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水 ― 人間に対するすばらしい賜物目ざめよ! 1972 | 4月8日
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頁)によると,人間は存在する水を「最小限度」にしか利用していないとのことだ。今日に至るまで,大洋の波の動きから生ずるエネルギーを利用する試みはほとんどなされてこなかった。
その昔水車がある小川のほとりはロマンチックな逢引の場所であったかもしれないが,そこはまた穀物を粉にする水車小屋のある所でもあった。平らなひきうすは,川の流れで回転する水車で動く仕組みになっていた。絵画的な趣は少ないが,いっそう能率的なのはダムの水力で電気を起こす水力タービンである。この方式は北米,ヨーロッパ,ソ連で広く用いられている。現在ドミニカ共和国では2か所で大がかりな水力発電の工事が行なわれている。同国の中心部ではタベラ・コンプレックスが6,000万ペソの予算で建設中であり,一方南部ではバルデシア計画に2,200万ペソがつぎ込まれている。
これらの計画が完成する1974年までには,広範囲に灌漑用の水が供給されるほか,国の隅々まで安い費用で電気が使えるようになると期待されている。
地球と水
神は,人間がこの地上で生きられるよう,水をつくられた。生きるためには水が必要である。水はまた,生活に楽しみも加えてくれる。あなたは夕暮れの涼しいころ湖のほとりにすわって,太陽が鏡のような水面のはるかかなたまで影を映しながら沈んで行く美しい光景を見たことがあるだろうか。あなたは月の淡い光を浴びながら,静かな湾をカヌーを漕いで渡ったことがあるだろうか。あなたは,すさまじい音をたてて落下する滝の水が下の岩に打ち砕けて白いあわとなる驚嘆すべき光景を見たことがあるだろうか。あなたは海の波が岩に激しく打ち砕ける力強い怒号を聞いたことがあるだろうか。これらはすべて,創造者の人間への賜物である。
わたしたちが冷い飲み物を楽しむ時に,創造者からのこの贈物は,それ自体珍しいものであるということに気づかないかもしれない。これは水がこの地上で,液体,気体(水蒸気),個体(氷)という三つの異なった自然の形で存在する唯一のありふれた物質だからである。水に関するもう一つの不思議なことは,他のほとんどの物質は凍ると収縮するが,水はそれとは逆に膨張するということである。そのわけで氷は,それよりも重い液体の上に浮くのである。もし氷が浮かなかったら,地上は北極のような生命のない荒地となってしまうかもしれない。そしてやがては,水全体が固い氷になってしまい,夏の間だけ表面に薄い水の層ができることになろう。
空気がなくても存在できる単純な生物はいくらかいるかもしれないが,水なしで生き残れるものはいない。というのはそうした有機体は自分の食物の分解をすべて水に依存しているからだ。人間は食物がなくても1か月かそこらは生きられるが,水がなかったら5日から10日ほどしか生きられない。事はそれほど簡単である。水がなければ生きられないということである。
音をたてて流れる渓流の水で元気づけられたわたしたちは,それからまた旅を続けた。わたしたちの心は,創造者の知恵と善に対する感謝の念で満たされた。エホバは水というすばらしい賜物を人間に与えられた時,たしかにそうした特質を表わされたのである。
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人口問題目ざめよ! 1972 | 4月8日
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人口問題
● 最近,人口数理学の一権威者はメキシコの例を取り上げて人口問題に関する暗い見通しを示し,「人類の数と分布」と題する記事の中で次のように述べた。「メキシコの人口はその増加率からすれば,21年以内に現在の5,000万人が2倍にふえ,42年以内に4倍,63年以内に8倍にふえるであろう。したがって,もしこの増加率がこのまま続くなら,今生まれる子供が第一線の生活から隠退しないうちにメキシコは4億の人口をかかえることになるであろう」。とはいえ,このような推測は,まもなく神が人類の諸問題に介入しようとしておられることを示す,確かな聖書の証拠を見落としている。
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