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  • 体臭と人種
    目ざめよ! 1978 | 1月8日
    • をした人は,黒人や移民はすべてにおうと言うのである」。

      人がいったんそのような見解を持ってしまうと,それを変えるのは大抵容易なことではありません。偏見は根深いものとなり得ますが,客観的に見ればこっけいな態度と言えます。例えば,「いやなにおいがするので」黒人が自分の家の近くに住むことを望まない,と語った婦人について考えてみてください。そう言いながら,この婦人は家で黒人が召使いとして自分のために働くことに何の異存もなかったのです。エール大学の元心理学教授ジョン・ドラードは,「そうした考えが存在しなかったとすれば,黒人のにおいが差別の対象になることもなかったとも十分考えられる」と述べましたが,これは実に当を得た言葉です。

      大英百科事典1971年版は,この問題について論じた後,次のような結論を出しています。「汗のにおいに著しい相違があるかどうかは疑わしい。種々の実験結果は,黒人と白人の汗を識別するのは極めて困難なことを示している。この問題は複雑であり,その上,少しでも違いを感知すると,すぐにそれを“人種的”な要因のせいにしようとする傾向が一般に見られる。しかし,多くの場合に,その相違は社会的要因および人種とは関係のない他の要因に端を発している」。

      証拠を検討する前に人を批判する人がいるのは残念なことです。しかし,証拠を検討した後でさえ,そうした見解に固執する人がいるのはさらに残念なことです。人種全体が偏見のゆえに差別されてきました。しかし,いかなる人種に属する人々に対してであれ,偏見,つまり差別意識を持つべき確かな根拠が本当にあるのでしょうか。

  • 人類は一つ
    目ざめよ! 1978 | 1月8日
    • 人類は一つ

      確かに,地球上には,身体的な特徴の著しく異なる様々な民族が存在しています。そのすべては同一の人類に属しており,人々は各人の真価に応じて受け入れられるべきであると考えておられますか。

      当然そうあるべきです。創造者は,わたしたちが人々に対してそうした見方を持つよう望んでおられます。どうしてそのことが分かりますか。神はご自分のしもべの一人である,クリスチャンの使徒パウロに霊感を与え,次のように語らせたからです。「世界とその中のすべてのものを作られた神(は)……すべての人に命と息とすべての物を与えておられ[ます]。そして,ひとりの人からすべての国の人を作って地の全面に住まわせ……ました」― 使徒 17:24-26。

      しかし,ある人種に属する人々は,他の人種に属する人々よりも神の目から見て貴重な存在ではありませんか。多くの人はそのように考えてきました。しかし,神の公平さの証拠を見せられた後,クリスチャンの使徒ペテロは,心を動かされてこう語りました。「わたしは,神が不公平なかたではなく,どの国民でも,神を恐れ,義を行なう人は神に受け入れられるのだということがはっきりわかります」― 使徒 10:34,35。

      この言葉を信じておられますか。すべての人がこの言葉を信じているわけではありません。

      本当に一つの家族か

      中には,聖書を曲解し,聖書が,「黒人,下等な類人猿,そして四足獣は皆『一つの肉』すなわち『獣の肉』に属している」と教えていることを示そうとする人さえいます。チャールズ・キャロル教授は,自著「“黒人は獣”かそれとも“神の像”か」の中でそのような説を唱え,その本は20世紀の初頭に広く頒布されました。一方,進化論者の中には,黒人は『人間という種の中の下等な人種』であると唱える人もいます。

      しかし,黒人の中には全く異なった説を唱える人がいます。「ブラック・ナショナリズム ― アメリカにおける主体性の追求」という本はこう述べています。「白人はこの地球の元々の住民ではなく,黒人から“移植された”のである。……元来の人間(いわゆる黒人)と比べると,白人は肉体的にも,精神的にも劣っている。白人は黒人から移植されたゆえに,ひ弱である。白人こそ真の“有色”人種である。すなわち,黒い色という標準から外れている」。

      事実はどんなことを示していますか。わたしたちは本当に一つの人間家族なのでしょうか。わたしたちは一つの家族ではないという説にはいささかなりとも真理が含まれていますか。

      表面だけの相違

      血液や肉について考えてみてください。中には,黒人と白人の血液や肉は異なっていると論ずる人もいます。しかし,ワールドブック百科事典はこう述べています。「科学者たちによると,人体を構成する細胞は,どの民族のものであれ同じである。……同じように,生物学者は人間の血液と下等動物の血液を見分けることができる。しかし,人間の様々な血液型は,人類の中のあらゆる民族や人種の中に見いだされる」。

      黒人と白人の体の構造の違いについては多くの事が書かれてきました。しかし,事実はどうですか。人類学者アッシュリー・モンターギュは次のように書いています。「綿密な解剖学的研究は,身体的な相違がかなり表面的な特徴に限られていることを示しているようである。黒人の体から,皮膚,頭髪,鼻,そしてくちびるなど表面的な特徴すべてを除いてしまえば,単独の事例において,自分が黒人の体を扱っているのか,ヨーロッパ人の体を扱っているのか,断言できる解剖学者はいないと思う」。

      脳の大きさも,白人と黒人の間の根本的な相違の証拠として指摘されます。平均すると,黒人の脳は白人の脳よりもわずかばかり小さいと言うのです。しかし,たとえそうだとしても,脳の大きさの正常な範囲内での差が知能に影響を及ぼさないことは明らかです。もし影響を及ぼすとすれば,白人は,平均して白人よりも大きな脳を持っているエスキモー人やアメリカ・インディアンより知能が劣っていることになります。

      人種の間には,基本的に言ってそれほどの相違がないことを強調するため,ベントレー・グラス教授は,自著「遺伝子と人間」の中にこう書いています。「白人の遺伝子と黒人の遺伝子を比べると,普通の意味で著しく異なっているものは,すべてを合わせても,せいぜい六組である。しかし,白人や黒人各々の間で,遺伝子の数の相違がそれよりも大きくなることがよくあるという点に疑問の余地はない。この事実は,我々の抱く人種的偏見が生物学的に不条理であることを明らかにしている。……人種や民族の相違が存在するとすれば,それは心理的また社会的なものであって,決して遺伝的なものではない」。

      科学著述家アムラム・シェインフィールド著の新刊書,「遺伝と人間」の述べる次の言葉は注目に値します。「今や科学は,大抵の大きな宗教団体が長い間説いてきた事柄,すなわち,人間はどの人種に属していようと……同一の最初の人間の子孫である,ということを確証している」。

      そうであれば,皮膚の色や髪の毛の質など,目に見える相違が人種間に見られるのはなぜですか。

      人種間の相違がある理由

      最初の人間夫婦は,今日見られる人種の相違すべてを作り出す多くの要素をその遺伝的な構造の中に秘めていました。最初の人間夫婦は白人でも黒人でもなくその混血児のようであったか,あるいは現在様々な人種に見られる,膚の色を組み合わせたようなものだったとも考えられます。人類に関する初期の歴史的記録は,「民は一つで,みな同じ言葉である」と述べています。(創世 11:6,口語訳聖書)しかし,こうした状態は突然変化しました。

      人類家族の大半は,その歴史の初期に,政治・宗教上の目的で一つの場所にとどまろうとしました。この意図をくじくために,創造者は突然これらの人々に異なった言語を話させ,互いに理解できないようにされました。どんなことが起きたか,想像してみてください。

      言語の障壁で隔てられてしまった幾つもの小さなグループは,一つの民として意思の疎通を図れなくなりそれぞれが独自に移住してゆきました。人々が遠くへ離散してゆくにつれ,距離的な隔たりが意思の疎通を妨げる別の障壁となりました。言語と距離的な隔たりによって孤立したまま,各グループの子孫は増えてゆき,長期間を経て各々の“人種”の異なった特徴をさらに伸ばしてゆきました。しかし,親から子へと代々伝えられていったこれらの身体的な特徴は,いずれにしても,ある人種を別の人種より優れたもの,あるいは劣ったものとはしませんでした。―創世 11:7-10。

      実を言えば,こうした人種上の差異は実際のところ大きなものではありません。ハンプトン・L・カーソンが「遺伝と人間の生命」という本の中で,次のように書いているとおりです。「我々の直面する矛盾は,人間の各グループは外見が異なってはいるものの,そうした差異を一皮むけば根本的な類似性が現われるという点である」。

      では,人間すべてが本当に一つの家族の成員であるとすれば,どうして悲惨な人種問題が存在するのでしょうか。

      責任の所在

      神がわたしたち人間の先祖である最初の人間夫婦,アダムとエバを完全な者として造られたにもかかわらず,二人は自分の子孫に悪いスタートを切らせました。彼らは,神に対して意識的に反逆し,神の支配下から離脱することによって,子孫に悪いスタートを切らせたのです。神から切り離されたアダムとエバは,こうして不完全で,欠陥のある身となりました。その結果,二人はこの不完全さ ― 悪への傾向 ― を自分たちの子孫に伝えました。―ローマ 5:12。

      ですから,すべての人間には生まれつき欠陥があり,利己心や誇りを抱きやすい傾向があります。その上,最初の人間が神の統治から離脱した際,彼らは,聖書がサタン,あるいは悪魔と呼ぶ邪悪な霊の被造物の支配下に入りました。(啓示 12:9。コリント第二 4:4)偏見にさいなまれた,人類家族の今日に至るまでの歴史の根本には,こうした出来事があったのです。

      率直に言えば,サタンの支配下にある利己的で,不完全な人間たちが,悲惨な人種問題の原因となった,人種に関する偽りの教えすべてを広めてきたのです。

      あなたはどうしますか

      この世の流す偽りの情報の影響に屈して,他の人種の人々に対して誤った見解を持つこともできます。しかしまた,真理,特に神の言葉である聖書に基づいて自分の考え方を形作り,他の人種の人々に対して,健全で,ふさわしい見方を持つこともできます。

      長い間抱き続けてきた偏見を正すのは容易なことでない,というのはもっともなことです。そうした偏見が根強いこともあるからです。しかし,わたしたちの創造者であられるエホバ神を喜ばせるためには,仲間の人間に対するふさわしい見方を身につけ,そうした見方を保つことが肝要になります。わたしたちは,神の見方を念頭に置いておかねばなりません。それは,「どの国民でも,神を恐れ,義を行なう人は神に受け入れられる」という見方です。―使徒 10:35。

      神が,裁きを行なうというご自分の約束を果たされるのは,遠い将来のことではありません。神は,人類世界全体の中で,人種を問わず,ご自分の意志に逆らう者すべてを含む,腐敗要素すべてを地球上からぬぐい去られます。義を行ない,神の是認を受ける人だけが,生きながらえます。(ヨハネ第一 2:17)聖書は,そのような人々の中に,「すべての国民と部族と民と国語の中から来た……大群衆」が含まれていることを保証しています。(啓示 7:9)これらの人々は皆一緒に,一つに結ばれた人間家族に属する兄弟姉妹として,平和と一致のうちに生活します。

      しかし,自らの内に人種的な偏見が深く刻み込まれているような人々はどうですか。そのような人々は,どうしたら自分の考え方を正すことができるでしょうか。

      [22ページの拡大文]

      「人間の様々な血液型は,人類の中のあらゆる民族や人種の中に見いだされる」。

      [22ページの拡大文]

      「今や科学は,大抵の大きな宗教団体が長い間説いてきた事柄,すなわち,人間はどの人種に属していようと……同一の最初の人間の子孫である,ということを確証している」。

      [23ページの拡大文]

      聖書はこう述べています。「どの国民でも,神を恐れ,義を行なう人は神に受け入れられる」。

      [21ページの図版]

      『人間から皮膚,頭髪,鼻,そしてくちびるなど表面的な特徴すべてを除いてしまえば,解剖学者は自分が黒人の体を扱っているのか,ヨーロッパ人の体を扱っているのか断言できない』。

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