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水銀 ― スペインの豊富な「液体の銀」目ざめよ! 1979 | 4月8日
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てさえ,アルマーデンはなお第一位を占めています。縦坑はどんどん深くなって行きますが,それでも辰砂の鉱石はひきつづき掘り出されています。事実,この地域は辰砂を非常に多く産出するので,アルマーデンから25キロの範囲内にあるすべての鉱床の採掘権は国家が保有しています。
今度,体温計を見る時,あるいは新式のフラッシュカメラを使う時,あるいは鏡をのぞき込む時,あなたは用途の広い水銀という金属の採掘と精錬の方法を何世紀にもわたって開発し,またその様々な用途を考案した人々の努力と発明の才に思いをはせることができます。
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しろめ製食器具はいかがですか目ざめよ! 1979 | 4月8日
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しろめ製食器具はいかがですか
銀の食器が高価なところへ,古い時代を懐かしむ風潮も手伝って,しろめ製の食卓用食器具に対する関心が一部の地域でとみに高まっています。しかし,しろめ製の食器具とは一体どんなものか,あなたはいぶかるかもしれません。
基本的に言ってそれはスズを主要な成分とする金属合金です。歴史の示すところによれば,それは西暦前1,000年以上もの昔に使われていた可能性があります。しかし西暦1300年代から1800年代にかけて,それはヨーロッパと英国で非常に広く使われました。それは銀または金の食器具の安価な代用品であったからです。これを鋳たり,槌で打ち延ばして,すてきなジョッキや皿,スプーンやフォークを作ることができました。これらのものは“さびる”ことなく,光沢を保ちました。その当時,しろめの組成はスズ90パーセント,鉛10パーセントでした。しかし硬さを増すために銅が少し加えられたこともあります。質の劣ったしろめは鉛を40パーセントも含んでいた可能性があり,そのためずっと柔らかくて,すぐにへこみました。
近年において,しろめに鉛を入れることはしなくなりました。鉛は変色の原因になりやすく,またある種の食物と化合して有毒な成分を作り,鉛中毒を起こすおそれさえあります。今では鉛の代わりにアンチモニーおよび銅をスズと化合させています。それで近年に作られたしろめ製器物を買うなら,おそらくそれはスズ,アンチモニーおよび銅の合金でしょう。しかししろめ製器物を買うつもりならば,それが正真正銘のしろめであり,アルミから作られた模造品でないことを確かめてください。
本物のしろめ製器物をお持ちならば,それは銀にやや似た鈍い光沢を持っているかもしれません。しかししろめ製器物の中にはよくみがきがかかり光沢を保つものも確かにあります。しろめの皿や食卓用食器具は使用後なるべく早く洗わなければなりません。熱い石けん水(食器を洗った汚水は決して使わないこと)を使い,よくすすいでください。しろめ製器物を空気中に放置して乾かしてはいけません。なぜならば水滴の跡がついて,なかなか取れないこともあるからです。むしろ柔らかい布で水気をふき取ります。そのようにすれば,しろめの魅力のひとつである暖かくて見た目に快い特色を保つ助けになります。
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