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南西アフリカの別名,ナミビア ― 変化に富んだ楽しい土地目ざめよ! 1970 | 2月22日
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て幾世紀も経るあいだに石化したものと思われます。これまで発見された最大の木は,幹の全長が30メートル以上で,その周囲は推定3メートルから6メートルあります。
北西部のエトシャ鳥獣公園は6万7,000平方キロあまりの土地を自然のまま公園にしたもので,スイスの約2倍の広さです。ここは鳥獣類の世界最大の特別保留地であり,ゾウ,ライオン,キリンのほか,シマウマ,トビカモシカ,ウシカモシカなどが何千頭もいます。この公園には世界で最も珍しい宿泊施設の一つがあります。ナムトニと呼ばれ,かつてドイツのとりででしたが,今はさしずめ戦争映画のロケ地といったところです。
南西アフリカのもう一つの特色ですばらしいのは,フィッシュ・リバーけい谷です。長さは64キロで谷底の流れまで760メートルあり,アメリカのグランド・キャニオンに次ぐ規模を誇っています。それから重さがざっと60トンばかりのいん石もあります。これは世界で発見されたいん石のうち最大のものです。
さらに,この土地はいろいろな鉱物を豊かに産出します。最も重要な産物は銅とダイヤモンドで,この二つの鉱物を得るために世界最大のブルドーザー数台が砂丘を掘り起こしています。銅とダイヤモンドは南西アフリカの最も重要な輸出品です。ダイヤモンドに次いでカラクル工業が重要です。今世紀初頭,ドイツ人によって紹介された耐久力のあるカラクル羊は,カラハリ砂漠の乾燥した条件下でまるまると育っています。この羊の美しい毛皮がヨーロッパ市場に出回るのです。
ナミビアの将来
確かにナミビアは自然の豊かな恩恵を受けています。変化に富んだ楽しいこの土地の風景,人と習慣などは旅行者の興味をそそります。太陽の照りつけるこの土地は,国際政治の焦点の一つともなっており,ナミビアこと南西アフリカの近年の政治情勢は,二つの世界大戦に続く諸事情をその発端としているのです。
それにもかかわらず,住民たちは平常どおりの生活を営み,また病院,学校,ダムが新設されたり,原住民の住宅および教育対策が立案されるなど進歩のあとが見られます。とはいえ,他のすべての開発途上の国と同様,ナミビアもさまざまな問題をかかえ,その多くはいまだに着手されていません。
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コウモリを欺くガ目ざめよ! 1970 | 2月22日
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コウモリを欺くガ
* コウモリはガが好物で,高周波探知装置を用いてガをとらえる。ところが,ガにも非常に凝った警戒装置があり,それによって難をのがれることができる。コウモリは超音波の鋭い鳴き声を発し,そのはね返ってくる音で,ガの位置を知り,また,ガが捕獲できる範囲にいるかどうかを知る。この探知装置は約3メートルの範囲まで有効だが,それ以上になると,はね返ってくる音が非常に弱くなるので用をなさない。他方,ガは20メートル離れていてもコウモリの鳴き声を聞き取れる。それでガはコウモリの鳴き声を聞くと,直ちに飛び去り,コウモリからのがれる。しかし,コウモリから3メートル以内にいる場合には,ガは緊急処置を講じなければならない。地面めがけて急降下したり,羽をたたんで落下したり,降下する力を利用して,つまりきりもみ状に降下したりすることもある。コウモリにとって味の悪いガも何種類かある。それら味のまずいガは強い舌打ち音をたてて飛び,その「音」を聞くと,コウモリはただちに追跡をやめる。ところが,味の良いえさとなるガも超音波のそうした「舌打ち音」を発してコウモリを欺き,身を守る。こうして裏をかかれたコウモリは追跡をやめるのである。しかし,最も味の良いガが最も強い舌打ち音を出すガの中にいることをコウモリは知らないのである。
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