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薬の宣伝に踊らされていませんか目ざめよ! 1980 | 12月8日
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の患者が薬をむやみに欲しがることです。病気の回復に必要なのは休養と時間と適度の看護である場合でも,医師に診てもらいながら薬を処方してもらわずに帰れば時間とお金のむだになると考える患者が少なくありません。混雑している待合室を目にすると,医師は,薬が不必要であることを患者に納得させるという,時間を要し,場合によってはめんどうな仕事を行ないたいとは思わないでしょう。患者と製薬会社の圧力にさらされて,処方箋を書く方がめんどうがないと考えるかもしれません。
製薬会社も苦しい立場にあると主張しています。8,000人もの悲劇の奇形児が生まれた“サリドマイド禍”以来,各国政府は新薬を発売する前にこれまでにも増して厳格な試験を行なうよう義務づけています。新薬の研究・開発・登録には多額の経費を要します。新薬を出せば,必ずよく売れるというわけではありません。たとえよく売れたとしても,その薬の特許期間は限られています。そのすぐ後に,さらに優れた薬が発見されることもあります。そのため製薬会社は,短期間に自社の薬をできるだけ多く使ってもらうようにしなければならないと躍起になるのです。
自分の身を守るために何ができるか
できるだけ多くの薬を買わせてそれを使わせようとする人々に利用されないようにするにはどうしたらよいでしょうか。まず,人体には様々な病気を自然に治癒する驚くべき仕組みが備わっている点を認めることです。「オーストラリア処方法」と題する出版物は次のように述べています。「薬剤は様々な病症に有効であるが,多くの患者の問題には薬物を用いない治療法が最も有効である。最良の治療には必ずしも錠剤や薬剤を必要としない」。体を薬づけにして無理やり働かせるよりも,体に休息を与えるほうがずっと益になる場合が少なくありません。特定の食物や自然療法が役立つこともあります。
処方箋を書くよう医師に圧力をかける代わりに,当面,薬物療法がほんとうに必要かどうかを医師が判断できるように協力しましょう。薬物療法が必要な場合は,それによってどのような副作用や合併症の生じる可能性があるのか確かめます。良心的な医師は喜んでそうした情報を教えてくれることでしょう。それが治療の効果を上回るようなことはありませんか。どれほどの量の薬をどれほどの期間服用するのでしょうか。
精神状態を変える薬を服用したところで,情緒障害の根本原因が除去されないという点を認識しておくのは大いに身の守りとなることでしょう。人生に立ち向かってゆけないように思える場合,自分の生活の仕方を率直に吟味なさってください。必要に応じて生活を変化させる勇気があれば,それで十分ということもあります。
薬を服用することがどうしても必要であると思える場合は,医師の指示に正しく従うようにします。医師の指示を受けたのでない限り,幾つもの薬を同時に服用することは避けてください。服用時には飲酒や運転を控えるようにといった注意事項に留意します。
薬が幾百幾千万人の生命を救ってきたことは確かです。回復を早め,病気に対する恐れを大いに取り除くのに役立ってきました。一方,何の疑問も抱かずに不必要な薬物治療の犠牲者となり,薬を手放せなくなったり,薬害に苦しむようになったりする人も少なくありません。しかし,しかるべき配慮と理解をもって薬を扱うなら,薬の宣伝に踊らされることはありません。
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「地上の鉱山」目ざめよ! 1980 | 12月8日
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「地上の鉱山」
カナダ再生産業協会の一職員はくず鉄置き場を「地上の鉱山」と呼びました。この職員によると,くず鉄を利用することによって,通常のように鉱石から鋼鉄を造る場合より,材料を90%,エネルギーを74%,水を40%節約できます。カナダだけで,年間100万台以上の自動車を動かすのに十分な燃料が節約できるとのことです。
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