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あなたはあますところなく証言していますかものみの塔 1966 | 6月1日
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には,あなたの想像する以上のものがあるかもしれないのです。―ヨハネ 17:3。
11 コリントでアクラおよびプリスキラの家に滞在した時,パウロはどんな活動をしましたか。
11 マースの丘における前述のできごとののち,パウロはアテネを去ってコリントに行き,そこで,アクラというポント生まれのユダヤ人とその妻プリスキラとに会いました。パウロはふたりのもとに行き,互いに同業であったので,その家に住み込み,一緒に仕事をしました。天幕造りがその職業でした。パウロは安息日ごとに会堂で論じては,ユダヤ人やギリシャ人の説得に努めました。記録はそのように述べています。(使行 18:1-4)あなたの牧師はそのような方法で生計をたてていますか。会衆の負担になることを避けるために,みずから働いて生活していますか。
12 パウロは,神の国をあますところなくあかしするかたわら,どのようにして生計をたてましたか。これは今日のわたしたちにどんな手本を残したものですか。
12 この点でどんな非難をも受けることを望まなかったパウロは,テサロニケの教会に次のように書き送りました。「人からパンをもらって食べることもしなかった。それどころか,あなたがたのだれにも負担をかけまいと,日夜,労苦し努力して働き続けた。それは,わたしたちにその権利がないからではなく,ただわたしたちにあなたがたが見習うように,身をもって模範を示したのである。また,あなたがたの所にいた時に,『働こうとしない者は,食べることもしてはならない』と命じておいた」。(テサロニケ第二 3:8-10)まったく献身し,福音にすべてをかけ,あますところなく伝道したパウロは,きわだった手本です。エホバのことばの宣明と救いよりも俸給に関心があるかに見える利己的物質主義的な人が多い,今日のいわゆるキリスト教の牧師とは大きな相違です。
「あますところなく証言する」ことから各人の得る益
13 現代の“パウロ”の宣教がもたらす多くの益を述べなさい。
13 パウロの徹底的な証言が多くの人を益したのと同じく,今日の新世社会の現代“パウロ”の宣教は,心の正しい多くの人の益となっています。そのなかにはどんな益がありますか。(1)イエスと使徒の教えを守る人々は,良い道徳的風土をつくります。(2)聖書の原則を実行する人の生活には,いっそう大きな幸福と満足があります。聖書は死物ではなく,意義のある,役に立つ,実際的な本となるからです。(3)御国の音信は,結婚関係,雇用関係を改善します。多くの人は聖書の戒めどおりに生活するために生活を改革しました。結婚生活の破綻を救い,あるいは内縁またはそれに類した婚姻関係を清算した人も少なくありません。不節制な飲酒も抑制されます。利己的で物質主義的な心も清い健全な心に変わり,神の国の福音伝道に傾倒します。―ローマ 12:1,2。コリント第一 5:9-11; 6:9-12。
14 イエスと使徒たちの教えを守ることから,良い道徳的な風土がどのように生まれますか。
14 イエスの使徒の教えを守ることから,良い道徳的風土がどのように生ずるかを,まず考えてみましょう。パウロは,「不品行を避けなさい。人の犯すすべての罪は,からだの外にある。しかし不品行をする者は,自分のからだに対して罪を犯すのである」と述べました。(コリント第一 6:18)また次のようにも述べています。「すべての人は,結婚を重んずべきである。また寝床を汚してはならない。神は,不品行な者や姦淫をする者をさばかれる」。(ヘブル 13:4)若い男女に対して,パウロは,「あなたは若い時の情欲を避けなさい。そして,きよい心をもって主を呼び求める人々と共に,義と信仰と愛と平和とを追い求めなさい」と語っています。(テモテ第二 2:22)あらゆる年齢層の人にとって賢明な助言であり,かつてないほどに道徳の低下した今日において,わたしたちの感謝すべき教えではありませんか。
15 コロサイ人への手紙 3章13,14節にある使徒の助言に従うとき,家族はどのように祝福されますか。
15 パウロの適切な助言を実行することは,家庭に祝福をもたらします。それは,固く結ばれた家族というものが,みんなの不断の努力と愛の結果であることを証明するでしょう。パウロのことばを聞いてください。「互に忍びあい,もし互に責むべきことがあれば,ゆるし合いなさい。〔エホバ〕もあなたがたをゆるして下さったから,そのように,あなたがたもゆるし合いなさい。これらいっさいのものの上に,愛を加えなさい。愛は,すべてを完全に結ぶ帯である」― コロサイ 3:13,14,〔新世訳〕。
16 聖書の教えを実行することによって,家庭内の争いや個人的な不和は,たとえなくならないまでも,どのように著しく減少しますか。
16 また,家庭内の不和や争いを解決する,パウロの賢明な助言に注目してください。「妻たる者よ,夫に仕えなさい。それが,主にある者にふさわしいことである。夫たる者よ,妻を愛しなさい。つらくあたってはいけない。子たる者よ,何事についても両親に従いなさい。これが主に喜ばれることである。父たる者よ,子供をいらだたせてはいけない。心がいじけるかも知れないから」。(コロサイ 3:18-21)あらゆる点で不完全なわたしたちには,災いの多い,行くえを知らない世界のただ中で幸福と心の平和を得るのに,このように行きとどいた,実際的な助言が必要ではありませんか。
17 (イ)使徒パウロは,雇用関係の面でどんな助言を与えていますか。その実用性を説明しなさい。(ロ)ヘブル人への手紙 12章5節,6節,11節から17節にパウロが述べているように,自己訓練にどんな益がありますか。
17 またコロサイ人への手紙 3章23節から25節にある,雇用関係についての,すぐれた原則に注目してください。「何をするにも,人に対してではなく,〔エホバ〕に対してするように,心から働きなさい。あなたがたが知っているとおり,あなたがたは御国をつぐことを,報いとして〔エホバ〕から受けるであろう。あなたがたは,主キリストに仕えているのである。不正を行なう者は,自分の行なった不正に対して報いを受けるであろう。それには差別扱いはない」。〔新世訳〕クリスチャンは主人を欺いてはなりません。クリスチャンは正直に働いて1日の仕事をします。仕事を怠けることは悪いだけでなく,ほかにもクリスチャンらしくない態度や行ないをする原因になるかもしれません。無気力,不注意,無責任が目につく今の時代に,クリスチャンの態度は気持ちのよいものです。ささいな事にも自己訓練は必要です。ヘブル人への手紙 12章5,6節,11節から17節において,パウロはこの点に関する良い助言を与えています。たしかに使徒パウロは,人々に与えられた「賜物」でした。(エペソ 4:8)パウロのことばはきわめて明確です。あいまいなところや,不明な点はありません。パウロのことばを聞いた人は,その真意をすぐに理解できました。そのことばは明白で,実際に即しており,また力強かったためです。
18 すべての人にあますところなくあかしするわざがもたらす最大の益を述べなさい。
18 さて最後のものとして,神の国をあますところなくあかしすることから得られる最大の益はなんですか。イエスは言われました。「永遠の命とは,唯一の,まことの神でいますあなたと,また,あなたがつかわされたイエス・キリストを知ることであります」。(ヨハネ 17:3)これと関連して,パウロもピリピ人に次のことを書き送っています。「兄弟たちよ。わたしはすでに捕えたとは思っていない。ただこの一事を努めている。すなわち,後のものを忘れ,前のものに向かってからだを伸ばしつつ,目標を目ざして走り,キリスト・イエスにおいて上に召して下さる神の賞与を得ようと努めているのである。だから,わたしたちの中で全き人たちは,そのように考えるべきである。しかし,あなたがたが違った考えを持っているなら,神はそのことも示して下さるであろう。ただ,わたしたちは,達し得たところに従って進むべきである」。(ピリピ 3:13-16)事物の新しい制度の下で楽園の地に永遠の生命を得ることは,あなたの願いではありませんか。では,神の国のことを学び,たしかに実行に移せるこの知識を得るために万難を排してゆくことは,絶対に必要なことです。
19,20 (イ)神の国をあますところなく証言する奉仕者および(ロ)音信を聞く人々は,それぞれどんな態度をとらなければなりませんか。
19 イエスと使徒たちの説いた教えを実行する「善意の人」のすべては,道徳,結婚生活,雇用関係の面において大きな益を受けます。また将来の永遠の生命の希望さえあるのです。あなたもそのことに同感であると思います。そしてご自分もそれらのものを望まれるに違いありません。
20 ゆえに,御国の音信を聞くわたしたちすべてが自分に対して正直であり,分別を失わず,神の教えを日常生活において実行することは,まったく重要です。新世社会の現代の奉仕者は,パウロと同じ熱意を保ち,これからも徹底的に行ない,説得力を失わず,信仰とよいわざと忍耐の点でパウロのようになることを決意しています。こうして彼らと,彼らの教えを聞く人々の祝福はあふれるでしょう。(テモテ第一 4:16)御国の音信をあますところなく証言することの無限の益は,容易に認められます。御国の音信を聞く機会がこの次おとずれた時,さからわずにそれを受け入れてください。献身したこれらのクリスチャンが言おうとすることを,公平な気持ちで聞いてください。そうすれば,のちになって,あのとき聞いてよかったと思われるに違いないことを,わたしたちは確信しています。
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少しのパン種ものみの塔 1966 | 6月1日
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少しのパン種
クプロの村々におけるパンのこしらえ方は,「少しのパン種」が粉のかたまり全体をふくらませる力について使徒パウロの語ったことばを実際に示しています。昔から粉に水を混ぜ,それからよくねる方法が用いられてきました。ねりが十分行なわれたときに少しのパン種が加えられます。いろいろな種類のパン種のうち最もよく用いられるのは古い練り粉からできたパン種です。大抵ねりがすんでから,少しの練り粉を暖かい場所にとっておきます。36時間から48時間たつと,この練り粉がパン種となり,粉のかたまり全体をふくらますのに用いられます。―コリント第一 5:6。
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