-
喜んでください! 世界がひとつになる日は近づいています!目ざめよ! 1979 | 5月22日
-
-
一つの政府の下に宗教的に一致する
ベルギーのラ・ヌーベル・ガゼット紙は次のような見出しの記事を載せました。「米国の権威筋は,25年以内に核戦争を回避する唯一の解決策を発見した。それはエホバの証人の解決策である」。
この記事は次のように説明しています。「その唯一の手段とは,各国が……世界政府を支持して自国の主権を全面的に放棄することであろう」。これはまさに「エホバの証人が唱道しているスローガン」である,とも述べられています。
しかし,オーストラリアの新聞をして,「エホバの証人は世界平和運動で成功している唯一の団体である」と言わせたこの「スローガン」とはどんなものなのでしょう。彼らは本当に,平和と世界の一致をもたらす手段を見いだしたのでしょうか。
エホバの証人は,一つの政府,神の政府の下に結び合わされる道を選びました。そのためには,現在自分たちが住んでいる200以上の国々の諸問題に対して厳正中立の立場を取らねばなりません。この立場は,今,証拠書類を提出する必要が全くないくらい,あまねく知れ渡っています。
神の王国は天的な政府ですが,実在するものです。その王国は平和と一致を促進する地上の代理者もしくは機関を持っています。それは,訓練計画,種々の学校,審理制度,助言の取決めなどです。幾万人もの人々が麻薬や喫煙,過度の飲酒,みだらな性関係を断つよう助けられ,正直で良心的な働き手になることを学びました。このことは,人々の健康や全般的な福祉,心の平安や幸福に寄与したでしょうか。それはあなたご自身で判断してください。
それらの代理機関はまた,読み書きのできるように幾十万もの人々を助けました。ナイジェリアのエホバの証人の非文盲率が約77%であるのに対して,ナイジェリアの新聞ザ・タイムズ紙は「[国全体の]非文盲率は20%にすぎない」と伝えています。ブラジル,サン・パウロのサント・アンドレに住む以前の文部大臣は,エホバの証人とのインタビューの中でこう言明しました。「エホバの証人ほど人々の教育に関心を持つ人たちはどこを捜してもいませんよ。それも,昔は読み書きができないという理由で社会から締め出されてしまった何万人という人々を,またその社会に送り出すためですからね。わたしたちは皆さんを支援して感謝を表わしたいと思います。他のグループも同じように骨折ってくれたらブラジルの文盲率はもっと低くなっていたでしょう」。
神の政府は,その臣民が政府の法に関する正確な知識を得られるように,その臣民の教育に関心を持っています。また,それらの法が施行されているかどうかを見届けるために審理制度も備えてくれました。しかし,その臣民は,それらの法が公正で義にかなったものであり自分たちを幸福にするために定められたものであることを確信しているので,天の政府の持つ絶対的な支配権を喜んで受け入れます。200以上の異なった国々に住みながら,なおかつ唯一の行動規準と倫理的信念に基づく共通の法の下に一致することができる人々,同じ一つの政府を活発に支持している人々は,確かに長年にわたって自分たちの間に世界の一致を達成してきました。
ミルウォーキーのセンチネル紙は,エホバの証人について次のように述べ,その点を強調しました。「彼らの一致は生活の末梢的な事柄に基づくものではなく,行動の規準,原則の遵守,神への崇拝など根本的な事柄に基づいている」。ブラジルの新聞オ・テンポ紙もその点に同意しました。「宣伝によって人目を引こうとする宗教は全世界至る所にあるが,エホバの証人の神権的な組織ほど,同じ愛と一致を示す宗教は現在,地球上に一つもない」。
それは,エホバの証人が自分たちの選んだ政府の忠節な臣民だからです。現在多くの国々では,政府の転覆を企てる急進的なグループや,口先だけで忠誠を示し,不正直にも税金をごまかし,自分の利益にならない不都合な法律を無視し,“主要な機関の決定”に敬意を払わず,指導者をばかにするような市民に悩まされているのですから,地上のどの国が忠節な臣民だけを有していると言い切れるでしょうか。
一方,神の治める王国の臣民は,不都合に思える場合でも,神の法を愛しているので,不完全ながら能力の及ぶ限りその法に従います。彼らは“主要な機関の決定”に敬意を払い,その政府が当然受けるべきものを喜んで支払います。
実際にその臣民たちは,天の政府を擁護して死ぬ,言わば,国のために死ぬことさえいといません。彼らの模範者であるイエス・キリストは,ローマ帝国を擁護したりユダヤ教の事物の体制を存続させたりするためではなく,神の王国の関心事を促進するために命を捨てられました。一致を保証するものは,神への愛に基づいた,神の政府へのこの破れることのない忠誠です。
しかし,この一致は,個性や多様性を殺してしまうものではありません。イスラエルのアバ・エバン元外相は次のように語ったことがありました。「国民性の相違は,それが国際的な秩序に関する制約や連帯と調和するものなら,積極的で強い力の源となり得る」。200以上の異なった国々に住んでいるエホバの証人には,“国民性の相違”つまり衣生活,土地の習慣,生活様式など,神が人類に意図されたあらゆる多様性が見られ,それが真に“積極的で強い力の源”となっています。その多様性により,彼らは互いに学び合うことができるのです。人をよくもてなす国民性を持つ人々は,比較的控え目な人々により率直で寛大になることを教え,組織力のある人々は,他の人々がさらに実際に役立つ考えを身に着け,有能なものとなるよう助けています。他の人々の美点は取り入れられていますが,非建設的な特質は除かれています。彼らは国際的な考え方を学んだため,彼らの“国民性の相違”は,この場合は神の王国という“国際的な秩序に関する制約や連帯と調和する”ものとなっています。
これらすべてに対して,エホバの証人は決して個人的な誉れを受けることをしません。彼らは自分たちが世界の一致を造り上げたとは主張しません。世界の一致をもたらすためのかぎを与えてくださったのはエホバ神で,そのかぎはだれでも手に入れることができます。エホバの証人たちが表わしている一致は,自らの道を神の道に進んで合わせることによって初めて得られたものです。これは行なうべき賢明なことであり,また,神の新しい事物の体制での生活を保証する唯一の道なのです。その様子を啓示 21章3,4節は次のように記しています。「そして神みずから彼らとともにおられるであろう。また神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死もなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」。これこそ神の王国が行なう事柄です。
法王パウロ六世は1965年に国連について語り,人々は“一致と平和のための究極の希望として国際連合に”頼っていると述べましたが,提案された“ヨーロッパ合衆国”も,国際連合組織も神の王国の貧弱な代用物でしかなく,実際には代用物ともなりません。事の真相は,さらに大勢の人々が,すでに小規模にもたらされた世界の統一に引き寄せられて,また王国が間もなく全地球的な規模でもたらす世界の一致に期待を置いて,究極の希望として神の王国に頼るようになっているということです。
「目ざめよ!」誌の発行者は,さらに多くの人々がこれからも,神のすばらしい備えについて学び,その益を得られるよう心から願っています。世界の一致へのかぎはすでに見いだされ,そこへ通ずるとびらは開かれました。喜んでください! 世界の一致は手の届くところにあります。あなたは手を伸ばしてそれを受け入れますか。
-
-
すぐにつく郵便物目ざめよ! 1979 | 5月22日
-
-
すぐにつく郵便物
近い将来,アメリカの郵政省は遅配の汚名をそそぐ手段を採用するかもしれない。郵政省長官はある伝達装置の実験を宣言したが,その装置とは,情報を電子的な刺激に変え,必要な場合には人工衛星を用いてそれらを目的地に送信し,それを再度文字に変えて次の日には配達できるようにするものである。同長官の言葉によると,この装置が作動すると,莫大な情報量を現在の第一種郵便物の料金よりも安く送ることができるという。もし政府が支援することになれば,この装置は三年以内に限られた範囲で実用化の段階に入るだろうと同長官は語っている。
-