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宇宙時代における実際的な知恵ものみの塔 1960 | 2月1日
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19 (イ)世界支配権の保持および行使に関する正確な知識は,どのように私たちに明らかにされましたか。(ロ)この問題は,なぜこの世の政治集会または,「宇宙時代」の国家によつて決定されませんか。
19 世界の支配権を握りそれを行使すべく,最高全能の神によつて,任命された方が誰であるかを知るのは,何というすばらしい胸のおどることでしよう! この点に関して私たちは正確な知識をもつています。これは,この世の外交上の径路を通してでもなく,この世の諸政府の首脳や外務大臣の集会を通してでもなく,実に神の霊の啓発的な力のもとに神の御言葉を通して私たちに啓示されたのです。わたしたちの主イエス・キリストこそ,栄光のみ父が,天において地において,また地に住むことをゆるされるすべてのものを支配さすべく,昔から約束されていた新しい世の御国に即位させた方です。首脳会談がこれを決定することも,国連の総会がこれを決定することもないでしよう。また,ミサイルを最も多く貯蔵しているとか,空間征服において最も長足の進歩をとげた国または軍事ブロックがこれを決定することもないでしよう。それはずつと昔に,1900年前にすでに決定されたのです。そして,西暦1914年以降,神の聖なる奥義を成就するところの油そそがれた王をいただく,しばしば預言されてきた御国は,人間の宇宙ロケットや人工衛星のおよそ到達できない遠い天で力と支配権を行使しています。
20 どんな政治家たちの集会も妨害することのできない神の聖なる奥義のもう一つの点は何ですか。
20 神の奥義はもう一つの点を含んでいます。つまりそれは,このクリスチャン時代中に,人間の中から14万4000人の忠実な追随者の会衆が,天において王なるイエス・キリストと共になるために神より選ばれたことです。この地球の支配権を,どのように自分たちの間で分割するかを決定するための力ある政治家たちのどんな会談も,これをさまたげることはできません。
21,22 (イ)1914年にダニエルのどの預言が成就しましたか。(ロ)世界の支配権に関するそのまぼろしのどの部分が間もなく成就するでしようか。
21 聖書の預言から集められたあらゆる証明と,その預言を成就する地上の出来事は,世界の転換期1914年に,預言者ダニエルが見た次の幻が成就したことを意味しています,「わたしはまた夜の幻のうちに見ていると,見よ,人の子のような者が,天の雲に乗つてきて,日の老いたる者のもとに来ると,その前に導かれた。彼は主権と光栄と国とを賜い,諸民,諸族,諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であつて,なくなることがなく,その国は滅びることがない」。
22 そして,イエス・キリストの聖徒である追随者の会衆に関する幻の後の部分,すなわち「ついに日の老いたる者がきて,いと高き者の聖徒のために審判をおこなつた。そしてその時がきて,この聖徒たちは国を受けた」も,間もなく成就するでしよう。神のみ使いは,この事をダニエルに説明して言いました,「国と主権と全天下の国々の権威とは,いと高き者の聖徒たる民に与えられる。彼らの国は永遠の国であつて,諸国の者はみな彼らに仕え,かつ従う」。―ダニエル 7:13,14,22,27,新口。
23 神の決定と取りきめに反して戦う際,諸国民はなぜ非実際的な知恵をもつて行動しているでしようか。
23 ミサイルを装備し,宇宙を調査している国々は,世界支配というこの問題をめぐつて熱いまたは冷い戦争をすればするがいいでしよう。この問題に関するヱホバ神の決定と行動を認識しさえすれば,彼らは戦争などする必要は全くないのです。彼らは,この問題に関する神の決定と取りきめを無視し,それに反して戦う際に,長年月にわたつて蓄積された軍事上の知恵をかたむけて行動するかも知れません。しかしながら彼らは非実際的な知恵をもつて行動するでしよう。彼らの戦争は誤算も甚しい戦争となるでしよう。なぜなら彼らは,小羊イエス・キリストの真の追随者である地上のヱホバの証者の,一見よわよわしい無防御の様子からヱホバ神を判断しそこなうからです。そういうわけで,実際的な知恵を欠いた諸国民,獣以上の悟りを示さない諸国民に関してこういうことが書かれています,「彼らは小羊に戦いをいどんでくるが,小羊は,主の主,王の王であるから,彼らにうち勝つ。また,小羊と共にいる召された,選ばれた,忠実な者たちも,勝利を得る」。―黙示 17:12-14,新口。
賢明な先見を持つ
24,25 (イ)宇宙戦争において勝つ方の側につくことを望む人々はどんな態度をとりますか。(ロ)私たちは小羊のどんな助言に従いますか。
24 世界支配のための宇宙戦争に勝利を得る方の側につきたいと思う人々は,神の聖なる奥義に無知な諸国民には従いません。神と小羊イエス・キリストを誤算した戦争に巻き込まれることなど望みません。それら生命と幸福を愛する人々は,「聖なる奥義の中にある神の知恵」すなわちその「かくれた知恵」に一致して,小羊イエス・キリストの助言に従います。その助言とは,著しい大群衆がイエスについてきた時に与えられたものです。問題は,彼らすべてが,最後までイエスに従うか,そのために何が要求されるかを熟知しているか,ということでした。これについては次のように書かれています。
25 「さて大ぜいの群衆がついてきたので,イエスは彼らの方に向つて言われた,『だれにせよわたしのもとにきて,その父母,妻子,兄弟,姉妹,それどころか自分の魂まで憎まなければ,わたしの弟子になることはできない。だれでも自分の刑柱を負つて私に従わない者は私の弟子にはなれない。たとえば,あなた方の中の誰かが塔を建てたいと思うなら,それを仕上げるのに足りるだけのお金を持つているかどうかを見るために,まず坐つてその費用を計算しないだろうか。そうしないと,土台をすえただけで,それを仕上げるだけの資金がなく,それを見る人はみな『この人は建てかけたが仕上げるだけの資金がなかつた』といつてあざ笑うようになるであろう。また,どの王でも,他の王と戦いを交えに行くとき,まず座して自分の一万の軍勢がはたして敵の二万の軍勢に対抗し得るかどうかを考えて見ないであろうか。もし対抗することができないらなば,敵がまだ遠くにいるあいだ使者たちを送つて和を求めるであろう。それであなた方も自分の財産をことごとくふり捨てないならば,私の弟子になることはできない。塩は確かによいものである。しかしその塩でさえその効力を失えば,何にまぜることができようか。土にも肥料にも役立たない。人々はそれを外に投げ捨ててしまう。聞く耳のある者はきくがよい」。―ルカ 14:25-35,新世。
26 見張り塔を建てたり,優勢な敵と戦争をすることに関し,何をすることが実際的な知恵でしようか。
26 塔の建設を可能にする物資を確保または保護するには,塔が必要な高さまで建てられるだけの資金がなければなりません。人の嘲笑やからかいを受けないようにするには,実際的な知恵を働かせて,建てはじめる前にまず,その目的の塔の完成に十分なだけの金があるかどうかを計算し,愚かにも時間,資材,精力,金を浪費しないようにしなければなりません。戦争の場合においても悲惨な敗けいくさをしたり,軍隊と自分が,もろともに潰滅するうき目を避けるには,王は良識を示して,よく考えなければなりません。2倍の軍隊と,恐らくよりすぐれた装備をもつて向かつて来る王に対抗して勝目があるか。それとも和を求めて戦わない方が安全か。もし後者の方が得策ならば,和を求める事は弱い方の王にとつて実際的な知恵と言えるでしよう。
27 1959年のベルリン危機対策に際し,この世はどんな知恵を示しましたか。しかし迫りつつある宇宙戦争に関しては実際的知恵をもつて行動していない状態について述べなさい。
27 この宇宙時代においても同じことです。1959年,ベルリンに危機がのぞんだ時も,紛争当事者双方に,ひどい破壊的結果をもたらす核戦争を敢行するよりは,話し合いの方が得策であると人々は考えました。しかし,近づきつつある全能の神と,この悪い組織制度との宇宙戦争はどうでしようか。このもつと大きな戦争においては,諸国民は話し合いの必要を認めていません。ハルマゲドンが奇襲をかけるようにやつて来る前の今,使いを送つて全能の神に和を請う必要を認めていません。でも,全能の神に敵対する彼らに勝ち目はさらにないのです。ハルマゲドンで交戦するまで,証者を通じてのヱホバの警告を無視しつづけるということは,この世のすべての国家にとつて滅亡を意味します。そのように彼らは実際的な知恵を示していません。
28 黙示の霊は,地の王たちが集められつつあることを,どこで私たちに示していますか。
28 すべての知恵と良識において神の過分の御親切をゆたかに与えられている私たちは,世界の支配者と同じように行動することはできません。私たちは,「知恵と黙示との霊」によつて与えられた神に関する「正確な知識」により,「心の目を明らかに」して行動しなければなりません。私たちは,預言的黙示が,印象的な話し手たちの口から出る「悪鬼に霊感された表現」について述べた事がらを,明らかにされた目をもつて見ます。「これらは……全世界の王たちのところに行き,彼らを召集したが,それは,全能なる神の大いなる日に戦いをするためであつた。……三つの霊は,ヘブル語でハルマゲドンという所に王たちを召集した」。(黙示 16:13,14,16)王たちが,全能の神と王の中の王によつてもたらされる破滅へと集められているのを私たちは,はつきりと知つています。私たちヱホバの証者の各人は実際的知恵をもつて行動し,王たちと共に行くことを拒絶しました。
29 私たちはそれらの王たちとは異なりどのように行動してきましたか。そして,愛する肉親に対する憎しみをどのように示しましたか。
29 私たちは,神の小羊イエス・キリストを通して神に和を求めました。私たちはイエスの血を通して罪の宣告から解き放たれ,神に対して犯した罪過のゆるしを受けます。私たちは事業をすつかり完成させるに必要な費用を計算して合計を出しました。そしてそれに必要な個人的費用を自分でまかなうことにきめ,また神のたすけによつてその費用を支出できることを確信したので,私たちはすべての利己的な所有物を捨て,いま統治しておられ御子イエス・キリストの弟子となるために,神に献身しました。このことは,自分の親戚,父,母,妻,子供,兄弟,姉妹を憎むこと,あるいは少なく愛することを意味しました。私たちは,いまもつているこの地的生命さえ惜しみません。
30,31 (イ)私たちはなぜいつも「地の塩」でなければなりませんか。(ロ)弟子になつた後,しりぞくことは,なぜ非実際的な知恵ですか。
30 私たちは,かなりの間,弟子としてキリストに従つてきました。ですからいまあえてその決意を弱めるようなことはしません。また効力を失つて役に立たなくなつた塩のようになろうとも思いません。そういう塩のようになるということは,役に立たない者,この世の嘲笑のまと,神にふさわしくない者,それどころか神に非難をもたらす者となることです。そうなれば,効力を失つて不潔になつた塩と同様,外に捨てられて踏みつけられるだけの価値しか残りません。それは破滅を意味します。
31 私たちはいつまでも「地の塩」でなければなりません。(マタイ 5:13)まず最初に,弟子となるための費用をすわつて計算してみることは実際的な知恵です。であれば,弟子となつた後に,支出をこばみ,最後まで弟子としての立場を保たないことは,非実際的な知恵です。この世的な知恵は,手を引くのが最善のように思わせるかも知れません。しかしそのような知恵は実際的ではありません。また良識でもありません。というのは,それは自己本位に見てしばらくの間有利かも知れませんが,最後には恥辱と破滅をもたらすことを示しているからです。実際的な知恵は,すべての費用がまかなわれて,弟子に与えられる輝かしいむくいが自分のものとなるまで,ためらうことなく費用の支出を継続します,私たちは,神の小羊が行くところなら,どこえでもついて行かねばなりません!―黙示 14:4。
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光の子として実際的な知恵を表明するものみの塔 1960 | 2月1日
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光の子として実際的な知恵を表明する
1 羊のような人々のために,私たちは何を示す責任がありますか。これは私たちがこの宇宙時代においてどんな道を歩むことを意味しますか。
忠実な羊飼を必要としている羊のような人々のために,実際的な知恵を表わすことは私たちの責任です。私たちは,ヨブの預言劇の中のシュヒびとビルダデのようであつてはなりません。このビルダデは,病気のヨブの問題を解決するよう助けませんでした。むしろヨブの忠実に疑いを投げかけ,行いを改めるようヨブをうながしました。そこでヨブはビルダデに言いました。「あなたは力のない者をどれほど助けたかしれない。気力のない者をどれほど救つたかしれない。知恵のない者をどれほど教えたかしれない。悟りをどれほど多く示したかしれない!」 この宇宙時代に,そのような非難のこもつた言葉をあびせられなくてもすみますように。もし私たちが,今日苦しんでいる羊のような人々に対して,自分が無用な医師ではなく真の友であり誠実ななぐさめ手であることを証明したいなら,彼らに実際的な知恵の道を知らせなければなりません。(ヨブ 26:1-3; 13:4)この道によつて私たちは,空間ではなく天に,すなわちヱホバ神およびキリストと共に,爆弾にも破壊されない宝が積める天に,彼らの関心を向けさせることができます。
2 現代世界の諸計画の非実際性に関し,ある宇宙計画の監督は,科学者会議の席上で最近何と述べましたか。
2 エイ・アール・ジェイ・グロスク博士は,カリフォルニア工科大学で行われた科学者会議の席上,国際事業機械協会の宇宙計画監督として,現代の世界のたてている計画の非実際性をつき次のように叫んでかつさいをあびました,「われわれのミサイル計画は,死にひんした文明の辞世の歌である。互いを破壊するの
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