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世界展望目ざめよ! 1984 | 12月8日
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羽のペンギンがのどに硬貨を詰まらせて死んだ。そして3羽目は,胃から硬貨を取り出す手術を受けなければならなかった。「35歳になる1頭のワニは1年間物を食べようとしなかったので,死なせなければならない羽目になった」と,トロントのグローブ・アンド・メール紙の社説は伝えている。「解剖してみると1㌣銅貨が84枚,5㌣白銅貨が4枚,10㌣硬貨が3枚胃の中に見つかった。銅の毒に害されたのではないかと考えられている」。その社説は,「人々の無知には文字通り息をのむ思いをさせられることがある」と結んでいる。
幼児の体を揺さぶってはいけない
● 子供に腹を立てると子供をつかまえて「常識を揺すり込む」傾向のある親は,幼児の体を揺さぶらないように! と言う忠告を与えられている。その種の懲らしめは悲劇的な結果をもたらすおそれがあると,カリフォルニア医師会の会長デービッド・B・ホーナー博士は言っている。「幼児の首の筋肉は非常に弱く,重い頭をコントロールする力は徐々にしか発達しない。体を揺さぶられると頭は急激に前後に動く。……そして脳の損傷や,脳内出血,脳の表面の出血などを起こす可能性があるのは頭のこの激しい動きである。……4歳の子供にさえ影響がある」と,同博士は説明している。「パレード・マガジン」誌が伝えているように,揺さぶられた幼児症候群と呼ばれているものは,「脳の損傷,知恵遅れ,脊椎損傷,目の損傷,そして死」の原因にさえなる。
東西関係
● 国際戦略研究所は1年の世界情勢を概観して,米ソ関係が1962年のキューバ・ミサイル危機以来の最悪の状態にあり,改善の見込みはあまりないと述べている。現状では,「危険な情勢や誤算が両国を直接紛争に引き込むおそれが」増すことを同研究所は示唆している。米国では選挙の年を迎え,モスクワでは指導者が新しくなってこの二つが重なったために改善は見られなかった。
ビーバーが一番
● 春の洪水が,決まったように川岸を浸食し,周辺の地域に水が氾濫する場合に,ダムを造ってこの問題に対処しようとすれば高くつく。10万㌦(約2,400万円)はかかる。そこで,米国ワイオミング州のカーラント・クリークの治水問題に直面したとき,土地管理局(BLM)はこの上ない解決策を思いついた。ビーバーを使うのである。周囲にはビーバーたちが利用できる樹木がなかったので,管理局はヤマナラシの木を運んで来たり,トラックのタイヤを幾つかワイヤーでつないで,流れの中に土台を造ったりして手伝い,残りの仕事はビーバーたちが行なった。それで流れはゆるやかになり,今では春になっても川幅は15㍍ほどしか広がらない。しかもダムの上流に沈殿物が堆積するので,岸辺にまた草やヤナギの木が生えるようになった。3,000㌦(約72万円)以下の費用でこれだけのことができたのである。現在当局者は,他の州でも,川の流域の生態学的バランスを取り戻すためにビーバーを使うことを計画している。
ガンにかかる危険を減らす
● ある種のガンにかかる危険は,食習慣を変えるだけで大幅に減少することが最近の研究によって分かった。一つの調査では,適切な栄養の摂取だけで食道ガンが大幅に減少することが明らかになった。別の調査では,果物や野菜を多く食べるようにすると口腔や咽頭のガンにかかる危険の減少することが明らかになった。「これらの研究でガンにかかる危険を大幅に減少させた食餌の型は,食物や栄養補給用のビタミン類を大量に必要としない」と,米国立ガン研究所のレジナ・ジーグラーは言う。「必要だったのは,特定の普通の食物のグループの摂取を適度に増やすことだけであった」。現在では,他の型のガンにおける食餌を評価する研究が行なわれている。
輸血なしで幼児に手術
● 「輸血なしの心臓切開手術は元々エホバの証人の大人のメンバーのために開発されたが,今では幼児や子供のデリケートな心臓手術に取り入れられていて,安全性が高い」と,医学雑誌「カーディオバスキュラー・ニューズ」は伝えている。開発された諸技術は,様々な心臓欠陥を矯正するために生後3か月から8歳までの小児科患者48人に試みられた。その記事によると,「48人の患者は皆その手術によく耐えた。従来の手術に比較すると,無輸血技術を使った場合は出血も少なく,腎臓や肺にかかる負担も少なかった」。また「統計的に見ると,無輸血手術を受ける患者のほうが腎機能の良いことが分かった」。現在この技術は,小児科患者に対して用いる通常の方法として採用されている。
法王はビデオのスター
● 法王に個人的謁見を申し込むことのできる人はだれでも,その場面をビデオテープに収めてもらうことができる。「パレード・マガジン」誌によると,一定の料金でCTV(バチカン・テレビジョン・センター)の職員が,「その人がローマに到着したところ,バチカンに入る時,絵のように美しいスイス人護衛兵がきびきびした態度でその人に敬礼するところ,そして……ヨハネ・パウロ2世に謁見するところを撮影する」。このほかにも,1983年の法王のルルド訪問のビデオカセット,また法王を狙撃したアリ・アグカという男をローマの刑務所に訪問する法王のビデオカセットを買うことができる。「パレード・マガジン」誌によると,「法王が一般の人々のために水曜日に行なうミサをビデオテープに収め,そのミサに出席した人々に翌朝そのカセットを記念品として売る計画も進められている」。
今は1,785の言語!
● 米国聖書協会(UBS)によると,1983年の終わりまでに聖書は上記のような数の言語で発行された。前年の言語の数を24上回る。1,785という数字の内訳は次のとおり。聖書全巻 ― 283の言語,“新約聖書”― 572の言語,聖書の分冊 ― 930の言語。
ないものねだり
● 米国の教育制度を批判する人たちは,米国の学校の教育水準を高めるべきだと考え,日本のより厳しい制度を称賛してきた。ところが一方,日本の教育者たちは,もっとくつろいだ米国の学校教育に賛成の意向を示している。米国にあるカーネギー教育振興財団の総裁,アーネスト・L・ボーヤー博士はこう述べている。「我々は[日本の]明確な標準と厳しいカリキュラム,組織的な評価と地域社会の緊密な支持に感心している」。ところが一方,「彼らは我々が称賛するその制限から自由になる方法を探している」。ニューヨーク・タイムズ紙の伝えるところによると,日本の教育者たちは子供たちに課すテストの絶え間ない圧力の影響を心配して,きつい条件をゆるめることを提案した。ところが国家的基準のシステムのない米国の教育者たちは,もっと多くのテストを行なうことや,学校の中でもっと厳しくすることを要求する。欲しいのは,両者の間のよく平衡の取れた状態である,とボーヤー博士は述べた。
環境を保護する
● 国際的な科学者および学者たちは,世界資源協会が主催した会議の後,地球の生物学的体系と環境を保護するために共に協力することを諸国家に呼びかける声明を出した。ニューヨーク・タイムズ紙が伝えたとおり,彼らは次の宣言を行なった。「我々が今入ろうとしている時代は,人類が一世代のうちに全地球的規模で環境を変え得る能力を初めて持ったという点で,人間の経験においては新しい時代である」。この声明は,地球の環境を安定させかつ地球の天然資源の維持を確実にするのに必要な目標を概説して,「厭世主義のためにせよ,自己満足のためにせよ,もし我々が無活動のままでいるなら,多くの人が恐れている暗黒を確実にするにすぎないであろう」と警告している。
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教会が問題を抱えているのはなぜですか目ざめよ! 1984 | 12月8日
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教会が問題を抱えているのはなぜですか
教会が神の支持を得ていないのでしょうか。教会は聖書の高い道徳規準からそれてしまったのでしょうか。「聖書はほんとうに神のことばですか」という本に載せられている事実を調べ,一般に誤解されている,教会と聖書との関係について正しい理解を得てください。「キリスト教国の諸教会は聖書を正しく代表していますか」という章をお読みください。この本は1冊わずか400円のご寄付でお求めになれます。
堅表紙が付された192ページの本,「聖書はほんとうに神のことばですか」を郵送料発行者負担で送ってください。400円分の切手を同封します。(他の国における寄付額については,その国のものみの塔協会の事務所にお尋ねください。)
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