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悪しき霊に対する戦に勝つものみの塔 1956 | 6月1日
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協会の公式な通知の1952年秋季号の中に,英国リーズにいるリタ・バーキー夫人の書いた『同胞通信』と題する記事が載せられていますが,その記事は,現在の精神病院にいる人々の中に,悪鬼に取りつかれている人のいることを証明するものです。バーキー夫人は,夫と娘と共にしたブラジル旅行について語つています。『私共は,リオの丘を見下す美しい場所に建てられた近代的な病院を最初訪問しました。病院は二つに区分されていて,一つは産科や外科などがある普通病院で,……もう一つは精神病を取り扱う病院でした。精神病患者が入院すると,霊媒と精神療法科の医師がつき添つて,この患者は悪鬼に取りつかれているのであろうか,それとも精神が異常になつているのであるかを調べます。もしその患者に悪鬼がついているということが分ると,霊媒がその患者を手当てします。……そして,ついている悪鬼が手当てします。そして,ついている悪鬼が追い出された後は,熟練の精神療法医師が手当てをします。……もちろん,カトリック教会は,原則的に反対していますが,ブラジルの霊媒術は,憲法で認められる程の完全な自由活動をすることができます。一番重要な点とは,霊媒や治療者が,その行つた奉仕や実験にたいして一銭も要求することができないことです。』― 5-7頁。
サタンは何時分裂していますか?
27 キリスト教国の牧師や霊媒が悪鬼共を追い出すことは,聖書的に認められるものですか。なぜですか。
27 霊媒が悪鬼共を追出すのに用いられた例が出版されています。悪鬼共は『悪鬼の支配者』であるサタンに従つています。すると,ヱホバ神は悪鬼を追出すことのできる霊媒や祭司や,キリスト教国の他の牧師たちを用いていることになるのでしようか。そのような事は,決してありません。なぜなら,霊媒たちや,また霊媒術,不滅主義,人間の魂の不滅というような基礎的な偽りを教える宗教の代表者たちは,神の忌み嫌うものだからです。ヱホバ神はそのような者たちと何らの関係をも持たれず,ただ来るべきハルマゲドンの戦で彼らを亡ぼすだけです。丁度死人について『憑鬼者に問うことをなし』たイスラエルのサウロ王を,ヱホバ神がギルボア山で殺し給うたのと同じ具合です。―申命 18:12。歴代志略上 10:13,14。
28,29 悪鬼を追い出すということに関して,非難者に対するイエスの答は,なぜ確定的なものでしたか。
28 それでは,サタンが悪鬼共を追い出しているとするなら,サタンは内輪で分裂するようになつたのでしようか? この質問から,宗教的なユダヤのパリサイ人がイエスを責めた非難の言葉が想い起されます。『この人が悪霊を追い出しているのは,まつたく悪霊のかしらベルゼブルによるのだ。』イエスは,神の御国が悪鬼共となんの関係もないことを示し,こう答えられました,『もしサタンがサタンを追い出すならば,それは内わで分れ争うことになる。それでは,その国はどうして立ち行けよう。もし私がベルゼブルによつて悪霊を追い出すとすれば,あなたがたの仲間は誰によつて追い出すのであろうか。だから,彼らがあなたがたをさばく者となるであろう。しかし,私が神の霊によつて悪霊を追い出しているのなら,神の国はすでにあなたがたのところに来たのである。』― マタイ 12:22-28,新口。
29 イエスは,『悪鬼のかしら』である悪魔サタンに反対しました。荒野でうけた3番目の誘惑の終りに,イエスは,「サタンよ退け」とサタンに告げておられます。イエスの地上の生涯が終りに近づき,サタンの手下であるイスカリオテのユダによつて裏切られるすこし前,イエスは忠実な使徒たちにむかい,『この世の君がこようとしている。だが,彼は私に対してなんの力もない。』と語られました。(マタイ 4:10。ヨハネ 14:30,新口)イエスは神の御国を伝道したために死にました。神の御国は,間近かに行われるハルマゲドンの戦でサタンの国を必らず亡ぼします。そして,イエスの教えた事柄は,宇宙的な至上権に関する大論争で神の側を擁護しています。イエスが汚れた霊者である悪鬼を追い出されたことは,神の御言葉の真実さと予言を正しく証明するものです。かりに,イエスが悪鬼のかしらであるサタンによつて悪鬼を追い出したとするなら,サタンは本当に内わで分れ争うことになります。なぜなら,サタンは,地上における最悪の敵,― 悪鬼の側につかず,神の側についている敵 ― を用いて悪鬼を追い出したことになるからです。
30,31 宗教家や霊媒術者たちは,悪鬼を追い出しましたが,それは,イエスが悪鬼を追い出したことと,本質的にどのように違いますか。
30 しかし,霊媒や他の偽りの宗教家たちが悪鬼のかしらによつて悪鬼を追い出したり,他の種類の癒しを行うことは,イエスの場合とまつたく違います。サタンは,自分の側についている者,そして自分の教理を教えている者たちを用います。彼らを用いて悪鬼を追い出せば,サタンの偽りの教えや,悪鬼の国は擁護されるからです。彼らを用いたからといつて,サタンは内わで分裂しているわけでありません。サタンは悪鬼をして人間に憑かせます。しかし,サタンは,人間から悪鬼を追い出す,という一見すると,良い業を行うように見せて,『サタンも光の天使に擬装し』欺かれた者たちに対する自分の力と影響を拡大するのです。
31 現在,イエスは目に見えぬ状で神の御国に再臨されています。このイエスの再臨の時に,イエスの名によつて悪鬼を追い出したり,他の不思議な業を多く行うことは神の御意に沿うものでありません。イエスは私たちにそのことを戒めてこう語られました,『私にむかつて,「主よ,主よ」と言う者が,みな天国にはいるのではなく,ただ,天にいますわが父の御旨を行う者だけが,はいるのである。その日には,多くの者が,私にむかつて「主よ,主よ,私たちはあなたの名によつて予言したではありませんか。また,あなたの名によつて悪霊を追い出し,あなたの名によつて多くの力あるわざを行つたではありませんか」と言うであろう。そのとき,私は彼らにはつきり,こう言おう,「あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ,行つてしまえ」― マタイ 7:21-23,新口。
32 使徒たちや,イエスの遺した伝道者たちは悪鬼共を出しましたが,今日のヱホバのクリスチャン証者が悪鬼を出すことはなぜ正しくありませんか。
32 西歴1世紀にいたイエス・キリストの使徒たちや70人の伝道者たちは,イエスの名にあつて悪鬼を奇蹟的に追い出しました,しかし,パウロの予言した通り,『小羊の十二使徒』がみな死んで以来,悪鬼を追い出すという聖霊の奇蹟的な賜物は与えられていません。(コリント前 13:8-11)今日,ヱホバ神の証者たちは,悪鬼を追い出す力を持つておらず,また悪鬼を追い出すことがヱホバのクリスチャン証者であるしるしとは思つていません。昔のイスラエルの模型的な神権政府の時代では,イスラエル人は丁度サウロ王がしたように,霊媒,口寄者,そして卜筮師を殺すように命ぜられていました。(サムエル前 28:3)しかし,ヱホバの証者にはそうする権限が与えられていません。ヱホバの証者は,1946年6月16日のペンシルバニア州ピッツスバーグ,プレスに記せられている行為を模倣しません。その記事は,全く信ぜられない程のものです,『1515年の魔術! 500人のスイスの女魔術者は,2ヵ月間に焼かれた。600人の女は,ドイツのある町で焼かれた。この年の期間中,ひとりの判事は1万5000人の魔術者たちを断罪した。』ヱホバの証者は,悪鬼の宗教である霊媒術を神権制度の内に入れてはならないと神より命ぜられています。また,『神からの武具を』つけて,悪しき霊者の攻撃から身を守らねばなりません。ヱホバの証者は,真理である御国のたよりを伝道すべきです。真理は『あなた方を自由にする』とイエスは言われました。まつたく,真理は悪鬼の影響をことごとく追いはらい,悪鬼の誘惑や強い束縛からの解放を願う被害者たちに救をもたらします。
33 いま悪鬼の力を破る悪い方法は何ですか。良い方法は何ですか。
33 悪鬼の攻撃をうける人々にむかい,イエス・キリストを通してヱホバ神に祈るよう教えることも,悪鬼を遠ざけて悪鬼を追い払う強力な手段です。申命記 18章11節には,『呪文で他の人を束縛する者』(新世)が述べられています。多くの場合,人々は間ちがいにもこのように考えています。すなわち,ブーヅー教徒や他の悪魔宗教を行う者が呪文をかけると,神の力ではその呪文をとうてい破ることはできない,というのです。それで,悪鬼の手下である魔術の医師のところに行き,呪文の力を破つてもらうのです。こうして救われた人は,全能の神に感謝を捧げようとはせず,悪魔や悪鬼共に感謝を捧げます。これは悪魔の制度に誉をもたらしますが,ヱホバ神に誉をもたらしません。しかも,神の御旨にかなわず,神により忌み嫌われます。また悪魔に従属するため,悪魔に対する身の守りは弱くなります。神の事柄で心を充し,そしてヱホバの奉仕を定期的に行いつつ祈りを捧げるなら,敵の力を砕くと共に,これからの敵の攻撃にもかたく対抗することができます。
34 現在,どんな不法の業を避けるべきですか。私たちは,どんな合法の業をはつきり理解すると共に行わねばなりませんか。
34 奇蹟的な御霊の賜物は,すでに過ぎ去つたもので,現在では存在していないものです。それで,私たちは,不法な宗教家たちの行うような奇蹟的な業をしようとは努めません。彼らは神の律法に従つて行つていないため,主イエス・キリストは「離れよ」と告げるでしよう。使徒パウロの次の言葉を忘れてはなりません。『また競技をするにしても,規定に従つて競技をしなければ,栄冠は得られない。』(テモテ後 2:5,新口)それで,キリストを通して,神の御旨にかない,栄冠をうけるためには,私たちは神によつて合法とせられることをしたい,と思います。世の終りの現在,神により是認されている業は,イエス・キリストによつて予言されている次のような業です,『御国のこの良いたよりは,すべての国民に証をするため全世界に伝道されるであろう。それから,全き終りが来るのである。』(マタイ 24:14,新世)ハルマゲドンでこの世が終るまで,私たちはこの業を行います。そして,御座につかれた王イエス・キリストは,私たちを必らず「合法の働き人」と認め,また天の御父の御旨にかなう者で,ハルマゲドンを無事に生き残り,神の新しい世に入るにふさわしい者と認めるでしよう。
悪鬼は人間社会をハルマゲドンに追い立てる
35 今日,霊媒術がひろまつているために,私たちはどんな防禦の行をしなければなりませんか。
35 私たちは,いま『悪しき日』に生活しています。いまこそ,私たちが全武具をつけて天界にある悪霊の攻撃に『かたく立て』と命ぜられている時です。そして神の律法に従つて『御国のこの良いたより』を全地に伝道することにより,人間の目には見えない超自然の勢力に敵対して『御霊の剣である神の御言葉』を用いなければなりません。悪魔の宗教である霊媒術がひろがつて,政府の最高の職につく人によつて行われていようとも,私たちは驚きません。
36 政治指導者や宗教指導者がなす霊媒術の行について,聖書の記録とこの世の歴史は,何を示していますか。
36 1954年3月10日号の『国民』(英文)という難誌の中に,次のような記事が載せられていましたが,それはキリスト教国の政治政府が神の御国のものでないことを,一層良く証明するものです。『首都の占星者たち: 指導者たちは霊媒術者の助言を乞う。マミー・アイゼンハウァーやワシントンの役人たちはジーンを訪問 ― 将来の成行を熟視するワシントンでは,ジーン,ディクソンは燈台のような存在だ。ジーンは水晶球を用いながら将来の事を見るが,その予言は驚く程正確であるため,今では首都の指導者たちや実業家たちは,ディクソンを定期的に訪問している。』この報道は,1953年8月22日から24日でアメリカ全国に発行された有名なドルー・ピァーソンの記事を裏づけるものです。ピァーソンの記事は,『大統領夫人は自分の運を告げられてよろこぶ』とか,『アイゼンハウァー一家は将来の運を見る』などのような見出しの下にいろいろな新聞に記載されたのです。聖書や昔の歴史によると,王や皇帝や宗教指導者たちは,悪鬼から情報,指示,そして援助を受けるために,霊媒術を行つたことが分ります。今日,悪しき霊者たちは,キリスト教国にいる政治界や宗教界の指導者たちに影響を及ぼしています。聖書の歴史や,またこの世の歴史は,霊を行う国や帝国が必らず亡んだ,ということを示しています。現在でも同じです。霊媒術を行う国は,ハルマゲドンの戦で亡びてしまうでしよう。
37 聖書から見て,今日怒り狂う悪霊の攻撃を,主として誰がうけていますか。なぜですか。
37 悪しき霊者たちは,今まで曾つてない程に全人類に近づいています。そのわけは,キリストによる神の御国が1914年,天で設立されたからです。御国が設立されてすぐ後に,天では戦争が起り,サタンとその悪鬼共はことごとく高い天から永遠に追い落されました。新しく生まれた神の御国に敵対して,これらの悪鬼共やそのかしらは戦争を行いました。しかし,彼らはその戦争に敗れ,この地に投げ落されてしまつたのです。彼らはタルタロスの暗やみにいるため,神の詳細な目的は分りません。それで,ハルマゲドンはすぐに行われて,彼らが1000年間底のない坑に投げ入れられる時は近づいていると,考えたことでしよう。彼らは躍起になつて人間社会を破滅しようと努め,特に当時の人間社会に捕われていたヱホバの民を亡ぼそうと図つたのです。この世の神々であり,かつ見えざる支配者であつたサタンやその悪鬼共の政策は,『支配か亡びか』です。そして,特にヱホバの証者の亡びを念頭に置いているのです。―ペテロ後 2:4。黙示 12:17。
38 今日のヱホバの民は,なぜ悪霊の攻撃にかたく対抗して立ち得ていますか。
38 しかし,全能の神はこれを阻げられ,悪鬼共の無謀の計画をくつがえされました。1918年に悪鬼共を底の無い坑に入れたり,または第一次世界大戦の最高潮に,悪鬼共をして人間社会を亡ぼさせるのは,神の御目的ではなかつたのです。神は勝利の王イエス・キリストの天の戦争をハルマゲドンまで続けさせなかつたのです。ハルマゲドンの時に,サタンの目に見えない制度にも,見える制度にも『大きな患難』がふりかかつてきます。ヱホバはその『天の戦争』を中止せられて,悪鬼共を天からこの地に追い落されました。それは,天の戦争に敗れて卑しめられたサタンと悪鬼共を,ハルマゲドン前の『短い期間中』この地に存続せしめるためです。このように,神はサタンの世にのぞんだ『大いなる患難』を短くせられました。(マタイ 24:21,22)それは,悪鬼共の福利を図つたのではなく,神の『選民』たちのためだつたのです。かくして,神の『選民』は,この世の人間社会とともに亡びるのをまぬかれました。一方,ヱホバの証者は,ずつと間近かに接近した悪しき霊者共と絶えず戦うことになりました。しかし,現在にいたるまでヱホバの証者は『悪魔の策略に対抗して立ち』得てきています。―エペソ 6:11,新口。黙示 12:13-17。
39 最近に悪魔と悪鬼共が卑しめられて以来,聖書の予言しているどんな状態がこの地上にひろまつていますか。
39 ヱホバの証者は,「神の武具」を身につけて,「御霊の剣,すなわち神の言葉」を揮い,またあらゆる場合にも祈りと願いを神に捧げているため,しつかりと立ち続けており,悪鬼共がこの地上に力を集中している現在でも,なんの害をも受けずに存在しています。しかし,一般の人類は,いまハルマゲドンの亡びに向つて駆り立てられています。このことについて,ヨハネ黙示録 12章10-12節(新口)は,次のように叫んでいます。『われらの兄弟らを訴える者,夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える者は,投げ落された。兄弟たちは,小羊の血と彼らのあかしの言葉とによつて,彼にうち勝ち,死にいたるまでもその生命を惜しまなかつた。それゆえに,天とその中に住む者たちよ,大いに喜べ,しかし,地と海よ,おまえたちはわざわいである。悪魔が,自分の時が短いのを知り,激しい怒りをもつて,おまえたちのところに下つてきたからである。』悪魔の世に属する科学者たちは,原子爆弾,水素爆弾,そして大量殺人を図る恐ろしい武器を遂に発明しましたが,それは全く当然なことでしよう。核分裂の発見は,さかんに実用化されていますが,それは平和を図るためでなく,世界支配を握ろうとする戦争のためだつたのです。すべては悪鬼共の影響をうけているのです!
40 神の小羊に従順に従う神の真の崇拝者たちは,いま地の近くの霊界に何が行われているのを見ますか。
40 私たちは,霊媒術者の水晶球とか霊媒術に頼らず,むしろヨハネ黙示録に記されている予言的な象徴によつて,地に近い霊界でいま何が行われているかを知ります。サタンと悪鬼共は現在その霊界に閉じこめられているのです。彼らはヱホバの証者たちに対して勝利を得ることもできず,また証者たちを集めて山羊のごとくになし,ハルマゲドンの時に,全能の神に敵対して戦わせるなどということもできません。ヨハネ黙示録を書いたヨハネは,『見ていると,見よ,小羊(キリスト)がシオンの山に立つていた。また,十四万四千の人々が小羊と共におり,その額に小羊の名とその父の名とが書かれていた。』キリストと共に天的なシオンの山に立つ14万4000の霊の勝者の他に,ヨハネはすべての国や言語から来た『大いなる群衆』を見ました。彼らも神の霊的な宮で神に絶えず崇拝と奉仕を捧げているのです。―黙示 14:1; 7:9-15。新口。
41 ヨハネの予見によると,サタンと地に活動を制限されている霊者たちによつて,いま誰が害をうけていますか。
41 ヨハネの予見によると,また実際に現在ではどんな人々がサタンと悪しき霊者共によつて集められてその害をうけていますか。ヨハネは,次のように述べています『また見ると,龍の口から,獣の口から,偽予言者の口から,蛙のように見える三つの汚れた霊感の表現が出てきた。それらは,実際に悪鬼共によつて霊感された表現であつて,しるしを行うのである。そしてそれらは全地の王たちのところに行き,全能の神の大いなる日の戦争のために,かれらを集める。……彼らを,ヘブル語でハルマゲドンと言うところに集めた。』― 黙示 16:13-16,新世。
42 ヱホバの証者は,神の与え給うどんないましめに従つているため,悪しき霊者共に対して確な保護を得て,彼らに打ち克ちますか。
42 ヱホバの証者は,悪鬼に導かれている『全地の王たち』に従つておりません。またハルマゲドンのときには,彼らの戦列に加わりません。彼らは『小羊(イエス・キリスト)の行く所へは,どこへでもついて行く』のです。(黙示 14:4,新口)ハルマゲドンのとき,イエスはサタンの世のすべてに敵対します。イエスに従つて,イエスの側に立つとき,私たちは現在の『終りの時』でも,悪しき霊者共に打ち克つことができます。ハルマゲドンのときに,私たちは悪しき霊者共に対するイエスの勝利を目撃します。
戦いを続けよ!
43 私たちが,いまだかつてない程に良く注意を払い,戦い,そして祈らねばならないのは,なぜですか。
43 ヱホバの証者は,悪しき霊に対して戦つていますが,その戦はまだ終つていません。敵である悪魔サタンは,世界支配者としての地位を保とうと努めています。悪魔とその悪鬼共は,世界支配者,すなわちエペソ書 6章12節で新世訳の訳出しているように,『この世の支配者』です。特に,キリスト前607年にエルサレムが亡んで神の模型的な神権政府が覆えされてからは,悪魔と悪鬼共はこの世を悪く支配してきました。ヱホバの証者は,キリストを通してなされる神の新しい世の支配という,別の支配の良いたよりを伝道するため,悪魔と悪鬼共はヱホバの証者に反対しています。ヱホバの証者は,いまだかつてない程に良く注意を払い,戦い,そして祈らねばなりません。
44 いまの時代は,どのような点で大洪水前のノアの時代のようですか。
44 イエスは,人の目に見えない御国に御自分の臨在される時について,次のように確かに言われています,『丁度ノアの時代のように人の子の臨在も同じようである。』(マタイ 24:37,新世)大洪水の来る以前のノアの日には,神の不従順な霊者たちがいました。彼らは霊媒術の助けなしに人間の形に姿を現わし,人間の娘と結婚してネピリムという異常児を産みました。ネピリムは,非常な巨人であつて人類を堕落させるとともに,地を暴逆で充たしました。(創世 6:1-4,11,12)人の子の臨在されている時代が,大洪水前のノアの時代と同じようである。といつても,悪鬼共が昔のように人の形に表われて人間社会に問題を生ぜしめるというわけではありません。また,悪鬼共が人の形に表われて,今日の人間の娘と結婚し,そしてハルマゲドンで亡される新しいネピリムをつくり出すというわけでもありません。悪鬼共は,いまや『獄につながれた霊者』であつて,人の形に表われることは,神によつて禁ぜられています。しかし,悪鬼たちは自分の目的をなしとげるために,人の形に表われる必要はないのです。悪鬼は,霊媒術を行う霊媒の女に憑くことができます。(ペテロ前 3:18-20)1914年に御国が設立されてから,すでに40年以上経つています。そして,悪しき霊者たちは人間の形に表われなくても支配力を行使し得ることを示してきました。彼らは霊媒術をひろめ,人類を堕落させ,地を暴逆で充たし,この世に属するあらゆる政治制度の支配者たちをして全能の神とキリストに敵対せしめ,そしてハルマゲドンにおける最終の戦に追い立てています。悪しき霊者たちは,首尾よく全地を誘わしてきましたが,ヱホバの証者の新世社会を惑わすことはできません。
45,46 現在の勝利と最終の勝利は,御国を伝道する神の新世社会の者たちにどのような結果をもたらしますか。
45 ヱホバの証者は,宗教宣伝や政治宣伝,またこの世に属する人間支配者の政治や運動の影響をうけません。また,この世と提携して,この世の一部になることを拒みます。彼らは,キリストを通してヱホバ神に全く献身しており,この世からは分かれています。象徴的な龍と,その政治的な獣と,そして偽りの予言者の口から出る悪鬼の霊感の表現は,ヱホバの証者によつてはつきり曝露されています。ヱホバの証者は,龍である悪魔の手立てに注意するよう他の人々に警告しています。そして,悪しき霊者の力からの真の自由を得させる強力な音信,『御国のこの良いたより』を伝道しています。良いたよりが宣明されるにつれて,悪しき霊者の見えざる支配は確実に押し除けられて行きました。そして,いま幾十万という人々は,ヱホバの御霊の注がれている新しい世の社会に集まつています。私たちは新しい世の社会でかたく立ち,霊の武器を身につけて神権的な戦をなし,かつ神に祈ります。そして,主の力と主の大能の勢威の中に絶えず勝ち続けます。
46 最終の勝利は,いまや目前に迫りました! ノアの日と同じように,私たちは最終の勝利を得るでしよう。その時,ヱホバの日は夜の盗人のごとく突然に来て,この世はハルマゲドンで亡びに打ち棄てられます。霊媒術や悪霊の存在は,ことごとくなくなると共に,新しい世の社会に属する私たちは,勝利の王イエス・キリストと一緒に,神の宇宙的主権下にある正義で悪鬼のいない新しい世に入ります。―ペテロ後 3:10-14。
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その22B 会衆の宣教学校ものみの塔 1956 | 6月1日
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ヱホバの證者の近代歴史
その22B 会衆の宣教学校
ギレアデのものみの塔聖書学校は,1943年2月に開始されてから,順調にすすみ,いまや協会は,新しい教育計画の第3段階に入る準備が整つていました。これは,新しい画期的なものでした。ヱホバの証者の会衆をさらに組織して,ヱホバの証者の各人が更に効果的な伝道者になるように訓練し,地方会衆の教育計画を実行する時機が熟してきていました。すなわち,すべの会衆に神権学校が設けられたのです。最初には,英語を話す国々で,この宣教学校が開始され,つぎに,他の国々においても,教科書が翻訳され次第,その新しい計画を始めるようにすすめられました。この大規模な教育計画を1943年に開始するにあたつて,最初の教科書は作成されました。それは『神権宣教の課程』(英文)という題で,52の課から成りたち,毎週一つの課を終了するようになつていました。この96ページの本は,新しく始められた会衆の神権学校の司会方法につき詳しい指示をのせているものです。
新しい計画を実行に移す
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