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  • 大企業と犯罪
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • 大企業と犯罪

      大企業! それはわたしたちすべてに影響を及ぼしています。それはわたしたちにとって有用であると同時に有害なものです。そして,この点でわたしたちにできることがあります。

      “大”会社は15億㌦(約3,600億円)相当の資産を所有していることもあります。それをはるかに超える資産を有する会社も少なくありません。そのような資金は力を意味します。大会社は幾つもの国と渡り合って,勝利を収めています。大勢の人が大会社に疑惑の目を向けるのも無理のないことです。

      しかし,ある面で大企業はわたしたちが知っている今の世界を作り上げてきたと言えます。鉄道を敷き,石油を管理し,多くの国で電気やガスを供給し,交通機関を備えているのは大企業です。大企業があるからこそ,韓国製の運動靴を履き,香港<ホンコン>製の衣料品を身に着け,アメリカ製のフィルムを使い,熱帯の果物を食べ,ドイツ・ワインを飲めるのです。大企業のおかげで,海外旅行はもはや金持ちだけの特権ではなくなりました。自動車やテレビや電話を持てるのも,きっと大企業がそうした物品を大量生産し,手ごろな値段にしたためでしょう。

      しかし,問題もあります。以下の一連の記事はそうした問題の幾つかを取り上げています。

      路上での犯罪の問題は今に始まったものではありません。強盗,刺殺,謀殺など,法と秩序の全般的な崩壊の兆候についての話を毎日のように耳にします。しかし,別の種類の犯罪が想像を絶するような規模で毎日行なわれていることに気づいていますか。毎年,たいへんな額のお金があなたの財布の中からいつの間にか持ち去られているのです。米国だけでもこのような隠れた犯罪で1年間に少なくとも2,000億㌦(約48兆円)が奪われます。だれがそうした犯罪を行なうのでしょうか。大会社です。大会社の中には,経営幹部が非合法的な手段に訴えて私腹を肥やしたり自社を富ませたりしているところがあるのです。

      大企業の犯罪はすべての人に影響を及ぼしています。その影響が致命的で,破壊的な場合も珍しくありません。そのような犯罪に走るのはどんな人々でしょうか。大抵の場合,社会の“柱”となる,非常に重んじられている人々です。

      大企業の犯罪はごくありふれたものとなっているため,当局者のほとんどは対処するすべを知りません。「企業犯罪は相変わらず不鮮明で,ひどく誤解された現象となっている」と,米国コネティカット州の法学教授レナード・オーランドは述べています。正確な数字が入手できるとすれば,「“隠れた”企業犯罪が膨大な数に上り,真の企業犯罪は事実上告訴されずに終わっている」ことが明らかになる,と同教授は考えています。―US・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌。

      ホワイトカラーの犯罪者が起訴されるとどんなことになりますか。強盗や泥棒には決まって懲役刑が言い渡されるのに対し,ホワイトカラーの犯罪者は通例軽い処罰で済まされてしまいます。例えば,ニューヨーク大都市圏の乳業会社25社は,10年にわたって法外な代金を顧客に請求してきたことを認めました。これらの会社がこの犯罪でどれほどもうけたかを定めるのは不可能でしたが,670万㌦(約16億円)を顧客に払い戻すよう命ぜられました。悪事をはたらいて顧客に幾百万ドルもの損害を被らせていた経営幹部はどうなったでしょうか。その人たちは軽い罪を認め,罰金刑を科されただけでした。

      別の例を挙げましょう。米国でも最大手の薬品安売り会社のひとつが,国民医療保険制度を使った処方薬の調合についてオハイオ州に二重請求をしていたことが発覚しました。この企業犯罪により,納税者は50万㌦(約1億2,000万円)以上の損害を被りました。それでも,罪を犯したこの会社は単に罰金刑を科され,詐取した金を返却させられたにすぎませんでした。

      有罪とされた経営幹部は,犯罪は引き合わないと主張する人々にきっと反論することでしょう。それら経営者にとって,犯罪は十分に引き合うものであるに違いありません。US・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌は,ある会社の取締役会長および社長が1,200万㌦(約28億8,000万円)の脱税事件で有罪になり,懲役刑の代わりに公益奉仕を行なうようにとの判決を受けたことを伝えています。その間,二人は会社の出す付加給付すべての恩恵にあずかり続け,社長のほうは顧問として時給100㌦(約2万4,000円)を得ていました。

      時には一般の人々が自分の命を奪われることもあります。例えば,1981年に新種の低廉な調理用の油がスペインの食品市場に入って来ました。生活の苦しい勤労者階級の人々は,買い得だとばかりにそれを購入するようになりました。ところがなんということでしょう。消費者に奇妙な症状が出始めたのです。2万人以上の人々が病気になり,政府の統計によると,1983年5月現在で339人の死者が出ました。なぜでしょうか。実業家たちがフランスで安い工業油を買い付け,それを処理してスペインで食用油として売っていたためです。

      企業犯罪はまた,有毒な化学物質の投棄とも関係しています。ニューヨーク州のラブ運河地区が新聞の見出しに取り上げられたのは,5年前,裏庭から有毒物が染み出したため人々が自分たちの家から立ち退きを余儀なくされた時のことでした。その化学物質はどこから来たのでしょうか。大手の化学会社がその地域に有害な廃棄物を投棄していたのです。

      5年後,ミズーリ州タイムズビーチの町の住民は立ち退きを余儀なくされ,どくろ印と「危険! 立入り禁止」という大きな文字の書かれたバリケードが通路を遮断しました。なぜでしょうか。その町がダイオキシンにより汚染されていたからです。

      こうした経験にもかかわらず,犯罪的とも言える無責任さで有毒な廃棄物を処分している企業のあることが明らかになっています。“真夜中の投棄”により,毒物が雨水の排水管に流されたり,通常のごみと混ぜられたり,地主に安く販売される灯油に混ぜられたりもしています。「真夜中の投棄……は単なるホワイトカラーの平凡な犯罪なのではない。それは,疑うことをしない人々,さらにはまだ生まれてこない子供たちの健康を直接脅かしている」と,ニューヨーク・タイムズ紙の社説は論評しました。

      確かに,大企業が犯罪に走ると,害を受けやすいのは一般の人々です。しかし大抵の場合に,一般の人々はほかの理由でも害を受けやすくなります。大会社が厳密に法の枠内にとどまってはいても,道徳感覚の欠如を示すとしたらどんなことが起きるでしょうか。大勢の人々がひどく苦しむことになりかねません。

  • 大企業と道徳
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • 大企業と道徳

      大企業が法の枠内にとどまっていても人々が犠牲になるということがどうしてあり得るのでしょうか。企業本来の目的は利潤を上げることだからです。多くの実業家たちは,利潤の出所について道徳的な判断を下すことを自分の仕事とは見ていないようです。

      例えば,大勢の人々が喫煙から致命的な結果を身に招いていることを示す検査結果が次から次に明らかにされています。ところが,たばこ関係の大会社はその危険な製品を生産し,販売することによって膨大な利益を上げ続けています。そして,この習慣を始めるようより多くの人に勧める広告を相も変わらず出しています。それがお金になるという事実が,実業家たちの頭の中で決定的な論拠となっているようです。しかも企業が他の国々と商売をする段になると,自分たちの行動の結果にいっそう無頓着になりかねません。

      大企業は別の仕方で人々を犠牲にすることがあります。実際にはだれも必要としない製品を売るために,ある会社は広告にたくさんのお金をかけて需要を作り出し,必需品ではないその製品が何となく必需品であるように思わせます。最近表面化したその一例は,貧しい国々の市場で乳児用調乳 ― 乳児を人工栄養で育てるための調乳 ― を売りさばくことです。

      新生児にとって理想的な食物は母乳であるということで専門家たちすべては意見の一致をみています。ところが,大会社は貧しい国々で乳児用調乳の販売攻勢をかけて,調乳で育てたほうが赤ちゃんの健康によいと母親たちを言いくるめてしまっている,と非難されています。その結果,母親たちは普通であれば必需品ではないこの製品に乏しいお金をつぎ込んでいるのです。大抵の場合そうした母親たちは使用説明書を理解することができず,哺乳びんを消毒する必要を認識していません。その結果,赤ちゃんは栄養失調になったり下痢をしたりすることになりかねません。

      乳児用調乳の販売促進に使われる一つの方法は出産後間もない母親に商品見本を無償で提供することである,と伝えられています。無償で提供された商品見本がなくなると,母親は自分の子供をもはや母乳で育てることができず,その調乳を(言うまでもなく小売価格で求めて)使い続けることを余儀なくされます。なぜでしょうか。乳を飲ませないと,1週間ほどで母乳は出なくなってしまうからです。

      合法的ではあるが……

      事実,大会社は貧しい国々との取り引きに関して少なからず批判を受けてきました。例えば,難燃処理を施すのに用いられた化合物に発ガン性のあることが明らかになって米国で販売禁止になった240万着の子供用パジャマはどうなったでしょうか。それらのパジャマは規制がそれほど厳しくない国々に発送されました。

      英国のガーディアン紙は最近,「オックスファム(慈善団体の名称)は先週,英国の一流企業をも含む国際的な製薬業界を,商業的な利益のために第三世界の貧しい人々を組織的に搾取しているとして非難した」と報じました。同紙はさらにこう述べています。「その最ものっぴきならない告発は,危険性の高い,潜在的に有毒な製剤を,それも西欧世界では撤回せざるを得なくなった,安全性や効能に関する能書きをしばしば付けて第三世界にあえて売ろうとする大手製薬会社の態度にかかわるものである」。

      報道は第三世界に発送される薬品について述べていますが,危険な副作用のあることが知られているために西欧世界では販売禁止になっているにもかかわらず,西欧の会社はそうした薬品を発送しているのです。アジアの広い範囲で売られている抗生物質は致命的な形の貧血を引き起こしかねません。アフリカで売られているステロイド・ホルモンを使うと女性のひげが伸びたり頭がはげたり,幼い少女の陰核が大きくなったりすることがあります。インドネシアで売られている下痢止めの薬は,脳障害や失明を引き起こしかねないので米国と日本で回収されたものでした。

      その上,製薬会社の代表者の中には,製品を売りさばく人のところにそうした製品を置いてもらうためにかなりあくどいことをした人がいます。医師や病院当局者にはわいろが使われ,その中には「車や子弟のための無償の大学教育」も含まれていました。

      しかし,最大の商取り引きである兵器の販売という取り引き以上に,大企業の抱える道徳上の問題が明らかになるところはありません。

  • 大企業と戦争
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • 大企業と戦争

      兵器の国際的な販売は19世紀に大きな商売になりました。ドイツのクルップ社や英国のビッカース・アンド・アームストロング社のような製鋼業者が兵器を大量生産するようになりました。自国の政府が兵器を十分買えなかったり買おうとしなかったりすると,これらの会社は国際的な貿易を展開し,やがて巨大な多国籍会社になりました。

      初期のころから,兵器を生産して輸出することが道徳にかなっているかどうかについて疑問の声が上がっていました。スウェーデンのアルフレッド・ノーベルは,大砲用のコルダイト爆薬の一種(バリスタイトと呼ばれる無煙火薬)を発見し,60歳の時にスウェーデンの大砲製造会社ボフォール社を買収しました。しかし,ノーベルは平和主義への関心を言い表わし,有名なノーベル平和賞を後世に残しました。その賞は国家間の友好関係を促進するために最も功績のあった人物に贈られることになっていました。1900年にウィリアム・アームストロングが世を去った時,英国の一新聞は,「アームストロング卿に備わっていたような冷静で穏健な知性が破壊の科学に用いられたことには想像を絶する恐ろしいものがある」と論評しました。

      しかし,どんな良心のかしゃくも,愛国主義や利益を考慮に入れることによって,ほどなくして打ち負かされてしまいました。第一次世界大戦の始まった時には,世界のほとんどの国の首都には兵器のセールスマンが群がって,自分たちの製品を売り歩いていました。しかし,その大戦は兵器の売買に重大な道徳上の問題があることを明らかにしました。

      戦争中,英国とフランスの製造業者の兵器が戦場で英国とフランスの兵士に用いられました。ドイツは,クルップ社の兵器で装備したロシア人およびベルギー人と戦いました。参戦国の海軍の大半はクルップ社の特許の下で造られた装甲板を使っており,ユトランド沖の海戦では双方の側がクルップ社製の導火線で砲撃を行ないました。

      軍需企業は戦争で膨大な利益を上げました。その利益があまりにも大きかったために,それらの会社が自分たちの利益のために戦争を長引かせようとしたのではないかと疑う人も少なくなかったほどです。1934年に出された雑誌の一記事は,その大戦中に一人の兵士を殺すための費用を2万5,000㌦と算出し,「その大部分は軍需業者の懐に入った」と述べています。―アンソニー・サンプソン著,「軍需市場」。

      その大戦以来兵器の売買は続き,それは今日かつてないほど栄えています。死の兵器を取り引きすることが道徳的かどうかについていまだに疑問を抱く向きもありますが,それが大きな利益を生み出すことを否定する人はだれもいません。「戦争は再びよい商売になった」と,ウォール街の一分析家は語りました。ニューヨーク・タイムズ紙は,高度の技術を駆使した近代兵器に言及し,「科学技術の奇跡である以上に,電子兵器戦争は金になる商売である」とつけ加えています。

      「兵器の売買は……景気づいており,ソ連がアメリカに代わって主要兵器の輸出国の筆頭に立っている」ことを英国の雑誌ニュー・サイエンティストは確証し,こうつけ加えています。「また,フォークランドがショーウインドーになって,今後一,二年のうちに英国の兵器輸出は急増するに違いない」。

      事実,近代兵器を製造する会社の首脳にとって,フォークランドおよびレバノンの紛争は天の恵みのように思えたに違いありません。ガーディアン紙は,「自社の製品の最高度の公開実演となった[フォークランドでの]戦争の後に,欧米の会社は,胸を躍らせるような新しい見込みを読み取っている」と評しています。

      これはまた,自分たちの資金の安全な投資先を求めていた人々の目にも明らかだったに違いありません。軍需産業への新しい投資家たちは,いわば「降ってわいたように出てきて」います。一国防評論家の次のような言葉が,ニューヨーク・タイムズ紙に引用されました。「これらの武力紛争[フォークランドおよびレバノン紛争]以来,株の出来がよかった。これは明らかに大勢の投資家の注意を引いたのである」。

      1970年代に東南アジアで戦争が猛威を振るっていたころ,プロテスタントの諸教会 ― 中にはその戦争に反対し,米国の軍備の増強に抗議しているものもあった ― は,もうけの多い軍需市場から甘い汁を吸う者たちの中に数えられていました。この問題を扱った小冊子の中で,全米教会協議会は次のように述べていました。「ここに明らかにされた投資は,軍需産業および軍備調達の“大企業”に対するものである。教会の投資額はほぼ2億300万㌦(約487億円)に達する。……こうした投資は教会にとって大きな商売であり,教会の持ち株の最も重要な部分,とまではゆかなくても,重要な部分を占めている」。

      軍需会社の首脳陣が特別な喜びをもって満足気なしぐさをする理由は,その取り引きの大半が民間の顧客ではなく,軍部を相手に行なわれることにあります。それゆえに,その利点は数多くあります。ほとんどの大国は,国防に幾千億円もの予算を既に割り当てているので,製造業者の金庫にお金が入って来ることは保証されています。これらの軍需物資は軍隊の規格を満たさなければならないので,民間の顧客へ売られるものより価格が4ないし5倍高くなります。軍部は概して,外国の会社よりも国内で造られた製品を購入するので,外国との競争という脅威が少なくなります。特にアメリカの会社は,軍部との契約を得るにあたって,日本との競争が存在しないという類例を見ない立場にあります。軍需は確かにもうけの大きい商売なのです。

      戦争にまつわるこの大きな商取り引きのただ中に臆面もなく立っているのは,戸別訪問をする行商人のように破壊的な製品を売り歩く兵器のセールスマンです。そうしたセールスマンの一人は,「兵器の製造が自動車の製造に比べて際立っているところは,兵器が常に時代遅れになったり消耗されたりするので,拡大の余地が無限に広がっていることである」と述べています。

      最新のスタイルの兵器を見に売り手や買い手が集まって来る軍需ショーが,世界のいたる所でファッション・ショーのように行なわれています。製造業者たちは第三世代の兵器と呼ばれる高度の科学技術プロジェクトを開発しています。それには研究開発のための軍備費を増やすことが関係しています。アメリカ科学者連盟のクリストファー・ペインは,これを「兵器の製造業者が自分たちの商売を続けていくために行なっている危険な策略」と呼んでいます。

      兵器の売買にかかわる道徳上の問題は変わっていません。フォークランド戦争に先立つ3年間に,英国は2億㌦(約480億円)を上回る額に相当する軍艦や電子兵器をアルゼンチンに売りましたが,戦争がぼっ発すると,その大半は逆に英兵に向けて使われました。国家も大企業も,こうしたことが起きる危険をあえて冒しています。国際的な兵器の販売を非難する声が上がっています。それでも,売り込みは続き,その売り込みは国の政府により助長されることが珍しくありません。その一方で,世界は生活していくのにいよいよ危険な所となっているのです。

      [8ページの拡大文]

      英国は幾億ドルにも相当する兵器をアルゼンチンに売ったが,それは結局フォークランド諸島で逆に英兵に向けて使われた

      [7ページの図版]

      兵器を売ることが道徳的かどうかについての疑いは,転がり込む利益にほどなくして打ち負かされてしまう

  • 大企業とあなた
    目ざめよ! 1984 | 4月22日
    • 大企業とあなた

      企業活動は人間の行なうことであり,人間は往々にして重大な誤りを犯すものです。ですから,大企業も重大な道徳的誤りを犯すことがよくあります。大企業には莫大な額の資金がついてまわるので,貪欲で権力に飢える者たちにとって必然的に魅力的なものとなります。そして,大企業はこの世の肝要な部分であるので,当然のことながらこの世の神の考え方を反映しています。「全世界が邪悪な者の配下にある」ことを忘れてはなりません。―ヨハネ第一 5:19。

      そうではあっても,誤りを犯す人々は責任を免れ得ません。途方もない経済力を悪用して一般の人々を欺く者たちは,「立場の低い者からだまし取っている者はその造り主をそしったのである」という警告を覚えておかねばなりません。(箴言 14:31)その者たちの行動の結果が遠い国でしか現われず,当人たちがその結果を決して目にすることはないとしても,「自分自身に多くの物を与えようとして,立場の低い者からだまし取っている者(は)……必ず窮乏に陥る」という聖書の原則はやはり当てはまります。(箴言 22:16)そのように人を犠牲にしてもたらされる富は,神の最終的な裁きから犯罪的な行為をする者たちを守るものとはなりません。

      これは特に,兵器を製造し,販売する人々に当てはまります。なるほど,そうした人々は実際に引き金を引いたり爆弾を投げたりして罪のない人の命を奪うことはありません。しかし,兵器を供給することによって,その罪にあずかっています。実のところ,近代の戦争の多くは大企業の協力なくしては行なえなかったことでしょう。企業が協力してきたからこそ,全地は古代イスラエルの地のように,「流血で汚され」ているのです。(詩編 106:38)その当時にも起きたことですが,エホバは罪科のある者たちをやがて裁かれます。「あなたは偽りを語る者たちを滅ぼされます。血を流し,欺く者をエホバは憎み嫌われます」と述べられています。―詩編 5:6。

      では,個々の人にはどんなことができるでしょうか。企業とはいかなる関係も持たないようにすべきでしょうか。必ずしもそうではありません。商取り引きそのものは聖書の中で非とされてはいません。(箴言 31:18。マタイ 25:14-27)とはいえ,商取り引きをどのように行なうかは重要なことです。「不当な利得を得る者は自分の家をのけ者にならせて(いる)」と,聖書の箴言は警告しています。そして,富を得ることを人生の主要な目標にしている人を待ち受ける道徳上の危険は,

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