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世界展望目ざめよ! 1985 | 2月22日
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段と悪化すれば,債務国で財政的,政治的,社会的動乱が生ずるのではないか,と専門家たちは危ぶんでいる。
● ブラジルは,3月に史上最高の貿易収支の黒字 ― 10億㌦(約2,400億円)― を出したが,これでもまだ1,000億㌦(約24兆円)という驚くべき額の外債の利子をさえ支払うことができない。ブラジル銀行の頭取であるオズワルド・コリンは,ジャーナル・ダ・タルデ誌の中で,最近の1%の国際金利の上昇のために,「一月の貿易収支の黒字はすでに食い尽くされてしまった」と述べている。金利引上げの傾向は,返済の努力を払う発展途上国が抱えるはなはだしい重荷をますます重くする。ある財政専門家は,「外債の問題は手に負えなくなっている」と結論づけている。
ヨーロッパの一致を求める訴え
● アテネ・ニューズ・エージェンシーの報告によると,ヨーロッパの一致を求める声が,文学・美術界の著名人から上がっており,その中に1979年ノーベル文学賞の受賞者であるアディシース・エリティスが含まれている。ヨーロッパは一致すれば,「国際的な出来事の消極的な観察者であることに終止符を打ち,世界平和を求める闘争において重要な役割を果たすのに必要な自信と力を得る」と,彼らは考えている。
日本での犯罪が増加
● 英文読売は,「犯罪,非行は1940年代以来,最大規模に」という大きな見出しを掲げている。警察白書は,この豊かな国の犯罪が1983年にも減少を見なかったことを公表した。法務省の法務総合研究所の一グループは,日本の非行少年の半数以上が欠損家族から出ていることを明らかにした。法律を犯す若者の大部分は,14歳ないし15歳である。警察庁によると,昔からある近所付き合いの強いところでは,犯罪の発生件数も比較的少ない。
虐待される子供たち
● 子供たちに対する暴力行為は「思いもよらぬ悪の暴風」となり,イタリア中に吹き荒れている,と週刊誌「レスプレッソ」は述べている。毎年,600件の性的な虐待を含め,子供に対する残虐行為が1万5,000件報告される。ローマの少年裁判所のドシ判事によれば,背筋の寒くなるようなこれらの数字は問題の全貌を明らかにしていない。同判事は,「この現象に関する統計が我々に伝えるものは余りにもわずかなので,我々はそれを“あいまいな数字”と呼んでいる。現実にはもっと複雑で,もっと広まっているのに,その現実を覆い隠してしまうのであいまいなのである」と述べている。何に駆られて,親は子供を虐待するのだろうか。その報告は基本的な二つの理由として,「まず夫婦の関係が悪いこと,そして親の役割を果たす面で難しい問題を抱えていること」を挙げている。
レスビアンの「結婚」が無効となる
● ドイツ,ハンブルクのアルトナ平和教会の41歳になる牧師が,去る4月に二人のレスビアンの女性の結婚式を行なった。そのため,北部ドイツ全体のルーテル派の教会の電話がひっきりなしに鳴り続ける結果となった。「動揺した教会員たちは牧師に電話をし,教会から籍を抜くと脅した」と,ドイツの新聞「シュベービッシェ・ツァイトゥンク」は伝えている。北部ドイツのルーテル教会の発表した公式声明は,「当教会は二人のレスビアンの結婚式を執り行なうことはできない」ので,この「結婚」は承認されないと述べた。この結婚は無効であり,効力を持たないと宣言された。
4,200万人の盲人
● WHO(世界保健機関)の報告によると,世界には4,200万人以上の盲人がおり,その中には,3㍍向こうの手の指を見てその数を数えることのできない,視力が極端に限られている人,2,800万人が含まれている。その報告は,西暦2000年までにこの数字は2倍になるものと見ている。WHOによると,失明の75%までは,「公衆衛生に関する適正な措置を講ずれば」防ぐことができた。ブラジルの新聞,「オー・エスタド・デ・サンパウロ」は,「1,000人の盲人につき36人はブラジル人である」と述べている。
妻を殴打して逮捕される
● 米国のミネアポリス警察は当初,妻を殴打したとして夫を逮捕するのは,「だれにとっても時間の浪費」であると考えていた,と警察本部長のアンソニー・ボウザは述べている。ところが,妻を虐待したかどで逮捕する人の数を警察が増やしたところ,累犯者の数は減少した。米国ペンシルバニア州イーストンのザ・エクスプレス紙によると,この新しい方針を思いつくヒントになったのは,ロレンス・W・シャーマンとリチャード・ベックという二人の研究者の行なった研究だった。その研究は結論として,妻に対して虐待を繰り返す割合は警察が本人を逮捕した場合が10%,警察が夫婦に助言を与えた場合は19%,攻撃を加えた者を数時間外へ出した場合は24%だった,と述べている。
未婚の母
● 英国のイングランドとウェールズは,1983年に前年よりも10%多い9万9,000人の私生児の出生を記録した。1977年の2倍近いこの数字は,生まれた子供全体の6人に1人が私生児であることを意味している。人口国勢調査局の報告は,新生児のほぼ3分の1が十代の少女から生まれ,さらにもう3分の1が20ないし24歳の母親から生まれている。「片親だけの家庭に関する全国会議」のスポークスマンは,ロンドンのデーリー・メール紙上で,「若い人々は,結婚を急ぐことが誤りであることに気づいており,年長の人々は,仕事中心の独立的な人々で,自分一人でも,あるいは少なくとも結婚せずに子供を育てることができるとの自信を持っている」と述べている。世界保健機関は,毎年15歳から19歳までの十代の人々から,1,300万人の赤ちゃんが誕生するものとみなしている。
“試験管”皮膚
● 1983年に,6歳と7歳の二人の兄弟がひどいやけどを負った。その状態ははなはだしく,体の97%以上に第三度のやけどを負っていた。ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌は,1年後の現在,米国マサチューセッツ州ボストンのシュライナーズやけど協会の医師たちが,実験室の皿で培養した健全な皮膚組織を移植して各少年の体の半分以上を覆うことに成功したと伝えている。この外科チームは,少年の残っている健全な皮膚の断片を取り,すりつぶして幾百万もの小さな部分に分け,細胞が何枚かの皮膚に成長するよう促進する物質を加えた。皮膚はカーゼに移され,やけどの上に移植された。一人の少年につき,1平方ヤード(約0.83平方㍍)の皮膚を培養するのに2ないし4週間かかった。
これは注目に値する試みではあるが,ニュージャージー州,リビングストンの聖バルナバ病院センターのマンサワー博士は,「これはごく実験的な方法であり,長期的な影響がどんなものかは実際には分からない」と,警告を発している。
危機に面するパンダ
● 世界の珍獣の一つに数えられるジャイアントパンダが深刻な危機に面している。中国の月刊誌「中国建設」は,中国南西部にある四川省で,この恥ずかしがりやの動物のうち少なくとも12頭が餓死した,と述べている。生きているパンダは世界全体で推定1,000頭だから,それを考えるとこの死亡数は驚くべきことである。四川省臥竜県の自然保護区にあるジャイアントパンダのふるさとでは,3万㌶にわたって冷箭竹が姿を消した。竹が枯れてしまったので,ジャイアントパンダは主要な食糧源を失った。中国政府は10年間にわたって救済対策を実施する予定である。
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詩編の朗読をカセットテープで聞けるようになりました ― 朝に,昼に,あるいは晩に目ざめよ! 1985 | 2月22日
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詩編の朗読をカセットテープで聞けるようになりました ― 朝に,昼に,あるいは晩に
一日を始めるにも,休憩を取るにも,落ち着いた気分で床に就くにも,あるいは他のどんなことをするにも,詩編の朗読は励みとなります。
聖書の詩編作者たちの書き記した壮大で感動的な言葉がカセットテープに収められました。朗読により詩がより明快になり,またより深い意味をさえ持つことになるように朗読されています。
テープは6巻あり,録音時間は7時間50分です。わずか2,400円のご寄付で全巻をお求めになれます。送料は発行者が負担します。
寄付として2,400円を切手または現金書留で送ります。聖書の詩編 全150編をすべて収めたカセットテープ6巻を送ってください。(他の国における寄付額については,その国のものみの塔協会の事務所にお尋ねください。)
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