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他の惑星の探索目ざめよ! 1973 | 8月8日
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があるという考えを助長してきたようです。
しかし今日,火星における生物の進化の見込みについてはどうですか。マリナー9号計画に携わった科学者である,メリーランド州グリーンベルトのゴッダート宇宙飛行センターのルドルフ・A・ハネル博士は述べました。「火星に生物が存在することを示す徴候は一つもない」。
他の惑星についてはどうか
ソ連は,雲に包まれた,金星と呼ばれるあの惑星の探索を少なくとも10回行なってきました。ソ連は金星8号を打ち上げて,計器類を取りつけた探索装置を金星に軟着陸させることに成功し,1972年7月,その探測装置は50分間にわたって信号を送ってきました。さて,何が発見されましたか。
1972年9月25日号,タイム誌はこう報じました。「その金星探索によって明らかにされた最も重要な事がらは,金星の表面の少なくとも一部分の化学的組成は地球のそれと同様であるということである。同探索機のガンマー線分光器の測定によれば,着陸地域には地球上の多くの火山岩の場合とほぼ同様の割合で放射性カリウム,ウラニウムそしてトリウムが含まれていることがわかった。ということは,金星は地球や火星そして月と同様,『分化した』ものであることを意味する。つまり,金星はかつてはその構成物質が柔らかくなり,流動するほど高温だったのである。その時期に,より重い元素は中心部に向かって沈澱し,一方,より軽い元素は放射性元素を伴って表面の方に上り,地殻を形成した」。
金星の大気はおもに炭酸ガスで構成されていることがわかりました。また,その気圧は地球のそれの90倍かそれ以上あります。
金星に関する別の発見は,同惑星を取り巻いている雲の層に関する事がらです。それらの雲は非常に厚いため,天文学者は強力な望遠鏡をもってしても金星の表面をこれまでに一度も観察できなかったほどです。同惑星を取り巻いている雲の覆いを太陽光線は多少でも通過できるでしょうか。この問題は多年論議されてきました。ソ連の打ち上げた金星8号には,広範にわたって光度の変動に敏感に反応する露出計が取り付けられていました。1972年11月号,サイエンティッフィク・アメリカン誌はこう述べました。「露出計は,太陽光線が大気によって大いに弱められていること……また,確かに太陽光線の一部は,昼の部分の表面になんとか到達していることを示した」。タイム誌はこう述べました。「ソ連の科学者は,金星に到達する太陽輻射熱のおよそ3分の2は厚い雲の覆いを貫いて表面に達していることを確認できた」。
金星の風は,高度48㌔の高空では時速176㌔に達することがわかりました。これは地球のジェット気流と同じくらいの速度です。金星の表面の近くの風は,わずか時速6㌔余でした。
もう一つの発見は,この惑星は夜間でも冷え込まないということです。金星の大気はいわゆる「温室効果」を生じさせて,夜間の熱の放散を防いでいます。では,その気温はどれほどでしょうか。その点からすれば,金星にははたして生物が存在できるでしょうか。
宇宙船,金星8号から送られてきた信号によれば,金星の表面の気温は,鉛の融解点より実に121度も高い摂氏471度もあることがわかりました。ですから,1972年の「サイエンス・イヤー」が次のように報告したのも何ら不思議ではありません。「その信号は,金星は非常に高温で,気圧は人間を押しつぶすほどに高いため,人間はとても生存できないことを示す,以前からの徴候を確証するものとなった」。
わたしたちの太陽系内の九つの惑星中最大の惑星である木星を目ざして,今や宇宙船が飛び続けています。その宇宙船は,1972年3月2日,ケープ・ケネディーから打ち上げられたパイオニア10号です。同10号は1973年12月にようやく木星の近くに到達する予定です。というのは,9億9,000万㌔も飛行しなければならないからです。そして,さらに何回かの木星探索が計画されています。あるニュースはこう伝えました。「米航空宇宙局は,1979年に木星を通過する予定の宇宙船を用いて,同惑星に生物が存在するかどうかを調査する計画である」。
これまでの宇宙探検を通して種々の惑星について学んできたおもな事がらは,それらの惑星は人間が住むには適していないこと,また生物は何も見いだされていないということです。しかし,宇宙の他の場所に生物を捜し求める進化論者の研究は,なおも続けられています。
宇宙の他の場所の生物に関する信頼すべき情報があるのでしょうか。地球以外のところに生物が存在するかどうかを確実に知ることができるのでしょうか。
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地球以外の天体に生物がいるか目ざめよ! 1973 | 8月8日
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地球以外の天体に生物がいるか
宇宙開発は今までのところ,太陽系のどの惑星にも,生命らしきものを発見していません。また,大気圏外の宇宙には生命を維持するシステムは備わっていない,ということもわかりました。それでも,進化論を支持する科学者たちは,知性を備えた生物が多数住む惑星がどこかにある,と信じています。この見方は合理的でしょうか。
しかし,すべての進化論者が,人間の生命は他の惑星の上で進化したと信じているわけではありません。地球外生物の探索に携わっている進化論者たちのスポークスマンである,コーネル大学の天文学者カール・サガンは,次のように述べています。
「かりにわれわれが,同じ物理的状態のもとで地球を再出発させ,種々の要素をいいかげんに働かせても,人間からはるかにかけはなれたものでさえ得られないだろう。人間に非常によく似たものがどこか他の場所に生ずるには,われわれの進化的な過去にはあまりにも偶然が多すぎる」― タイム誌,1971年12月13日号,55ページ。
もし,『地球上に二度と起こりえない』のであれば,地球よりもはるかに条件の悪い他の惑星で,知性を備えた生物が進化することを,進化論者はどうして期待できるのでしょうか。
それとも,最初の火星ロケットが火星の近くに打ち上げられる以前に,サイエンス誌aの主筆が語ったように,「火星などで生物を捜していると,われわれは歴史始まって以来の大ばか者という評判を確立することになる」のでしょうか。
ともかく,火星の探査が幾度も行なわれ,何千という写真がとられた後の今日にいたるまで,火星,あるいは太陽系内の他の惑星,また宇宙の他の天体に,生物が存在していることを示す証拠は全くありません。
とくにクリスチャンは,火星,金星,木星,土星,あるいは他のどんな天体やその衛星に100万回着陸してみたところで,生命の進化を明らかにはできないことを知っています。生命と,複雑なしくみの生物はいずれも創造者がつくったもので,創造者はそのことをご自分のことばである聖書の中ではっきりとわたしたちに告げておられます。宇宙探検の第一の目的とされている,進化という神話の証明にお金を費やすのは全くばかげたことです。(箴 1:7; 9:10)生命の起源にかんするまちがった理論の証明にお金を使うよりも,このすばらしい惑星の上にすでに存在する生命のためにお金を使うほうがどんなによいでしょう。
人間は地球で住むようにつくられている
聖書が,神は「これを人の住所につくり給えり」と述べているのは,わたしたちのこの地球だけです。(イザヤ 45:18)そしてずっと昔,神のことばである聖書は,天は創造者のものであるが,『地は人の子にあたえたまえり』と宣言しました。(詩 115:15,16)ですから聖書は,地球が惑星のなかでも類のないものであることを示しているのです。また地球は人間にとって,宇宙の中のなんとすばらしい住みかでしょう。宇宙飛行士のフランク・ボーマンは言いました。
「38万6,000㌔のかなたから,とりわけ,限りない遠い昔からいん石などを浴びてきた月の地平線の上にかかるわれわれの地球を見ると,色彩を持っているのは宇宙の中でもわれわれの地球だけであることがわかる。水が青いのか,陸が青いのかはわからない。…われわれはこのような美しい地球にいっしょに住んでいるのである。…大きな疑問は,いったいなぜわれわれは自分の持っているものの真価を認識できないのかということである」。
人間が持っている,宇宙の中のこれほど美しい住みかは,偶然存在するようになったのではありません。ちょうど月が地球を回る軌道に偶然はいってくることができなかったのと同様に,地球も太陽を回る軌道に偶然にはいったのではありません。月着陸船アポロ17号が打ち上げられる直前に,二度目の月旅行に出ようとしていた宇宙飛行士,ユージン・サーナンは次のように言いました。
「月から地球を振り返って見ると,地球の完全さと,美しさと,その力とを悟ることができ,それが偶然にできたものではないことがわかる。地球は美しい状態で動いており,われわれはちょうど神が,それがどの神かは知らないが,地球を創造するさいに地球を心に描いていた時と同じような気持ちで地球を見ているような感じがする。私は地球へ帰りたい。そして再びそのような気持ちを持ちたい」― 1972年12月8日付ニューヨーク・タイムズ紙。
地球を創造したその神は,名前のない神ではありません。その神は,聖書の中で,「我はエホバなり これわが名なり」と述べておられます。(イザヤ 42:8)『ああ主エホバよ なんじはその大いなる能力と伸べたる腕をもて天と地を造りたまえり 汝にはなすあたわざるところなし』。(エレミヤ 32:17)大気圏外の宇宙で進化した生物を捜す代わりに,人間の創造者について学び,地球に対する創造者の目的にかんする知識を得るほうが,進化論を支持する科学者たちにとって益があります。しかし,今日も,イエス・キリストが地上におられた時代と同じです。イエスは祈りの中で言われました。「義なる父よ,確かに世はあなたを知っていません」― ヨハネ 17:25,新。
大気圏外の宇宙に生物は存在する!
しかし,宇宙の探査で知性を有する生物のいる証拠が発見されなかったからといって,大気圏外の宇宙に知性を持つ生物がいないということではありません。そういう生物は確かにいるのです!
「進化した」生物はいないという事実にもかかわらず,人間が「大気圏外の宇宙」と呼ぶ領域には,すばらしい,知性を有するものが実際に存在するのです。それどころか,人間は彼らと接したことさえあるのです。
地球以外のところに存在するその知性を有するものたちは,エホバ神によって創造されました。彼らは,地球が人間の住みかとしてつくられる以前に創造されました。聖書はエホバが地のもといを置かれた時のことを述べています。その説明によると,その時には,『あけの星あいともに歌い神の子たちみな歓びて呼ばわり』ました。(ヨブ 38:4-7)これらの「神の子たち」は,人間よりもはるかにすぐれた能力と知識を持つ強力な天使です。過去においては彼らはしばしば,人間と通信を行なうために,神により用いられました。
たとえば,イエスが人間として生まれる時が到来したとき,神は,聖書の中で「ガブリエル」という名前で呼ばれている超人間の使者,すなわち天使をつかわされました。ガブリエルは,イエスの先駆者となったバプテスマのヨハネが生まれることをまず発表し,それからイエスが生まれることを発表しました。ヨハネの父親ザカリヤに対して,肉体をそなえて現われたみ使いガブリエルは,次のように言いました。「わたしはガブリエルであり,神のみまえ近くに立つ者です。そして,あなたと語り,これらの良いたよりをあなたに告げ知らせるために遣わされたのです」。それから6か月ほどたって,ガブリエルはユダヤ人のおとめマリヤに現われてこう告げました。「見よ,あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。あなたはその名をイエスと呼ぶのです」― ルカ 1:19,31,新。
大気圏外宇宙からの他の来訪
とはいえ,外界からの地球訪問は,神からの重要な知らせを携えた,神よりつかわされたみ使いたちによるものばかりではありませんでした。事実,み使いである神の子たちの一部は,反逆して自分たちの天のいどころを離れ,人間の形をして地に来,「自分の好む者を妻にめと(り)」ました。聖書は,「[神は]自分本来の立場を保たず,そのあるべき居どころを捨てた使いたちを,大いなる日の裁きのために…留め置いておられます」と述べています。そしてその裁きの後は,これら反逆した天使たちが人類をわずらわすことはもはやなくなります。それはなんという解放でしょう。―創世 6:1,2,口語。ユダ 6,新。
したがって,一部の科学者たちが,大気圏外宇宙から来たことを示すものかもしれないと考えた神話には,確かに意味があります。強大な力を持ち,知性を備えた,人間以外の者が,実際に地球に来たのです。彼らは,人間よりもさらにすぐれた知性を持つまでに進化した,他の天体から来た生物ではなく,神によって創造され,後に不従順になったみ使いたちでした。―ペテロ前 3:19,20。
それらのよりすぐれた生物は,ノアの時代に大洪水が起こった時,再び霊の形にもどって洪水をのがれることができました。その時以来,人間のように肉体をそなえて現われることを神によって不可能にされたとはいえ,これらの無法な霊者たちは今,地の近くにある目に見えないところを基地として,人間家族を滅ぼすべく活動しています。―黙示 12:7-10,12; 16:13-16。
そういうわけで,目に見えない宇宙には,強力で,知性を有する者は確かに存在し,その中には悪い者もいます。(エペソ 6:11,12)地上で奉仕をしておられた間,イエス・キリストはしばしばこれらの目に見えない勢力に遭遇されました。ある時など彼らは不注意な犠牲者の思いと肉体を支配していました。イエスは,あわれみ深くもそのような人びとを彼らの影響から解放されました。―マタイ 4:24; 15:22。
地球にはすばらしい将来がある,あなたには?
神ご自身の約束によると,この地球が義の衣をまとう時がまもなく到来します。象徴的な地である悪い人間の社会は滅ぼされます。(ペテロ後 3:7,12)しかし,この地球という惑星は永遠に残ります。―詩 104:5。
地球の将来はすばらしいものです。神ご自身のみ子イエス・キリストが全地は楽園になると預言されました。(マタイ 6:10。ルカ 23:42,43)従順な人間は,神の王国によって楽園が回復されたのち,この美しい地球の上で永遠に住むことができるのです。
しかし,他の惑星についてはどうでしょうか。それらは全く何の理由もなく宇宙空間に置かれ,軌道を回るようにされたのでしょうか。そのように結論することはできません。神が行なわれることにはすべて意味があり,目的があります。明らかに,創造者であるエホバ神は,わたしたちの太陽系の中の惑星を含め,これらの惑星に対して目的をもっておられます。そのうちにエホバは,従順な人間にその目的を明らかにしてくださるでしょう。地球は宇宙の中心であると考えるほど近視眼的になるべきではありません。
わたしたちが今日関心を持たねばならない大きな問題は,他の惑星系の中の惑星のどれかに生物が住んでいるかどうかではなく,自分がこの地球上で永遠の生命が得られるかどうかということです。名利のみを追うこの事物の体制に残されている時間は非常に短くなっています。この体制が終わったあとの地球にはすばらしい将来があります。しかし,この世的な今の社会には将来はありません。聖書が,「世は過ぎ去りつつあり,その欲望も同じです。しかし,神のご意志を行なう者は永久にとどまります」と,述べているとおりです。―ヨハネ第1 2:17,新。
ではなぜ過ぎ去りつつあるものの後を追う必要があるでしょうか。今神のご意志を学びそれを行なうことによって,この地球とともに永久に生きながらえるのはどうですか。そのためには聖書を学ばねばなりません。聖書には,神ご自身の手紙がのせられています。神から来たこれらの手紙を注意深く勉強し,それに従いましょう。そうすれば,今のこの世的な事物の体制が滅び去る時に救われて神の新秩序に生き残り,永遠の楽園として残るこの美しい宇宙船の上で永遠の生命を楽しむことができます。
[脚注]
a 1965年2月12日号,論説欄
[13ページの図版]
月から地球を見る宇宙飛行士たちは,地球の特殊性やその美しさについて語り,宇宙空間にある人間のこの住みかが偶然に存在するようになったとは考えられないと言う
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りんごを食べる目ざめよ! 1973 | 8月8日
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りんごを食べる
● エジプトのアレキサンドリア大学のふたりの研究者は,「1日に1個のりんごを食べれば医者はいらない」という古いことわざを裏づけると思われる証拠を提供した。その報告によると,りんごの0.8%を占めるペクチンには抗菌性がある。ある実験のさい,1%に濃縮したペクチンは人間の消化器官の調子をくるわせたり,下痢を引き起こしたりするバクテリアの90%をわずか15分で殺した。しかし,時々下痢を引き起こすある種のバクテリアはペクチンに戦いをいどんだ。そして実際にペクチンを食べ尽くしてしまった。
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