-
ある神の死ものみの塔 1975 | 8月1日
-
-
偽りの宗教の世界帝国の有力な部分を成してきました。彼女は象徴的に言って,「地の王たちの上に王国を持つ大いなる都市」であると述べられています。(啓示 17:18)彼女は宗教的に言って「大娼婦」であり,「地の王たちは彼女と淫行を犯し,地に住む者たちは彼女の淫行のぶどう酒に酔わされ」ています。―啓示 17:1,2。
全能の神に裁かれる
神として自分を高めたことに対して,「不法の人」は全能の神エホバの裁きを受けなければなりません。イエス・キリストは詩篇に言及していますが,そのある篇には「神々」の位を占めた,権勢ある人々のことが述べられています。指導者また裁き人であったこれらの人々は不正な者たちであり,詩篇は彼らを「神々」と呼びかけてのち,次のことばを述べています。「あなたがたは人のように死に,もろもろの君のひとりのように倒れるであろう」― 詩 82:1-7,口語訳; ヨハネ 10:34-36。
「自分を神として公に示」している「不法の人」すなわち僧職者階級は不滅ではなく,ふつうの人のように死にます。彼らは「滅びの子」と呼ばれた,裏切り者のイスカリオテのユダと比べることができます。(ヨハネ 17:12。テサロニケ第二 2:3)「『神』と呼ばれる者また崇敬の対象とされるもの」の上に自分を高めてはいても,君のようなこの「不法の人」は倒れ,エホバのメシアによって死に渡されるでしょう。
「不法の人」はどのように滅びに遭うのですか。それに答えるため,「大いなるバビロン」の立場とその最後を考えてみましょう。「不法の人」はこの偽りの宗教の世界帝国の主要な部分であって,その裁きを共に受けるからです。聖書の描写によると,「大いなるバビロン」は緋色の「野獣」の背に乗っています。この獣は,今日,国際連合として知られる,平和と安全のための世界組織の象徴です。それは聖書預言の第八世界強国である「八人めの王」と呼ばれています。―啓示 17:1-11。
キリスト教世界の僧職者は,平和と安全のための,この国際組織をほめそやし,反キリスト教のこの組織にメシアの役割をさえ与えてきました。彼らはその前のものである国際連盟を「神の王国の地上における政治的表現」と呼びました。「不法の人」の願いは,このような国際組織によって世界が第三次世界大戦すなわち核戦争から救われることです。
しかし聖書の預言によれば,「野獣」の十本の政治的な「角」は「娼婦を憎み,荒れ廃れさせて裸にし,その肉を食いつくし,彼女を火で焼きつくす」でしょう。(啓示 17:16)世界の支配者たちが「大いなるバビロン」の二枚舌,偽善,貪欲,不浄にうんざりするとき,「不法の人」は彼女に下される罰を共に受けるでしょう。僧職者階級が偽りの教義を教え,世の政治,戦争,革命に加わってきたことは,すべての人の目に明らかとなります。そして彼らの組織が人々を搾取して得た富は,彼らから取り上げられるでしょう。
僧職者が座し,神として崇敬されている教会の建物が崩れ落ち,信心ぶった“聖職者”が「大いなるバビロン」と共に滅びるということばは,ある人々にとって神聖を汚すものに聞こえるかもしれません。一世紀の信心深いユダヤ人も,エルサレムとその神殿の滅亡を予告することばに同じく動揺しました。それでも滅びは西暦70年に臨みました。(マタイ 24:1,2)聖書の啓示の書は,「大いなるバビロン」が最終的に倒れる時にも同じくそれを嘆く人々,すなわち彼女との取引きによって物質的な利益を得ていた人々がいることを示しています。―啓示 18:9-19。
「不法の人」に対するこの裁きは,政治支配者の手によって執行されるものではあっても,実際には即位したみ子イエス・キリストを通して神からもたらされるものです。聖書は,「大いなるバビロン」の滅びに対して神にほまれを帰し,その完全な滅びをもたらしたことに対して神を賛美するように求めています。―啓示 18:5,8,20; 19:1-3。
このようにして「不法の人」に関するパウロのことばは成就します。「主イエスはその者を,ご自分の口の霊によって除き去り,その臨在の顕現によって彼を無に至らせるのです」と,パウロは書きました。(テサロニケ第二 2:8)1914年に王国の権を執り,見えないさまで臨在し始めた主イエス・キリストは,今や間もないうちに不意の滅びをもたらすでしょう。地上の王たちがそのために用いられるとしても,滅びを宣告するものはイエスの口から出る「霊」すなわち動機を与える力です。
「不義の欺き」に従うことを避けなさい
僧職者に従う人すべてには,大きな危険が臨もうとしています。使徒はそのことを次のように述べています。「不法の者(の)存在……は……滅びゆく者たちに対するあらゆる不義の欺きを伴っています。彼らがこうして滅びゆくのは,真理への愛を受け入れず,救われようとしなかったことに対する応報としてなのです。そのゆえに神は,誤りの働きを彼らのもとに至らせて,彼らが偽りを信じるようにするのであり,それは,彼らすべてが,真理を信じないで不義を好んだことに対して裁きを受けるためです」― テサロニケ第二 2:9-12。
「不法の人」を間違いなく見分けることのできる証拠が今日,十分に存在しています。この時代に背教はその極みに達しました。その悪い実は十分に熟し,明らかにされ,また腐ったものであることが暴露されているゆえに,真理を望む人はだれでもそれを見いだすことができます。「真理への愛」を持つ人は,「不義の欺き」に従うのを避けるため,徹底的に調べることが必要です。たとえわたしたちとわたしたちの先祖が何世代にもわたってそれに捕らえられていたとしても,欺きに執着するよりは,真理を見いだしてそれを受け入れるほうが,だれにとってもずっと大切であり,また命にかかわる肝要なことです。これは生きるか死ぬかの問題となり得ます。神を代表する者として,あるいはそれ以上に「神」としてさえ「不法の人」を見,また聖書に記録された全能の神のことば以上にそのことばを受け入れ,こうして偽りを信ずる者のもとに,神は「誤りの働き」を至らせるからです。
神はこの「誤りの働き」を直接に送るのではなく,欺かれた人々が自らそれを望んでいることを証明するため,それが彼らのもとに至るのを許します。(ヘブライ 4:12と比べてください)このようにして,心の正しい人は神の裁きが正しいことを認められます。(啓示 19:2。テサロニケ第二 1:6-8)『真理への愛を受け入れない』ゆえに,「偽りを信じる」人々は,彼らの「神」である「不法の人」の死ぬ時に「滅びゆく者たち」の中に自分がいることに気づくでしょう。
この理由で,「不法の人」の正体を示し,また暴露する証拠を調べ,今そのための時間をとる人は,賢明な道を取っていることになります。その人は,神の輝かしい約束があることを発見して歓喜することでしょう。それはキリスト教世界の僧職者の間違った教えによって,覆い隠されていたものです。「神の神殿に座し,自分を神として公に示」すことによって,「不法の人」は,人々が真の神エホバとその愛の属性および人類に対するその目的を学び,また知るようになることを妨げてきました。
さらに「不法の人」の正体を見分けることだけに終わらず,いっそう調べるとき,真理を誠実に求める人は,人類に対する神の壮大な目的が今や成就の時を迎えようとしていることを知るでしょう。神を誤り伝えた者たちが滅びるのに続いて,現在の事物の体制は全く一掃されます。『救われるために真理への愛を受け入れ』,清められた地で生活する機会を受け入れる人々は生き残るでしょう。それらの事柄は,次号の「ものみの塔」誌上に取り上げられます。―啓示 19:19-21; 7:9-17; 21:1-4。ゼパニヤ 2:3。
-
-
必要の大きな所で奉仕するものみの塔 1975 | 8月1日
-
-
必要の大きな所で奉仕する
● ローデシアにおける昨奉仕年度の活動のなかでも,非常な励みを与えた顕著な事柄の一つは,国内の必要のきわめて大きい所で奉仕するようにとの招きに対する反響でした。ローデシアで発行されている「王国奉仕」は数か月の間,多くの援助を必要としている三つの場所の一覧表を毎月掲げました。兄弟たちが熱意を抱いて答え応じた結果,多くの新しい場所が切り開かれ,この国では462の会衆が今や513にふえました。―「エホバの証人の1975年の年鑑」より。
-