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あなたの聴衆を納得させ,聴衆とともに推論しなさい神権宣教学校案内書
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べきかは,持ち時間と,論議中の論題に関してその論点が占めている相対的な重要性によって決まります。
21 聴衆を助けて推論させるのに,質問をするのは,いつでも良いことです。適当な休止を伴う,修辞的な質問,つまり聴衆の答えを期待せずに聴衆に提出する質問は,考えを鼓舞するものとなります。野外宣教の場合のように,ただひとりかふたりの人に話しかけるさいには,話を進めながら質問をして,相手にも話をさせることができます。そうすることによって,自分の述べる考えを相手が確かに把握し,かつ受け入れられるようにしてください。
22 あなたは聴衆の思いを導きたいと願っているのですから,聴衆が自分自身の経験,またはあなたの論議の初めの部分を通してであれ,すでに知っている事がらを基にして話を進めてゆかねばなりません。ですから,ある論点を十分発展させたかどうかを決めるには,聴衆がその論題についてすでに何を知っているかを考慮しなければなりません。
23 聴衆の反応を見守り,聴衆が話の意味を理解しているかどうかを確かめるのは,常に重要です。必要ならば,次の論議に進む前に元に戻って,論点をはっきりさせてください。聴衆が推論できるよう注意して助けないと,聴衆は考えのつながりを容易に見失うおそれがあります。
24. あなたの聴衆に対して論議を適用することは,どんな良い目的にかないますか。
24 聴衆に対して適用する。どんな論議を述べるにしても,考慮中の問題と論議との関係をはっきり指摘することによって,必ず締めくくりをつけてください。同時に,話の中に動因となる事がらを含めて,述べられた諸事実と合致する行動を起こすよう,聴衆を励ましてください。あなたの述べることが聴衆をほんとうに納得させるならば,聴衆はすぐ行動を起こせるでしょう。
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意味の強調と抑揚神権宣教学校案内書
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研究 32
意味の強調と抑揚
1,2. 意味の強調はどんな点で話に寄与するものとなりますか。
1 意味の強調と抑揚が加わってはじめて,話は色彩に富む,意味深いものになります。さもなければ,考えが曲解されたり,関心が低迷したりします。これら2つの特質のうち,意味の強調のほうが容易に修得できるので,この点を最初に取り上げます。
2 意味の強調によって何を成し遂げられるかを念頭においてください。それは,正確な意味を伝え,かつその相対的な重要性を聴衆に示すような仕方で,ことば,もしくは考えを強調することです。単に強く,あるいは軽く強調するだけで良い場合もあれば,時には,微妙な陰影を付す必要のある場合もあります。
3-7. 意味の強調の上手な仕方を修得する方法を述べなさい。
3 文章の中の考えを伝えることばを強調する。基本的に言って,どこを強調するかとは,どのことばを強調するかということです。それには,考えを伝えることばを見分けて,それを正しく強調し,周囲のことばから目だたさせる必要があります。考えを伝えることば以外のものを強調すると,意味があいまいになったり,曲解されたりするでしょう。
4 日常の話の場合,たいていの人は意味を明確に伝えます。格助詞を強調するといった特定の常習的なくせでもないかぎり,この面では特に問題はないはずです。強調の置き方の点で著しい弱点があるとすれば,それはたいてい,なんらかのそうしたくせのためです。もし,あなたがこうした問題を持っているならば,それを克服するために熱心に努力してください。普通,こうしたくせは,1,2回の話で直せるものではありませんから,強調の置き所が悪くても,意味を曲解させるほどのものでなければ,助言者は,あなたが次の点に進むのを許すでしょう。それにしても,きわめて力強い効果的な話を行なえるようになるため,正しい強調の置き方を十分に修得するまで,努力しつづけてください。
5 普通,純粋の即席の話よりも公の朗読のために準備をする場合のほうが,意味の強調にいっそう意識的な考慮を払わねばなりません。それは,会衆の「ものみの塔」研究で節を読むさいと同様,話の中で聖句を読むことについてもあてはまります。朗読のさい,意味の強調にいっそう注意を払わねばならないのは,わたしたちが読む資料はたいてい他の人が書いたものだからです。それで考えを分析し,表現そのものを何度も読み返して,それになじむまで資料を注意深く研究すべきです。
6 どうすれば,ことばの強調もしくは意味の強調を十分に行なえますか。それには次のようなさまざまな方法があり,それらはしばしば併用されます。つまり,声量を増す。強さ,もしくは感情をいっそうこめる。調子をさげたり,声の高さを増したりする。ゆるやかな落着いた言い回しをする。速さを増す。陳述の前あるいは後(もしくは前後両方)に休止を置く。身ぶりや表情を用いるなどのさまざまな方法があります。
7 最初は,強調の置き方が適当かどうか,また,かぎとなることばを目だたせるのに十分かどうかをおもに考慮してください。ですから,資料を準備するさい,それが朗読であれば,かぎとなることばに傍線を付してください。即席の話であれば,考えを頭の中にはっきりと入れてください。あなたのノートに書かれている,かぎとなることばを用い,さらに,それらのことばを強調してください。
8,9. 主要な考えを強調するのはたいせつです。なぜですか。
8 話の中の主要な考えを強調する。これは意味の強調の中でも,特にしばしば欠ける点です。そうした話には盛り上がりがありません。目だつものが何もないのです。ですから,話が終わった時には,たいてい著しい点を何も思い出すことができません。たとえ,要点を目だたせるための適切な準備がなされても,そうした点を正しく強調して話さないと,要点はあまり目だたず,見失われてしまうおそれさえあります。
9 この問題を克服するには,資料を注意深く分析しなければなりません。話の中で最も重要な論点はなんですか。次に重要な論点はなんですか。話の要旨を1,2の文章で述べてほしいと言われたなら,なんと言えますか。こうした問いに答えるのは,話の最重要点を見分ける最善の方法の1つです。その答えがわかったなら,あなたのノートあるいは原稿のその点にしるしをつけてください。これであなたは,それらの論点を最高潮へと盛り上げることができます。それらはあなたの話の最高潮を成す点ですから,もし,資料の配列が適切で,そのうえ,かなりの強調を加えて話すならば,聴衆は主要な考えを記憶できるでしょう。それこそ,あなたの話の目的なのです。
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10-12. 抑揚とはなんですか。説明しなさい。
10 意味の強調を簡単な仕方で行なうだけでも,自分の述べることを聴衆に理解させることができますが,抑揚を通して強調の仕方を変化に富んだものにすれば,話を聴衆にとってたいへん楽しいものにすることができます。あなたは野外奉仕のさい,また,会衆に対して話をする特権にあずかる場合,抑揚を活用していますか。
11 抑揚とは,聴衆の関心を保ち,考えの進展および話し手の感情を明示するために,声の高さ・速さ・力を断続的に変化させることです。最善の効果を上げるには,抑揚は特定の話の資料の許す範囲内で十分の変化と色彩に富んだものであるべきです。抑揚の幅の高いほうの範囲では,興奮,熱意,強い関心を順に表わし,その度合いはしだいに弱まり,
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