなり」― ヨハネ第一 2:17。
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『汝らの仇を愛しなさい』目ざめよ! 1970 | 5月8日
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『汝らの仇を愛しなさい』
● ルカ伝 6章27,28節にしるされている,イエス・キリストの教えられた原則は次のとおりです。「なんぢらの仇を愛し汝らを憎む者を善くし,汝らを咀ふ者を祝し,汝らを辱しむる者のために祈れ」。真のクリスチャンはこの原則を生活において実践するように努めます。そのことを行なったギリシアのあるエホバの証人の経験を次にかかげます。
「ある村でのこと,その村でただひとりのエホバの証人は,村の司祭のために絶えず悩まされていました。司祭は証人の行なっているクリスチャン活動を理由に,証人を投獄するとおどしましたが,その証人はいつもクリスチャンにふさわしい親切な態度でことばを返していました。やがて司祭はその証人を刑務所に入れることに決め,証人に対し進んで偽りの証言を行なう人を見つけました。こうして偽りの証言が行なわれ,その証人は有罪とされ,禁固2か月の刑を宣告されました。その後2か月を経て釈放された証人は,村に帰って,再び以前の活動を始めました。
「ある日その証人が道を歩いていたところ,例の司祭が路上に倒れてもがいており,ひん死の重傷を負い,多量の出血で危険な状態に陥っているではありませんか。証人が直ちに走り寄って司祭を助けたところ,その証人に気づいた司祭は,『なんということだ,おまえじゃないか! だれかほかにいないのか!』と叫びました。しかし証人は司祭が直ちに病院に行って医師の手当てを受けねばならないことを話し,親切にも,傷ついた司祭を近くの病院に運び,7日間分の入院費を支払ってやりました。
「傷がなおって退院した司祭は,村に戻って再び仕事を始めました。ある晩おそく,司祭はその証人の家を訪れました。証人は司祭を暖かく迎え,家に招じ入れました。それまで行なってきたことに良心に責められた司祭は,自分の罪を許してほしいと証人にこん願し,『悪魔にそそのかされて,あんなことをしたのです』と述べました。
「司祭はさらに,『どうぞあなたの仕事を自由に行なってください。もしだれかがあなたの邪魔をするなら,わたしの所に来るようにとその人に言いつけてください』と語りました」。
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