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圧制は終わるものみの塔 1981 | 12月1日
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を打ち砕きましたが,ユダは実際には益を受けませんでした。アハズは,強力で過酷なその同盟国の意のままにされるようになりました。聖書はこのように伝えています。「アッシリアの王のテグラテピルネセルが彼を攻めに来て,彼を悩ませた。彼を強めはしなかった。アハズはエホバの家と王および君たちの家の物を取り去り,こうしてアッシリアの王に贈り物をしたが,それは彼にとって何の助けにもならなかった」。―列王下 16:5-9。歴代下 28:20,21,新。
他の国々もある程度の独立を保とうとして同様にアッシリアとの同盟に引きずり込まれました。しかしその同盟の結果として国々はアッシリアの圧制に直面し,自由を失ったに過ぎませんでした。その同盟は多くの援助と保護を約束したものの,最後には苦しみをもたらすものになったので,ニネベは『諸国民をわなに掛けた』売春婦と言われています。(ナホム 3:4,新)彼女が差し伸べる友情は魅力的でした。しかし,それを受け入れた国こそ災いでした!
アハズの息子で王位を継いだヒゼキヤは,アッシリアのくびきを払いのけようとしたので,セナケリブ王はユダ王国に侵入し,防備を施した都市を次々に攻め取りました。エルサレムが壊滅を免れたのは,ひとえにエホバの介入によりました。エホバのみ使いがアッシリアの軍勢18万5,000人を打ち倒したので,セナケリブは,エルサレム包囲の計画を断念することを余儀なくされました。―列王下 18:13; 19:32-36。
予告されたニネベの最期
アッシリアのユダ侵入は農事に支障をきたし,エルサレムの神殿で行なわれる年ごとの祭りに上ることもそのために妨げられていました。ですからニネベが陥落すればどんなにほっとすることでしょう! それを期待しながら,預言者ナホムは霊感を受けてこのように述べます。「見よ,山々の上に,良い知らせを伝える者,平和をふれる者の足が。ユダよ,あなたの祭りを執り行なえ。あなたの誓約を果たせ。無価値な者が再びあなたの中を通ることはないからである。その人は必ず断たれることになる」― ナホム 1:15,新。
ニネベはその災いの日にどんなことを予期すべきだったでしょうか。預言者ナホムは,同市が包囲された様子を描写します。アッシリアの王は,その配下の「威光ある者たち」,力ある軍人に保護を求めますが,それもむだなことです。(ナホム 2:5,新)都市を守る者たちは弱い女のようになるでしょう。その預言はニネベに挑みます。「攻囲に備えて自分のために水を汲め。あなたの防備を固めた所を強くせよ。泥の中に入り,粘土の中で踏みにじれ。れんがの型をつかめ」。しかし,都市の防備を強化する努力はすべて役に立たないでしょう。預言は続きます。「そこでも,火があなたを焼き,剣があなたを断ち滅ぼす」― ナホム 3:13-15,新。
ニネベはかつて「水の池」のような存在で,諸国の人々と富がそこに流れ込んでいました。「しかし彼らは逃げて行く。『立ち止まれ! あなた方は立ち止まれ!』 ところが引き返す者はいない」とナホムは言います。(ナホム 2:8,新)こうして,ニネベで利益を得ていた者は四方八方に逃げて行くでしょう。とどまって町を守れ,という呼びかけにも耳を貸しません。蓄えてあったばく大な量の金銀は,略奪する征服者の手中に落ちるでしょう。―ナホム 2:9。
多くの人にとって,「流血の都市」がそのような運命に見舞われるなど,信じられないことに思えたでしょう。それでも,予告されたその事件には,歴史的前例がなかったわけではありません。ナホムは次のように述べてそのことに注意を引いています。「あなたは,ナイル水路のほとりに座していたノアモンに勝るだろうか。水は彼女を囲み,その富は海,その城壁は海でなっていた。エチオピアはその十分の力,エジプトもそうであった。それに限りはなかった。フテとリビア人も,あなたの助け手となった。これもまた流刑とされる者であった。彼女は捕らわれの身となった。その子らもすべての路頭で打ち砕かれるに至った。その栄光を受けた者たちのことで彼らはくじを引き,その大いなる者たちはみな足かせでつながれた」― ナホム 3:8-10,新。
アッシリア人は,ノアモン,すなわちテーベにどんな事が臨んだか,よく知っていました。アシュールバニパル王の指揮下にあったアッシリア軍は,テーベを破壊し尽くしたのです。同市の「城壁」― ナイルとその多くの運河を含む防御施設 ― は役に立ちませんでした。エチオピア人,リビア人,フテ人の軍事的支援さえも,テーベを救うことはできなかったのです。
同様に,ニネベを救い得るものも何もありません。戦争や同盟によってあまりにもあくどいことをしてきたので,ニネベが陥落すれば歓呼の声が上がるでしょう。ナホムはこう書いています。「あなたのうわさを聞く者はみな,あなたに向かって必ず手をたたく。あなたの悪が常に身に及ばなかった者は一人もいないからである」― ナホム 3:19,新。
ナホムの預言は成就して,ニネベは西暦前632年に,バビロニアの王ナボポラッサルとメディア人キャクサレスの率いる連合軍の手に落ちました。バビロニア年代記には,「彼らは都市と神殿から大量の分捕り物を持ち去り,町を荒れ塚に変えてしまった」と記されています。
古代ニネベの遺跡は,今日でも廃墟のまま残っており,真の預言を行なわれる神エホバの正しさを立証しています。圧制を事としたニネベが滅び去ったように,圧制者はすべて,足早に近づく「全能者なる神の大いなる日の戦争」で滅び去るでしょう。(啓示 16:14)それはどんなにすばらしい解放をもたらすことでしょう! その時わたしたちは,最高主権者のもとに避難所を求める人々の中にいたいものです。
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読者からの質問ものみの塔 1981 | 12月1日
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読者からの質問
● 十人の処女の例え(マタイ 25:1-13)の中で,「さあ花婿だ! 迎えに出なさい」と叫んだのはだれですか。
イエスはそれについて述べておられません。イエスが例えに用いられたようなヘブライ人の結婚式では,男子の付添人たち,または友人たちが花婿に付き添っていたのでしょう。(ヨハネ 3:29)その人たちは,花婿の一行を待っている人の注意を呼び覚ますことができました。しかし,イエスはその付添人たちのことを述べる必要はなかったのです。したがってそのひゆ的な仕方での適用もありません。要は,処女たちの注意を呼び覚まし,行動を起こさせた呼び声があったということです。
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