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聴衆との接触とノートの用い方神権宣教学校案内書
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19 さて,両方の筋書きを目の前に置き,簡単にした筋書きだけを見て,最初の要点に関し,できるだけ多くのことを言ってごらんなさい。次に,詳しい筋書きをちょっと見て,言い落とした点があるかどうかを調べてください。次いで,簡単な筋書きの第2の要点に移って,同じことをしてごらんなさい。やがて,あなたは短いほうの筋書きに十分慣れて,簡単な短いノートに注目するだけで,詳しい筋書きに収められている事がらをみな思い起こせるようになるでしょう。そして,練習と経験を積むにつれ,即席の話し方の利点の真価を認めさせるようになるとともに,どうしても必要なときだけ,原稿を使うようになるでしょう。また,あなたは,話をするさい,いっそう気持ちを楽にすることができ,聴衆はいっそうの敬意を払って聴くでしょう。
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流ちょうで会話的な話し方と正しい発音神権宣教学校案内書
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研究 29
流ちょうで会話的な話し方と正しい発音
1-4. 流ちょうさの欠如の原因と徴候をあげなさい。
1 聴衆を前にして立って話すさい,あなたはしばしば適切なことばを見つけようとして戸惑いますか。あるいは,朗読するさい,ある言い回しにつまずきますか。もし,そうであれば,流ちょうさが問題なのです。流ちょうな話し手とは,ことばの用い方の巧みな人です。とはいっても,「舌のよく回る」人,つまり無考えに,あるいは,いい加減によくしゃべる人という意味ではありません。流ちょうな話とは,楽々と,あるいはのびのびと流れるように続く,よどみない,もしくは快い優美な話なのです。流ちょうさは特別の注意に値する点として,「話の助言」の用紙に掲げられています。
2 話をするさい,流ちょうさに欠けるのは,まずたいていの場合,考えの明快さと資料の準備の不足のためです。同時に,語彙の乏しさ,あるいはことばの選択のまずさも,その原因となります。朗読の場合,流ちょうさに欠けるのは,たいてい朗読の練習不足のためです。とはいえ,ここでも,ことばの知識の不足は,読み方でつかえたり,ためらったりする原因となります。野外宣教で流ちょうさに欠けている場合,以上の要因に加えて,小心もしくは自信の不足も災いします。この場合,問題はきわめて重大と言わねばなりません。なぜなら,相手が聞くのをすっかりやめて引っ込んでしまう場合さえあるからです。王国会館では聴衆が文字どおり出て行ってしまうことはないにしても,聴衆の思いはよそごとにさまようようになり,話はほとんど耳にはいらなくなるでしょう。ですから,これは重大な問題です。確かに流ちょうさは身につけなければならない特質といえます。
3 「ええと」あるいはその他同様のむだなことばをはさむ常習的でやっかいなくせを持つ話し手は少なくありません。話をするさい,自分がそうしたことばをどれほど多用しているかに気づいていない人は,試みに自分の話をだれかに聞いてもらい,その種のことばを発するたびに,それを繰り返してもらうようにしてごらんなさい。驚かされるでしょう。
4 また,話をしながら必ず前に戻って言い直す,つまり,話しはじめたかと思うと,途中で話をさえぎって,最初からもう一度言い直す人もいます。こうした悪いくせで困っている人は,日常の会話でそうしたくせを克服するよう努めてください。まず最初に考えて,自分の考えを頭の中で明確につかむよう意識的に努力してください。次いで,途中でやめたり,あるいは,いわゆる“流れの中ほど”で考えを変えたりせずに,ひとまとめの考えを終わりまで述べてください。
5-10. 話し手の流ちょうさの問題を改善するための提案を述べなさい。
5 もうひと言。わたしたちは,自分の考えを述べるさい,ことばをどのように用いるかには慣れています。したがって,自分の言いたいことをはっきりと知ってさえいれば,ことばは自然に出てきます。ことばのことを考える必要はないのです。事実,練習のためには,まず自分の思いの中にある考えをはっきりさせ,考えながら話すほうが良いのです。そうすれば,そして,話そうとすることばよりも,考えに留意するならば,ことばは自動的に出てくるはずであり,また,自分が実際に感じているとおりに,自分の考えを表現できるはずです。しかし,考えよりもことばに気を使いだすと,たちまち話はつかえるようになります。
6 流ちょうさの点であなたの持っている問題がことばの選択のそれであれば,語彙をふやすための,なんらかの定期的な研究が必要かもしれません。「ものみの塔」誌その他の協会の出版物を読むさい,自分のよく知らないことばに特に注意し,それを日常使う語彙に加えてください。
7 流ちょうに読めないのは,たいていことばをよく知らないためですから,この問題を持っている人は,朗読の練習を定期的また組織的に行なうのが良いでしょう。
8 そうする1つの方法は,資料の中から1,2節を選んで,そこに盛られている考え全体をよく知るまで注意深く繰り返して黙読することです。それぞれの考えを類別し,必要ならばしるしをつけてください。次いで,その部分の朗読を練習してください。練習のさい,類別された考えが述べられている箇所全体を一度も口ごもらずに,あるいはまちがった場所で中断せずに読めるようになるまで繰り返し読んでください。
9 よく知らない,あるいはむずかしいことばは,楽に言えるようになるまで何回も発音してみるべきです。そのことばを言えるようになったなら,そのことばを含む文章全体を読み,よく知っている他のことば同様に自由にその箇所を読めるようになるまで練習してください。
10 同時に,見てすぐ読むことを定期的に練習してください。たとえば,日々の聖句と注解の説明文を目にしたなら,まず声を出して読んでください。一時に単に1語を見るのではなく,まとまった考えを述べている,幾つかの語群を目で捕えることに慣れてください。練習しさえすれば,効果的な話し方と読み方のこの肝要な特質を取得できます。
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11-15. 会話的な特質は,用いる表現にどのように依存していますか。
11 助言用紙に取り上げられている別の望ましい話の特性は,「会話的な特質」です。それはあなたの日常生活に見られるものですが,立って話をするさい,あなたはそうした特質を表わしておられますか。一群の人々を前にしてでさえ容易に会話をかわす人が,“話をする”よう前もって依頼されると,どうしたものか,とかく形式ばった,どちらかといえば“説教調”の話をする人がいます。ところが,公の話をするさいの最も効果的な話し方は,会話的なスタイルの話し方なのです。
12 会話的な表現を用いる。会話的な話し方がどれほど効果的になされるかは,どんな表現を用いるかにおおかた依存しています。即席の話を準備するさい,文字になっている表現をそっくりそのまま繰り返すのは,たいてい良くありません。書きことばと話しことばとは異なるからです。ですから,文字に表わされている考えを自分自身の固有の表現をもって言い表わしてください。複雑な構造の文章を避けてください。
13 演壇でする話は,あなたの日常用いる表現を反映するものであるべきです。「気取った」話し方をすべきではありません。それにしても,
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