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    目ざめよ! 1975 | 3月22日
    • 6億の人口を擁し,しかも今やその人口は毎年1,300万余増えています。インドの一閣僚の推定では,今やインド人のおよそ三分の二が「貧困線以下」の生活をしているとのことです。それは約4億人に相当します! その報告によると,そのような人々の月収は平均6ドル50セント(約1,950円)です。地方の失業者の数は,300万人から現在の1,800万人へと20年間で6倍にも増えました。それに,輸入しなければならない石油や肥料などの価格の劇的な上昇や不作のため,インドの事情は悪化の一途をたどっています。

      文盲,つまり読み書きのできない人の数は増大しています。アフリカ諸国の人々全体の四分の三は文盲ですし,アジアの人々の半数,またラテン・アメリカ人全体の約四分の一も文盲です。

      ある国々では貧困状態があまりにもひどく,絶望的とさえ思えるようになったため,「『貧困』ということばに新たな適用範囲を付与するに至った」と「アトランティック」誌は評し,アジアのある国について次のように述べています。

      「この国は,苦闘する第三世界諸国の一つに数えるにはあまりにもひど過ぎるとさえ言えるかもしれない。この国は,外国からの大量の援助にすがってやっと生き延びてきた困窮した新興諸国で構成され,出現し始めた第四世界に加わろうとしている。……

      「そうした国々は,国際的な施し物がなければ石のように沈んでしまうであろう。……そのような国々を必要としたり望んだりする国は一つもない」。

      広がる隔たり

      多くの権威者を恐れさせているのは,貧しい国々のほとんどが豊かな国々よりいっそう遅れを取っていることです。ヨーロッパや北アメリカの人々の収入は,貧しい国の人々のそれをはるかに上回っており,その隔たりは狭まるどころか広がっています。

      例えば,国連の統計によれば,最近の8年間に普通のアメリカ人の所得はアフリカの普通の人の25倍,アジアの場合の16倍,ラテン・アメリカの場合の9倍も増加しました。

      食糧生産についても同じことが真実です。最近の6年間に西欧では一人あたりの平均食糧生産が9%増加しましたが,その同じ期間にアフリカでは5%減少し,ラテン・アメリカや近東では全然増加しませんでした。しかも,これらの数字は,つい最近アジアの一部やアフリカで悲惨な食糧不足が生ずる以前に発表されたものです。

      そうかと言って,貧しい国の人々が富裕な国々の持つ物質上のものをいつの日か自分たちも持てると考えるのもやはり現実的ではありません。アメリカが生産している製品をすべての国が生産するとすれば,世界の原材料の生産を途方もないほど増大させなければなりません。例えば,鉄や亜鉛の生産は現在のそれより75倍も増やさなければなりませんし,鉛は200倍,すずは250倍も生産しなければなりません。今でさえ地球の資源が,工業社会の増大する膨大な需要に耐えるのに精一杯であることを考えれば,貧しい国々を豊かな国々と同じ程度にまで引き上げようと努めるのは,現在のところ可能性の域を超えた問題と言わねばなりません。

      最近,産油諸国は石油価格を4倍に引き上げました。それは明らかに工業諸国に痛烈な一撃を与えるものとなりました。しかし,貧しい国々にとって石油の値上げは破局をもたらすものとなりました。それらの貧しい国々は石油の値上げ前でさえ,借金をせずにはやってゆけませんでした。西ドイツの首相ヘルムット・シュミットが次のように述べたのはそのためです。「発展途上国は岸に乗り上げた船のように見捨てられてしまう危険に瀕している。石油価格の値上げは,発展途上国の存在そのものを脅かしている」。

      最近の著書「第二の箱船」の中でその共同著作者ポール・アーリッヒとデニス・ピラージは,貧しい国々のこうした不吉な前途に注目し,次のように指摘しています。

      「[貧しい国々]がいだいてきた,自分たちもいつの日か工業諸国に追い付けるという信念は,明らかに“持てる国”が“持たざる国”を抑えておくために言い広めた神話にほかならないことが明らかになった。

      「種々の資料は,貧しい国々と豊かな国々の隔たりが狭まるどころか広がっていることを示している」。

      態度は変化している

      そのような隔たりが広がっているため,豊かな国々にも重大な結果が生じています。それは,豊かな国々が“第三世界”の国々の原材料に,ますます依存するようになったためです。しかし,“第三世界”の諸国は,自国の資源がどのように使われ,またその代価がどのように支払われるかに関して態度を変化させてきました。

      その一例は,石油を産出する開発途上国が取った処置で,それは工業諸国すべてを震撼させました。幾十年もの間,貧しい産油諸国は比較的安い価格で石油を売らねばなりませんでした。ところが最近になって,それらの国は一致結束して石油の価格を4倍に引き上げることに同意しました。イランの国王は,それらの国の態度が変化したことを代弁してこう述べました。「安価な石油の時代は終わった。それとともに,搾取の時代も終わったと言わねばならない」。

      石油の価格に生じたことについて評した後,西ドイツのシュミット首相はこう述べました。「石油の価格をめぐるこの苦闘に続いて,他の重要な原材料の価格をめぐる同様の苦闘が,明日にでも始まるかもしれない」。この見解を強めるものとして,アルミニウムの原鉱ボーキサイトに富むジャマイカの首相は次のように言明しました。

      「開発途上諸国はもはや従来の価格基準に従って先進諸国に原材料を供給してゆくことはできない。インフレの世界にあって,原材料の価格を製品のそれと関連させたものとするのは重要なことである」。

      貧しい国々は豊かな国々に対する,まぎれもない挑戦状を書きました。貧しい国々は,工業諸国が二世紀余にわたって立ててきた仮説をもはや黙認しません。それは,貧しい国々から安い原材料をいつでも入手できるという仮説です。事態はもはやそうではなくなりました。

      しかし,貧しい国々の大半は豊富な原材料に恵まれていないというジレンマに陥っています。その大半は,豊富な鉱物や石油資源を持ってはいないのです。それらの国はおおかた農業国ですから,不作の年には他国へ輸出できる頼みの綱となるものは何もありません。それで,不作の年には自国のために必要な食糧その他のものを買う資金の持ち合わせがなくなります。これこそ現在,アフリカ,アジア,ラテン・アメリカの諸国で起きている事態なのです。

      このようなわけで,ある貧しい国の怒れる詩人は次のように書きました。「どのようにして熱い太陽に耐えるのか。身を焼かれることによってである。どのようにして雨から身を守るのか。ずぶ濡れになることによってである。どのようにして飢えを追い払うのか。飢えに悩むことによってである。どのようにして病をいやすのか。死によってである」。

      今日の地上の事物の体制がうまくいっていないことは何と明白なのでしょう! 人類は,すべての国の人々に益をもたらし得る新しい体制を痛切に必要としています。そのような益をもたらすことができ,またもたらすのは,来たるべき神の新秩序だけです。

  • 翻訳の価値
    目ざめよ! 1975 | 3月22日
    • 翻訳の価値

      ● 翻訳の価値についてカナダの一著述家は次のように述べました。「何々という本の価値を正しく評価するにはそれを原語で読まねばならない,と知識人が言うのを耳にするのは珍しくないが,ラルフ・ウォルドー・エマーソンは次のように書いている。『どんな本であれ,真の見識や広範な人間感情など,著作の中の真に最善の事柄は翻訳可能である』」。この点を証明するものとして,この著述家は最も多くの言語に翻訳された本である聖書に言及し,こう付け加えました。「聖書ほどに大変革をもたらす影響を及ぼした,あるいはそのような世界的な規模の効果を及ぼした本はない……あらゆる人種の人々はそれら翻訳された聖書を通して戦争,不道徳,犯罪,青少年の非行,人種また宗教上の偏見,無神論,絶望感など世界を悩ましている種々の大問題に対する答えを見いだしているのである」。

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