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証者をつくる技術のすぐれた教訓ものみの塔 1960 | 4月1日
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は神の同労者である。あなたがたは神の畑である。』これは伝道者が,真理である神の御言葉をふさわしい人々の心に植えつけるのに用いられたにすぎないという意味です。従つて,神の僕たちは,「それゆえに……行つて……弟子とし……」という命令を受けていても,善意者のところにとどまつた時,自分の言葉を話すのではなく,ちょうどイエスが絶えず聖書を引用されたように,記録されたヱホバの御言葉である聖書を通して,ヱホバに語らせなければなりませんでした。御言葉を通して神ご自身に語つていただくことによつてのみ,ふさわしい人々は,いつまでも消えない感銘を心に受けることができました。その方法によつてのみ,神の御言葉は彼らの心に深く植えつけられて実を結びました。ですから,ヱホバの証者をつくるにさいし,ふさわしい人々と聖書の研究をすることは,イエスの教えられた生産過程の第三段階でした。この最後の働き,すなわち聖書研究によつてのみ,ふさわしい人々は,真のクリスチャンの享受する平安を受けることができました。―ヨハネ 4:1。使行 14:21。ヨハネ 8:38。コリント前 3:6-9。マタイ 28:19,新口。
16 総括して,イエスの教えた方法に従えば,証者をつくるにはどんなことが必要ですか。
16 ですから,これらは,戸別訪問という方法によつて証者をつくるために,イエスが追随者たちに与えられた指示でした。それには三つの明確な段階が見分けられます。まず話しかけることによつて,ふさわしい人々をたずね出さねばならないこと。彼らと共におり時間をかけて伝道すること。そして,彼らが,献身によつて神と和解することから来る平安を得るように援助することです。その献身は,神の御言葉の勤勉な研究なしではあり得ません。その三段階は,生産過程における諸作業に似ています。その作業のうちのどれか一つがおろそかにされるなら,結果はよくないでしよう。しかし,原料が良く,仕事に関する指示も良く守られるなら,完全な産物が出来上るでしよう。
17 証者をつくるのにもつと容易でもつと早い方法はありませんか。初期クリスチャン時代に,この方法が能率的であることは,どのように証明されましたか。
17 この方法で証者をつくるのは,時間のかかる,またあきの来る方法のように思えるかも知れません。たつたひとりの証者を生み出すのに,今日この方法を用いることは,事実時間がかかり,勤勉な働きを必要とします。しかし,これは最も良い,また最も早い方法です。イエスご自身,追随者の訓練にこの方法を用いられました。そして,この分野でも彼は達人でした。近道のあるはずがありません。イエスは実際的な働き人で,実際的な知恵を用いられました。彼の追随者がその仕事をするのに,もつと容易でもつと早い方法がほかにあつたなら,イエスは彼らに必ずそれを告げられたことでしよう。それをされなかつたという事実は,ほかに方法がないということです。この助言に従うことによつて弟子たちは,何千という非常に立派な質の証者をつくり出しました。そのため,今日でさえ,『初期クリスチャン』という言葉を聞くと,最も激烈な迫害に直面してもゆらぐことのない,最高の原則に対する忠誠を連想します。彼らは,「エルサレムを彼らの教えで満たし」また『天下をかき回し』ました。そして今日に至るまで,人類の道に影響をおよぼしています。これは,ひとつの教育活動のまことに驚くべき成果であり,使用された能率的な方法の良い反響でもありました! この同じ方法は,大量生産時代であるこの20世紀において,どのくらい能率的でしようか。―使行 5:28;17:6,新口。
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『わたしの弟子と証明せよ』ものみの塔 1960 | 4月1日
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『わたしの弟子と証明せよ』
あなたがたが実を豊かに結び,そして私の弟子と証明するならば,それによつて,わたしの父は栄光をお受けになるであろう。―ヨハネ 15:8,新世。
1 証者をつくりはじめられた時,イエスはたつたひとりで仕事をされたといえるのはなぜですか。彼の能力はどのように評価されねばなりませんか。
働き人の仕事のできばえは,そのつくり出した物,その質,その量,または両方によつて評価されるものです。仕事の成果から評価するなら,イエスは著しい成功をおさめた働き手であつたと言わねばなりません。イエスの巧みさは,量のみでなく質にも表われていました。イエスは,天の召しを受ける新しい種類のヱホバの証者の最初の方でしたから,ご自分の追随者とするために,人々の心をかえはじめられた時は,全くひとりでした。もちろん,イエスのために道を備えた洗礼者のヨハネがいましたが,ヨハネは,霊によつて生まれる成員から成る新しい国民に属していませんでした。また,イエスに従うためにやつて来たヨハネの弟子たちでさえ,まずイエスによつてヱホバのクリスチャン証者にしていただかなければならなかつたのです。このあとの点から考慮しても,少なくとも,イエスが仕事を開始された時は,全くひとりでした。
2 3年半の宣教期間中,イエスは何人の新しい証者をつくりましたか。そして,ご自身の追随者たちの仕事に関してどんな預言をされましたか。
2 3年半の後,イエスが刑柱の上で殺されてから間もないペンテコストの日に,使徒ペテロは,大群衆に向かつて話をしていました。その人々の中には,過去において,イエスの説教を聞いたことのある者がたくさんいました。そして,イエスの伝えた音信は,すでに彼らの心に深い感銘を与えていたのです。ある者たちは,イエスをメシヤだと思つていましたが,イエスが罪人として,あまりにも突然に殺されたので,いまでははつきり分からなくなつていました。そこでペテロはこの機会に,神の霊に導かれながら,それまでに起きた事がらによつてどのように多くの預言が成就したかを,それらの人々に説明しました。イエスが死なねばならなかつた理由を理解し,また,ヱホバの側につきたいなら,いまイエス・キリストを通して神に献身するのが正しい,ということを学んだ時,ただちに3000人が,その日に,イエスの名によつて洗礼を受けました。記録の示すところによると,いく日かののち,その数は5000人に増加しています。これらイスラエル人の信者たちは,その前の3年半にわたるイエスの活動期間にみのつた,間接の実でした。後になつて記録が,『主を信じて仲間に加わる者が…ますます多くなつてきた』と述べているところを見ると,まだまだ何千人もいたに違いありません。そのうえ,イエスの宣教期間中に,多くの者がヨハネの洗礼を受けました。ですから,イエスの名によつて洗礼を受けたと使徒行伝 4章4節に述べられている5000人という数よりも多くの人々が,イエスの伝道の間接的な結果として,証者にされたということを信じられる基礎があるわけです。イエスは言われました,『一粒の麦が地に落ちて死ななければ,それはただ一粒のままである。しかしもし死んだなら,豊かに実を結ぶようになる』。(ヨハネ 12:24,新口)イエスは,忠実を保つて死ぬことにより,何という実を生み出したのでしよう! しかし,追随者たちについて語られた時,イエスはこう言われました,『よくよくあなたがたに言つておく,わたしを信じる者は,またわたしのわざをするであろう。そればかりか,もつと大きいわざをするであろう』。わたくしたちはこれをどのように理解すべきですか。―ヨハネ 14:12,新口。
3 ヨハネ伝 4:12は,どのように解釈すべきですか。
3 誰にせよ不完全な人間が,主と競争をして,証者をつくる点で彼の記録を破ることができるなどと考えることはできません。かりにひとりのヱホバの証者が,ある区域にたつたひとり置かれたとしたなら,イエスが復活の後ガリラヤで会われた500人の証者の数をつくるなどおよびもつかないでしよう。あるいは,イエスの昇天後エルサレムに居残つた120人にもおよばないでしよう。(コリント前 15:3-6。マタイ 28:16-18。使行 1:15)また,個人がそんな増加をもたらすことは,イエスの言葉の成就でもありません。ヨハネ伝 14章12節のイエスの言葉はむしろ,偉大なる預言者の語つた預言であつて,おそくとも,この『終りの時』の今,刈り入れの仕事がつづけられている限り,成就すべきものです。ですから,正しい解釈はこうにちがいありません。すなわちイエスの言葉は,特に現在住んでいる彼の追随者たちについて語られたもので,しかも,個人としてではなく,イエスが追随者たちに与えられた仕事をするために,一致して働いている人々の社会としての追随者について語られたものである,ということです。イエスの今日の追随者たちは,そうした社会としてその預言を成就するのです。
4 ヱホバの証者がヨハネ伝 4:12の預言を成就しているというどんな証拠がありますか。そしてこの預言は,私たち個人に対してはどんな意味をもつていますか。
4 1953年の夏,ニューヨーク市で開かれたヱホバの証者の国際大会では,一日に4640人が洗礼を受けました。また1955年の8月,ドイツのニュールンベルグとベルリンの両市で同時に開催されたヱホバの証者の大会では,2日で5203名が洗礼を受け,1958年7月のニューヨーク市におけるヱホバの証者の国際大会では,一日に7136人が洗礼を受けました。過去10年間にヱホバの証者は,1948年の世界中の伝道者28万3532人から,1958年の71万7088人にまで増加しました。それは211パーセントの増加でもありました。この増加は,今日のヱホバの証者が,イエスの預言を成就していることを証明するものです。彼らは,イエスが教えられた通り,はるかに大きな成果をあげており,証者をつくる仕事を,史上かつてなかつたほど大規模に,押し進めています。
秘訣
5 ヱホバの証者の発展の背後にある秘訣は何ですか。
5 『最も急速に発展している宗教』と呼ばれているほどのヱホバの証者の目ざましい発展の背後には,どんな秘訣があるのでしようか。何でも好きなことができ
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