世界展望

1971年の大会が進行中

◆ エホバの証人の主催する，1971年の「神のお名前」地域大会の最初の三つが去る6月30日に開幕した。開会初日，基調をなす話の講演者は，「キリスト教世界の僧職者が」「凶悪な戦争で自分たちが犯した流血行為すべてと聖書の神とを」結びつけることに努めて，「神のお名前を天高く悪臭を放つものにしてしまった」と言明した。しかし講演者は，神をはずかしめるキリスト教世界の諸活動に携わろうとしない人々は増加しており，前述のことはそれらの人たちにはあてはまらないと語った。それどころか，彼らは自分たちの言動によってエホバに栄光を帰し，エホバの証人になるという責任を喜んで引き受けている。神がご自分のお名前から恥辱を完全にぬぐい去られるという事柄は大会の5日目すなわち最終日の，「諸国民すべてが神と正面衝突する時」と題する公開講演で論じられた。出席者はニューヨーク市5万2,243名，シンシナチ3万6,335名，ジャージーシチー1万6,102名であった。これら三つの大会でバプテスマを受け，神への献身を象徴した人は合計1,782名であった。これらの大会は今年の夏に世界各地で開催された一連の大会の最初のものである。

荒廃させられた土地

◆ 最近，アメリカ原子力委員会が述べたところによれば，ネバダの実験場で19年間にわたって核爆発実験が行なわれた結果，3,500平方キロにわたる地域が近い将来，一般の使用に適さなくなってしまうとのことである。

増大する原子力の廃棄物質

◆ 原子力発電所が生み出す危険な放射性廃棄物質は地下のタンクに貯蔵される。しかし貯蔵タンクの中には約20年ないし30年で腐食するとされるものがある一方，貯蔵された廃棄物は幾世紀も危険性を保ちうるのである。アメリカではすでにそうした貯蔵タンクが，破損その他の事故を起こして，何百リットルものそうした廃棄物質を地上に放出した。米国原子力委員会のアーサー･タンプリンはこう語った。「われわれは現在，廃棄物質をどう処理してよいのか実際には何も知らないばかりか，そうした処理方式を考え出してもいない。しかも，生み出されている廃棄物質は増大の一途をたどりはじめているのである」。

汚染されるハマグリ漁場

◆ 現在アメリカで連邦汚染制御法が適用されているのは米東海岸沿い5キロ以内の海域である。しかし，大都市の大量の汚物が荷船で制限海域の外に運ばれ，比較的浅い海域に捨てられている。ニュージャージー州沖19キロの一海域では，そうした汚物による汚染がはなはだしいため，州当局は同海域の沖合19キロの一帯でのハマグリ漁を禁じた。

地球のまわりを回る廃物

◆ 人間の作った物体約2,000個が地球のまわりを回っている。それは主としてアメリカとソ連が打ち上げた人工衛星またはその一部の物体である。1965年にアメリカが打ち上げたあるミサイルは爆発して426の破片になり，そのうち130個が大気圏内に再突入した。1970年にアメリカのオクラホマに落ちた，ソ連のコスモス衛星の一破片は重さが108キロもあった。

人を裏切る医療

◆ 去る2月のニューヨーク･タイムズ紙の社説は次のように述べた。「患者を助けるはずの血に，患者に病気を移したり殺したりさえしかねない血清肝炎のビールスが含まれている場合，輸血は人を裏切る医療となる。麻薬中毒のまん延に伴い，そうした脅威が最近いっそう増大した。なぜなら，麻薬中毒者のグループは殺菌していない注射針を使用するので特に肝炎に冒されやすいからである。…貧しい供血者 ― そのうちの多くがおおむね麻薬者とされている ― から血を買う営利目的の血液銀行は，それとは知らない患者に，人を裏切るこの医療を施す主要な経路なのである」。

ペニシリンの危険性

◆ 多年，「驚異の薬」としてもてはやされたペニシリンは，今では殺し屋としても知られている。アメリカで年間約600人がペニシリンに対するアレルギー反応のために死亡していると推定されている。アメリカ･アレルギー･アカデミーの研究者たちは，アレルギー体質の人を事前に確認する検査方法を発見したと信じている。

喫煙は人を殺す

◆ 英国ロンドン王立医科大学の総長ローゼンハイム卿は，「喫煙者が中年で死亡する可能性は喫煙しない人の場合の2倍も大きいということは歴然とした真実である」と率直に語った。

アメリカで伸びているタバコの生産

◆ アメリカで1970年に生産されたタバコの数は1969年を174億本上回った。したがって，同年の総生産量は5,750億本であった。

人類を互いに疎外させる科学技術

◆ 科学技術の進歩と金もうけを重視する現代社会は人々を互いに疎外させている，とカナダの社会科学教授，W･ヘッド博士は語った。人々は裕福であるにもかかわらず幸福ではないと述べた同博士は，「われわれは進むべき方向も指導原理も見失い，どこに向かっているのかわからない」と付け加えた。

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去る7月4日，N.H.ノアによる公開講演を聞くためニューヨーク市のヤンキー･スタジアムを埋めた52,243人の群衆

神はご自分の仕方で事を運ばれる

ある有名な牧師は言いました。「今世紀は人間が戦争を廃止し，経済上の公正を確立し，人種間の兄弟関係を実現した世紀と呼ばれるであろう」。しかし神のことばはこう述べます。『エホバの事跡をみよ エホバはおほくの懼るべきことを地になしたまへり エホバは地のはてまでも戦闘をやめしめたまふ』。（詩 46:8，9）あなたはどちらを信じますか。世のできごとの進展の真相に目ざめつづけてください。

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