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創造者に対する信仰に伴う益ものみの塔 1971 | 5月1日
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17 進化論は人をどんな退廃的なわなに導きますか。しかし聖書は,必要な保護をどのように提供していますか。
17 進化は,神とそのみことばの正義の標準を退ける結果を生み出すため,その信奉者が別のわなの危険にさらされても,少しも驚くには及びません。聖書を信じる人はそのわなから守られていますが,そのわなとはいったいなんですか。進化論者アーンスト・ベンズによると,ダーウィンの弟子であったアルフレッド・R・ウォレスは心霊術者だったということです。そしてベンズはこう述べています。「擬似心理学の創始者が…『我々を神秘主義に導くものはダーウィンニズムである』と書いていることは意義深い」。さらに,「ジュリアン・ハクスリーは…わざわざ仏教的な思想や種々の瞑想に傾き,人間の心霊的な能力の拡大を期待している」。b 人間の今ある状態以上のものになりたいという欲望に駆られる彼らは,このように超人間の霊者に支配されやすい立場に自分を置いてしまいます。聖書はそうした力の源を明らかにし,神秘主義にかかわりを持たないようきつく警告すると同時に,その源が悪魔と悪霊であることを示しています。(使行 16:16-18。エペソ 6:10-13)こうして,神の霊感を受けたみことばは,すべての人が自分を取り巻く退廃的な慣行から身を守るために必要とし,かつ,自分の命を創造者の意志と完全に調和した方法で用いることを可能にさせる導きを提供しています。
将来はどうなるか
18 前世紀の一進化論者は,人類に対してどのような未来像を描きましたか。彼の期待がまちがっていたことはどのように証明されましたか。
18 現存している人々が,将来の世代にもたらされるかもしれない変化の益にあずかれるなどということは,進化論からは望むべくもありません。にもかかわらず,進化論を支持する者の中には,人類に対する輝かしい将来を期待している人がいます。アルフレッド・ウォレスは,自分の描いている,進化の発展がもたらすであろう人間について,次のように語ったと言われています。「その外形はおそらく変わらないことであろう。ただし,健康で均勢のとれた身体から生ずる,完全な美の成長は別である。最高度の知能と思いやりの情によって洗練され,かつ高尚にされた人間の知性は進歩・改善を続け,ついには全世界の住民が再び単一同質の人種になり,そのひとりとして,生存する人類の中で最も高貴な者に劣ることがなくなるであろう。その時には,各々が他人の幸福を考慮に入れつつ自分の幸福を図る。また,行動上の完全な自由が維持されるであろう。なぜなら,平衡の取れた倫理的能力を持つがゆえに,だれも他人の同等な自由を侵害することがないからである」。見のがしてはならないことは,そうしたすべての事態がもたらされるのは,神が人類の状態に介入されるからではなく,進化の結果であるとされている点です。しかし,過去50年間の様相から,人間が自らの力でそのような方向をたどっていると信ずる確かな根拠を得ることができるでしょうか。ここで引用した著者は1913年に死にました。ですから,その翌年に世界を襲ったできごとを見ませんでした。現代に関する諸事実は,彼の主張が誤まっていたことを指摘するものです。
19 現代における進化の支持者はどんな将来を描いていますか。そうした見通しはどんな影響を人間に与えていますか。
19 1969年から1970年にかけての,ニューヨーク市のアメリカ博物館における展示は,前述の見解とは対照的に“人類は生き残れるか”というテーマを強調するものでした。同博物館は進化を支持する陳列品に重点を置いていますが,1970年3月の催し物案内の文面は次のとおりでした。「人口の急激な増加と,無法なテクノロジーの衝撃という事態のために,人間とその環境は破局に追い込まれ,人種の存続が危ぶまれている」。彼らにとって将来は暗たんたる様相を呈しています。そして,確実な根拠に基づく将来の希望を持たない人が,簡単に精神の平衡を失ってしまうのは当然のことです。それは進化を信じることから生みだされる実です。
20 彼らの将来に対する予測はなぜ誤りですか。
20 いうまでもなく,そうした見方はいずれも神を度外視したものであり,神なくして真の知識などありえません。将来が理性を伴わない進化や,詩篇 10篇3,4節(新)が述べているような人々に依存していないことに,わたしたちは感謝を表わせます。「彼はエホバを軽べつした。邪悪な者は,自分の高慢さにしたがって探索することをしない。彼のすべての考えはこうである。『神はいない』」。
21,22 (イ)人類の創造者は,人間の将来がどんなものであると宣言されましたか。(ロ)創造者はどのようにして,そのような状態をもたらされますか。だれがそれにあずかることを期待できますか。
21 人類の将来は,邪悪な人々の手中に握られているのではなく,正義を愛されるかた,エホバに依存しています。『また地をもつくり成てこれを堅くした』者として,エホバはそれを荒廃に帰するためではなく,人のすみかとするために造られました。(イザヤ 45:18)すべての生命が依存する者としてのふさわしい自信をもって,エホバはこう宣言されています。「あしきものは久しからずしてうせん なんぢ細密にその処をおもひみるともあることなからん されど謙だるものは国をつぎ また平安のゆたかなるを楽しまん」― 詩 37:10,11。
22 エホバは人類の状態を監督するための,全く新しい管理機関を備えられました。(エペソ 1:8-10)地の新しい支配者は,ご自分の父とともに地球そのもの,また,最初の人間であるアダムとエバを造ることにあずかったかた,主なるイエス・キリストです。イエスは,自らこの地に来て人間として住んだのですから,人類の諸問題を理解してくださいます。愛ある思いやりの示される彼の管理から,その千年統治が始まった時に生存している人々のみならず,死んだすべての人々も益を受けます。その支配のもとで,人類は精神的にも倫理的にも前進します。といっても,それは人間自らの偉業や理知の伴わない進化の結果ではありません。それはキリストのあがないの益が適用されるからであり,神の意志にかかわる教育が施されるからです。『水の海をおほへるごとくエホバをしるの知識が地にみち』ます。(イザヤ 11:9)そうした驚くべき将来に対する期待こそ,創造者に信仰を持ち,霊感を受けたみことば聖書と調和した生活を送る人々に与えられる分なのです。
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「地の最も遠いところにまで」証言するものみの塔 1971 | 5月1日
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「地の最も遠いところにまで」証言する
エホバの証人の1971年度年鑑より
ブラジル
人口: 9,530万人
伝道者最高数: 6万4,199人
比率: 1,484人に1人
わたしたちの地域のいたるところから,胸を踊らせるような報告や経験が寄せられています。まず,昨年の夏の月々には16の地域大会が開かれ,報告している伝道者数の約2倍に当たる,合計11万4,927名が出席しました。ついで,3月には16万4,436名が記念式に,また10万名を上回る人々が公開集会に出席しました。これは,『目が開かれている』人々を世話するための膨大な仕事がわたしたち託されていることを明白に示しています。
そしてわたしたちは,そのわざを行なうための道具とも言うべきものを確かに持っています。「とこしえの命に導く真理」と題する本は,命を得させる知識を簡潔明りょうに説明しているばかりか,兄弟たちが聖書研究をよりよく司会するのに役だつ本なので,他のどんな書籍もなしえなかったほどの働きをしています。ある姉妹は熱心な長老派教会の信者である一婦人と聖書研究をしていましたが,その婦人は「真理」の本が出版された後にはじめて進歩するようになったと手紙で述べています。その姉妹が,6か月間の研究の取り決めのことや,定期的に学ばなければならないこと,前もって予習し,一度の研究で1章ずつ終えることを婦人に説明すると,彼女は同意しました。そして5章に進むまでには集会に出席し,「真理」の本が終わった時には定期的な
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