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従順はあなたを守るものみの塔 1970 | 12月1日
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しかし,イエスのことばに従った人たちはどうなりましたか。エルサレムから遠くはなれていたので,ぶじでした。こうして,それらの人たちは害を受けませんでした。従順だったので守られたのです。
従順であれば,あなたも守られるでしょうか。そのとおりです。そのわけをおはなししましょう。道路では,けっしてあそんではいけませんと,わたしがあなたに禁じたとしましょう。わたしはなぜそうするのでしょうか。なぜなら,あなたが車にひかれて,死んでしまうかもしれないからです。
ところが,ある日,あなたはこうおもうかもしれません。『今なら,車は走っていないから,けがなんかするもんか。ほかの子どもたちは道路であそんでいるけど,けがをした子どもなんか,いちども見たことがない』。
エルサレムの人びとのほとんどが考えたのも,それと同じようなことでした。ローマ軍がさったので,もうだいじょうぶだ,とおもったのです。他の人びとが都にとどまっていたので,それを見たほかの人びとも,とどまりました。警告されていたのに,それに聞きしたがわなかったのです。そのために,命をうしないました。従うほうが,はるかに良いことではありませんか。
ほかの例を考えてみましょう。マッチをいたずらしたことがありますか。マッチをすって,火がつくのを見るのは,おもしろいことだとおもうかもしれません。でも,それは危険ですから,けっしてマッチをいたずらしてはいけません。マッチあそびは,どくへびをいたずらするようなものです。かみつかれないかもしれませんが,かみつかれることだって,あるのです。マッチでは,やけどをしないかもしれませんが,やけどをすることだって,ありうるのです。家がすっかり焼けて,あなたが焼け死ぬことさえありうるのです。ですから,従順は身の守りとなりますね。ときどき従うだけでは,不十分です。しかし,いつも従うなら,あなたはほんとうに守られるでしょう。
「あなたがたの親に従順でありなさい」と,あなたに命じているのはだれですか。それは神です。そして,神がそういわれるのは,神があなたをほんとうに愛しているからであることを忘れないでください。
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韓国の全時間奉仕者たちものみの塔 1970 | 12月1日
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韓国の全時間奉仕者たち
韓国では,全時間宣教に携わる証人が高率を占めています。ある月を特別に選んで,1か月間に75時間か100時間を,聖書を公に教えるわざにささげる人もいれば,正規開拓奉仕者として,毎月100時間以上をそうした活動に費やす人もいます。また,特別開拓奉仕者として,毎月150時間奉仕する人たちもいます。1969年には,毎月平均1,304名がこの奉仕に携わりました。1970年の1月には,1万1,380人のエホバの証人のうち,新最高数2,326人の全時間奉仕者が,活発に伝道を行ないました。
これらの男女は,どんな動機で,創造者への奉仕に進んでみずからをささげるのでしょうか。彼らを動かすのは,イエス・キリストが弟子たちに与えられた,「それゆえ,行って,人々を弟子とし……バプテスマを施しなさい」という命令に従いたいという気持ちです。―マタイ 28:19,新。
彼らの背景
それら全時間奉仕者たちの背景はさまざまです。なかには,キリスト教界の一教派に属していた人たちもいますが,ほとんどがキリスト教以外の宗教の背景をもつ人々,つまり,先祖崇拝を行なっていた人たちです。神の真理の知識を得てのち,彼らは,聖書の真理がもたらす自由を他の人たちが享受できるよう助けたいと願ったのです。
神のことばの伝道に全時間携わっているある若い婦人は,母親が魔術師という家庭の出身です。父親もおもしろ半分に魔術に手を出しています。娘がエホバのクリスチャン証人になったとき,ふた親は娘を迫害しました。娘が,神のことばを伝道する全時間奉仕者になったところ,彼女を家から追い出してしまいました。今では,彼女は,人々が迷信や偽りの宗教から離れて,自由になるのを助けるわざに時間を用いています。
韓国の南部海岸の沖の済州島に住む一青年は,家族の中でただひとりのクリスチャンでした。彼は長男なので,家族の中で率先して先祖崇拝を行なう因習上の責任がありました。彼はまた,遺産相続人でもありました。ところが,その青年は,エホバ神の全時間奉仕者になることを決意しました。そのことと,先祖崇拝を拒否したこととで,彼はひどく打たれ,家を追い出され,勘当されました。家族の人たちは,彼が信仰を捨てるものと考えましたが,彼は捨てませんでした。その青年は今もなおエホバへの奉仕に全時間をささげ,忠実を保っています。しかも,彼に対する家族の態度は和らいでいるようです。
それらの全時間奉仕者のひとりは,神の真理を学ぶ以前,かつては日本の朝鮮占領に抵抗する闘士でした。また,柔道の選手権保持者でもありました。彼の知人たちはいま,どうしてそんなにいっしょうけんめい宣教に励むのかと尋ねます。すると,彼は,以前は真の満足を得られないことに骨を折ったものだと答えます。彼は今や,将来に対する真の希望をもっており,その働きは,彼自身と,自分の仕える人々に真の益をもたらしています。
必要とした,生活の変化
それら全時間奉仕者は,ほかにすることがないから,神への奉仕に全時間を費やしているのではありません。その多くは職業をもっていました。評判の高い職についていた者もいます。それにもかかわらず,神のわざを行なうために,生活をかえたのです。たとえば,済州島に住む,ある若い奉仕者は,地方の役所で事務官という,だれもが望む職についていました。しかし,彼は全時間宣教をしたいと願っていたので,進んで生活を変えようとしました。そうです,その世俗の仕事をやめようとしたのです。それで,辞表を出しましたが,辞表は2回とも受理されませんでした。職場の同僚は,彼の不信者の母親に働きかけて,多くの若者のあこがれの的である,その職をやめないよう圧力をかけさせました。しかし,彼はすでに意を決していたのです。3度めの辞表を提出したのち,受理されるのも待たずに,同僚に別れのあいさつをして回りました。現在,彼は特別全時間奉仕者として,しあわせに暮らしています。
神のことばを伝道するわざに,こうして十分あずかるためには,生活を変えることが必要ですが,それには,相当の信仰と,努力と,忍耐がいります。医師(彼は無神論者)の妻で,4人の子どもをもつ,ある母親の場合を考えてみましょう。その婦人は,毎月,100時間を伝道に費やせるよう生活をかえました。彼女は看護婦の学校を卒業した人ですが,今では聖書の「健全なことば」を用いて,霊的ないやしを行なうわざに努力しています。(テモテ後 1:13,新)最初のうちは,ご主人に反対されましたが,それにもめげず,平衡を保ちつつ,すべての仕事をはたし,4人の子どもとご主人の世話をよくし,同時に,ぎっしりと予定のつまった伝道の仕事を行なっています。
全時間奉仕者になるためには,聖書の高い道徳的規準にかなうよう,生活を大きく変えねばならない人もいました。たとえば,ある村で伝道をしている一全時間奉仕者の場合がそうでした。その人は村いちばんの屈強なお百姓で,周囲の人たちより,肉体的にたくさんの仕事ができ,余分の収入を得ることができました。同時に,その人は大酒家でした。しかし,聖書の真理を学んで以来,変化しはじめました。生活の仕方を一変させた彼は,酒席に出ることもやめました。そして,全時間宣教の仕事をはじめ,自分の家族を中心にして,ひとつのクリスチャン会衆を組織することに助力しました。
彼らの自活の道
自活しながら全時間宣教をするのは,たいへんな事柄です。というのは,失業率が高くて,パートタイムの仕事がなかなか見つからないからです。では,そうした問題をどのように解決しているのでしょうか。次に二,三の例をあげてみましょう。
一寒村に住む,あるエホバの証人の奉仕者は,家族の物質的な必要をまかなうため,畑を作っていますが,残りの時間をうまく活用するので,毎月少なくとも100時間を宣教に用いることができます。もちろん家族全員の協力があることはいうまでもありません。たとえば,証人たちの大規模な大会があるときには,大会の6か月前に子牛を買い入れて,ふとらせ,大会直前にそれを売り,得た収入を旅費にあてます。
ある奉仕者は学校の教師をして,家族を養っています。そして,夕方や晩,また,週末の時間を利用して,毎月100時間を神の王国の伝道にあてています。
別の証人は,奉仕を優先させながら,画家として自分と妻の生計をたてています。午前中奉仕に携わり,午後は絵を画商に売りに行き,夜,絵を書いています。たいへん忙しい日程ですが,よく組織されています。
韓国と北朝鮮を二分している非武装地帯にほど近い,一会衆の監督は,正規の全時間奉仕者になることを望んでいましたが,いまでは,その妻と,一時的な全時間奉仕者として奉仕しています。今月,夫が全時間奉仕をすると,翌月は妻が全時間奉仕をするというふうにして,一年中,交互に行なっています。一方が宣教に携わるとき,他方が子どもの世話をし,ふたりで経営している小さな店の番をします。
増加に寄与する,あらゆる年齢層の奉仕者たち
神のことばの伝道に携わる,それらの全時間奉仕者は,あらゆる年齢層の人々で,なかにはおばあさんもいます。58歳だった,あるおばあさんは,神の真理を学ぶまでは,孫の世話をして死を待つ以外なんの希望もありませんでしたと語っています。30年来,長老教会の信者だったにもかかわらず,将来に対する真の希望はまったくなかったのです。この婦人は,エホバの証人になって以来,生活はまさに一変しました。全時間伝道の仕事をはじめたのです。この人は今,71歳ですが,数多くの人が聖書の真理を学ぶのを助けてきました。若いころ,小児まひをわずらったため,歩行が困難ですが,それでも,昨年,月平均130時間を宣教に費やし,毎週,12のグループの人々と家庭聖書研究を司会し,毎月,100冊以上の聖書の雑誌を人々に配布しました。最近の大会では,彼女の教えた人々13人がバプテスマを受けました。彼女はいつも満面に喜びをたたえており,よく気がつき,周囲の人々を励ましています。
神のことばを伝道する別の全時間奉仕者として70代のおばあさんのことをお話しましょう。この人は20年近く全時間奉仕をしてきました。幾人の人を,献身したクリスチャンになるよう助けましたか,と尋ねられた彼女は,100人を越えるでしょうと答えました。彼女の行く所にはどこにも,その働きの実とみなされる人たちがいるようです。それらの人々は例外なく,肉親の祖母のことを語るように,愛情をこめて彼女のことを語ります。
韓国のエホバの証人の中には,なぜ全時間奉仕者がたくさんいるのでしょうか。ひとつの理由は,多くのクリスチャンの親たちが,この奉仕をしたいという気持ちを子供に植え付けるからです。ソウルには52の会衆がありますが,その中のある会衆の監督の場合を例にとってみましょう。彼とその妻は,何十年ものあいだ有名な声楽家として働いてきました。家族は仏教徒で,先祖崇拝を行なっていました。しかし,ふたりは,子どもたちが宣教に進歩するよう励ましました。今では,最年長のふたりの娘が特別全時間奉仕に,むすこのひとりが正規の全時間奉仕に携わる喜びを味わっています。
これらのあらゆる年齢層からなる全時間奉仕者たちは,近年,韓国のエホバの証人の間に見られるめざましい増加に,少なからぬ貢献をしてきました。たとえば,5年前,韓国には,5,936人の活発なエホバの証人の奉仕者がいましたが,今では,その数は約2倍になり,1万1,744人となっています。
さまざまな背景を持ち,また,あらゆる年齢層の,韓国のこれら全時間奉仕者たちは,聖書をおそわる人々に対して,純粋の誠実な関心をいだいています。事実,イエス・キリストの弟子として創造者に奉仕するよう他の人々を助ける際,その誠実さが,すぐれた反応を生み出すのです。
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ローマと反目し合うオランダ教会ものみの塔 1970 | 12月1日
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ローマと反目し合うオランダ教会
「ほんとうですとも。わたしは25年間,毎日,人びとと接してきたのですからね。わたしたちはみな,教会にだまされてきたのだ,と感じています。こうした変革はすべて,わたしたちから熱意を奪ってしまいました。わたしたちすべてが教会を捨てたわけではありません。しかし,熱意が失われてしまいました。実際,子どもたちはわたしたちより一歩進んでいます。つまり,全然,教会に行かないのです」。
これは,オランダの,カトリックの盛んなある地方都市の中年の実業家が,旅行する一奉仕者に語ったことばです。それにしても,こうした意見は例外的なものですか。いいえ,僧職者と一般信徒の別なく,多くの人びとが同様の感情をいだいているのです。
このことは,教会の出席者数の激減という事実からもわかります。1969年の終わりには,その数は1966年より42万人も減りました。また,それは,僧職者数の減少からも明らかです。オランダ全土のカトリック教徒は一様に,深い憂慮の念をいだいています。それは,カトリック教会内の種々の変革と,ローマとの関係の悪化によるものです。
僧職者の童貞制に関連して生じた最近の種々の事件のために,オランダ教会とローマとの関係は緊張の度を深め,危機的な様相を呈してきました。1970年1月4日から7日まで,オランダ,ノールドウイケルハウトで開かれた,第5回司教会議の最中に,事態は緊迫しました。
この会議で,結婚した司祭の僧職留任を認める勧告がなされました。会議の開会中,司教たちによる票決はなされませんでしたが,後日,バチカン当局が,オランダ会議の宣言に対する激しい不満の意を表明するに及んで,オランダの司教たちもまた,結婚した司祭のために障害を排除したい,という自分たちの意向を明らかにしました。これは,すでに明らかにされた,教皇パウロ6世の意思に反するものでした。
その宣言が大いにローマの不興を買ったことは,童貞制に関する同会議の措置を,「教皇に敵する策略」と評した,1970年1月30
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